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淫魔編:フォントメウ
【203話】お買い物
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「さて!アーサーもモニカもすっかり元気になって、杖も2か月後に戻ってくることが決まったことだし、今日はフォントメウの町でショッピングでもしましょうか!」
家に帰ってきたシャナが、ツェンとフェゥと一緒にごはんを食べていた子どもたちに提案した。ずっと気分が沈んでいたアーサーと、目が覚めてから難しい話ばかり聞かされてうんざりしていたモニカ、双子が元気になって喜んでいるユーリはパァっと顔を輝かせる。
「ショッピングぅー?!」
「きゃーーーー!!いきたいいきたい!!いーきーたーいー!!」
「母さん!僕が道案内するからね!」
「ええお願いするわねユーリ。フォントメウのお店は良いわよ~?特に寝衣とアクセサリー、コスメがおすすめ」
「コスメーーー!!!」
「ここのコスメは質素なものだけれど、とぉってもお肌にいいのよ。そしてここでしか手に入らない、キラキラと光るパウダーが売っているの。それを瞼の上に乗せるとね、すっごくすっごく綺麗になるのよ!カトリナはフォントメウのパウダーを愛用しているわ」
「なにそれえーーー!!きゃーーーー!!」
コスメと聞いてモニカは大喜びだ。アーサーの腕にむぎゅっと抱きつきキラキラした目で見る。
「アーサーも、アビーの分買おうね!!」
「うん!」
「あと、質の良いエーテル専門店もあるわ。モニカあなた、魔力がすっからかんでしょう?全回復するのに1か月はかかるわ。でもそこのエーテルを飲めば、おそらく半月で回復するはずよ」
「わー、助かる!!来月はヴァジーの依頼も控えてるのにどうしようって思ってたぁ」
「えっ、モニカそれ行くつもりなの?!」
「当り前じゃない!ジッピンよジッピン!!行くに決まってるでしょー!!」
「あら、あなたたちジッピンに行くの?」
「うん!ルアンの画家の護衛で行くことになったんだ」
「ジッピン…行ってみたいわあ。あそこにはこの国にない木があるって聞いたから…」
そんな話をしながら、双子とエルフ親子は身なりを整えて町へ出た。フォントメウで双子が普段着ている服装をしているとかなり目立ってしまうので、モニカはシャナの、アーサーはユーリの服を借りた。
町を歩いていると、何人かのエルフがモニカが前を通り過ぎるまで跪いていた。モニカは「これいやだなあ~」と小声でつぶやきながらも、跪いているエルフに微笑みをむけて手を振った。中には感激で涙を流してしまう者もいた。
「うう…。私そんなすごい人じゃないのにぃ…。白翼狼がただ夢の中でありがとうって言うためだけに付けた印なのにー…」
「この町じゃあモニカがお姫様みたいだね」
「やめてよアーサー…。お姫様になんてなりたくないわ…」
「アーサー、モニカ!ここがコスメ店だよ。入って」
小さな建物の前でユーリが立ち止まった。中へ入ると、ひときわ美しいエルフがカウンターの奥で座っていた。シャナとユーリを見て微笑みながら手を振っている。
「シャナ、ユーリ。久しぶりね。…あら?ヒトの子?」
「久しぶりチィ。こちらアーサーとモニカ。偽名は訳ありよ。ごめんね」
「いいのいいの!本名か偽名か気にするエルフなんてお年寄りだけよ。アーサー、モニカ、ゆっくりしていってね」
この町で偽名を名乗っていることを初めて問い詰められなかったことで、アーサーはなぜかウルウルしてしまった。
「ん?アーサーどうしたの?泣きそうな顔しちゃって」
「なんでもないよ。なんでもないけど、僕たち、今じゃ本名より今の名前の方がしっくりこない?」
「うん。本名なんだっけって時々忘れそうになるわ」
「僕はそこまでじゃないけど…。でも、アーサーとモニカって名前を受け入れてもらえることが、こんなに嬉しいことだったんだって思って。はじめは適当に付けた名前だけど、今じゃアーサーって名前もモニカの名前もだいすきなんだ」
「私もだいすき!それに呼びやすいしね!前の名前はちょっと変わっててあんまり好きじゃないわ」
