薔薇と猛獣。

小堀 健

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美しい薔薇の、とある噂

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side灰崎はいざき かえで

「アンタ…っ、馬鹿だろ!何やっ…てんだよ!!」

「何って…んー。…襲ってる?」

くてん、と小首を傾げて言えば、辛そうにしながらも驚いた顔。

「アンタ、やっぱり…っ」

そう言って、嫌悪感たっぷりで俺を見上げる野上に…やっぱりなって思う。
コイツも…俺のあの噂、知ってんだ。

「やっばり、何だよ…っ?」

グチュグチュと卑猥な音を立てる俺のソコは、噂の信憑性を上げちゃう程には濡れて滑りが良くて。
でもさ、これはお前のせいなんだよ?
お前が…俺のこと真っ直ぐ見て、楓さん、なんて名前を呼ぶから。
我慢なんかできる訳無いじゃん。
ずっとーーお前の事が好きなのに。

「ん、ぁ…っ気持ち…ぃ?」

「…っ」

でもこの想いが、叶うことはないから。

「っ、安心しろよ…二度と…っん、ないから…っ!」

だから、今だけでいいから。
お前を覚えるくらい、感じさせて。
お前に抱かれた、という記憶だけでも残るように。

「何で…そ、な言い方…っ」

何で、なんて。
ほんっとお前って、ヒドイ男。

「お前が…俺を嫌ってんの、知ってんだよーー…」











side野上のがみ 悠真ゆうま
─────「はぁー…マジ午後からの講義ダルいわー。」

そう呟いた田中 りょうという男。
それに反応するのはいつも集まる3人では一番落ち着いている安永 郁実いくみ

「お前が人間心理がどうたらとかいう意味が分かんねぇの取るからだろ。」

「だってさー。あの講義の教授、巨乳じゃん?」

「…お前は何しに大学に来てんだよ…」

テラスで昼飯を食べながら、アホみたいな事をぬかす良に呆れて開いた口が塞がらない俺。

そんな俺に苦笑しながら、安永はとある方向を指差す。

「なぁ、あれ…」

安井の指の先には、一際目立つ容姿の男。
その隣に立つのは確か…経済学の教授か。

「灰崎…楓だっけ?あの噂って、本当なのかな?」

「あの噂って?」

「え、良、お前知らねぇの?!大学入って何年目だよ!」

「お前らと同じでまだ一年だわ!」

ぎゃあぎゃあ騒ぐ二人を尻目に、俺はその人ーー灰崎 楓を見る。

スラっとした長身に、日本人にしては長い足。
サラサラのストレートで襟足が長めのそのヘアスタイルは、パッと見女の子に見えなくもない。
その黒髪から覗く顔は、薔薇がよく似合いそうな…可憐で近寄りがたい色香がある。
それなのに、アイドルみたいにキラキラな笑顔を振りまくから。
この男を誰もが放って置くわけなんてなくて。
それこそ男にも女にも羨望の目で見られているらしい。
灰崎 楓という男を自分だけのモノにしたい、とーー。

ーー「だーかーらー!俺らが入った時には「灰崎 楓は誰にでも抱かれる」って噂があったんだよ!」

突然鼓膜に響いた安永の声に、我に返る。

「え?抱かれるって??あの人、そっちの人なの?てか、誰にでもってビッチじゃん!」

安永の言葉に驚く良。

「知らねーよ。ただ、あの人に告白して成功した女の子がいないから、そんな噂が出たんだと思うけど。」

ふーっとため息を吐いて、安永は呟く。


「…どうでも良い話を聞かすなよ。」

思いの外低く出てしまった声に、知らず苛立っていた事に気づく。

「悠真…?どうしたんだよ?」

「怒ってんの…?」

恐る恐るという感じで、俺を見つめる二人。

「別に。ただ…嫌いなんだよ。誰でもいいとかいうやつ。」

言って、食いかけのカレーを一気に頬張ったーー…




灰崎 楓は俺たちの一つ上の先輩だ。
講義が被ることも無いし、共通の友人も居ないから、関わり合うことはない。

そう、思っていた。

思っていたのにーー…


『あのー、お兄さんですかぁ?』

「誰だ、お前。」

『僕、灰崎 雅って言うんです。涼真…くんの友達の。』

何故か弟の携帯から漏れる、酷くゆったりとした喋りの、知らない男の言葉にそこに向かえば。

「いらっしゃーい、野上くん。」

「何でアンタ…」

「だってここ、俺の家だもん。」

一番会いたくない人がそこには居て。
いつも見かけるアイドルスマイルを浮かべていた。




side楓


ーーきっかけは些細なことだった。

いつも周りに人がいて、男にも女にも人気があって。
ゆったりとした服装で明るめの茶髪をしたそいつは、どこにでもいるイマドキな男子大学生。

名前は、野上だとか悠真だとか呼ばれてたから知ってた。

でも別に興味なんて無くて…それ以上知りたいなんて思って無かった。
なのに、さ。
あの、男にあるまじきマシュマロほっぺを緩ませて、ふわっと笑うから。
そんな笑顔を見ちゃったら…好きになっちゃったんだよ。
不覚にも。

