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第10話 絡まれ事件と初めてのクエスト
しおりを挟む「おいっ! よそ者が俺のシルちゃんとイチャついてんじゃねぇーよ」
冒険者ギルド内で突然そんな大声が聞こえた。
俺はその声が聞こえた方向を向く。
そこには、大きな体に鉄の鎧を纏った大男が俺を睨むように、仁王立ちで立っていた。
「えーっと、俺に用ですか? それとも、シルフィーに用ですか?」
正直言って、この大男が誰に用があるのかなど分かっている。分かっていて俺はそんな事を口にした。
まあ、そんな事を口にしたら大男の頭は激おこプンプン丸になるだろう。
「お前だよ! よそ者なんてお前しかいないだろ!!」
俺の返答で相当頭に来たのだろう。顔が真っ赤だ。
酔ってんのかな。普通にそう思うレベルで真っ赤だ。
「俺に用があるんですね。それで、なんの用事ですか?」
「あぁ? 俺様に向かってタメ口とは良い度胸だなぁ? 俺はなぁ、この冒険者ギルド内でシルちゃんに一番恩を売ってるお方なんだよ。だからなぁ、お前みたいなよそ者がシルちゃんと仲良くしてたら困るんだよぉ」
「はぁ‥‥‥」
大男はやたらと長い言葉を俺にぶつけてくる。
カウンターのとこにいるシルフィーの顔を伺う。
すると、シルフィーは困った表情をしていた。
目が合う。
シルフィーが口パクで何かを言っている。
「‥‥‥えっと、いっつも私に付きまとってくる人。だから、凄く迷惑なんですよねぇ」
シルフィーの口パク通りに俺の口からその言葉が小声で出てくる。
「何を言ってやがる?」
俺が小声で言っていたので大男が聞いてきた。
「えー、シルフィーが‥‥‥」
そこまで言いかけて、シルフィーの顔をもう一度見た。
だって、勝手に『迷惑してる』なんて言ったら何か言われるかもしれない。だから、確認はしておくべきだ。
俺はシルフィーに口パクで、シルフィーが大男の事がとっても迷惑なんだという事を言っていいのかの確認を取る。
えっと‥‥‥何度も迷惑だって言ってるけど無視して何度も何度も言い寄ってくる。ギルドの同僚に迷惑かけてるから申し訳ない。
シルフィーの口パクを脳内で再生する。
そういうことか。この大男は、ストーカーの類のヤツなのね。
そう思いながら、俺は再び大男の方を向き直った。
「正直、あんたが誰なのかなんて俺からすればどうでもいいのだけれど、シルフィーがあんたの事迷惑としか思ってないと思うから、もう諦めた方がいいぞ」
「はぁ? 何を根拠に言ってやがるんだ!?」
頭に血が上った大男は突っかかってくる。
そんな大男を見て、俺はため息を吐く。
「それは‥‥‥」
そこまで言いかけて、口を閉じてしまう。
このままシルフィーが言ってたなんて言ったら、シルフィーに被害が及ぶかもしれない。
ここは、穏便に済ませよう。
「それは‥‥‥俺がそう思ったからだ。ストーカーさん」
シルフィーが言ったのだが、俺が勝手に思ったという事を伝えた。
すると大男の表情がピクリと動く。
「あぁん。お前、俺に喧嘩を売ったな? まあ、いいが、今から謝ったとしても遅い。もうお前は、殺す」
大男の口からそんな言葉が出てくるのと同時に、周りから声が聞こえてきた。
「やれやれ! やっちまえ!」
「シルフィーちゃんはお前のもんじゃねぇぞ!」
「俺も参加するか。シルフィーちゃんを守るために」
そんな言葉が聞こえる。
最後のに関しては、何故か俺が悪者扱いをされている。
そして、大男の後ろから一人の男が現れた。
「ウエスタ、お前もやるのか?」
「ああ。シルフィーちゃんは俺たちのもんだからな」
周りからの声で、俺の前にいる二人は、勝手に盛り上がっていく。
穏便に済ませよう、そう思ったはずなのになんでこうなってんの!?
