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小野塚くんが途中でコンビニに寄ると言うので一緒に行き、ついでにトイレを借りて戻ると、カゴいっぱいにお酒やペットボトルのお茶、スナック菓子や惣菜が入っていた。
「そんなに買うの?」
「言うほどなくない? 井上さんも夕飯まだでしょ?」
「まだだけど……」
コンビニ価格を気にしないのか。激安スーパーに慣れきった私には衝撃だ。
「支払いしてくるから雑誌コーナーにでもいっててよ」
「私も払う」
「いいから、あっち」
と手の甲を払われた。
「あとでいくらか教えてよ」
「そういうのいいって」
とうるさそうに言われて軽く傷ついた。
雑誌はどれも店にある。漫画雑誌の表紙を眺めて、視線を移していくと、セクシーな水着姿の女の子のグラビアやそれっぽい漫画コーナーになったので目をそらす。立ち読みは気が引けるので、ブランドのオマケがついた雑誌を見比べたりしていたら、小野塚くんがやってきた。
コンビニを出て再び私の部屋を目指す。あれ? なんか、目的変わってきてない? 私の部屋を見たら帰りたくなるはずって思うんだけど。これ、普通に遊びに来てる感じじゃない? あれ? こんな趣旨だったっけ? と私が首をひねっていると、どうしたの? と不思議そうにのぞき込まれた。
「私の部屋を見たら帰りたくなるはずだって思ってる」
「そうなの? 友達と家飲みした事ないの?」
「誰かがうちにくるなんて小学校以来だもん」
「じゃあ、家飲みは初めて?」
「うちに人が来ること自体初めて」
「前もそうだったけど、井上さんは色んな初めてをおれにくれるね」
「いや、たまたまだよ」
「たまたまか」
「うん」
「おれってやっぱもってるな。幸運の星のもとに生まれてる」
「それは、なにより」
そもそも私に構おうとする人なんて、小野塚くんと、少しだけだけど、吉沢さんくらいだし。吉沢さんだって、あのアパートを見てちょっと引いていた。同情されるレベルのぼろアパートに住んでいる女。来月までに立ち退き勧告されてるし。あっ。コンビニで住宅情報誌みればよかった。
「なんか元気ないね」
「まあちょっと色々あってね」
「職場?」
「ううん。違う」
「じゃあどうしたの? なにに悩んでるの?」
「ま。色々とね」
小野塚くんは不服そうに私をみるけど、久しぶりに再会した相手に打ち明けるような内容じゃない。しばらく歩いていると見慣れた我が家が近づいきた。夜の闇が更に濃くなるような佇まい。左側にひっそりとひそんでいる。
「百年の恋も覚めるぼろアパートへようこそ」
私は冗談めかしていう。さあ、ドン引け。華麗なる一族のサラブレッドくん。
と、小野塚くんをみる。
「そんなに買うの?」
「言うほどなくない? 井上さんも夕飯まだでしょ?」
「まだだけど……」
コンビニ価格を気にしないのか。激安スーパーに慣れきった私には衝撃だ。
「支払いしてくるから雑誌コーナーにでもいっててよ」
「私も払う」
「いいから、あっち」
と手の甲を払われた。
「あとでいくらか教えてよ」
「そういうのいいって」
とうるさそうに言われて軽く傷ついた。
雑誌はどれも店にある。漫画雑誌の表紙を眺めて、視線を移していくと、セクシーな水着姿の女の子のグラビアやそれっぽい漫画コーナーになったので目をそらす。立ち読みは気が引けるので、ブランドのオマケがついた雑誌を見比べたりしていたら、小野塚くんがやってきた。
コンビニを出て再び私の部屋を目指す。あれ? なんか、目的変わってきてない? 私の部屋を見たら帰りたくなるはずって思うんだけど。これ、普通に遊びに来てる感じじゃない? あれ? こんな趣旨だったっけ? と私が首をひねっていると、どうしたの? と不思議そうにのぞき込まれた。
「私の部屋を見たら帰りたくなるはずだって思ってる」
「そうなの? 友達と家飲みした事ないの?」
「誰かがうちにくるなんて小学校以来だもん」
「じゃあ、家飲みは初めて?」
「うちに人が来ること自体初めて」
「前もそうだったけど、井上さんは色んな初めてをおれにくれるね」
「いや、たまたまだよ」
「たまたまか」
「うん」
「おれってやっぱもってるな。幸運の星のもとに生まれてる」
「それは、なにより」
そもそも私に構おうとする人なんて、小野塚くんと、少しだけだけど、吉沢さんくらいだし。吉沢さんだって、あのアパートを見てちょっと引いていた。同情されるレベルのぼろアパートに住んでいる女。来月までに立ち退き勧告されてるし。あっ。コンビニで住宅情報誌みればよかった。
「なんか元気ないね」
「まあちょっと色々あってね」
「職場?」
「ううん。違う」
「じゃあどうしたの? なにに悩んでるの?」
「ま。色々とね」
小野塚くんは不服そうに私をみるけど、久しぶりに再会した相手に打ち明けるような内容じゃない。しばらく歩いていると見慣れた我が家が近づいきた。夜の闇が更に濃くなるような佇まい。左側にひっそりとひそんでいる。
「百年の恋も覚めるぼろアパートへようこそ」
私は冗談めかしていう。さあ、ドン引け。華麗なる一族のサラブレッドくん。
と、小野塚くんをみる。
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