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第3章:使命
第32話
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「あ、アスール!おはようッス。」
「今日は俺の方から直々に来てやったぞ。喜べ青女。」
食事を終えて廊下を歩いていると、玄関先で話をしているガルセク王子とアウルムを見つけた。どうやら彼等は、何か用があってここへ来たらしい。
王子に喜べと言われたが、どうしていいか分からずにその場で首を傾げる。
「何だ?喜び方を知らんのか?」
「キャー。ガルセク王子ヨー。ステキー。」
急に高い声で喋り出すアウルムの視線を感じ、彼の真似をして同じ言葉を繰り返した。
「...きゃー。ガルセク王子よー。素敵ー。」
「心のこもって居ない、黄色い声援はやめろ。気持ち悪いだけだ。」
「...黄色?」
「女性や子供の甲高い声をそう言うッスよ。何で黄色かは...知らないッス!」
「...気になる。」
「そんな事はどうでもいい。それより、貴様以外の騎士はどこに居る?」
「...中庭にユオアス居た。」
「ならばそこまで案内せよ。」
「...分かった。」
彼等を連れて中庭へ向かうと、訓練中のユオダスとローゼの姿があった。彼等はその場に膝をつき、頭を下げる。
「ガルセク王子おはようございます。本日は何の御用でしょうか?」
「マルシャンまで同行してもらいたい。ユオダスとローゼ...貴様等2人で十分だ。」
「かしこまりました。準備をして参りますので、少々お待ち下さい。」
「青女。お前はどうする?以前のように、大人しく言う事を聞くのであれば...連れて行ってやっても良いぞ。」
「...行きたい。」
「なら、貴様も着替えて来い。」
「...分かった。」
目的地がどのような場所か分からなかったが、馬車で向かうのであれば遠出するに違いない。そう思った私は、以前アルトゥンが用意してくれた荷物と同じ物を用意し、制服に着替えて玄関へ向かった。
ユオダスは馬に跨り、王子とアウルム、ローゼの4人で馬車の荷台に乗り込む。
「それで...僕達は一体、何をすれば良いのでしょうか?」
しばらく走った後、何も聞かされていないローゼは、アウルムと王子に向かって問いかけた。
「マルシャンへは、罪人の搬送と事件の調査に向かうッス。人手が必要なんで、2人に来てもらったッスよ。」
「...マウシャ、どこ?」
「ビエント王国とアリファーン帝国の国境にある、商人の街ッス。正確には、アリファーン帝国の街なんッスけど...国と国の境目にあるから、色んな物資が集まる所なんッスよ。」
「確か、王国民と帝国民の双方が一緒に暮らしているんでしたよね?事件と言うのは...一体何なんですか?」
「それがなんでも...王国民が帝国民に襲いかかったらしいんッス。それが1件や2件じゃなくて、数十件にも及んでるらしくて...。」
「襲ったと言っても、殺した訳じゃない。少々怪我をした程度で...奴等は騒ぎすぎだ。」
「仕方ないッスよ。どっちか一国だけの問題だけじゃないんッスから。」
呆れ返る王子をなだめるアウルムも、どこか呆れたような表情を浮かべていた。
「国家の問題に、ガルセク王子が出向くのは分かりました。ですが、王国民が襲った事が明確なら...調査する程の事ではないんじゃ...?」
「それが変なんッスよ。襲いかかった王国民は、全員女性だって話なんッス。」
「え?数十件もあって、男性は全く居なかったんですか?」
「どうもそうらしい。面白そうだから、仕方なく俺も行ってやろうという訳だ。」
「女性の搬送なら...ユオダスさんは役に立てなさそうなので、僕がお手伝いします。」
「そうしてもらえると助かるッス。アスールは、ユオダスと一緒に街で聞き込みをして欲しいッス。」
「...分かった。」
「おい。俺を忘れるな。」
「あー...。ガルセク様は、役所かなんかで待っててくれた方が...」
「せっかく出向いた俺が留守番だと?もちろん俺も調査するぞ。」
