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最終話
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ぼんやりと過ごす毎日、奥さんだと紹介された人と、何を話してたのかすら、全く記憶に残らない。残す必要を感じない。
まぁ、当たり障りの無い事を話しただろう。
大学と、家の往復……
昔に時に戻ったみたいな虚無感。
奥さんと早く子を成すようにと父からの指示の元、ベットインするが……
一向に反応しないムスコ。
相手から、軽蔑に近い眼差しを向けられるが、勃たないモノは、どうやっても天を向かない。
蔑みの目すら気にならない。
そう……どうでもいいのだ…
息をしてるだけ。
ご飯……食べたかなぁ…今、俺、何してるんだって?
ま、いっか。
そんな風にボンヤリとしてる事が増えたからか、その日、電車を乗り過ごし、2駅程先に行ってしまう。
特に用事も無いし……
何となく歩いて、家を目指していた。
すると、目の前に、一海さんと初めて会った……俺が答案用紙を燃やした公園が。
そんな事もあったな……って、少しだけ、中に入ってみた。
この辺りだったかなぁ……と、しゃがんでみる。
「キミっ、何してるの?」
この声……
忘れてない…これって、一海さんだ!
バッと顔を上げる。
「玲央、何してんの?」
バツの悪さに、身を翻して、逃げようとしたが、フラフラする身体は、ガシリと腕を掴まれる。
会えて良かった……とホッとした顔をされた後、開かれた口から出た言葉は、俺に衝撃を与えた。
「玲央、良く聞いて。今……拓真、入院してる。もう……いつまで生きれるか分からない。」
哀しみを湛えた顔の一海さんから出た言葉に、
俺は自分の耳を疑う。
俺は、何も考える事無く、病院と病室聞き出し、すでに身体が動いていた。
拓真さんが……入院?長くない?死ぬ?
ぐるぐると回るのは、その3つだけ。
息を切らしたまま、病室の前に立つ。
『三上 拓真』
確かに拓真さんの名前だ。
焦る心で勢い良く病室に入る俺。
目を閉じて横たわる。
少し痩せて、病院の患者衣を着てる姿が、より一層やつれたように見えて、俺は狼狽える。
「拓真さん!」
駆け寄り、身体をゆすってみた。
「ん?あ?…れ、お?」
ふぁっと欠伸をしながら……伸びをする翔太さん。
「あの、大丈夫なんですか?いつまで生きられるか…って、一海さんに聞いて、俺……俺っ」
別れた事も忘れて、俺は涙が止まらなくて……ゴシゴシと腕で拭った。
「え?一海が……そんな事を?……あっ、まぁ?いつまで生きるか……は、誰にも分からないよ…」
「何の病気なんですか!?」
デリケートな質問だと分かりながらも、冷静な判断が出来ない俺は詰め寄る。
「えっと……胃潰瘍?まぁ、悪性になると胃がんとかの可能性も無くは無いけど……普通の胃潰瘍です…」
頭をポリポリと掻きながら言われ
「イカイヨウ…」
……胃潰瘍…
死にかけては、無いな…あれ?はい?