それからは…見た目の割に真面目なやつだとか、かなり頭がいいだとか。
いつもつるんでいるのは安永と田中という二人だとか…
色々とアイツのことを知って。
更に好きになった。

けど…
終わりというものは無情にも訪れるもので。

ただ、すれ違っただけ。

それだけで…自分が野上 悠真に嫌われているという事実を知り、奈落の底へと叩き落とされた。


さっきまであんなに笑顔だったのに。
俺と目があった瞬間に表情が無になるなんてーー嫌われてるからに決まってる。

心外だなんて思わない。
きっと…あいつは知ってるんだ。
誰が流したのか知らないけど、いつの間にかあった噂。

ーー"灰崎 楓は誰にでも抱かれる"

確かに俺は俗に言うゲイだから、間違いじゃない。
けど…誰にでも、なんて事はない。
抱かれたのはいいなと思った人、数人にだけだ。
しかも、大学内で手を出したことはない。

だから大方、そっち系が好きな女子が俺が誰かれ構わず愛想振りまくから…そうなんじゃないかって噂にしちゃったんじゃないかな?なんて思ってる。
じゃなきゃ何だか切ない。
俺、そんな風に見えてんのかってさ。

まぁ、見えるから…アイツは俺を
嫌悪感たっぷりの瞳で見た訳だ。
今まで何人にもそんな目で見られてきたけど…
好きな相手からそんな視線を受けると、さすがの俺も堪えたみたいでーー


ーー「君が、誘ってくれる…なんて嬉しいよ…っ」

「ん…っ、ふぁ…」

経済学の教授が、俺のことを性的な目で見ていたのは知ってたから。
嫌いじゃない容姿だし、紳士的で優しいから。
きっと…アイツへの気持ちも消してくれる。
そう思ってーー抱かれた。



「兄ちゃん、どした?何かえらいんか?」

こっちの高校に入る為に上京したばかりの4つ下の弟。
まだ静岡の方言が抜けきれていない、その話し方に…少し、落ち着く。

「何も…無いよ。」

言えば、困ったように眉を下げて笑って、麦茶を渡してくれる。

「そうは見えないけどね。…俺もさ、兄ちゃんには色々相談に乗ってもらったし、助けてもらってるし。兄ちゃんがえらい時は、俺を頼ってよ。」

ソファーで体育座りをしている俺の隣に座りながら、ニカッと笑う。

「雅…」

「俺、兄ちゃんの笑顔が好きなんだよ。だからさ、えらいことは吐き出して、また笑って?」

最近急に大人びてきた弟は、そう言うと一気に麦茶を飲み干して寝室へと向かった。

ごめん…雅。
心配かけて。

後ろ姿を見送りながら、心の中でそう告げる。
優しくて賢い弟は、俺がまだ話せないことを知ってる。
それでも、頼ってくれと言ってくれたのは…それほどまでにひどい顔だったんだろう。


ーー教授に抱かれた俺だけど。
結局…アイツのことは忘れられなくて。
寧ろ、アイツの存在が俺の中で更に大きくなったような気がした。

不毛でしかない想い。
叶うはずなんて無いのに。
馬鹿な俺は、この感情を抑える術を知らないんだ。




……アイツとは接点がないまま、あの日から一年。
不毛な想いを抱えたままの俺はーーこの日、恋愛の神様はいるんだと実感した。






ーー『もしもし、兄ちゃん?』

「雅?何?」

『俺のね、恋人が熱出しちゃってさ。俺んちのが近いから、連れてってもい?』

恋人…
って、いっつも凄く綺麗で可愛いって惚気てる子か。

「ん。いいよ。…何か準備しとく?」

『あー…じゃあ、冷たい水と氷嚢だけ。お願いします!』

「ふはっ!ハイハイ。」

電話の向こうでビシッと敬礼をしていそうな勢いで俺に告げると、通話を切る。
俺はというと、雅たちが来る前に部屋を一通り片付け、雅に言われた物と卵がゆを用意して待っていた。

