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★Episode 28・馬車の中で⑦
しおりを挟む~30分後~
「ひぐっひぐっ……うぅっ……ぐすんっ、ぐすんっ」
「ゆうと、いい加減に泣き止むのだ……」
「ご、ご主人様のお口の中に……ひぐっひぐっ……あんな汚いものをボクは……ぐすんっ、ひぐっ、うぅぅ……」
ボクは、ご主人様の膝の上でずっと泣いていた。
ご主人様がボクの顔を拭いてくれているハンカチは、涙と鼻水でびっしょりに濡れてしまっていた。
時折、ボクの涙を拭いた後、ご主人様がキスをしようとしてきたけど、ボクは、プイッと顔を背けてキスをさせなかった。
なんとなく、むしょうにご主人様に意地悪をしたい気分だったから。
「悪かったから、俺が悪かった。いい加減機嫌を直しなさい」
「別に機嫌など悪くございません!」
プイッ…
「大体あのような液体を飲み込むなど……」
ニヤリッ
「なかなかの美味であったぞ……」
ご主人様がボクの耳元で呟いた。
カァァァァ…
「そ、そ、そ、そんな訳が……」
ボクは、反射的にご主人様の顔を叩こうとして手を上にあげてしまった。
ギュウッ…
でもすぐにご主人様にその手を掴まれて……
グイッ…
ボクは、ご主人様の方に引き寄せられてしまった。
ブチュゥ……「ん、んん、んんっ」
ご主人様にがっちり押さえられてキスから逃げれない!
ピチュ……ピチュ…
ずるいっ、ずるいよご主人様はいつも……
ピチュ…チュッ…ピチュ…
好き……ご主人様が大好き……
ボクは、ご主人様に思い切りしがみついた。
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