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8.砂漠での生活

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 砂漠は危険場所である。日中は暑く脱水症状になりやすく、夜は日差しがなくなると寒くなり夜間の温度差で体調を崩しやすくなる。

 今日もサトルは砂漠を抜ける為にまなみと歩いている。水分や食料についてはサトルのスキルで調達できるのだが、暑さや寒さはダムの外にいる時は無理だった。

 まなみはここ数日間砂漠を歩いた事でなかり疲労していた。サトルからもらった飲み物で多少は楽になったが18歳の女性には砂漠はきつかった。

 あまりの暑さに倒れてしまった。サトルは悩んだ末にダムから空のドラム缶を持ってきてダムの水を注ぎ簡易的な水風呂を作った。
 その中にまなみをゆっくり入れた。服は着たままだ。脱がしても良かったのだが服も汗まみれだったので洗濯ついでに良かった。

 バチャン!

 水に入れた途端まなみは意識を取り戻す。

 「冷たっ!えー水!なんで?」

 「良かった気づいたか、大変だったぞ。」

 「サトルさんごめんなさい迷惑をかけまして。しかも貴重な水をこんなに使わせてしまって。」

 「気づいたからいいさ。命が助かったと思えば安いもんだよ。」

 今日は一日安静にしようと思い野営の準備をする。ダムには簡易テントなどの防災グッズもあったが食料はなかった。

 簡易テントを張り外にはドラム缶風呂を準備する。ドラム缶に水を半分入れて蒸発しないように空いた口をビニールシートと麻紐で固定する。

 砂漠の熱で日が落ちるまでにお湯になっていると思う。暑かったらダムの水を入れて調整するといい。

 日も落ちて夜になり寒くなってきたのでまなみからドラム缶風呂に入るように進める。まなみが風呂に入っている時もサトルは砂をアイテムボックスに収納している。

 まなみが風呂から上がってきた。風呂上がりは色っぽかった。ポロリも期待したのだが無かった残念。
 サトルも風呂に入り体を温めた。

 まなみの体調も良くなっていた。今日はシーフード味のカップ麺を仲良く食べた。まなみはシーフード味が一番好きらしい。

 異世界にきて体力や精神的に強くなったのでサトルは野営の見張りをやっている。病み上がりの女性にはやらせない。
 差し入れに自動販売機にあった銀貨5枚のエナジードリンクを渡した。《鑑定》した結果異世界のポーションと表示があった。

 翌日、まなみは元気を取り戻した。今日からまた砂漠を歩く。まだまだ道のりは遠いがまなみの笑顔を見て頑張ろうと思うサトルだった。
 
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