17 / 21
出発!
しおりを挟む
祭の夜から3日目の朝が来た。旅の準備として買った物はテントを1つだけである。”しういち”さんが1つ持っているので、寝る時は2人づつ交代で見張り番をするから2つ有れば十分だ。
食事は、”おでん”で良ければ。と、”やすお”さんが面倒をみてくれる。
「おはよう御座います!」と、オレ達。
「おぅ!それじゃあ、よろしく頼むぜ!」
“やすお”さんに続いて、
「おはよう。」
“しういち”さんはオレ達よりも先に来ていた。
「えっと、それじゃあ基本、きのう立てた作戦で昭和を目指しましょう。」
“しういち”さんは気楽な旅の様に言っていたが、何が有るか分からない。
無事に”やすお”さんを送り届ける為に、オレ達は作戦を立てたのだ。
基本的には回復に時間がかかるスキルポイントを温存して、全く戦闘力の無い”やすお”さんと、アンデッドしか倒せない”しういち”さんの2人を前で”あずき”、後ろでオレが守ると言う作戦だ。
「ねぇ、早く行きましょう?私が先頭でイイのよね?しゅっぱーつ!」
「やれやれ..」
「何よ!?」
「何でも無いよ。張り切り過ぎない様にね。」
「フンっ」
令和の街を出たオレ達一行は、初日から落武者の歓迎を受けたのだが..
「おりゃー!とりゃー!そりゃー!」
「放って置いて良いのかい?”よーすけ”君?」
「イイんです。本人も楽しんでるみたいだし。”腕試し”でもしてるんじゃないですかね。」
余程の大群で無ければ、退治するのは”あずき”1人で事足りた。
「もう、おしまい?張り合い無いわねー!あー、お腹空いた!」
~ 自由だなぁ.. ~
「おぅ!”あずき”ちゃん、おでん食うかい?」
「食べるー!チクワがイイわ、チクワ!それと、牛すじ有る?」
「有るぜー。と、そう言や、お前等”牛すじ”の材料って何だか知ってるかい?」
「ボクは知ってるよ。」
と”しういち”さん。
「オレだって知ってますよ。牛でしょ?」
~ 馬鹿にされてるんだろうか? ~
「答えは、ブッブーだ。ミノタウロスの肉だよ。この世界で牛なんて見た事あるかい?」
~ そう言えば.. ~
「で、大正の街周辺のミノタウロスが大正牛って訳だ。他んとこよりレベルが高いらしくてな、その分、美味いんだとよ!」
~ 知らなかった。 ~
「”しういち”さん、知ってたんですか?」
「うん。ちなみに豚肉はオークの肉だよ。で、その中でも特に美味しいのが”昭和豚”。”昭和”周辺のオークの肉だね。」
~ なんと.. ~
「ほら、あの、ベンチで寝てた2人いただろ?男の方が”K”、狩人でな、弓使いなんだけどよ、やっと”捕獲”のスキルを覚えられたから、って昭和に行ったんだよ。倒して”牙”持って帰るよりも、半殺しにして”捕獲”して持ってく方が高く売れるんだと。」
“捕獲”については攻略サイトで見て知ってはいたが、確かにそうだ。あまりレベルの高くないプレイヤーだったら、多数を削り切るより、数は少なくても捕獲した方が楽かもしれないな。
「ねぇ、もう暗くなりそうだよー?この辺でキャンプにして、みんなも御飯食べよー!」
「そうしようか!」
暗い中の移動は危険と隣り合わせだ。
オレ達は、この場で夜を明かす事にした。
食事は、”おでん”で良ければ。と、”やすお”さんが面倒をみてくれる。
「おはよう御座います!」と、オレ達。
「おぅ!それじゃあ、よろしく頼むぜ!」
“やすお”さんに続いて、
「おはよう。」
“しういち”さんはオレ達よりも先に来ていた。
「えっと、それじゃあ基本、きのう立てた作戦で昭和を目指しましょう。」
“しういち”さんは気楽な旅の様に言っていたが、何が有るか分からない。
無事に”やすお”さんを送り届ける為に、オレ達は作戦を立てたのだ。
基本的には回復に時間がかかるスキルポイントを温存して、全く戦闘力の無い”やすお”さんと、アンデッドしか倒せない”しういち”さんの2人を前で”あずき”、後ろでオレが守ると言う作戦だ。
「ねぇ、早く行きましょう?私が先頭でイイのよね?しゅっぱーつ!」
「やれやれ..」
「何よ!?」
「何でも無いよ。張り切り過ぎない様にね。」
「フンっ」
令和の街を出たオレ達一行は、初日から落武者の歓迎を受けたのだが..
「おりゃー!とりゃー!そりゃー!」
「放って置いて良いのかい?”よーすけ”君?」
「イイんです。本人も楽しんでるみたいだし。”腕試し”でもしてるんじゃないですかね。」
余程の大群で無ければ、退治するのは”あずき”1人で事足りた。
「もう、おしまい?張り合い無いわねー!あー、お腹空いた!」
~ 自由だなぁ.. ~
「おぅ!”あずき”ちゃん、おでん食うかい?」
「食べるー!チクワがイイわ、チクワ!それと、牛すじ有る?」
「有るぜー。と、そう言や、お前等”牛すじ”の材料って何だか知ってるかい?」
「ボクは知ってるよ。」
と”しういち”さん。
「オレだって知ってますよ。牛でしょ?」
~ 馬鹿にされてるんだろうか? ~
「答えは、ブッブーだ。ミノタウロスの肉だよ。この世界で牛なんて見た事あるかい?」
~ そう言えば.. ~
「で、大正の街周辺のミノタウロスが大正牛って訳だ。他んとこよりレベルが高いらしくてな、その分、美味いんだとよ!」
~ 知らなかった。 ~
「”しういち”さん、知ってたんですか?」
「うん。ちなみに豚肉はオークの肉だよ。で、その中でも特に美味しいのが”昭和豚”。”昭和”周辺のオークの肉だね。」
~ なんと.. ~
「ほら、あの、ベンチで寝てた2人いただろ?男の方が”K”、狩人でな、弓使いなんだけどよ、やっと”捕獲”のスキルを覚えられたから、って昭和に行ったんだよ。倒して”牙”持って帰るよりも、半殺しにして”捕獲”して持ってく方が高く売れるんだと。」
“捕獲”については攻略サイトで見て知ってはいたが、確かにそうだ。あまりレベルの高くないプレイヤーだったら、多数を削り切るより、数は少なくても捕獲した方が楽かもしれないな。
「ねぇ、もう暗くなりそうだよー?この辺でキャンプにして、みんなも御飯食べよー!」
「そうしようか!」
暗い中の移動は危険と隣り合わせだ。
オレ達は、この場で夜を明かす事にした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
その掃除依頼、受けてやろう
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者パーティー「明るい未来」のリックとブラジス。この2人のコンビはアリオス王国の上層部では別の通り名で知られていた。通称「必要悪の掃除屋」。
王国に巣食った悪の組織を掃除(=始末)するからだが。
お陰で王国はその2人をかなり優遇していた。
但し、知られているのは王都での上層部だけでのこと。
2人が若い事もあり、その名は王都の上層部以外ではまだ知られていない。
なので、2人の事を知らない地方の悪の組織の下のその2人が派遣されたりすると・・・
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
合成師
あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜
黒城白爵
ファンタジー
異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。
魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。
そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。
自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。
後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。
そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。
自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる