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3歳になりました。
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とゆう訳で僕は転生しました。
僕の名前は「ナッキート」です。「朝日屋」と言う宿屋の次男坊に生まれました。
あの後、無事に生れた様で
3歳になった昨日、突然あの日のことの記憶がよみがえりました。
それでね、宿屋と言っても、1階は料理屋、2・3階は宿泊できる定番の宿屋でした。
これは、中世フランスで始まった「オーベルジュ」と呼ばれる様式ですね。
ほぼ願い通りでしたね。
ライラフィリア様ありがとう!
えっと家族構成は、中肉中背金髪の父「フレディ」
父と同じくらいの背丈でグレーの髪でセミロングの母「エマ」
父と同じ金髪で4つ上兄「エバンス」
金に近い茶髪をポニーテールにしている3つ上の姉「ニーナ」
グレーの髪の僕の5人家族です。
記憶が甦って気になったのは、頂いたあの本のことです。
や、普通授かる物って、身を守る武器や便利アイテムじゃないかなって思うんですよ。
たぶん、それらに勝るとも劣らない物だと期待しちゃうんですよ。
こんな場合は、なんか唱えれば出てくるんでしょうかね。
とりあえず「ブック」と唱えてみました。
いや、「本」でもよかったのですが、「ブック」のほうがそれっぽいかなあと思ったんですよ。
見事に本が僕の手に現れましたよ。
さあ開こうとした時に突然
「ナッキーいつまで寝てんの!チャッチャッと起きて顔洗ってごはんよ」
これはお姉ちゃんの声だ!
隠し事をしているといううしろめたさからだろうか、僕はビクっとして本を落としてしまった。
だが驚いたことに本は床に着く前に光となって僕の中に消えていくのが分かりました。
意図せず手元から離れると中に戻るのかな。
検証は後にしていつも通りにしましょう。
「はぁい」
何事もなかったように僕は部屋を出ていきました。
食堂では、兄と姉がもうすでに朝食を食べ始めてます。
「父さん母さんおはよう。ニーナお姉ちゃんエバンス兄ちゃんおはよう」
「さあ、早く食べちゃってね。食べたら片付けよ。チャッチャとやるのよ」
この"チャッチャ”は最近のニーナお姉ちゃんの口癖だ。
今朝のメニューはパンと玉ねぎのスープと野菜炒めです。
まあ、前日の残り物なんですけどね。
両親は厨房で宿泊客用の朝食を作っている。
エバンス兄ちゃんが先に食べ終わり、自分の食器を厨房の裏に持っていく。
早い宿泊者はそろそろ朝食を食べに降りてくる頃だ。
昨日から宿泊の冒険者が1人降りてきた。
「「おはようございます」」
僕とニーナお姉ちゃんが元気に挨拶をした。
「おはよう。君たちも早いな」
ニーナお姉ちゃんは、彼が席に座るのを見計らってから
厨房カウンターから朝の定食を配膳した。
「デニスさんは魚でしたね。」
「今日は煮魚だね。旨そうだ」
そうなのだ、この街から東に数時間行ったところに港町があるらしく
この街では魚料理が食べられる。
内陸から来た冒険者たちはこの街で魚料理を食べる人が多いようだ。
この煮魚は夕べ、フレディ父さんが仕込んでたものだ。
ちらほらと宿泊客が食堂に集まってきた。
朝食を食べ終えると
僕は厨房の奥で兄と皿洗いを手伝っている。
姉はそのまま配膳の手伝いだ。
最初に降りてきたデニスさんが厨房の父に声をかけてた。
「フレディ腕の良い鍛冶屋を探しているんだが知らねえか?ドワーフの鍛冶屋がいるって聞いたんだが」
「デニス珍しいこと訊くなあ。どうした?」
「この街に来る途中アーマードボアに襲われてなあ、その時剣に刃こぼれができたんだ」
今まで盛り付けをしていた父が顔を上げた。
「アーマードボアは倒したんだろ。どこに卸した?」
「ここに来る途中に冒険者ギルドで買い取ってもらった」
「じゃ、ギルドに行けばボア肉が買えるんだな」
父のテンションも上がった。
「だから、鍛冶屋に行きたいんだが!」
「まだ朝早いから9時になったら、うちのエバンスに連れてってもらうと良い。
気難しい人だから気を付けな」
フレディ父さんは後ろに顔を向け
「おいエバンス、そこ終わったら後でデニスさんをドミニクさんとこへ案内してくれ」
「はーい!父さん」
「お父さん、僕も一緒に行きたい。」
鍛冶屋さんに行くチャンスだ!