「俺が居ない時くらい、大人しくしてて欲しいんッスけど…。」
「魔族討伐ではなく調査なのだから、ユオダスが居れば十分だ。」
「まぁ...そうッスね。アスールも、ガルセク様が、がどこか行かない様に見てて下さいッスね?」
「...分かった。」
「おい待て。何故青女に頼む。俺が迷子になるとでも?」
「やだな~。もしもの事があったら困るから、一応ッスよ一応。」
「もしもの事があるとすれば、俺よりもこいつを...」
「あ、見えてきたッス!あそこがマルシャン…ッスよ。」
馬車の外を指さす彼の視線の先に、石造りの壁が見え始める。そのまま馬車は大きな門をくぐり抜け、街の中へ入って行った。
役所のような建物へ向かい、王子は出迎える人達に向けて笑顔と愛想を振り撒いた。その後、捕まっている不審者の元を訪れ、アウルムが彼女達を運ぶ手配を進めていく。
「本来ならば、俺がそちらを担当するはずなのですが...。アウルム様の手を煩わせてしまい、申し訳ありません。」
「いやいや。手伝って貰ってるのはこっちの方なんッスから、気にしなくていいッスよ。それじゃ、そっちの調査は任せたッス。」
「はい。お任せ下さい。」
彼等をその場に残し、歩き出すユオダスと王子の後を追いかけていく。
外に出ると、乾いた風が頬を撫でた。アリファーン帝国という事もあり、街中に緑は少ないが全く無い訳でもないらしい。
「まずは、事件の事を知っていそうな人に話を聞いてみましょう。」
ユオダスの提案に従い、街行く人々に声をかけていった。私は話をする彼等の邪魔をしないよう、口を閉ざし、大人しく後ろを着いて行く。
次々と話を聞いてまわるが、事件の存在は知っていても内容まで詳しく分かる人は現れなかった。
「これだけ多く発生しているにも関わらず、詳しい内容を知る者が居ないというのは…不思議ですね。」
「今の所分かっているのは、加害者が全て女である事くらいか。しかも全員王国民である…と。」
「逆に被害者は全員帝国民です。それと、被害者の中には男性も居るようですが…加害者が女性に限られて居るのは何故でしょう?」
「おい青女、きさ…」
「き、騎士様!どうか…どうか娘をお助け下さい…!」
突然現れた男性がこちらに駆け寄り、地面に手をついて座り込んだ。ユオダスはその場にしゃがみ込み、男性の肩に手を添える。
「娘さんが…どうされたのですか?」
「役所に連れて行かれたのです…。お付き合いしていた男性に、怪我をさせた…暴行罪で…。」
「もしや、最近街で多発している…帝国民襲撃事件ですか?」
「そうです…!私の娘は王国民で、彼は帝国民だと聞いていました。」
「詳しく話を聞かせて貰えますか?」
男性は、自分の娘が暴行をするはずが無いと彼に訴えかけた。普段の彼女は温厚で、怒りで拳を振るうような人物ではないと言う。
「例え逆上したとしても、人を殴るような子では無いのです!何か…別の事情があったに違いありません…!」
「何か、娘さんの身の回りで変わった事はありませんでしたか?捕まる前日の行動を、よく思い出してみて下さい。」
「確か…彼と一緒に買い物へ行きました。そうだ…服…。行きと帰りとで、服が違っていました!」
「服…ですか?」
「その服は、彼女が普段来ているのと同じようなものでしたか?」
「うーん…。服についてはあまり詳しくないので…よく分かりません。」
「その服がどうも怪しそうですね…。詳しく調べてみますので、どうか娘さんの事は我々にお任せ下さい。」
「あ、ありがとうございます…!どうか…よろしくお願いします!」
男性が立ち去った後、私達は服を売っている商人達に話を聞く事にした。
通りの端で服を並べてある店を見つけ、ユオダスが商人と思われる女性に声をかける。
「すみません。」
「いらっしゃ~い。おやおや~?その服…ビエント王国の騎士様かな~?」
「見ただけで分かるということは…あなたは王国民なのですか?」
「そうそう~。あたしは王国から服を仕入れて、この街で売り捌いてるのさ~。で?騎士様がわざわざ、こんな所まで服を見に来たの~?それとも…そちらにいらっしゃる、いかにも高貴そうな方の服をお探しかな~?」
