ALL MY THINGS 〜耳鳴りが止まるまで〜

はいとく

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出発!

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 祭の夜から3日目の朝が来た。旅の準備として買った物はテントを1つだけである。”しういち”さんが1つ持っているので、寝る時は2人づつ交代で見張り番をするから2つ有れば十分だ。
 食事は、”おでん”で良ければ。と、”やすお”さんが面倒をみてくれる。

「おはよう御座います!」と、オレ達。
「おぅ!それじゃあ、よろしく頼むぜ!」
“やすお”さんに続いて、
「おはよう。」
“しういち”さんはオレ達よりも先に来ていた。
「えっと、それじゃあ基本、きのう立てた作戦で昭和を目指しましょう。」

“しういち”さんは気楽な旅の様に言っていたが、何が有るか分からない。
無事に”やすお”さんを送り届ける為に、オレ達は作戦を立てたのだ。
 
 基本的には回復に時間がかかるスキルポイントを温存して、全く戦闘力の無い”やすお”さんと、アンデッドしか倒せない”しういち”さんの2人を前で”あずき”、後ろでオレが守ると言う作戦だ。

「ねぇ、早く行きましょう?私が先頭でイイのよね?しゅっぱーつ!」
「やれやれ..」
「何よ!?」
「何でも無いよ。張り切り過ぎない様にね。」
「フンっ」

 令和の街を出たオレ達一行は、初日から落武者の歓迎を受けたのだが..

「おりゃー!とりゃー!そりゃー!」
「放って置いて良いのかい?”よーすけ”君?」
「イイんです。本人も楽しんでるみたいだし。”腕試し”でもしてるんじゃないですかね。」

 余程の大群で無ければ、退治するのは”あずき”1人で事足りた。

「もう、おしまい?張り合い無いわねー!あー、お腹空いた!」

~ 自由だなぁ.. ~

「おぅ!”あずき”ちゃん、おでん食うかい?」
「食べるー!チクワがイイわ、チクワ!それと、牛すじ有る?」
「有るぜー。と、そう言や、お前等”牛すじ”の材料って何だか知ってるかい?」
「ボクは知ってるよ。」
と”しういち”さん。
「オレだって知ってますよ。牛でしょ?」

~ 馬鹿にされてるんだろうか? ~

「答えは、ブッブーだ。ミノタウロスの肉だよ。この世界で牛なんて見た事あるかい?」

~ そう言えば.. ~

「で、大正の街周辺のミノタウロスが大正牛って訳だ。他んとこよりレベルが高いらしくてな、その分、美味いんだとよ!」

~ 知らなかった。 ~

「”しういち”さん、知ってたんですか?」
「うん。ちなみに豚肉はオークの肉だよ。で、その中でも特に美味しいのが”昭和豚”。”昭和”周辺のオークの肉だね。」

~ なんと.. ~

「ほら、あの、ベンチで寝てた2人いただろ?男の方が”K”、狩人でな、弓使いなんだけどよ、やっと”捕獲”のスキルを覚えられたから、って昭和に行ったんだよ。倒して”牙”持って帰るよりも、半殺しにして”捕獲”して持ってく方が高く売れるんだと。」

 “捕獲”については攻略サイトで見て知ってはいたが、確かにそうだ。あまりレベルの高くないプレイヤーだったら、多数を削り切るより、数は少なくても捕獲した方が楽かもしれないな。

「ねぇ、もう暗くなりそうだよー?この辺でキャンプにして、みんなも御飯食べよー!」
「そうしようか!」

 暗い中の移動は危険と隣り合わせだ。
オレ達は、この場で夜を明かす事にした。
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