「エバンスお兄ちゃんとお客さんの邪魔にならないならいいぞ」
「うん、分かった」
「じゃ、デニス子供たちを頼むな」
「わかった、じゃあ、一緒に行こうな。エバンス後でな」
そう言うとデニスさんは部屋に戻っていった。
9時になると、デニスさんが部屋から降りてきたので、僕とエバンス兄ちゃんは早速出かけることにした。
ちなみにフレディ父さんは冒険者ギルドに肉を買いに行ってしまった。
「行ってきまーす!」
「いってらっしゃーい。デニスさんよろしくお願いいたします」
エマ母さんが送り出してくれた。
デニスさんは柴犬くらい茶髪の冒険者だ。
うちのお店の表玄関を出て表道りを左に行くと
最初の路地をまた左へ行って裏通りへ出る。
そこを右に曲がりしばらく歩くと裏通りの左側は畑になった。
「なあ、ナッキーお前、鍛冶屋に興味があるのか?」
デニスさんが僕に聞いてきた。
「うん、見てみたいだけ」
「そうか、見てみたいのか。何にでも興味をもつ年頃だなあ」
道中取り留めもない話をしながら歩いてたら、遠くでカンカンと音がしてきた。
左の畑の奥に小さい丘があって一軒の家が建っている。
「あそこが鍛冶屋さんです」
近づくと家の横に小屋があった。
音はそこから聞こえてくる。
「ドミニクさん、おはよう」
「フレディのとこの坊主か、どうした今日は?」
「お客さん連れて来たよ」
「そうか、ありがとう。して今日はどうしたい?」
ドミニクさんはドワーフの鍛冶屋さんだ。
「これなんですけど刃こぼれしてしまって」
デニスさんが腰の剣を差し出した。
ドミニクさんはそれを受け取ると剣を色んな角度から見ている。
剣の柄頭には大きな魔晶石が埋め込まれている。
「大分使い込んでいるな。刃はミスリルかい?」
「ええ、その剣が使いやすくって修復してもらいたいんですが」
「刃こぼれが大きいから砥ぐと大分細くなるぞ」
「それだと困るので刃を新たに付けることはできませんか?」
「ミスリルを少し足して叩き直せばできなくもないがな。
それだと金貨3枚くらいかかるぞ」
「新しいの買うより安いですよ。何日くらいかかりますか?」
「そうだな、1週間くらいはかかるな」
「それでお願いします。」
「お前さん、この剣は王都で買ったのか?この街の冒険者じゃないだろう。待てるのかい?」
「デニスと言います。この剣は王都で買いました。この街へは商隊の護衛で来ています。
明後日には港街のトリニスタンに行きます。
そこで1週間ほど滞在して帰って来ますので、ちょうどいいです。」
「わしはドミニクじゃ。デニスさんよろしくな」
二人は握手した。
「それで、予備の剣はあるのかの?」
「予備の剣は持ってます。商隊の予備剣もありますから」
「じゃお願いしますね。坊主たち帰ろうか」
「お兄ちゃん、僕少しだけお仕事見ててもいい?」
「なんでだよ。帰ろうぜ」
エバンスがめんどくさそうに言った。
「じゃあ、俺が連れて帰るから、エバンスは先帰っててもいいぞ」
デニスさんはめっちゃいい人だな。
「そんな訳にもいきませんよ。デニスさんはお客さんなんですから。
ナッキー何が見たいんだ?面白いものじゃないぞ」
「魔法を使ってるところが見たい」
僕は正直に話した。
「そうゆう年頃なんだよ。俺も見たいし、一緒に見ていこうや」
デニスさんってホントにめっちゃいい人だ。
「デニスさんがそうゆうなら・・・。ナッキー少しだけだぞ」
「うん、少しで良い」
と話してる間にドミニクさんは炉にミスリルの細く長い棒を差し込んで