彼女は王子の方に視線を向けながら、高貴という言葉を口にした。
「見ただけで分かるものなのですか?」
「そりゃそうさ~。なんてったって、服を扱ってるんだから…それくらいの目利きは出来ないとねぇ~?」
「あの…少々、お聞きした事があるのですが…。」
「ん~?何の話~?」
ユオダスは彼女に事件について知っている事は無いか尋ねた。
「あぁ~あの事件ね~。まぁ~…知っている事があると言えばあるけど~…。」
「良かったら、教えて頂けませんか?」
「協力してあげたい所だけど~…。こっちも商売なんだよね~?タダで情報をあげるって言うのはちょっと~…」
「それでしたら、教えて頂く代わりに服を下さい。それならどうでしょう?」
「おっけ~!それなら喜んで~!お兄さんに似合いそうな服があるんだよ~。ちょっとこっちに…」
女性は服を手に取り、彼の方へ腕を伸ばした。彼女の腕を遮るように、私は2人の間に割って入った。
「アスール…?」
「…私の服、選んで欲しい。」
「え~!?こんな可愛い騎士様が居るなんて知らなかった~!お兄さん!買ってもらうのは、この子の服でもいい~!?」
「あ、あぁ…。俺は構いません。」
「どれどれ~。君には何が似合うかな~?」
それから彼女は私の服を選び、王子がお金を払ってくれたのだった。
「毎度あり~!いやぁ~。子供服って中々売れないからさ~。」
「約束の情報、聞かせて頂けますか?」
「話すのは構わないけど、ここだけの話にしてよ~?実は最近…王国民の間で、帝国民のデザイナーが作った服が人気なんだって~。」
「…デザイナー?」
「服を作る人の事だよ~。なんでもそのデザイナーは、女性物の服しか作らないらしいんだけどね~。」
「女性物…。」
「その方の名前は知りませんか?」
「う~ん…。確か、ティラーへス?いや…ティスーヘラ?…ティへーラスだったかな~?」
「ありがとうございます。これだけ教えて頂ければ、十分です。」
「いい取引が出来て良かったよ~。良かったらまた来てね~。」
「今日は俺の方から直々に来てやったぞ。喜べ青女。」
食事を終えて廊下を歩いていると、玄関先で話をしているガルセク王子とアウルムを見つけた。どうやら彼等は、何か用があってここへ来たらしい。
王子に喜べと言われたが、どうしていいか分からずにその場で首を傾げる。
「何だ?喜び方を知らんのか?」
「キャー。ガルセク王子ヨー。ステキー。」
急に高い声で喋り出すアウルムの視線を感じ、彼の真似をして同じ言葉を繰り返した。
「...きゃー。ガルセク王子よー。素敵ー。」
「心のこもって居ない、黄色い声援はやめろ。気持ち悪いだけだ。」
「...黄色?」
「女性や子供の甲高い声をそう言うッスよ。何で黄色かは...知らないッス!」
「...気になる。」
「そんな事はどうでもいい。それより、貴様以外の騎士はどこに居る?」
「...中庭にユオアス居た。」
「ならばそこまで案内せよ。」
「...分かった。」
彼等を連れて中庭へ向かうと、訓練中のユオダスとローゼの姿があった。彼等はその場に膝をつき、頭を下げる。
「ガルセク王子おはようございます。本日は何の御用でしょうか?」
「マルシャンまで同行してもらいたい。ユオダスとローゼ...貴様等2人で十分だ。」
「かしこまりました。準備をして参りますので、少々お待ち下さい。」
「青女。お前はどうする?以前のように、大人しく言う事を聞くのであれば...連れて行ってやっても良いぞ。」
「...行きたい。」
「なら、貴様も着替えて来い。」
「...分かった。」
目的地がどのような場所か分からなかったが、馬車で向かうのであれば遠出するに違いない。そう思った私は、以前アルトゥンが用意してくれた荷物と同じ物を用意し、制服に着替えて玄関へ向かった。
ユオダスは馬に跨り、王子とアウルム、ローゼの4人で馬車の荷台に乗り込む。
「それで...僕達は一体、何をすれば良いのでしょうか?」