ーー【兄ちゃん、開けてー。】

十数分後、いつものゆったりした声が扉の向こうから届く。
急いで開ければ、扉の向こうでは汗だくの弟とその背中にちょこんと乗っかる可愛い子。

「涼真ー。着いたよー。」

「んー…」

ハァハァと辛そうに呼吸をする雅の恋人ーー涼真…くん。

「話には聞いてたけど…お前の恋人、本当に男だったのな。」

ベッドに涼真くんを寝かせながら、雅は呆れたように笑う。

「ずっとそうだって言ってんじゃん。」

「兄弟だからってこんなとこまで似なくていいのにな。」

「だけん、俺は兄ちゃんと違って男が好きな訳じゃないから。涼真だから好きになっただけ。好きになった涼真がたまたま男だっただけだからね。」

「ははっ。きっぱり言うねー。…そっか。好きになったらたまたま、か。」

最後の方は独り言になってしまった言葉。
俺は…男だからアイツが好き?
アイツだから…男でも好き?



「ん…」

「あ、涼真。…どう?まだしんどい?」

雅の言葉にグルグルしている俺を呆れた様に見ていた雅は、涼真くんの声に反応する。

「んぅ…少し…楽…」

「そっか。薬あるからまず、ご飯食べよう。兄ちゃんが玉子かゆ作ってくれてるから。」

ゆっくりした動作で立ち上がると、キッチンへと向かう。
雅に返事をした後、涼真くんは俺へと視線を向け。

「…ん。ありがと…ございます…」

そう言って、しんどそうにしながらも精一杯の笑顔を浮かべる。

…可愛い。
本当に可愛い。
雅が惚気けるのも分かる。

「いーえ。早く元気になってね。」

こんな子だったら…
アイツにも受け入れてもらえるのかな。

「あ、涼真。迎えに来てもらえんの?アレだったら兄ちゃんに連れてってもらうけど。」

かゆを片手に涼真くんの傍らに座る。
涼真くんを起こしながら、問う。

「ん…兄ちゃん、帰ってる、と思う…」

雅の体にもたれかけさせられながら答えた涼真くんは、徐ろにスマホを取り出すと雅に渡す。

「ゆう兄って…入ってる…」

「ゆう兄、ね。」

鼻歌交じりにスマホをいじった雅は…俺とかゆの入った丼を交互に見ると食べさせて、と口パクで伝えてきた。

…しんどそうな涼真くん見てるのも辛いから、ここは協力してやろう。

「はい、涼真くん。口開けて。」

「すみ…ませ…」

そうして食べさせ始めた俺の耳に…聞きたくて、でも聞きたくなかった声がーー届いた。


「あのー、お兄さんですかぁ?」

間延びした話し方で、雅が電話の向こうの人物に問う。
と。








ーー『誰だ、お前。』







この、声…
まさか…でも俺が、アイツの声を聞き間違えるはずなんてない。

「僕、灰崎 雅って言うんです。涼真…くんの友達の。」

『その友達が何の用だよ。」

「涼真くんが熱出しましてーー…」

混乱する俺の頭は、雅の話てる内容なんて受け入れることを拒絶して。
気づけば雅は通話を終え、俺からかゆを受け取り、涼真くんに食べさせていた。

「兄ちゃん?どうした?」

「は。え?」

「ボーッとしてる。」

「あぁ…」

雅に言われるまで、俺はかゆを持っていた時のままの姿勢で。
どれだけ自分は衝撃を受けていたんだ、と少しおかしくなる。

「ねぇ、雅。」

「ん?」

「涼真くんって…苗字なんていうの?」

聞けば、不思議そうにしながらも…応えてくれた。

「野上だよ。」とーー…



ーー「いらっしゃーい、野上くん。」

十数分後、やっぱり現れたのは野上 悠真。

「何でアンタ…」

嫌悪感を隠しもせずに、俺を見下ろす。

「だってここ、俺の家だもん。」

馬鹿だよなぁ、俺。
顔なんか見ちゃったら…また好きが溢れるに決まってるのに。

不毛な想いに蓋をして、精一杯の微笑みを浮かべて…野上 悠真を家の中に通した。



side悠真

ーー最悪だ。

何が嬉しくて"嫌いだ"と思っている人物と同じ空間にいなければならないんだ。

「今、ウチの弟が野上くんの弟を介抱してるから。」

はい、お茶、なんて出してくるけどさ。
俺、ここに長居するつもりは無いんだけど。

