ALL MY THINGS 〜耳鳴りが止まるまで〜

２日目其の１ そんな話でしたっけ？

　２日目の朝．．．

　“しういち”さんから、ココから昭和まで安全に旅する為に。と、提案が有った。

「２日目のルートは”落武者”が大量に湧いてくるハズだから、昨日と同じ様に”あずき”ちゃんに頑張って貰いながら、ボクも”ヒール”で加勢するよ。”あずき”ちゃんにも掛けてあげるからね。”あずき”ちゃんは３日目に備えてスキルポイントを節約してね。」

「了解です。」
「分かったわ。」

「ちなみに４日目も同じ作戦ね。で、３日目と５日目なんだけど、まず、３日目。３日目は山からゴブリン、湖の方からスライムが大量に襲って来るハズだから、”あずき”ちゃんと”よーすけ”君が頼りだよ。」

～　そんな話でしたっけ？　～

「あの、”しういち”さん、昭和から令和へは１人で来たんですよね？ソコ、どうやって通り抜けたんですか？」
「あ、あぁ、ボク？ボクは走って逃げたんだ。」

～　走って逃げた．．？　～

「へ、へー、逃げられない程の数では無いんですね．．」
「ほら、今回は屋台が有るだろ？だから走って逃げる訳にはいかないでしょ？」

～　確かに。　～

「なるほど。」

「で、４日目は今日と同じ作戦で良いとして、問題は５日目。」

　～　ん？　～

「街が見え始める辺りの草原で、コッチからだと”右の森”と”左の林”に隠れてるオーク達が一気に襲って来るからね。」

～　ん？？　～

「オーク達は必ず、後ろから襲って来るから、２人で全力で食い止めて欲しいんだ。」

～　そんな話でしたっけ？？？　～

「あの～、度々スミマセン、昭和から令和へは１人で来たんですよね？ソコ、どうやって通り抜けたんですか？」
「あ、あぁ、後ろから来るからね、走って逃げたんだ。」

～　怪しい．．この人もしかして、何か凄いスキルとか隠し持ってるんじゃ．．まぁ、”スキルの詮索はマナー違反”って誰か言ってたし．．　～

「怪しい。」
「ん？”あずき”？」
「なんか怪しいのよねぇ、あの人。」

～　やっぱり、そう思うか．．　～

「”しういち”さんの”H”って、やっぱり、”エッチぃ”って事だと思うのよ。妙に紳士的なのが、逆に怪しいわ。なんか、急に”グヘヘヘー”とか言いそうで．．コワイわ．．」

～　なんだ、そりゃ？！　～

「それに”ヒール”使うトコ、一度も見てないし。」
「いや、今日、”ヒール”するって言ってたし．．」
「そうだったわね．．まぁ、イイわ。」
「・・・でも、なんか怪しいのよねぇ．．」

「それじゃあココから先の作戦は、そんな感じでイイかな？」
「了解でーす！」
「分かったわ。」
「オレは、オメエ達に守って貰わなきゃねぇからな、お任せするぜ！」
「”やすお”さんは何時でも食べられるように、”おでん”の準備、お願いしますね。」
「あいよっ！任せとけ！」

　２日目の旅が始まった．．．