しばらく走った後、何も聞かされていないローゼは、アウルムと王子に向かって問いかけた。
「マルシャンへは、罪人の搬送と事件の調査に向かうッス。人手が必要なんで、2人に来てもらったッスよ。」
「...マウシャ、どこ?」
「ビエント王国とアリファーン帝国の国境にある、商人の街ッス。正確には、アリファーン帝国の街なんッスけど...国と国の境目にあるから、色んな物資が集まる所なんッスよ。」
「確か、王国民と帝国民の双方が一緒に暮らしているんでしたよね?事件と言うのは...一体何なんですか?」
「それがなんでも...王国民が帝国民に襲いかかったらしいんッス。それが1件や2件じゃなくて、数十件にも及んでるらしくて...。」
「襲ったと言っても、殺した訳じゃない。少々怪我をした程度で...奴等は騒ぎすぎだ。」
「仕方ないッスよ。どっちか一国だけの問題だけじゃないんッスから。」
呆れ返る王子をなだめるアウルムも、どこか呆れたような表情を浮かべていた。
「国家の問題に、ガルセク王子が出向くのは分かりました。ですが、王国民が襲った事が明確なら...調査する程の事ではないんじゃ...?」
「それが変なんッスよ。襲いかかった王国民は、全員女性だって話なんッス。」
「え?数十件もあって、男性は全く居なかったんですか?」
「どうもそうらしい。面白そうだから、仕方なく俺も行ってやろうという訳だ。」
「女性の搬送なら...ユオダスさんは役に立てなさそうなので、僕がお手伝いします。」
「そうしてもらえると助かるッス。アスールは、ユオダスと一緒に街で聞き込みをして欲しいッス。」
「...分かった。」
「おい。俺を忘れるな。」
「あー...。ガルセク様は、役所かなんかで待っててくれた方が...」
「せっかく出向いた俺が留守番だと?もちろん俺も調査するぞ。」
「俺が居ない時くらい、大人しくしてて欲しいんッスけど…。」
「魔族討伐ではなく調査なのだから、ユオダスが居れば十分だ。」
「まぁ...そうッスね。アスールも、ガルセク様が、がどこか行かない様に見てて下さいッスね?」
「...分かった。」
「おい待て。何故青女に頼む。俺が迷子になるとでも?」
「やだな~。もしもの事があったら困るから、一応ッスよ一応。」
「もしもの事があるとすれば、俺よりもこいつを...」
「あ、見えてきたッス!あそこがマルシャン…ッスよ。」
馬車の外を指さす彼の視線の先に、石造りの壁が見え始める。そのまま馬車は大きな門をくぐり抜け、街の中へ入って行った。
役所のような建物へ向かい、王子は出迎える人達に向けて笑顔と愛想を振り撒いた。その後、捕まっている不審者の元を訪れ、アウルムが彼女達を運ぶ手配を進めていく。
「本来ならば、俺がそちらを担当するはずなのですが...。アウルム様の手を煩わせてしまい、申し訳ありません。」
「いやいや。手伝って貰ってるのはこっちの方なんッスから、気にしなくていいッスよ。それじゃ、そっちの調査は任せたッス。」
「はい。お任せ下さい。」
彼等をその場に残し、歩き出すユオダスと王子の後を追いかけていく。
外に出ると、乾いた風が頬を撫でた。アリファーン帝国という事もあり、街中に緑は少ないが全く無い訳でもないらしい。
「まずは、事件の事を知っていそうな人に話を聞いてみましょう。」
ユオダスの提案に従い、街行く人々に声をかけていった。私は話をする彼等の邪魔をしないよう、口を閉ざし、大人しく後ろを着いて行く。
次々と話を聞いてまわるが、事件の存在は知っていても内容まで詳しく分かる人は現れなかった。
「これだけ多く発生しているにも関わらず、詳しい内容を知る者が居ないというのは…不思議ですね。」
「今の所分かっているのは、加害者が全て女である事くらいか。しかも全員王国民である…と。」
「逆に被害者は全員帝国民です。それと、被害者の中には男性も居るようですが…加害者が女性に限られて居るのは何故でしょう?」
「おい青女、きさ…」
「き、騎士様!どうか…どうか娘をお助け下さい…!」
