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第3章:使命
第24話
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「邪魔するぞ。」
食堂で食事をしている所へ、薄茶髪の青年がやって来た。食事を共にしていたアルトゥンとジンガが席を立ち、床に片膝を着いて頭を下げる。
「ガルセク王子...!こんな朝早くに、わざわざお越に...?」
「だから邪魔すると、先に言ったではないか。」
「お、俺達に...何の御用でしょうか?」
「貴様に用はない。用があるのは青女だ。」
彼は私に歩み寄り、指をさした。
「って事は...キミがアスールちゃん?」
王子の後から小柄な女性が姿を現し、私の元へ駆け寄った。耳の上で束ねられている水色と桃色が混ざりあった長髪が、身体と共に跳ねているのが目に入る。
「おいパニ。話の邪魔をするな。」
「ガルセク様は、ここに邪魔しに来たんでしょ?ならボクも邪魔していいよねー?」
「それはただの屁理屈だ!」
「...へいくつ?」
「そんな事も知らないとは、やはり子供だな。それより...。貴様も騎士団の人間なら、俺に対する礼儀というものを...」
「す、すんません!ちゃんと教えておきますから、今日の所はお許しを...!」
「ならば、その分働いてもらおう。パニ、説明しろ。」
「はーい喜んでー!」
彼女の説明の中には、分からない言葉が沢山あった。私が理解出来たのは、ジンガと共にアリファーン帝国へ向かい、王子の護衛をするという事だった。
「ガルセク王子!帝国に行くなら、俺も一緒に...」
「青女の付き添いは、1人で十分だ。ジンガの腕は、父上が認めている。それに、貴様では馬車を走らせられないだろう?」
「それは…その…。…申し訳ありません。」
「治癒士の面倒は俺が見る。隊長は留守番を頼む。」
「準備が済むまでここで待ってやる。さっさと着替えて来い。」
「アスール!急いで準備するで!」
アルトゥンに背中を押され、食べかけの食事を残して食堂を後にした。
自室で着替えを済ませ、荷物の入った小さな鞄を身に付ける。この鞄は、彼の妹が使っていた物を譲ってもらったのだと言う。
「金とか水とか入っとるから、無くさないように気をつけるんやで?」
「...分かった。」
「それと...ジンガの言う事をちゃんと聞くんやで?勝手にどっか行ったり、知らない人について行か...」
「...分かった。」
「ほんまに分かっとるんかなぁ...?ルスケアやないけど、心配や...。ハンカチは入れたけど…着替えは…」
彼は私の服の裾を軽く叩きながら、ブツブツと言葉を呟く。後ろの扉が開き、準備を済ませたジンガが私を迎えに来た。
「隊長。そろそろ行こう。」
「お、おう...!そしたら、俺が王子を呼んで来るわ。2人は玄関で待っとって!」
玄関先でアルトゥンに見送られ、いつもより大きな馬車へ乗り込んだ私達はアリファーン帝国へ向かった。
「アスールちゃんは、記憶喪失なんだってね。」
向かいの席に座る女性が、私に語りかけた。
「それが何だと言うのだ。」
「さっきの説明、よく分からなかったんじゃないかなーって思って。帝国に着くまでには時間もあるし、分からない事があったら何でも聞いてねー?」
分からない事を聞けと言われ、先程の説明で耳にした言葉を彼女に問いかけた。
「...国事って、何?」
「国事は、国を良くする為にする仕事の事だよー。隣国のアリファーン帝国と仲良くする為に、ビエント王国の王子であるガルセク様が、わざわざ出向いてお話するのー。」
「...お話するのが仕事?」
「簡単に言えば...そう!」
「そう簡単だと思われても困るがな。」
