しっかり者がダメ男に惹かれる法則(2)

坂田 零

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ACT5 昔、なんじゃこりゃぁぁぁ?って叫んでたドラマあったよね5

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 玄関前に、二台停ってるタクシー。
 前に停まった一台に、あおいがマネージャーの大沢さんと乗り込んでいく。
 ドアを閉めると窓を開けて、あおいは、俺とマーボさんを嬉々とした顔で見上げた。

「マーボさん、てっちゃん・・・あたし、ほんとに幸せ!
大好きな音楽を、大好きな人達とできるってほんと最高だと思った・・・・
てっちゃん『Breathless』・・・・聞いたひとが「うわぁぁぁぁ」って叫ぶような歌にしようね!
あたし、頑張るから・・・歌謡祭のお披露目、楽しみだね!!」

「そだな・・・あおいがそういうなら、俺も頑張るわ
人生にやる気ないけど、地味に最近やる気出してるから」

 俺がそう言うと、あおいは嬉しそうに頷いて、手を振りながら窓を閉めた。
 走り出すタクシー。
 それを見送る無名のシンガーな俺と、往年のスーパーミュージシャンのマーボさん。
 
「さて、あたしたちも帰りましょう、駅まで送るわ」

 マーボさんはそう言って俺の肩を叩いた。

「まじっすか?wありがとうございます!」

 俺はもちろん遠慮なく、マーボさんにそう答えてにんまり笑って見せた。

「そうやって物怖じしないくせに、今日はずいぶん緊張してたんじゃない?
あたし可笑しくなっちゃたわw」

 マーボさんのマネージャー沢木女史に促されてて、マーボさんがそう言いながらタクシーの後部座席に乗り込む。

「そりゃ俺だって緊張ぐらいしますわ!サイゾー氏ガチだったし!」

 俺がそう言って、タクシーに乗り込もうとした時だった、何気なく、タクシーの後ろの歩道に目をやると・・・・
 サラリーマン風の男がスマホをかまえた姿勢で立っていた。

 あれ?こいつ・・・

 俺は以前も、こいつのことを事務所の前で見かけたことがあった。
 俺が振り返ったことに驚いたのか、そいつは慌ててこちらに背中を向けて小走りに逃げていく。

「どうしたの?乗らないのかしら?」

 マーボさんが不審そうにそう聞いてきたんで、俺は、眉間を寄せて思わず言った。

「今・・・・変な奴がこっちにスマホ向けて写真撮ってましたよ」

「え??」

 マーボさんも、怪訝そうに眉間を寄せる。

「あいつ・・・なんか、前も事務所の前にいたような・・・
あおいのファンかな・・・」

「タブロイドの記者じゃなくて?」

「そういう感じではないですね・・・リーマンな感じで、もってるのもスマホだったし」

「感じ悪いわね・・・とりあえず、相手したらダメよ、早く乗りなさい」

「あ・・・はい」

 なんとなく険しい顔になったマーボさんに促されて、俺はタクシーに乗り込んだ。

 まぁ、さっきの奴が記者であれ一般人であれ、勝手に写真とってるとか、付け回してるとかだとかなり感じ悪いよな・・・
 あおいのファンなのかな、やっぱ・・・

 そんなことを思いながら、俺はマーボさんと一緒に駅へと向かった。
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