剣の柄をバラしていた。
剣をばらしたら、刀身を炉に差し込んだ。
ドミニクさんはじっと炉を睨むと、頃合いを見ていたのだろう
炉が青白く光った。風と火魔法で炉の温度をあげたのだろう。
しばらくすると刀が光ったように見えた。
すぐさまそれを出して、同じく焼けたミスリル棒を刃に合わせハンマーで鍛造していく。
「すごい」
僕は思わずつぶやいた。
「ここまですごいのは中々見ないねえ。ミスリルは超高温にしないとダメって聞くからねえ」
デニスさんも感心している。
エバンス兄ちゃんが一番見入ってる。
でも派手な割にはミスリルがくっついたのは先っぽだけだ。
「デニスさん、一気にはくっつけられないのかな?」
「俺の剣は芯が鉄で刃がミスリルなんだ。その方が折れにくいんだ。
だが溶ける温度が違うので、一気にやると剣が壊れてしまうんだ」
「その通りじゃ。親和性と言ってなちょっと付けては叩くことで馴染むし材料の無駄も出ん」
すごい技術なのは分かったしずっと見ていたいけど・・・。
「ありがとう!じゃあ帰ろう」
「え、ナッキーもういいの」
エバンス兄ちゃんが驚いている。
「うん、見たからいい」
デニスさんも切り替えの早さに驚いていたけれど。
「じゃあ、早く帰ろうか」
と言ってくれた。
うん、一目でも見れれば良いのだからね。
帰り道にデニスさんが僕に話かけてきた。
「ナッキー、魔法ならフレディさんもエマさんも使っているだろう」
「え!そうなんですか?」
「ああ、フレディさんは火魔法で調理を
エマさんは身体強化で、重いものを持ってるぞ」
「知らなかったです。教えてくれてありがとう」
「魔法って言えばエバンスは、今年拝礼式だったよな」
「うん、もう終わったよ」
「それはおめでとう。で、何か授かったか?」
「うん、火魔法を貰ったよ」
「やっぱり、親の系統だからかな。よかったな。練習はしてるんだろ」
「はい。まだ火力調整だけだけど、難しくって」
「魔法の使えない俺には贅沢な悩みだよ」
「でもデニスさんは、剣術スキルがあるんだよね」
「だから、手に馴染んだ道具は大事に使いたいんだよ」
やっぱりデニスさんは良い人だ。
でもエバンス兄ちゃんも魔法使えるんだね。
知らなかった。
家に帰ると店番はニーナお姉ちゃんだけだった。
エマ母さんは厨房で何かしていたが僕らが帰ってきたのを見かけると
「エバンス、ニーナと店番お願いね」
と買い出しに行ってしまった。
「ねえ、お父さんはどこ?」
と訊いたら
フレディ父さんは、冒険者ギルドにボア肉を買いに行っていた。
「じゃ、僕はお部屋にいるね」
と言って子供部屋に行くことにした。
もちろん、あの本を読むためだ。
本を開くと最初に「アスカテーラ」のことが書いてあった。
地球よりも二周りほど近く小さく重力も2割減
だが、住んでる人間の大きさも2周り小さいらしい。
1年は360日でひと月は30日
銅貨1枚が1エランでこれが10円くらい。
銅貨10枚で大銅貨1枚
大銅貨10枚で銀貨1枚つまりこれが1000円くらい。
うちの宿泊料が銀貨5枚だから500エランで朝と夕食が付く。
銀貨10枚で大銀貨1枚
大銀貨10枚で金貨1枚
ってことは金貨1枚で10万円くらいの価値があるってことか。
剣の修理代が金貨3枚くらいと言っていたが30万円ってことか。
元々の剣はもっと高いってことだよな。
つまり金貨1枚で1万エランってことだな。
で、金貨10枚で白金貨1枚になるわけだ。
なんか知りたいところがパッと出てくる仕様みたいだ。
