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ACT3-1
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あの女はいわゆるブスだった。
ほぼノーメイクに近い顔、腫れぼったい一重瞼に、厚い下唇、そして、丸みを帯びた小鼻。
特にスタイルが良い訳でもなく、その女に褒められるとこがあるとすれば、肌の色つやと胸のデカさぐらいなもんだった。
説明会の途中、どうしてもタバコが吸いたくなってそっと会場を抜け出し、たどり着いた非常階段。
タバコを吸うために、スーツのポケットに手を突っ込んだ時、階段下の踊り場に座り込んでいる女がいた。
名前なんかもう忘れた。
確か、『しのぶ』だかなんだったか、そんな名前だった気がした。
階段の上の俺に気づいて、しのぶは顔を上げた。
不可抗力で目があってしまった。
だから、気まぐれに声をかけた。
なんて声をかけたかなんて、覚えちゃいない。
新入社員だったしのぶは、仕事でミスをして上司にこっぴどく怒鳴られた挙句、他の社員の前で「高卒で田舎臭い顔したやつは、仕事もまともにできないのか!?」と罵られたそうだ。
ドン臭いし田舎臭い。
それはどう見ても明らかだ。
これでもう少し顔が良ければ、そんな叱られ方もしなかったかもしれない。
俺はそんなことを思いつつ、両手で顔を覆って泣いているしのぶを、一応は励ましてやりながらまじまじと見た。
しのぶの話なんかより、ブラウスのボタンが千切れそうなほどの巨乳の方が、気にかかって仕方なかった。
“顔を隠せば穴は一緒”
それは当時、大学でよくつるんでいた悪友の言葉だった。
この時、俺の頭にその言葉がよぎった。
一服もしたし、説明会に戻らないといけないな・・・
俺は胸ポケットからボールペンを取り出し、メモに自宅の電話番号を書くと、それをしのぶに渡した。
所々を端折りつつ、俺がその流れを話終えると、何故か、美麗はくすくすと笑い出したのだった。
俺は思わず、きょとんとしてしまう。
美麗は口元を、赤いマニュキュアが塗られた指先で覆いながら言った。
「ごめんなさい、可笑しくて、つい・・・っ
そんな理由で電話番号を渡したんですね?」
「あの頃は、とにかく数をこなしたくて、ブスだろうがなんだろうがお構いなしでした」
「ひどい人」
美麗はそう言って、再び艶やかに微笑った。
美麗が言っていたシチュエーションと、確かにこの話は似ているがあの時の『しのぶ』と、今、目の前にいるこの
美女が同一人物とは到底思えない。
あの女はいわゆるブスだった。
ほぼノーメイクに近い顔、腫れぼったい一重瞼に、厚い下唇、そして、丸みを帯びた小鼻。
特にスタイルが良い訳でもなく、その女に褒められるとこがあるとすれば、肌の色つやと胸のデカさぐらいなもんだった。
説明会の途中、どうしてもタバコが吸いたくなってそっと会場を抜け出し、たどり着いた非常階段。
タバコを吸うために、スーツのポケットに手を突っ込んだ時、階段下の踊り場に座り込んでいる女がいた。
名前なんかもう忘れた。
確か、『しのぶ』だかなんだったか、そんな名前だった気がした。
階段の上の俺に気づいて、しのぶは顔を上げた。
不可抗力で目があってしまった。
だから、気まぐれに声をかけた。
なんて声をかけたかなんて、覚えちゃいない。
新入社員だったしのぶは、仕事でミスをして上司にこっぴどく怒鳴られた挙句、他の社員の前で「高卒で田舎臭い顔したやつは、仕事もまともにできないのか!?」と罵られたそうだ。
ドン臭いし田舎臭い。
それはどう見ても明らかだ。
これでもう少し顔が良ければ、そんな叱られ方もしなかったかもしれない。
俺はそんなことを思いつつ、両手で顔を覆って泣いているしのぶを、一応は励ましてやりながらまじまじと見た。
しのぶの話なんかより、ブラウスのボタンが千切れそうなほどの巨乳の方が、気にかかって仕方なかった。
“顔を隠せば穴は一緒”
それは当時、大学でよくつるんでいた悪友の言葉だった。
この時、俺の頭にその言葉がよぎった。
一服もしたし、説明会に戻らないといけないな・・・
俺は胸ポケットからボールペンを取り出し、メモに自宅の電話番号を書くと、それをしのぶに渡した。
所々を端折りつつ、俺がその流れを話終えると、何故か、美麗はくすくすと笑い出したのだった。
俺は思わず、きょとんとしてしまう。
美麗は口元を、赤いマニュキュアが塗られた指先で覆いながら言った。
「ごめんなさい、可笑しくて、つい・・・っ
そんな理由で電話番号を渡したんですね?」
「あの頃は、とにかく数をこなしたくて、ブスだろうがなんだろうがお構いなしでした」
「ひどい人」
美麗はそう言って、再び艶やかに微笑った。
美麗が言っていたシチュエーションと、確かにこの話は似ているがあの時の『しのぶ』と、今、目の前にいるこの
美女が同一人物とは到底思えない。
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