異世界に一つだけ持って行けると言われたので『ダム』と答えました。

24.制裁

　翌日商業ギルドにサトルは向かった。商業ギルドに着くと直ぐにギルドマスター室に案内された。

　｢サトル待っていたぞ。座ってくれ。｣

　｢ハンターから聞いたが商業ギルドと鍛冶ギルドが共同で抗議をするとかいってきたがどうなったんだ？｣

　｢2つのギルドが共同で冒険者ギルド本部に抗議文を出した。内容はだな・・・｣


　抗議文内容

　1.商業ギルド会員の提出した商業ギルドプーリットル支部ギルドマスターの推薦状を見ないで破り捨てた事は遺憾である。商業ギルド本部としても存続を甘く見られている行為と判断して現状冒険者ギルドに格安で提供しているポーションをはじめ全ての商品は冒険者ギルドに納品しない。
　また、プーリットル支部冒険者ギルド受付であるレーラ・ゲルドルマに対しての処罰と商業ギルド会員への謝罪を実行しない場合は永久的に納品をストップさせる。納得いかない場合も即実行する。

　2.鍛冶ギルド本部としては長年冒険者ギルドプーリットル支部の会員による嫌がらせを報告しているのにも係わらず対応や謝罪が無いため今後全冒険者ギルドに対して武器・防具の納品は行わない。
　
　他にも数点あったがこれだけでも冒険者ギルドの運営が悪くなるのは確実だ。

　｢それで冒険者ギルドはどうしたんですか？処罰したんですか？｣

　｢今のところ冒険者ギルドプーリットル支部は動いていない。なぜからレーラ・ゲルドルマの父親がプーリットル支部のギルドマスターだからだ。だが、今回は庇いきれないだろうな。本部から支部のギルドマスターに処罰が行われるからな。｣

　｢どんな処罰？懲戒解雇？減給？地位剥奪？｣

　｢当然、首切りで責任を押しつけられて財産没収が濃厚だな。｣

　｢ふーん。受付は？｣

　｢奴隷落ちになるだろうな。周辺調査していたら色々出てきたからな。父親の地位を利用して鍛冶ギルドや商業ギルドに嫌がらせをしていたからな。｣

　｢クズだな。あいつ、可愛くもないのに駄目な女だ。｣

　

　次の日冒険者ギルドプーリットル支部は騒がしかった。冒険者ギルド本部から通達が来たのだ。内容はギルドマスター、ゴールト・ゲルドルマのギルドマスター解雇の通達が来たのだ。
　理由はその通達にこと細かく書かれていた。

　1.レーラ・ゲルドルマによる商業ギルド・鍛冶ギルドに対しての嫌がらせの隠蔽または援助。

　2.冒険者ギルドプーリットル支部の怠慢による信用の損失。

　3.娘レーラ・ゲルドルマの管理不足。

　また、損害賠償金貨3000枚も記入されていた。

　それを見たプーリットル支部冒険者ギルドマスターは真っ青になり黙り込んでいた。

　｢どうなっているんだ？上手くいっていたのだなんでだ？｣

　｢あら、お父様どうしたのかしら？｣

　そこに、問題受付のレーラが入ってきた。

　｢レーラ！この間紹介状を持った者がやってこなかったか？｣

　｢うーん、なんか来ましたね。いつも通り破いてやりましたよ。｣

　｢なんてことをしてくれたんだ。その紹介状は商業ギルドマスターからのだったんだそ！なぜ見なかった？｣

　｢商業ギルドマスターからの紹介状？？えっそんな！大丈夫ですよね。お父さま？いつも通り。｣

　｢今回は無理そうだ。ギルドマスターを解雇されて賠償金も金貨3000枚、おしまいだ。なんてことをしてくれたんだー！｣

　｢そんなー！私はどうなるんですか？｣
　　
　｢奴隷落ちらしい。キチンと謝罪しないと罪がおもくなるらしい。｣

　｢謝罪なんてしたくありませんわ！｣

　｢しないと罰が厳しくなる！やって貰う。｣

　その言葉にさらに青くなっていくレーラ。

　そして、謝罪当日になった。

　レーラは逃げだして謝罪の場所には居なかった。