じゃあ、魔法のところを読んでみよう。
「魔法はイメージの具現化であり、イメージがしっかりしているほど具現化しやすい。
大気中の魔素を体に取り込みマナとして体内に蓄積できる。
この蓄積量を魔力量と呼ぶ。
マナとは魔素を個人用に取り込みラベリングしたものに近い。
魔素とは粒子であり波である。
この波とは電波や、光の波長と同意義である。
マナも粒子であり波である。
マナにイメージを持たせて放出すると、魔素にもイメージを伝えることが出来
少ないマナで大きな効果を発揮できる。
放出されたマナはイメージを吐き出すと元の魔素の戻る」
まあ、魔法はイメージが大事ってことだね。
鑑定魔法についてはどうだろう。
「植物鑑定・・・取得年齢制限なし
50種の植物の名前が判るようになることかつ
野草、薬草、樹木、野菜、木の実、キノコ類、花、の各々5種以上の判別ができるようになること」
「鉱石鑑定・・・取得年齢制限なし
50種の鉱石・土・金属の名前が判るようになることかつ
宝石類、貴金属類、建材としての鉱物、加工して道具等になる金属や土、
の各々5種類以上の判別ができるようになること」
「生物鑑定・・・取得年齢制限なし
50種類の生物全般の名前が判るようになること。
鳥類、節足動物類、魚貝類、哺乳類、爬虫類及び両生類、魔物類
の各々5種塁以上の判別ができるようになること」
これ知らないと満遍なく名前なんて覚えないよな。
興味のあるのだけ何百も覚える人はいるけど鑑定まで使えないんだな。
この本って結構なアドバンテージなんじゃないか。
こんな場合、超便利な武器とか定番だとか思ったけど、
魔王とかと戦うわけじゃないので丁度良いんじゃないか。
なんて考えていたら背後から
「ナッキー何してんの」
しまった!ニーナお姉ちゃんが部屋に入ってくるのを気が付かなかった!
「何ボーっとしてんの!お昼になるからチャッチャ、と食べちゃって!」
「あ、ハーイ」
あれ、ニーナお姉ちゃんには本が見えてない!
よかった~!ライラフィリア様ありがとう!
食堂に行くと厨房ではフレディ父さんが帰ってきていた。
「父さんお帰り。何してんの?」
「これかい。脂身を買ってきたからラード油作ってるんだ!」
「そうだぞアッキー!油カスも旨いんだぞ。お前も好きだろ」
エバンス兄ちゃんが脂身を細かいサイコロ状に切りながら、興奮気味に話している。
あっ、あの野菜炒めにたまに入っているカリカリのだ。
なんか野菜炒めは、なんか甘じょっぱいソースで味付けしてんだよね。
「ナッキー危ないからあっちで先にお昼を食べておいで」
エマ母さんにうながされてお昼を食べることにした。
お昼は朝の残りの煮魚だ。
煮魚といってもぶつ切りの魚をネギとショウガで柔らかく煮込んでから
葉物野菜を加えてまた煮込み、あの甘じょっぱいソースを加えて最後に塩で味を整える。
なんか、魚のごった煮にみたいな煮物だ。
この世界、思ってたより料理がおいしかった。
昼食を食べたら急激に眠くなった。
やっぱり身体は3歳児だ。
お昼寝をすることにしよう。
僕の名前は「ナッキート」です。「朝日屋」と言う宿屋の次男坊に生まれました。
あの後、無事に生れた様で
3歳になった昨日、突然あの日のことの記憶がよみがえりました。
それでね、宿屋と言っても、1階は料理屋、2・3階は宿泊できる定番の宿屋でした。
これは、中世フランスで始まった「オーベルジュ」と呼ばれる様式ですね。
ほぼ願い通りでしたね。
ライラフィリア様ありがとう!