「ああ…アーサーは色んな人に"なんで偽名使ってるんだー"って聞かれていたものね。ごめんなさい。今まであなたが出会ってきたエルフたちはみんなご年配の方たちばかりで…。この町に暮らしているエルフでも、私くらいの世代になるとそんなことでとやかく言わないわ」
「良かった…。ちょっとこわい町だなあって思っちゃってたから…」
「あらあら。こんな可愛い男の子にお年寄りはなにをしたの?まったく。そんなんだから若いエルフはほとんどヒトの世に出てしまうのよぉ」
「アーサー、今から行くお店はみんな若いエルフがしているところよ。きっとあなたにも優しくしてくれるわ」
「よかったあ」
「それよりアーサー!見てよこのコスメぇぇぇ!!まず容器がすごくかわいいわ!!」
モニカは棚に並べられているコスメを見て大騒ぎしている。チィおすすめのコスメを紹介してもらい、アーサーが気に入った淡い緑色と、ユーリが気に入った水色、シャナが気に入ったベージュ色の3色を買うことにした。さっそく緑色のパウダーを瞼の上に乗せ、アーサーに感想を求めている。
「ねえねえアーサーどう?!」
「うわあああ!すっごく綺麗だよモニカ!瞼の上に色を乗せるだけでこんなに変わるんだねえ。かわいいー!!」
「えへへー照れるなあ~嬉しいなあ~」
「ねえモニカ、せっかくだからさ、紅とかおしろいも買っちゃったら?このお店のおしろい、サラサラしてて塗り心地良さそうだよ」
「わ、本当だー!それにほら見てアーサー!この口紅もきらきらしてるぅー!」
「うわあ~かわいい!ちょっと塗ってみる?」
「うん!アーサー塗ってくれるぅ?」
「はあい」
アーサーは指先に紅を付けてモニカの唇にぽんぽんと乗せた。発色が良く、キラキラと微かにきらめくその紅を乗せたモニカのかわいらしさに、ユーリとアーサーが顔を赤らめた。
「わあ。モニカ、すごく似合ってるよ」
「うんうん…!モニカ、エルフみたいに綺麗だよ…!」
「ええっ…!そ、そんなぁ、エルフみたいだなんてアーサー、それは言い過ぎよぉ…えへへ」
「ううん。本当に綺麗だよモニカ。わあ…」
「ユーリどうしよう…!こんな綺麗な子が僕の妹だなんてさ…!どうしよう…!」
「あはは。モニカが綺麗すぎてアーサーが変になっちゃった」
子どもたちが盛り上がっているのを少し離れて見ていたシャナとチィがクスクスと笑っている。
「シャナ?あのヒトの子、本当に兄妹なの?恋人同士に見えちゃうわ」
「兄妹よ。あの二人、ちょっと変わった育ち方をしていてね。一般的なヒトと感覚が違うのよ。ヒトとの距離感もね」
「そうなの。ふふ、かわいらしいわねえ。それにユーリもとても楽しそう。あんなに笑っているところを見たのは初めてだわ」
「ええ。ユーリにとってあの二人は、かけがえのない存在よ。家族のように思っているわ。お互いにね」
「素敵な関係ね。あーあ、私もこの町を出ようかしら。シャナみたいにヒトの旦那が欲しいわあ」
「分かる。エルフの男性って中性的でなんだか物足りないのよねえ」
「それなのよ!シャナの旦那みたいにゴリラみたいな人と結婚したいわあー」
「待って。あなたカミーユのことゴリラみたいな人って思ってたの?!」
「え?どう見てもゴリラでしょ?」
「ゴリラじゃないわよ!とっても可愛らしい男の子よ」
「おとこのこ…?いやいやいや…いやいや…」
家に帰ってきたシャナが、ツェンとフェゥと一緒にごはんを食べていた子どもたちに提案した。ずっと気分が沈んでいたアーサーと、目が覚めてから難しい話ばかり聞かされてうんざりしていたモニカ、双子が元気になって喜んでいるユーリはパァっと顔を輝かせる。
「ショッピングぅー?!」
「きゃーーーー!!いきたいいきたい!!いーきーたーいー!!」
「母さん!僕が道案内するからね!」
「ええお願いするわねユーリ。フォントメウのお店は良いわよ~?特に寝衣とアクセサリー、コスメがおすすめ」
「コスメーーー!!!」
「ここのコスメは質素なものだけれど、とぉってもお肌にいいのよ。そしてここでしか手に入らない、キラキラと光るパウダーが売っているの。それを瞼の上に乗せるとね、すっごくすっごく綺麗になるのよ!カトリナはフォントメウのパウダーを愛用しているわ」
「なにそれえーーー!!きゃーーーー!!」
コスメと聞いてモニカは大喜びだ。アーサーの腕にむぎゅっと抱きつきキラキラした目で見る。