彼は鼻を鳴らし、窓枠に頬杖を付いて脚を組んだ。彼の履いている靴は、陽の光を反射してキラキラと輝いている。
「...私もお話する?」
「貴様は一言も喋るな。ただついて来ればいい。」
「...アルトじゃなくて、何で私?」
「それはガルセク様が、キミを好...」
「おいパニ!ふざけた事をぬかすな!誰がこんな子供を好いていると!?」
「...好いてる?」
「そんな訳があるか!馬鹿馬鹿しい!」
彼は声を荒らげ、今度は腕を組んだ。指にはめられた輪っかが陽の光を反射し、キラキラと輝く。
「うふふー。ガルセク様は、キミに興味があるって事!」
「...私に?」
「別に興味などない。勘違いするな。」
「...私はある。」
「な...何だと?」
聞きたい事は、先程の説明以外にもあった。私に興味があるという彼に、ずっと疑問に思っていた事を問いかける。
「...まおーって何?」
「魔族共の頂点に立ち、奴らを束ねる王だ。」
「...何でまおー倒すの?」
「魔族と人間は…何百年と争い続けてきた、相容れぬ関係だからだ。王が居なくなれば、奴らは統率をとれなくなる。そうすれば、魔族が滅亡するのも時間の問題だ。」
「…あいれぬ?とーそつ?」
「魔族はボク達人間の暮らしを脅かす、悪い奴でしょー?そんな彼等と争わなくて良くなるように、魔王を倒すんだよー。」
「...倒すのと殺すの、何が違うの?」
「ほう...そう来たか。」
「殺すのは、相手の命を奪う事...でもボク達がしたいのは、命を奪う事じゃないの。魔王が人間達の力を思い知って、負けだ~悪い事はもうしないから許してくれ~って言ったら、殺す必要はない。つまりそれが倒すって事。」
「...分かったけど分からない。」
「全く...魔族共が兄上を殺していなければ、俺がこんな事をする必要も無かったと言うのに...。」
彼は小刻みに脚を揺らしながら、ポツリと呟いた。
「...兄上、死んだの?」
「あぁそうだ。魔族に殺された。どうやって殺されたのかも知りたいか?」
「ちょっと!アスールちゃんはまだ子供なんだから、そんな言い方しないであげてよー。」
「殺すだの死ぬだの、顔色1つ変えずに平気で口にするような奴だぞ?何故俺が気を遣う必要がある。」
突然女性は手を叩き、席を立って私の隣に腰を下ろした。
「じゃあ、この話は終わり終わりー!それより、もっと楽しい話をしよーよー!」
「...楽しい?」
「そうそう!あ、まだ名乗って無かったよね?ボクは、パニ・ダチュラ!パニって呼んでねー。」
「…アニ?」
「アスールちゃんは、ローゼくんと仲良し?」
「...分からない。」
「分かる分かるー!ローゼくんって可愛いもんねー。」
「...よく分からない。」
「うんうん。何であんなに可愛いのか、分からない所がたまんないよねー!」
「貴様等...それで会話をしているのか?」
パニの話は、長い移動時間をあっという間に感じさせる不思議な力があるようだった。彼女が話をする最中に馬車が止まり、ひとりでに扉が開いく。
「何だ?到着するには、随分早...」
「おいお前等!有り金全部、置いていけ!」
突如、剣を持った男性が、馬車の中へ押し寄せて来た。彼は私達に剣を向け、声を荒らげる。
「え?何何ー?もしかして…盗賊くん?」
「ふざけてんじゃねぇぞ女!いいから降り...」
見知らぬ男性が、私に手を伸ばす。恐怖で身がすくみ、強く目を閉じる。
「な、何だ...!?この光は...!」
「おい!こいつ...ぐぁぁ!」
何やら外が騒がしくなり、恐る恐る目を開ける。窓の外で数人が走り抜け、剣を振り回すジンガの姿が見えた。
馬車に入って来た男は扉の外で倒れ、パニは見た事の無い道具を手に持っている。
「アスールちゃんの髪、青くなっててすっごく可愛い!」