「もう俺が連れて帰るんで。大丈夫です。弟はどこですか?」

やや早口気味で発して、立ち上がれば。

「まぁ、待てよ。そんなに焦んなよ。…お前の弟、さっきやっと薬飲んで寝たとこなんだよ。」

腕を掴まれて、そう言われる。
俺の腕を掴んでいる先を見れば…小首を傾げて遠慮がちな微笑み。

「なぁ、俺も暇だからさ。相手してやってくれよ。」

言いながら、次第に下へと下がる視線。
…何であんたがそんな辛そうな表情してんだ。
ーーイライラする。

「俺…」

「え?」

「灰崎くん?はいいとしても…灰崎さんには…いい感情持ってないんです。」

だからあんたとは話すことはない、と暗に伝えれば。

「は。え?灰崎くん?灰崎さん?」

まさかの反応。
この人は馬鹿なのか。
今、自分が否定されているのに…それを理解する前に敬称の違いが分からず困惑してる。

ーー「楓、さん。」

「ーーっ」

しぶしぶ名前を呼べば、何故か泣きそうな顔をして。
息を呑む。

「あ、のーー「楓さんにはいい感情を持ってないんです。だから、やっぱり弟は連れて帰ります。」

何か言いかけたのを遮って、今度こそ制止の声を振りきって立ち上がる。
が。

ーー「待てよ!!」

何故かタックルをされた俺は、バランスを崩して倒れた。

「いってぇ…」

床に肘を強打して、痛みに悶える。
と、その瞬間に肩を押されて。
気づけば灰崎 楓が俺の腰辺りに馬乗りになっていてーー

「お前のせいだぞ、バーカ。」

意味の分からない言葉を放つと、俺にキスをした。






「…っ、やめろ!!」

自分が…男にキスをされていると気づくまでにかなり時間を要した気がする。
全力で押し返すも、動揺してるせいか、上手く力が入らない。

「アンタ…頭おかしいんじゃないのか…っ!」

「おかしいよ…?お前がおかしくさせるんだよ。だから…責任、取ってよ。」

言いながら、俺の股間に触れる。

「ふふっ、嫌がってても…ココは反応してんじゃん。」

触れ方が妙に官能的で…一瞬で全身の力が抜ける。

「止めろ…っ」

止めなければ。
そう思う理性と触れられて否が応でも反応してしまう本能の狭間で…ただただ目の前で起こる出来事を受け入れられずに呆然としてしまう。

「大丈夫。気持よくしてやるから。」

そんな俺に何を思ったか…灰崎 楓はジッパーを下ろし、ソレを取り出す。

「ハァ…っ、すっげぇドクドクいってる…」

ソレを片手で擦り上げながら…自らもズボンを脱いで、後穴へと触れる。


恍惚した表情を浮かべたと思った次の瞬間ーー





ーー「アンタ…っ、馬鹿だろ!何やっ…てんだよ!!」

いきなり灰崎 楓の後穴に咥えられた、俺のソレ。
あり得ない程の柔らかさと温かな後穴内の感触に、知らず腰がビクつく。
ジュプジュプと卑猥な音が響いて、耳を犯す。

「…んっ、何って…んー。…襲ってる?」

痛いのか、辛そうにしながらも小首を傾げて答える灰崎 楓。

コイツ…
何を平然と答えてるんだよ。

やっぱり…

"灰崎 楓は誰にでも抱かれる"

あの噂は本当だったのかーー…?



「アンタ、やっぱり…っ」

思った事を口にしようとして…
見上げた先の表情に、言葉を無くす。

「やっばり、何だよ…っ?」

何で…アンタがそんな顔してんだよ。
何でそんなに…泣きそうな顔で笑うんだ。

「ん、ぁ…っ気持ち…ぃ?」

「…っ」

グチュグチュと卑猥な音が部屋に響いて…段々と思考がおかしくなっていく。
目の前で、俺に跨るのは間違いなく男なのに。
時折漏れる艷のある吐息に、甘く蕩けた表情に、頭がクラクラするーー

ーー「っ、安心しろよ…二度と…っん、ないから…っ!」

また、だ。
また…泣きそうに笑って。

「何で…そ、な言い方…っ」

快楽の波に流されそうになりながら、聞こえたその言葉は…

「お前が…俺を嫌ってんの、知ってんだよーー…」

何故か、俺の胸に突き刺さった。
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