「プハッ、あれじゃね?人はいつ死ぬか……いつまで生きれるか的な?確かに、一海は間違っては無いよなぁ」
クククっと腹を抱えて笑ってる。
「俺っ、心配して…」
「それより、痩せたか?玲央」
真面目に問いかけてくる拓真さんを前に、急激に冷静になってきた…
心配なんてして貰える資格なんて、1ミリも無いのに…
それに、なんで来てしまったのか。
「すいません、帰ります、お大事に」
早口で言うと、踵を返す。
「いたっ、あ、イタタタタッ」
「えっ?大丈夫ですか?」
身体を折り曲げて伏せる拓真さんに
再び駆け寄ると、腕を捕まれた。
顔だけを横に向けて、ニヤリと笑われた。
「大丈夫じゃない…死にそう」
手を引かれるまま、そのまま抱きしめられて、俺は拓真さんの体温を感じて混みげてくる涙を必死に止める、泣く権利なんて俺には無いから。
それでも……ゆっくりと、深海に沈んだ俺を浮上させてくれるような…感覚をおぼえる。
「玲央、お前…また死んだような顔してる…しかも、こんなに痩せて……お前の為に身を引こうと思った俺もバカだったわ…」
縋り付いてしまいそうになる俺は、なんとか、拓真さんの身体を押し、離れた。
「俺、帰ります…」
足早に、病室の扉まで行き、手をかけたところ…
「愛してる、玲央」
降り注がれた言葉に動揺しながらも、
俺は俯いたままで告げる。
「でも、俺…もう、結婚しました…」
自分の左手薬指にある銀色を見る。
戒めみたいに…縛られる証拠。
「俺が既婚者だからって…ビビると思うか?まぁ、待ってな…玲央」
俺は扉を閉じて、今度こそ、振り向かずに、そのまま立ち去った。
ーーーーーー
それから、1週間ほどたったある夜。
インターホンが、鳴ったので出ると…
目の前には、キッチリとしたスーツ姿の拓真さんが立っている。
幻でも見てるのかと思うと、その幻が口を開いた。
「お父さん居られる?」
「父ですか?…居ますけど……」
「ちょっと、話をさせて貰いたいんだけど…いいかな?」
真剣な顔を見て、何事かと思う。
玄関からリビングへと案内し、ここで待って貰うように告げ、階段を上がる。
父の書斎をノックする。
少し待つと、父が出てきた。
「お父さんに会いたいと言われる方が…リビングに来られてます。」
「誰だ?」
「三上さんです…」
一気に険しく硬い表情になった父が階下へと降りるのに、俺も付いていてく。
立って待っていた彼に、声もかけず、ドサリと座る父に対し、背筋を伸ばして拓真さんは、一礼すると、優雅にソファに腰掛けた。
「何の用だ?」
「お時間は、取らせません」
ピリピリとした空気に耐えきれずか、母は、どこかへ逃げてしまったようだ。
俺も少し離れた位置に座る。
「先日…南條 清香さんにお会いしました、まぁ、口の軽い方で…というか、私の容姿を大変気に入られたそうで…色々教えて頂けましたよ」
足を組み換えながら、口火を切る拓真さん。
清香さんは、まだ一緒には住んでいないが…俺の結婚した相手だ。
その名が出た事に、驚愕する俺と、眉間の皺が更に深くなる父。
「まず、本人に許可無く婚姻届を提出する事は、犯罪です。」
「2人の承諾は、得た」
当然のように嘘を付く父。
「まぁ、そう仰るでしょうね。では、……まず、円月家の事ですけどね、あの人達は、そんなヤワじゃないですよ?むしろ、家族に何かあった時、黙ってませんよ、アイツは…」
チラリと俺を見て言う拓真さん。
確かに、俺と交際宣言をした時の、ドスの聞いたダーク一海降臨は、記憶に新しい。
それでも……俺の父なら…徹底的に貶めるだろうと思う考えは、変わらない。
「それに私の事ですけど…公表して頂いて一向に構いませんが?むしろ、玲央を私のモノであると、宣伝して下さるおつもりで?」
「塾講師が出来なくなっても構わないと?」
父が鼻で笑う。
「アンタね、世の中を知らないね…職なんて、有り余る程ありますよ?なんなら、この顔ですからね、悲劇のヒーローとして、芸能界にでも入りましょうか?もちろん其方への攻撃の手は緩めず。世間様を見方に付けてね」
妖艶な笑みで父を挑発する姿が、本当にヒーローじみてて、カッコ良くて、憧れる子供のように、浸と眺めていた…
