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4.花火
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ドンドンと低く聞こえてくる花火の音。さすがに花火大会が始まると、あの地獄のような長蛇の列は起きなくなった。むしろ閑散としすぎてて怖い。
おかげで食品のそれもお菓子関係の棚は、すっからかんになってしまっている。補充するのも追いつかないくらいに買い物していくって、怖すぎる。というか、別に百均のお菓子じゃなくたっていいんじゃないか? そう思いながら、倉庫からストックを持ち出す。
「うわー、保冷剤、完売しちゃったな」
レジ脇の冷蔵庫のところで、海老原さんの声が聞こえる。
やたらと保冷剤やら保冷バックを買っていった人がいた。あれに飲み物買って持っていくとかしたんだろうか、と思ったら、自分も喉が渇いてる気がしてきた。
品出しを終えると段ボールを畳んで、事務所に戻る。入口近くにあるごみの収集用の中にそれを突っ込むと、自分のカバンの入ってるロッカーを開けた。
この時期は、タイミング見てマメに水分補給しないと、バテるのは目に見えてるから、500ミリリットルの麦茶を持ってきてた。うちの店で買った保冷バック入り。
「ぷはぁぁぁ。生き返るぅ」
思わず出た言葉に、ぷぷぷ、という笑い声が聞こえた。
「何、それ。オヤジ臭いわねぇ」
「え、あれ? 尾賀さん?」
今日は前半のシフトで帰ってたはずの尾賀さんが、なんと浴衣姿で事務所に入ってきていた。
「お疲れ様です。花火大会ですか」
「うん、そう。でも、気になって様子だけ見に来たのと、はい、これ、差し入れ」
そう言って目の前に差し出されたのは、白いビニール袋に入ったたこ焼き。
「うわぁ、なんか凄い久しぶりに見たかも」
「何? たこ焼き?」
「ええ」
「へぇ、今時、スーパーのお惣菜のところでも売ってるよ?」
「あ、言われてみれば。でも、そういうところのよりも、露店で売ってるたこ焼きとかのほうが美味しそうな気がしません?」
そう言いながら、ビニール袋を受け取る。たこ焼きの匂いが鼻をくすぐるから、涎が出そうになる。
「出来立てだから余計にそうなのかも。それより、どうだった?」
「ああ、なんですか、あの混み方」
「あははは、すごいよね。でも花見の時期もすごいよ」
「……想像したくないです」
「まぁ、今日はもうそんなに混まないだろうから、できるだけ補充しといて。明日、納品がいくつかあるから、できれば倉庫のスペース開けておいて欲しいのよ」
尾賀さんは、いくつか僕に指示をしてから事務所を出て行った。彼女の後ろ姿を見送ってると、尾賀さんよりもだいぶ背の高い男の人が同じように浴衣を着て待っているようだった。彼氏だろうか。
「あの尾賀さんが……」
つい小さく言葉が漏れてしまい、クスッと笑ってしまった。
たこ焼きのあまりにも魅惑的な匂いに誘われて、プラスティックの箱を開ける。ここで食べたら青海苔つくかなぁ、と思ったけれど、そうそう僕の口なんて気にする相手はいないだろう。そう思ったら、食欲を抑えきれずに一つだけ楊枝を突き刺して、口の中に放り込んでいた。
「うまっ」
まだ熱々で、中がトロッとしている。正直、全部食べてしまいたいと思ったけれど、休憩に来ているわけではない。
急いでテーブルに袋を置くと、フロアに戻った。
おかげで食品のそれもお菓子関係の棚は、すっからかんになってしまっている。補充するのも追いつかないくらいに買い物していくって、怖すぎる。というか、別に百均のお菓子じゃなくたっていいんじゃないか? そう思いながら、倉庫からストックを持ち出す。
「うわー、保冷剤、完売しちゃったな」
レジ脇の冷蔵庫のところで、海老原さんの声が聞こえる。
やたらと保冷剤やら保冷バックを買っていった人がいた。あれに飲み物買って持っていくとかしたんだろうか、と思ったら、自分も喉が渇いてる気がしてきた。
品出しを終えると段ボールを畳んで、事務所に戻る。入口近くにあるごみの収集用の中にそれを突っ込むと、自分のカバンの入ってるロッカーを開けた。
この時期は、タイミング見てマメに水分補給しないと、バテるのは目に見えてるから、500ミリリットルの麦茶を持ってきてた。うちの店で買った保冷バック入り。
「ぷはぁぁぁ。生き返るぅ」
思わず出た言葉に、ぷぷぷ、という笑い声が聞こえた。
「何、それ。オヤジ臭いわねぇ」
「え、あれ? 尾賀さん?」
今日は前半のシフトで帰ってたはずの尾賀さんが、なんと浴衣姿で事務所に入ってきていた。
「お疲れ様です。花火大会ですか」
「うん、そう。でも、気になって様子だけ見に来たのと、はい、これ、差し入れ」
そう言って目の前に差し出されたのは、白いビニール袋に入ったたこ焼き。
「うわぁ、なんか凄い久しぶりに見たかも」
「何? たこ焼き?」
「ええ」
「へぇ、今時、スーパーのお惣菜のところでも売ってるよ?」
「あ、言われてみれば。でも、そういうところのよりも、露店で売ってるたこ焼きとかのほうが美味しそうな気がしません?」
そう言いながら、ビニール袋を受け取る。たこ焼きの匂いが鼻をくすぐるから、涎が出そうになる。
「出来立てだから余計にそうなのかも。それより、どうだった?」
「ああ、なんですか、あの混み方」
「あははは、すごいよね。でも花見の時期もすごいよ」
「……想像したくないです」
「まぁ、今日はもうそんなに混まないだろうから、できるだけ補充しといて。明日、納品がいくつかあるから、できれば倉庫のスペース開けておいて欲しいのよ」
尾賀さんは、いくつか僕に指示をしてから事務所を出て行った。彼女の後ろ姿を見送ってると、尾賀さんよりもだいぶ背の高い男の人が同じように浴衣を着て待っているようだった。彼氏だろうか。
「あの尾賀さんが……」
つい小さく言葉が漏れてしまい、クスッと笑ってしまった。
たこ焼きのあまりにも魅惑的な匂いに誘われて、プラスティックの箱を開ける。ここで食べたら青海苔つくかなぁ、と思ったけれど、そうそう僕の口なんて気にする相手はいないだろう。そう思ったら、食欲を抑えきれずに一つだけ楊枝を突き刺して、口の中に放り込んでいた。
「うまっ」
まだ熱々で、中がトロッとしている。正直、全部食べてしまいたいと思ったけれど、休憩に来ているわけではない。
急いでテーブルに袋を置くと、フロアに戻った。
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