彼女は道具を手放し、両手で私の手を包み込んだ。彼女の橙色の瞳が、キラキラと光っているように見える。
「青女の力は、こんなものではないぞ?」
「何でガルセク様が得意げなの?」
「べ、別に得意げでは無い!」
「いやぁービックリしたねー。まさか、盗賊くんが乗り込んで来るとは思わなかったなぁー。」
「...とーぞくん?」
「盗賊も知らんのか?これだから子...」
「人を脅して、お金や物を奪い取る悪い人達なの!街中ではあんまり見かけないけど、人気の少ない森とか、国境付近に潜んでる事が多いんだよねー。」
「おいジンガ!いつまで馬車を止めておくつもりだ!」
外へ出ていく王子の後に続き、パニと共に馬車を降りる。すると、黒い服に身を包んだ人達が、周囲の至る所で倒れていた。
「すみません。今片付けました。」
「こんな奴らに構っている時間は無い。少しでも遅れるような事があれば、せっかくの友好関係にヒビが…」
木に背中を預けていた男性が、剣を握りしめて王子に向かって走り寄る。すかさずパニが彼の脚に向かって道具を向け、細い棒を放った。棒は男性の脚に突き刺さり、彼はその場に膝をつく。
「こらこらダメだよ盗賊くん。王子様に怪我なんてさせたら、見逃すだけじゃ済まなくなっちゃうよー?」
「く、くそ…!こんな弓矢如きで…」
「あーそうだ。あんまり動かない方がいいよ?それ、毒矢だからねー。」
倒れて動かなくなった男性の元へ、足を踏み出す。数歩歩いた所でジンガが手を掴み、私を引き止めた。
「待て、治癒士。どこへ行く?」
「…怪我、治す。」
「彼等に治療の必要は無い。」
「…でも、怪我してる。」
「お前の力は悪い奴の為じゃなく、必要とする人の為に使うべきだ。」
彼の言葉を聞き、私はアルトゥンに言われた事を思い出した。出発前に、ジンガの言う事を聞くように言われたのだ。
「…分かった。」
私達は再び馬車へ乗り込み、何事も無かったかのようにアリファーン帝国を目指した。
食堂で食事をしている所へ、薄茶髪の青年がやって来た。食事を共にしていたアルトゥンとジンガが席を立ち、床に片膝を着いて頭を下げる。
「ガルセク王子...!こんな朝早くに、わざわざお越に...?」
「だから邪魔すると、先に言ったではないか。」
「お、俺達に...何の御用でしょうか?」
「貴様に用はない。用があるのは青女だ。」
彼は私に歩み寄り、指をさした。
「って事は...キミがアスールちゃん?」
王子の後から小柄な女性が姿を現し、私の元へ駆け寄った。耳の上で束ねられている水色と桃色が混ざりあった長髪が、身体と共に跳ねているのが目に入る。
「おいパニ。話の邪魔をするな。」
「ガルセク様は、ここに邪魔しに来たんでしょ?ならボクも邪魔していいよねー?」
「それはただの屁理屈だ!」
「...へいくつ?」
「そんな事も知らないとは、やはり子供だな。それより...。貴様も騎士団の人間なら、俺に対する礼儀というものを...」
「す、すんません!ちゃんと教えておきますから、今日の所はお許しを...!」
「ならば、その分働いてもらおう。パニ、説明しろ。」
「はーい喜んでー!」
彼女の説明の中には、分からない言葉が沢山あった。私が理解出来たのは、ジンガと共にアリファーン帝国へ向かい、王子の護衛をするという事だった。
「ガルセク王子!帝国に行くなら、俺も一緒に...」
「青女の付き添いは、1人で十分だ。ジンガの腕は、父上が認めている。それに、貴様では馬車を走らせられないだろう?」
「それは…その…。…申し訳ありません。」
「治癒士の面倒は俺が見る。隊長は留守番を頼む。」
「準備が済むまでここで待ってやる。さっさと着替えて来い。」
「アスール!急いで準備するで!」
アルトゥンに背中を押され、食べかけの食事を残して食堂を後にした。