突然現れた男性がこちらに駆け寄り、地面に手をついて座り込んだ。ユオダスはその場にしゃがみ込み、男性の肩に手を添える。
「娘さんが…どうされたのですか?」
「役所に連れて行かれたのです…。お付き合いしていた男性に、怪我をさせた…暴行罪で…。」
「もしや、最近街で多発している…帝国民襲撃事件ですか?」
「そうです…!私の娘は王国民で、彼は帝国民だと聞いていました。」
「詳しく話を聞かせて貰えますか?」
男性は、自分の娘が暴行をするはずが無いと彼に訴えかけた。普段の彼女は温厚で、怒りで拳を振るうような人物ではないと言う。
「例え逆上したとしても、人を殴るような子では無いのです!何か…別の事情があったに違いありません…!」
「何か、娘さんの身の回りで変わった事はありませんでしたか?捕まる前日の行動を、よく思い出してみて下さい。」
「確か…彼と一緒に買い物へ行きました。そうだ…服…。行きと帰りとで、服が違っていました!」
「服…ですか?」
「その服は、彼女が普段来ているのと同じようなものでしたか?」
「うーん…。服についてはあまり詳しくないので…よく分かりません。」
「その服がどうも怪しそうですね…。詳しく調べてみますので、どうか娘さんの事は我々にお任せ下さい。」
「あ、ありがとうございます…!どうか…よろしくお願いします!」
男性が立ち去った後、私達は服を売っている商人達に話を聞く事にした。
通りの端で服を並べてある店を見つけ、ユオダスが商人と思われる女性に声をかける。
「すみません。」
「いらっしゃ~い。おやおや~?その服…ビエント王国の騎士様かな~?」
「見ただけで分かるということは…あなたは王国民なのですか?」
「そうそう~。あたしは王国から服を仕入れて、この街で売り捌いてるのさ~。で?騎士様がわざわざ、こんな所まで服を見に来たの~?それとも…そちらにいらっしゃる、いかにも高貴そうな方の服をお探しかな~?」
彼女は王子の方に視線を向けながら、高貴という言葉を口にした。
「見ただけで分かるものなのですか?」
「そりゃそうさ~。なんてったって、服を扱ってるんだから…それくらいの目利きは出来ないとねぇ~?」
「あの…少々、お聞きした事があるのですが…。」
「ん~?何の話~?」
ユオダスは彼女に事件について知っている事は無いか尋ねた。
「あぁ~あの事件ね~。まぁ~…知っている事があると言えばあるけど~…。」
「良かったら、教えて頂けませんか?」
「協力してあげたい所だけど~…。こっちも商売なんだよね~?タダで情報をあげるって言うのはちょっと~…」
「それでしたら、教えて頂く代わりに服を下さい。それならどうでしょう?」
「おっけ~!それなら喜んで~!お兄さんに似合いそうな服があるんだよ~。ちょっとこっちに…」
女性は服を手に取り、彼の方へ腕を伸ばした。彼女の腕を遮るように、私は2人の間に割って入った。
「アスール…?」
「…私の服、選んで欲しい。」
「え~!?こんな可愛い騎士様が居るなんて知らなかった~!お兄さん!買ってもらうのは、この子の服でもいい~!?」
「あ、あぁ…。俺は構いません。」
「どれどれ~。君には何が似合うかな~?」
それから彼女は私の服を選び、王子がお金を払ってくれたのだった。
「毎度あり~!いやぁ~。子供服って中々売れないからさ~。」
「約束の情報、聞かせて頂けますか?」
「話すのは構わないけど、ここだけの話にしてよ~?実は最近…王国民の間で、帝国民のデザイナーが作った服が人気なんだって~。」
「…デザイナー?」
「服を作る人の事だよ~。なんでもそのデザイナーは、女性物の服しか作らないらしいんだけどね~。」
「女性物…。」
「その方の名前は知りませんか?」
「う~ん…。確か、ティラーへス?いや…ティスーヘラ?…ティへーラスだったかな~?」
「ありがとうございます。これだけ教えて頂ければ、十分です。」
「いい取引が出来て良かったよ~。良かったらまた来てね~。」
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