今度は、絶対零度の視線になると、畳み掛けてくる拓真さん。
「玲央が、こんなに痩せてる事に気付かないのは、親としてどうなんですか?子供は、親の所有者ではありません」
足を組み変えると、更に続ける。
「早く子供を作るように指示されたと清香さんから聞きましたけど、アンタ、孫が欲しいとかじゃないだろ?それに、玲央が不能だからって、清香さんは、私に愛人になって、子を作る事を持ち掛けてきましたよ?」
今度は拓真さんが鼻で笑った。
見ると、父は、とんでもない怒りのオーラを纏い、顔を真っ赤にしてフルフルと震えている。
「とんだお嫁さんですね、誰の子が跡継ぎになるか、分からないですねぇ」
ニヤニヤと軽蔑の目を向ける拓真さんに、父がついに怒鳴る。
「お前、潰されたいのか?私が手を回せば、社会的な抹殺など容易いんだ!!分かっていて、そんな口を聞くのか!!!」
「はい、いただきました~」
小型のレコーダーを胸のポケットから取り出し立ち上がると、スっと父を上から睨め付ける。
八等身の美貌が睨むと…物凄い迫力があった。
「アンタの世界はマジで狭いな!円月家のパン屋…隠し撮りしたんだろ?写真よく見てみろよ?政治家や、おヤクザ様が客で来てるの写ってるだろ?目ぇ、付いてんのか?」
あ、そう言えば…思い出した。
SPみたいな人を従えて、年配の貫禄のあるお客さんや、一目では、分かりにくが、小指のない紳士…
様々なお客さんに慕われる紗良さん…
そっか、俺が心配する必要なんて無かったのかぁ…心からホッとした。
紗良さんの人柄なら、確かに……色んな人との繋がりを持ってるだろう……
今になって気付くなんて。
「最後に…よく考えな?アンタは、孫が、欲しいんじゃなくて、会社が続けば良いんだろ?アンタが、おっ死ぬ前までな。賢い頭で計算しろよ?今すぐ会社をボロカスのように潰されるのがいいか、後継者プラス、後継者の有能な片腕を手に入れるのがいいか?」
父は、怒りの顔を一切変えず、敗北を認めたくない、せめてもの威厳を保とうと、威嚇しながら、ギリギリと苦虫を噛み潰したような顔で言い放つ。
「もういい、好きにしろ!私は、お前らは、手に負えん!ただし、離婚は、あちらがすると言えばだ!そこは、譲らん!」
勝利…そんな言葉が浮かんだ。
拓真さん…凄い。
まさか、こんな風に決着が着くなんて……ポカンとしてしまう俺。
「玲央、おいで…」
満面の笑みで、とんでもなく甘い甘い声で誘われ。
差し出された手。
俺の心は、話の途中から、もう決まっていた。
左手の薬指にはめられた……戒めをグッと外すと、コロンとテーブルに置いた。もう必要無い。
俺は拓真さんの手を取った。
まぁ、当たり障りの無い事を話しただろう。
大学と、家の往復……
昔に時に戻ったみたいな虚無感。
奥さんと早く子を成すようにと父からの指示の元、ベットインするが……
一向に反応しないムスコ。
相手から、軽蔑に近い眼差しを向けられるが、勃たないモノは、どうやっても天を向かない。
蔑みの目すら気にならない。
そう……どうでもいいのだ…
息をしてるだけ。
ご飯……食べたかなぁ…今、俺、何してるんだって?
ま、いっか。
そんな風にボンヤリとしてる事が増えたからか、その日、電車を乗り過ごし、2駅程先に行ってしまう。
特に用事も無いし……
何となく歩いて、家を目指していた。
すると、目の前に、一海さんと初めて会った……俺が答案用紙を燃やした公園が。
そんな事もあったな……って、少しだけ、中に入ってみた。
この辺りだったかなぁ……と、しゃがんでみる。
「キミっ、何してるの?」
この声……
忘れてない…これって、一海さんだ!
バッと顔を上げる。
「玲央、何してんの?」
バツの悪さに、身を翻して、逃げようとしたが、フラフラする身体は、ガシリと腕を掴まれる。
会えて良かった……とホッとした顔をされた後、開かれた口から出た言葉は、俺に衝撃を与えた。
「玲央、良く聞いて。今……拓真、入院してる。もう……いつまで生きれるか分からない。」
哀しみを湛えた顔の一海さんから出た言葉に、
俺は自分の耳を疑う。
俺は、何も考える事無く、病院と病室聞き出し、すでに身体が動いていた。
拓真さんが……入院?長くない?死ぬ?