えっと家族構成は、中肉中背金髪の父「フレディ」
父と同じくらいの背丈でグレーの髪でセミロングの母「エマ」
父と同じ金髪で4つ上兄「エバンス」
金に近い茶髪をポニーテールにしている3つ上の姉「ニーナ」
グレーの髪の僕の5人家族です。
記憶が甦って気になったのは、頂いたあの本のことです。
や、普通授かる物って、身を守る武器や便利アイテムじゃないかなって思うんですよ。
たぶん、それらに勝るとも劣らない物だと期待しちゃうんですよ。
こんな場合は、なんか唱えれば出てくるんでしょうかね。
とりあえず「ブック」と唱えてみました。
いや、「本」でもよかったのですが、「ブック」のほうがそれっぽいかなあと思ったんですよ。
見事に本が僕の手に現れましたよ。
さあ開こうとした時に突然
「ナッキーいつまで寝てんの!チャッチャッと起きて顔洗ってごはんよ」
これはお姉ちゃんの声だ!
隠し事をしているといううしろめたさからだろうか、僕はビクっとして本を落としてしまった。
だが驚いたことに本は床に着く前に光となって僕の中に消えていくのが分かりました。
意図せず手元から離れると中に戻るのかな。
検証は後にしていつも通りにしましょう。
「はぁい」
何事もなかったように僕は部屋を出ていきました。
食堂では、兄と姉がもうすでに朝食を食べ始めてます。
「父さん母さんおはよう。ニーナお姉ちゃんエバンス兄ちゃんおはよう」
「さあ、早く食べちゃってね。食べたら片付けよ。チャッチャとやるのよ」
この"チャッチャ”は最近のニーナお姉ちゃんの口癖だ。
今朝のメニューはパンと玉ねぎのスープと野菜炒めです。
まあ、前日の残り物なんですけどね。
両親は厨房で宿泊客用の朝食を作っている。
エバンス兄ちゃんが先に食べ終わり、自分の食器を厨房の裏に持っていく。
早い宿泊者はそろそろ朝食を食べに降りてくる頃だ。
昨日から宿泊の冒険者が1人降りてきた。
「「おはようございます」」
僕とニーナお姉ちゃんが元気に挨拶をした。
「おはよう。君たちも早いな」
ニーナお姉ちゃんは、彼が席に座るのを見計らってから
厨房カウンターから朝の定食を配膳した。
「デニスさんは魚でしたね。」
「今日は煮魚だね。旨そうだ」
そうなのだ、この街から東に数時間行ったところに港町があるらしく
この街では魚料理が食べられる。
内陸から来た冒険者たちはこの街で魚料理を食べる人が多いようだ。
この煮魚は夕べ、フレディ父さんが仕込んでたものだ。
ちらほらと宿泊客が食堂に集まってきた。
朝食を食べ終えると
僕は厨房の奥で兄と皿洗いを手伝っている。
姉はそのまま配膳の手伝いだ。
最初に降りてきたデニスさんが厨房の父に声をかけてた。
「フレディ腕の良い鍛冶屋を探しているんだが知らねえか?ドワーフの鍛冶屋がいるって聞いたんだが」
「デニス珍しいこと訊くなあ。どうした?」
「この街に来る途中アーマードボアに襲われてなあ、その時剣に刃こぼれができたんだ」
今まで盛り付けをしていた父が顔を上げた。
「アーマードボアは倒したんだろ。どこに卸した?」
「ここに来る途中に冒険者ギルドで買い取ってもらった」
「じゃ、ギルドに行けばボア肉が買えるんだな」
父のテンションも上がった。
「だから、鍛冶屋に行きたいんだが!」
「まだ朝早いから9時になったら、うちのエバンスに連れてってもらうと良い。
気難しい人だから気を付けな」
フレディ父さんは後ろに顔を向け
「おいエバンス、そこ終わったら後でデニスさんをドミニクさんとこへ案内してくれ」
「はーい!父さん」
「お父さん、僕も一緒に行きたい。」
鍛冶屋さんに行くチャンスだ!