「はぁー。シルフィーの為にはなるけど、人に迷惑をかけることはしない方がいいと思うよ?」
俺は、勝手に盛り上がっていた二人に言う。
「お前、後悔するなよ」
「死んどけ」
二人は俺にその言葉をぶつけると同時に動き出した。
その瞬間、俺も動く。
まずは、大男の方から倒すか。
俺は、身体強化【攻】をスキル創造で創る。
『スキル創造が発動して、身体強化【攻】を作りました。Lvが最大まで上がり10になりました。最大までLvが上がったので、武術統合に統合します』
そんな機械音が聞こえるとともにスキルを発動し、俺は大男に溝打ちをお見舞いする。
「ぐはぁっっ」
一瞬の出来事すぎたのだろうか。
後から入ってきた男が大男が倒れる姿を見て驚いている。
俺はそれを利用して、男にも溝打ちをお見舞いしてやる。
「かはぁっっ」
見事な溝打ちだったので、男は溝を押さえてその場に倒れた。
俺はそんな二人を見て、
「俺の勝ち?で良いですね。これからはシルフィーに近寄らないでください」
そう言うと同時に周りの雰囲気が変わる。
まあ、俺は気にする事なく、シルフィーのとこに行くべきかクエストをしに行くべきか、その場で迷ってしまった。
***
それからしばらくして、シルフィーにあまりにも言い寄りすぎていた大男の冒険者には、冒険者ギルドのギルドマスターが不在の為、ギルドマスター代理が大男ともう一人の男の冒険者登録の解除と冒険者カード剥奪、その二つが下された。
俺はというと、シルフィーと少しだけ話した後すぐにグラス・ウルフのクエストをクリアする為に冒険者ギルドを後にした。
「ここでいいかな」
グラス・ウルフが出ると噂されているところについた俺は周りを見渡す。
周りは、どこまでも緑の草でいっぱいだった。
それとここまで来るのに、約15分程だったかな。
しかし、ここ静かというか、いい風が吹いていると思う。
その時だった。
感覚がわからないが、体に何かが走る。
「グルルルゥゥゥッ!」
瞬間、人の声ではない犬のような声が聞こえてきた。
その声が聞こえてきた方向を見てみると、そこには三匹の狼が、俺を睨むようにしていた。
俺は狼に向かって解析のスキルを使う。
名前 :グラス・ウルフA
種族 :魔物
レベル:3
スキル:威圧
魔法 :
称号 :魔物
名前 :グラス・ウルフB
種族 :魔物
レベル:4
スキル:威圧
魔法 :
称号 :魔物
名前 :グラス・ウルフC
種族 :魔物
レベル:4
スキル:気配察知
魔法 :
称号 :魔物
目の前に出てきたのは、俺の目的であったグラス・ウルフのステータスだった。
それにしても、スライムよりレベルが高い。
まあ、スライムよりレベルが高かったとしても今の俺には到底及ばない。
というわけで、早速グラス・ウルフを倒すことにする。
俺が戦闘態勢に入るのと同時に、体が微力的にだが何かを感じ取った。超少しだけ怯んだって感じかな。
グラス・ウルフの威圧か?
頭の中でそんな事を考えながら、
「まあ、いいか。どうせ効かないんだし。威圧は」
剣を鞘から抜く。
そんな俺の姿を見たグラス・ウルフたちは威嚇をしてくる。
がるるるるるぅぅぅ。
すると、Bが俺に襲い掛かって来た。
剣の戦い方なんて俺の中にはないので、剣の振り方はおかしくなるが、当たれば絶対倒せる。絶対に。
「せいっ!」
声を出しながら、襲い掛かってきたBの頭を剣で斬った。
その瞬間、バキッという音が聞こえる。そしてBの頭から血が噴水のように吹き出る。
「おおぅ、結構グロテスクだな」
吹き出ている血を見て、俺はそう口にした。
なんというか、この血の出方、赤色の絵具を振り回してるみたいだな。
そんなBが死んだ姿を見た、グラス・ウルフA、Cが遠吠えを上げて襲い掛かってきた。
俺はそんなA、Cの攻撃を躱して、一匹ずつ仕留める。
仕留められたグラス・ウルフA、CはBと同じように噴水のように血飛沫を上げまくった。
そんな光景を見て、
「やっぱり、グロテスクだ」
そう思ってしまった。
ふと、剣を見た。
すると、剣には草原狼を倒した時に付着してしまった血が付いている。
んー。このまま鞘に入れるのも汚いしな。そらに、臭いが気になってしまうな。
そう思いながら、俺はあることに気がついた。
「水魔法があるじゃないか!」
そいうわけで、早速水魔法を使うわけなのだが、どうやって使えば良いのかがわからない。
んーー‥‥‥。
しばらく考えた。が、分かる気配がしない。
とりあえず可能性にかけて、英語の発音で言ってみるかな。
ちなみに、水=ウォーター。みたいな感じだ。
「ウォーター」
そんな声とともに、目の前に魔法陣のようなものが現れて、蛇口から出てくるような水が真下に落ちていった。
‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
成功といえば、成功だろう。だけど、肝心な剣に付いた血は落とせないだろう。
ウォーターで水魔法が使えるのなら‥‥‥もっと考えれば分かるはずだ。
俺は頭をフル回転させて考える。
そして、分かった。
「水はウォーター。なら、綺麗にするのだから、清潔にする水、でいけるはず」
そんな声とともに、剣に付いていた血が見る見るうちに取れていった。
「成功、だな」
***
剣を綺麗にすることができた俺は冒険者ギルドに戻った。
その途中、創れる分の魔法を全部創ってしまった。
それともしものことを考えて、ステータスを偽装するスキルを創っといた。
***
現在の霧雨灯流のステータス
名前 :霧雨灯流
種族 :人間(異世界人)
レベル:82
ギフト:神々の使徒
スキル: 経験値倍化EX・ギフト選択・スキル創造・魔法創造・武術統合・偽装・鑑定・解析・言語習得
魔法 :火魔法Lv10・水魔法Lv10・風魔法Lv10・土魔法Lv10・闇魔法Lv10・光魔法Lv10
称号 :異世界人・神々の使徒
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