ぐるぐると回るのは、その3つだけ。
息を切らしたまま、病室の前に立つ。
『三上 拓真』
確かに拓真さんの名前だ。
焦る心で勢い良く病室に入る俺。
目を閉じて横たわる。
少し痩せて、病院の患者衣を着てる姿が、より一層やつれたように見えて、俺は狼狽える。
「拓真さん!」
駆け寄り、身体をゆすってみた。
「ん?あ?…れ、お?」
ふぁっと欠伸をしながら……伸びをする翔太さん。
「あの、大丈夫なんですか?いつまで生きられるか…って、一海さんに聞いて、俺……俺っ」
別れた事も忘れて、俺は涙が止まらなくて……ゴシゴシと腕で拭った。
「え?一海が……そんな事を?……あっ、まぁ?いつまで生きるか……は、誰にも分からないよ…」
「何の病気なんですか!?」
デリケートな質問だと分かりながらも、冷静な判断が出来ない俺は詰め寄る。
「えっと……胃潰瘍?まぁ、悪性になると胃がんとかの可能性も無くは無いけど……普通の胃潰瘍です…」
頭をポリポリと掻きながら言われ
「イカイヨウ…」
……胃潰瘍…
死にかけては、無いな…あれ?はい?
「プハッ、あれじゃね?人はいつ死ぬか……いつまで生きれるか的な?確かに、一海は間違っては無いよなぁ」
クククっと腹を抱えて笑ってる。
「俺っ、心配して…」
「それより、痩せたか?玲央」
真面目に問いかけてくる拓真さんを前に、急激に冷静になってきた…
心配なんてして貰える資格なんて、1ミリも無いのに…
それに、なんで来てしまったのか。
「すいません、帰ります、お大事に」
早口で言うと、踵を返す。
「いたっ、あ、イタタタタッ」
「えっ?大丈夫ですか?」
身体を折り曲げて伏せる拓真さんに
再び駆け寄ると、腕を捕まれた。
顔だけを横に向けて、ニヤリと笑われた。
「大丈夫じゃない…死にそう」
手を引かれるまま、そのまま抱きしめられて、俺は拓真さんの体温を感じて混みげてくる涙を必死に止める、泣く権利なんて俺には無いから。
それでも……ゆっくりと、深海に沈んだ俺を浮上させてくれるような…感覚をおぼえる。
「玲央、お前…また死んだような顔してる…しかも、こんなに痩せて……お前の為に身を引こうと思った俺もバカだったわ…」
縋り付いてしまいそうになる俺は、なんとか、拓真さんの身体を押し、離れた。
「俺、帰ります…」
足早に、病室の扉まで行き、手をかけたところ…
「愛してる、玲央」
降り注がれた言葉に動揺しながらも、
俺は俯いたままで告げる。
「でも、俺…もう、結婚しました…」
自分の左手薬指にある銀色を見る。
戒めみたいに…縛られる証拠。
「俺が既婚者だからって…ビビると思うか?まぁ、待ってな…玲央」
俺は扉を閉じて、今度こそ、振り向かずに、そのまま立ち去った。
ーーーーーー
それから、1週間ほどたったある夜。
インターホンが、鳴ったので出ると…
目の前には、キッチリとしたスーツ姿の拓真さんが立っている。
幻でも見てるのかと思うと、その幻が口を開いた。
「お父さん居られる?」
「父ですか?…居ますけど……」
「ちょっと、話をさせて貰いたいんだけど…いいかな?」
真剣な顔を見て、何事かと思う。
玄関からリビングへと案内し、ここで待って貰うように告げ、階段を上がる。
父の書斎をノックする。
少し待つと、父が出てきた。
「お父さんに会いたいと言われる方が…リビングに来られてます。」
「誰だ?」
「三上さんです…」
一気に険しく硬い表情になった父が階下へと降りるのに、俺も付いていてく。
立って待っていた彼に、声もかけず、ドサリと座る父に対し、背筋を伸ばして拓真さんは、一礼すると、優雅にソファに腰掛けた。
「何の用だ?」
「お時間は、取らせません」
ピリピリとした空気に耐えきれずか、母は、どこかへ逃げてしまったようだ。
俺も少し離れた位置に座る。
「先日…南條 清香さんにお会いしました、まぁ、口の軽い方で…というか、私の容姿を大変気に入られたそうで…色々教えて頂けましたよ」
足を組み換えながら、口火を切る拓真さん。