自室で着替えを済ませ、荷物の入った小さな鞄を身に付ける。この鞄は、彼の妹が使っていた物を譲ってもらったのだと言う。
「金とか水とか入っとるから、無くさないように気をつけるんやで?」
「...分かった。」
「それと...ジンガの言う事をちゃんと聞くんやで?勝手にどっか行ったり、知らない人について行か...」
「...分かった。」
「ほんまに分かっとるんかなぁ...?ルスケアやないけど、心配や...。ハンカチは入れたけど…着替えは…」
彼は私の服の裾を軽く叩きながら、ブツブツと言葉を呟く。後ろの扉が開き、準備を済ませたジンガが私を迎えに来た。
「隊長。そろそろ行こう。」
「お、おう...!そしたら、俺が王子を呼んで来るわ。2人は玄関で待っとって!」
玄関先でアルトゥンに見送られ、いつもより大きな馬車へ乗り込んだ私達はアリファーン帝国へ向かった。
「アスールちゃんは、記憶喪失なんだってね。」
向かいの席に座る女性が、私に語りかけた。
「それが何だと言うのだ。」
「さっきの説明、よく分からなかったんじゃないかなーって思って。帝国に着くまでには時間もあるし、分からない事があったら何でも聞いてねー?」
分からない事を聞けと言われ、先程の説明で耳にした言葉を彼女に問いかけた。
「...国事って、何?」
「国事は、国を良くする為にする仕事の事だよー。隣国のアリファーン帝国と仲良くする為に、ビエント王国の王子であるガルセク様が、わざわざ出向いてお話するのー。」
「...お話するのが仕事?」
「簡単に言えば...そう!」
「そう簡単だと思われても困るがな。」
彼は鼻を鳴らし、窓枠に頬杖を付いて脚を組んだ。彼の履いている靴は、陽の光を反射してキラキラと輝いている。
「...私もお話する?」
「貴様は一言も喋るな。ただついて来ればいい。」
「...アルトじゃなくて、何で私?」
「それはガルセク様が、キミを好...」
「おいパニ!ふざけた事をぬかすな!誰がこんな子供を好いていると!?」
「...好いてる?」
「そんな訳があるか!馬鹿馬鹿しい!」
彼は声を荒らげ、今度は腕を組んだ。指にはめられた輪っかが陽の光を反射し、キラキラと輝く。
「うふふー。ガルセク様は、キミに興味があるって事!」
「...私に?」
「別に興味などない。勘違いするな。」
「...私はある。」
「な...何だと?」
聞きたい事は、先程の説明以外にもあった。私に興味があるという彼に、ずっと疑問に思っていた事を問いかける。
「...まおーって何?」
「魔族共の頂点に立ち、奴らを束ねる王だ。」
「...何でまおー倒すの?」
「魔族と人間は…何百年と争い続けてきた、相容れぬ関係だからだ。王が居なくなれば、奴らは統率をとれなくなる。そうすれば、魔族が滅亡するのも時間の問題だ。」
「…あいれぬ?とーそつ?」
「魔族はボク達人間の暮らしを脅かす、悪い奴でしょー?そんな彼等と争わなくて良くなるように、魔王を倒すんだよー。」
「...倒すのと殺すの、何が違うの?」
「ほう...そう来たか。」
「殺すのは、相手の命を奪う事...でもボク達がしたいのは、命を奪う事じゃないの。魔王が人間達の力を思い知って、負けだ~悪い事はもうしないから許してくれ~って言ったら、殺す必要はない。つまりそれが倒すって事。」
「...分かったけど分からない。」
「全く...魔族共が兄上を殺していなければ、俺がこんな事をする必要も無かったと言うのに...。」
彼は小刻みに脚を揺らしながら、ポツリと呟いた。
「...兄上、死んだの?」
「あぁそうだ。魔族に殺された。どうやって殺されたのかも知りたいか?」
「ちょっと!アスールちゃんはまだ子供なんだから、そんな言い方しないであげてよー。」