「エバンスお兄ちゃんとお客さんの邪魔にならないならいいぞ」
「うん、分かった」
「じゃ、デニス子供たちを頼むな」
「わかった、じゃあ、一緒に行こうな。エバンス後でな」
そう言うとデニスさんは部屋に戻っていった。
9時になると、デニスさんが部屋から降りてきたので、僕とエバンス兄ちゃんは早速出かけることにした。
ちなみにフレディ父さんは冒険者ギルドに肉を買いに行ってしまった。
「行ってきまーす!」
「いってらっしゃーい。デニスさんよろしくお願いいたします」
エマ母さんが送り出してくれた。
デニスさんは柴犬くらい茶髪の冒険者だ。
うちのお店の表玄関を出て表道りを左に行くと
最初の路地をまた左へ行って裏通りへ出る。
そこを右に曲がりしばらく歩くと裏通りの左側は畑になった。
「なあ、ナッキーお前、鍛冶屋に興味があるのか?」
デニスさんが僕に聞いてきた。
「うん、見てみたいだけ」
「そうか、見てみたいのか。何にでも興味をもつ年頃だなあ」
道中取り留めもない話をしながら歩いてたら、遠くでカンカンと音がしてきた。
左の畑の奥に小さい丘があって一軒の家が建っている。
「あそこが鍛冶屋さんです」
近づくと家の横に小屋があった。
音はそこから聞こえてくる。
「ドミニクさん、おはよう」
「フレディのとこの坊主か、どうした今日は?」
「お客さん連れて来たよ」
「そうか、ありがとう。して今日はどうしたい?」
ドミニクさんはドワーフの鍛冶屋さんだ。
「これなんですけど刃こぼれしてしまって」
デニスさんが腰の剣を差し出した。
ドミニクさんはそれを受け取ると剣を色んな角度から見ている。
剣の柄頭には大きな魔晶石が埋め込まれている。
「大分使い込んでいるな。刃はミスリルかい?」
「ええ、その剣が使いやすくって修復してもらいたいんですが」
「刃こぼれが大きいから砥ぐと大分細くなるぞ」
「それだと困るので刃を新たに付けることはできませんか?」
「ミスリルを少し足して叩き直せばできなくもないがな。
それだと金貨3枚くらいかかるぞ」
「新しいの買うより安いですよ。何日くらいかかりますか?」
「そうだな、1週間くらいはかかるな」
「それでお願いします。」
「お前さん、この剣は王都で買ったのか?この街の冒険者じゃないだろう。待てるのかい?」
「デニスと言います。この剣は王都で買いました。この街へは商隊の護衛で来ています。
明後日には港街のトリニスタンに行きます。
そこで1週間ほど滞在して帰って来ますので、ちょうどいいです。」
「わしはドミニクじゃ。デニスさんよろしくな」
二人は握手した。
「それで、予備の剣はあるのかの?」
「予備の剣は持ってます。商隊の予備剣もありますから」
「じゃお願いしますね。坊主たち帰ろうか」
「お兄ちゃん、僕少しだけお仕事見ててもいい?」
「なんでだよ。帰ろうぜ」
エバンスがめんどくさそうに言った。
「じゃあ、俺が連れて帰るから、エバンスは先帰っててもいいぞ」
デニスさんはめっちゃいい人だな。
「そんな訳にもいきませんよ。デニスさんはお客さんなんですから。
ナッキー何が見たいんだ?面白いものじゃないぞ」
「魔法を使ってるところが見たい」
僕は正直に話した。
「そうゆう年頃なんだよ。俺も見たいし、一緒に見ていこうや」
デニスさんってホントにめっちゃいい人だ。
「デニスさんがそうゆうなら・・・。ナッキー少しだけだぞ」
「うん、少しで良い」
と話してる間にドミニクさんは炉にミスリルの細く長い棒を差し込んで
剣の柄をバラしていた。
剣をばらしたら、刀身を炉に差し込んだ。
ドミニクさんはじっと炉を睨むと、頃合いを見ていたのだろう
炉が青白く光った。風と火魔法で炉の温度をあげたのだろう。
しばらくすると刀が光ったように見えた。
すぐさまそれを出して、同じく焼けたミスリル棒を刃に合わせハンマーで鍛造していく。
「すごい」
僕は思わずつぶやいた。
「ここまですごいのは中々見ないねえ。ミスリルは超高温にしないとダメって聞くからねえ」
デニスさんも感心している。
エバンス兄ちゃんが一番見入ってる。
でも派手な割にはミスリルがくっついたのは先っぽだけだ。
「デニスさん、一気にはくっつけられないのかな?」
「俺の剣は芯が鉄で刃がミスリルなんだ。その方が折れにくいんだ。
だが溶ける温度が違うので、一気にやると剣が壊れてしまうんだ」
「その通りじゃ。親和性と言ってなちょっと付けては叩くことで馴染むし材料の無駄も出ん」
すごい技術なのは分かったしずっと見ていたいけど・・・。
「ありがとう!じゃあ帰ろう」