清香さんは、まだ一緒には住んでいないが…俺の結婚した相手だ。
その名が出た事に、驚愕する俺と、眉間の皺が更に深くなる父。
「まず、本人に許可無く婚姻届を提出する事は、犯罪です。」
「2人の承諾は、得た」
当然のように嘘を付く父。
「まぁ、そう仰るでしょうね。では、……まず、円月家の事ですけどね、あの人達は、そんなヤワじゃないですよ?むしろ、家族に何かあった時、黙ってませんよ、アイツは…」
チラリと俺を見て言う拓真さん。
確かに、俺と交際宣言をした時の、ドスの聞いたダーク一海降臨は、記憶に新しい。
それでも……俺の父なら…徹底的に貶めるだろうと思う考えは、変わらない。
「それに私の事ですけど…公表して頂いて一向に構いませんが?むしろ、玲央を私のモノであると、宣伝して下さるおつもりで?」
「塾講師が出来なくなっても構わないと?」
父が鼻で笑う。
「アンタね、世の中を知らないね…職なんて、有り余る程ありますよ?なんなら、この顔ですからね、悲劇のヒーローとして、芸能界にでも入りましょうか?もちろん其方への攻撃の手は緩めず。世間様を見方に付けてね」
妖艶な笑みで父を挑発する姿が、本当にヒーローじみてて、カッコ良くて、憧れる子供のように、浸と眺めていた…
今度は、絶対零度の視線になると、畳み掛けてくる拓真さん。
「玲央が、こんなに痩せてる事に気付かないのは、親としてどうなんですか?子供は、親の所有者ではありません」
足を組み変えると、更に続ける。
「早く子供を作るように指示されたと清香さんから聞きましたけど、アンタ、孫が欲しいとかじゃないだろ?それに、玲央が不能だからって、清香さんは、私に愛人になって、子を作る事を持ち掛けてきましたよ?」
今度は拓真さんが鼻で笑った。
見ると、父は、とんでもない怒りのオーラを纏い、顔を真っ赤にしてフルフルと震えている。
「とんだお嫁さんですね、誰の子が跡継ぎになるか、分からないですねぇ」
ニヤニヤと軽蔑の目を向ける拓真さんに、父がついに怒鳴る。
「お前、潰されたいのか?私が手を回せば、社会的な抹殺など容易いんだ!!分かっていて、そんな口を聞くのか!!!」
「はい、いただきました~」
小型のレコーダーを胸のポケットから取り出し立ち上がると、スっと父を上から睨め付ける。
八等身の美貌が睨むと…物凄い迫力があった。
「アンタの世界はマジで狭いな!円月家のパン屋…隠し撮りしたんだろ?写真よく見てみろよ?政治家や、おヤクザ様が客で来てるの写ってるだろ?目ぇ、付いてんのか?」
あ、そう言えば…思い出した。
SPみたいな人を従えて、年配の貫禄のあるお客さんや、一目では、分かりにくが、小指のない紳士…
様々なお客さんに慕われる紗良さん…
そっか、俺が心配する必要なんて無かったのかぁ…心からホッとした。
紗良さんの人柄なら、確かに……色んな人との繋がりを持ってるだろう……
今になって気付くなんて。
「最後に…よく考えな?アンタは、孫が、欲しいんじゃなくて、会社が続けば良いんだろ?アンタが、おっ死ぬ前までな。賢い頭で計算しろよ?今すぐ会社をボロカスのように潰されるのがいいか、後継者プラス、後継者の有能な片腕を手に入れるのがいいか?」
父は、怒りの顔を一切変えず、敗北を認めたくない、せめてもの威厳を保とうと、威嚇しながら、ギリギリと苦虫を噛み潰したような顔で言い放つ。
「もういい、好きにしろ!私は、お前らは、手に負えん!ただし、離婚は、あちらがすると言えばだ!そこは、譲らん!」
勝利…そんな言葉が浮かんだ。
拓真さん…凄い。
まさか、こんな風に決着が着くなんて……ポカンとしてしまう俺。
「玲央、おいで…」
満面の笑みで、とんでもなく甘い甘い声で誘われ。
差し出された手。
俺の心は、話の途中から、もう決まっていた。
左手の薬指にはめられた……戒めをグッと外すと、コロンとテーブルに置いた。もう必要無い。
俺は拓真さんの手を取った。
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