「殺すだの死ぬだの、顔色1つ変えずに平気で口にするような奴だぞ?何故俺が気を遣う必要がある。」
突然女性は手を叩き、席を立って私の隣に腰を下ろした。
「じゃあ、この話は終わり終わりー!それより、もっと楽しい話をしよーよー!」
「...楽しい?」
「そうそう!あ、まだ名乗って無かったよね?ボクは、パニ・ダチュラ!パニって呼んでねー。」
「…アニ?」
「アスールちゃんは、ローゼくんと仲良し?」
「...分からない。」
「分かる分かるー!ローゼくんって可愛いもんねー。」
「...よく分からない。」
「うんうん。何であんなに可愛いのか、分からない所がたまんないよねー!」
「貴様等...それで会話をしているのか?」
パニの話は、長い移動時間をあっという間に感じさせる不思議な力があるようだった。彼女が話をする最中に馬車が止まり、ひとりでに扉が開いく。
「何だ?到着するには、随分早...」
「おいお前等!有り金全部、置いていけ!」
突如、剣を持った男性が、馬車の中へ押し寄せて来た。彼は私達に剣を向け、声を荒らげる。
「え?何何ー?もしかして…盗賊くん?」
「ふざけてんじゃねぇぞ女!いいから降り...」
見知らぬ男性が、私に手を伸ばす。恐怖で身がすくみ、強く目を閉じる。
「な、何だ...!?この光は...!」
「おい!こいつ...ぐぁぁ!」
何やら外が騒がしくなり、恐る恐る目を開ける。窓の外で数人が走り抜け、剣を振り回すジンガの姿が見えた。
馬車に入って来た男は扉の外で倒れ、パニは見た事の無い道具を手に持っている。
「アスールちゃんの髪、青くなっててすっごく可愛い!」
彼女は道具を手放し、両手で私の手を包み込んだ。彼女の橙色の瞳が、キラキラと光っているように見える。
「青女の力は、こんなものではないぞ?」
「何でガルセク様が得意げなの?」
「べ、別に得意げでは無い!」
「いやぁービックリしたねー。まさか、盗賊くんが乗り込んで来るとは思わなかったなぁー。」
「...とーぞくん?」
「盗賊も知らんのか?これだから子...」
「人を脅して、お金や物を奪い取る悪い人達なの!街中ではあんまり見かけないけど、人気の少ない森とか、国境付近に潜んでる事が多いんだよねー。」
「おいジンガ!いつまで馬車を止めておくつもりだ!」
外へ出ていく王子の後に続き、パニと共に馬車を降りる。すると、黒い服に身を包んだ人達が、周囲の至る所で倒れていた。
「すみません。今片付けました。」
「こんな奴らに構っている時間は無い。少しでも遅れるような事があれば、せっかくの友好関係にヒビが…」
木に背中を預けていた男性が、剣を握りしめて王子に向かって走り寄る。すかさずパニが彼の脚に向かって道具を向け、細い棒を放った。棒は男性の脚に突き刺さり、彼はその場に膝をつく。
「こらこらダメだよ盗賊くん。王子様に怪我なんてさせたら、見逃すだけじゃ済まなくなっちゃうよー?」
「く、くそ…!こんな弓矢如きで…」
「あーそうだ。あんまり動かない方がいいよ?それ、毒矢だからねー。」
倒れて動かなくなった男性の元へ、足を踏み出す。数歩歩いた所でジンガが手を掴み、私を引き止めた。
「待て、治癒士。どこへ行く?」
「…怪我、治す。」
「彼等に治療の必要は無い。」
「…でも、怪我してる。」
「お前の力は悪い奴の為じゃなく、必要とする人の為に使うべきだ。」
彼の言葉を聞き、私はアルトゥンに言われた事を思い出した。出発前に、ジンガの言う事を聞くように言われたのだ。
「…分かった。」
私達は再び馬車へ乗り込み、何事も無かったかのようにアリファーン帝国を目指した。
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