「え、ナッキーもういいの」
エバンス兄ちゃんが驚いている。
「うん、見たからいい」
デニスさんも切り替えの早さに驚いていたけれど。
「じゃあ、早く帰ろうか」
と言ってくれた。
うん、一目でも見れれば良いのだからね。
帰り道にデニスさんが僕に話かけてきた。
「ナッキー、魔法ならフレディさんもエマさんも使っているだろう」
「え!そうなんですか?」
「ああ、フレディさんは火魔法で調理を
エマさんは身体強化で、重いものを持ってるぞ」
「知らなかったです。教えてくれてありがとう」
「魔法って言えばエバンスは、今年拝礼式だったよな」
「うん、もう終わったよ」
「それはおめでとう。で、何か授かったか?」
「うん、火魔法を貰ったよ」
「やっぱり、親の系統だからかな。よかったな。練習はしてるんだろ」
「はい。まだ火力調整だけだけど、難しくって」
「魔法の使えない俺には贅沢な悩みだよ」
「でもデニスさんは、剣術スキルがあるんだよね」
「だから、手に馴染んだ道具は大事に使いたいんだよ」
やっぱりデニスさんは良い人だ。
でもエバンス兄ちゃんも魔法使えるんだね。
知らなかった。
家に帰ると店番はニーナお姉ちゃんだけだった。
エマ母さんは厨房で何かしていたが僕らが帰ってきたのを見かけると
「エバンス、ニーナと店番お願いね」
と買い出しに行ってしまった。
「ねえ、お父さんはどこ?」
と訊いたら
フレディ父さんは、冒険者ギルドにボア肉を買いに行っていた。
「じゃ、僕はお部屋にいるね」
と言って子供部屋に行くことにした。
もちろん、あの本を読むためだ。
本を開くと最初に「アスカテーラ」のことが書いてあった。
地球よりも二周りほど近く小さく重力も2割減
だが、住んでる人間の大きさも2周り小さいらしい。
1年は360日でひと月は30日
銅貨1枚が1エランでこれが10円くらい。
銅貨10枚で大銅貨1枚
大銅貨10枚で銀貨1枚つまりこれが1000円くらい。
うちの宿泊料が銀貨5枚だから500エランで朝と夕食が付く。
銀貨10枚で大銀貨1枚
大銀貨10枚で金貨1枚
ってことは金貨1枚で10万円くらいの価値があるってことか。
剣の修理代が金貨3枚くらいと言っていたが30万円ってことか。
元々の剣はもっと高いってことだよな。
つまり金貨1枚で1万エランってことだな。
で、金貨10枚で白金貨1枚になるわけだ。
なんか知りたいところがパッと出てくる仕様みたいだ。
じゃあ、魔法のところを読んでみよう。
「魔法はイメージの具現化であり、イメージがしっかりしているほど具現化しやすい。
大気中の魔素を体に取り込みマナとして体内に蓄積できる。
この蓄積量を魔力量と呼ぶ。
マナとは魔素を個人用に取り込みラベリングしたものに近い。
魔素とは粒子であり波である。
この波とは電波や、光の波長と同意義である。
マナも粒子であり波である。
マナにイメージを持たせて放出すると、魔素にもイメージを伝えることが出来
少ないマナで大きな効果を発揮できる。
放出されたマナはイメージを吐き出すと元の魔素の戻る」
まあ、魔法はイメージが大事ってことだね。
鑑定魔法についてはどうだろう。
「植物鑑定・・・取得年齢制限なし
50種の植物の名前が判るようになることかつ
野草、薬草、樹木、野菜、木の実、キノコ類、花、の各々5種以上の判別ができるようになること」
「鉱石鑑定・・・取得年齢制限なし
50種の鉱石・土・金属の名前が判るようになることかつ
宝石類、貴金属類、建材としての鉱物、加工して道具等になる金属や土、
の各々5種類以上の判別ができるようになること」
「生物鑑定・・・取得年齢制限なし
50種類の生物全般の名前が判るようになること。
鳥類、節足動物類、魚貝類、哺乳類、爬虫類及び両生類、魔物類
の各々5種塁以上の判別ができるようになること」
これ知らないと満遍なく名前なんて覚えないよな。
興味のあるのだけ何百も覚える人はいるけど鑑定まで使えないんだな。
この本って結構なアドバンテージなんじゃないか。
こんな場合、超便利な武器とか定番だとか思ったけど、
魔王とかと戦うわけじゃないので丁度良いんじゃないか。
なんて考えていたら背後から
「ナッキー何してんの」
しまった!ニーナお姉ちゃんが部屋に入ってくるのを気が付かなかった!
「何ボーっとしてんの!お昼になるからチャッチャ、と食べちゃって!」
「あ、ハーイ」
あれ、ニーナお姉ちゃんには本が見えてない!
よかった~!ライラフィリア様ありがとう!
食堂に行くと厨房ではフレディ父さんが帰ってきていた。
「父さんお帰り。何してんの?」
「これかい。脂身を買ってきたからラード油作ってるんだ!」
「そうだぞアッキー!油カスも旨いんだぞ。お前も好きだろ」
エバンス兄ちゃんが脂身を細かいサイコロ状に切りながら、興奮気味に話している。
あっ、あの野菜炒めにたまに入っているカリカリのだ。
なんか野菜炒めは、なんか甘じょっぱいソースで味付けしてんだよね。
「ナッキー危ないからあっちで先にお昼を食べておいで」
エマ母さんにうながされてお昼を食べることにした。
お昼は朝の残りの煮魚だ。
煮魚といってもぶつ切りの魚をネギとショウガで柔らかく煮込んでから
葉物野菜を加えてまた煮込み、あの甘じょっぱいソースを加えて最後に塩で味を整える。
なんか、魚のごった煮にみたいな煮物だ。
この世界、思ってたより料理がおいしかった。
昼食を食べたら急激に眠くなった。
やっぱり身体は3歳児だ。
お昼寝をすることにしよう。
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Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
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Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
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これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
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帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
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敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
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「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
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転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる
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ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。
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【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
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過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
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転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
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10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
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召喚失敗から始まる異世界生活
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庭付き一戸建て住宅ごと召喚されたせいで、召喚に失敗。いったん、天界に転送されたジュンは、これからどうしたいかと神に問われた。
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