「アーサーも、アビーの分買おうね!!」
「うん!」
「あと、質の良いエーテル専門店もあるわ。モニカあなた、魔力がすっからかんでしょう?全回復するのに1か月はかかるわ。でもそこのエーテルを飲めば、おそらく半月で回復するはずよ」
「わー、助かる!!来月はヴァジーの依頼も控えてるのにどうしようって思ってたぁ」
「えっ、モニカそれ行くつもりなの?!」
「当り前じゃない!ジッピンよジッピン!!行くに決まってるでしょー!!」
「あら、あなたたちジッピンに行くの?」
「うん!ルアンの画家の護衛で行くことになったんだ」
「ジッピン…行ってみたいわあ。あそこにはこの国にない木があるって聞いたから…」
そんな話をしながら、双子とエルフ親子は身なりを整えて町へ出た。フォントメウで双子が普段着ている服装をしているとかなり目立ってしまうので、モニカはシャナの、アーサーはユーリの服を借りた。
町を歩いていると、何人かのエルフがモニカが前を通り過ぎるまで跪いていた。モニカは「これいやだなあ~」と小声でつぶやきながらも、跪いているエルフに微笑みをむけて手を振った。中には感激で涙を流してしまう者もいた。
「うう…。私そんなすごい人じゃないのにぃ…。白翼狼がただ夢の中でありがとうって言うためだけに付けた印なのにー…」
「この町じゃあモニカがお姫様みたいだね」
「やめてよアーサー…。お姫様になんてなりたくないわ…」
「アーサー、モニカ!ここがコスメ店だよ。入って」
小さな建物の前でユーリが立ち止まった。中へ入ると、ひときわ美しいエルフがカウンターの奥で座っていた。シャナとユーリを見て微笑みながら手を振っている。
「シャナ、ユーリ。久しぶりね。…あら?ヒトの子?」
「久しぶりチィ。こちらアーサーとモニカ。偽名は訳ありよ。ごめんね」
「いいのいいの!本名か偽名か気にするエルフなんてお年寄りだけよ。アーサー、モニカ、ゆっくりしていってね」
この町で偽名を名乗っていることを初めて問い詰められなかったことで、アーサーはなぜかウルウルしてしまった。
「ん?アーサーどうしたの?泣きそうな顔しちゃって」
「なんでもないよ。なんでもないけど、僕たち、今じゃ本名より今の名前の方がしっくりこない?」
「うん。本名なんだっけって時々忘れそうになるわ」
「僕はそこまでじゃないけど…。でも、アーサーとモニカって名前を受け入れてもらえることが、こんなに嬉しいことだったんだって思って。はじめは適当に付けた名前だけど、今じゃアーサーって名前もモニカの名前もだいすきなんだ」
「私もだいすき!それに呼びやすいしね!前の名前はちょっと変わっててあんまり好きじゃないわ」
「ああ…アーサーは色んな人に"なんで偽名使ってるんだー"って聞かれていたものね。ごめんなさい。今まであなたが出会ってきたエルフたちはみんなご年配の方たちばかりで…。この町に暮らしているエルフでも、私くらいの世代になるとそんなことでとやかく言わないわ」
「良かった…。ちょっとこわい町だなあって思っちゃってたから…」
「あらあら。こんな可愛い男の子にお年寄りはなにをしたの?まったく。そんなんだから若いエルフはほとんどヒトの世に出てしまうのよぉ」
「アーサー、今から行くお店はみんな若いエルフがしているところよ。きっとあなたにも優しくしてくれるわ」
「よかったあ」
「それよりアーサー!見てよこのコスメぇぇぇ!!まず容器がすごくかわいいわ!!」
モニカは棚に並べられているコスメを見て大騒ぎしている。チィおすすめのコスメを紹介してもらい、アーサーが気に入った淡い緑色と、ユーリが気に入った水色、シャナが気に入ったベージュ色の3色を買うことにした。さっそく緑色のパウダーを瞼の上に乗せ、アーサーに感想を求めている。
「ねえねえアーサーどう?!」
「うわあああ!すっごく綺麗だよモニカ!瞼の上に色を乗せるだけでこんなに変わるんだねえ。かわいいー!!」
「えへへー照れるなあ~嬉しいなあ~」
「ねえモニカ、せっかくだからさ、紅とかおしろいも買っちゃったら?このお店のおしろい、サラサラしてて塗り心地良さそうだよ」
「わ、本当だー!それにほら見てアーサー!この口紅もきらきらしてるぅー!」
「うわあ~かわいい!ちょっと塗ってみる?」
「うん!アーサー塗ってくれるぅ?」
「はあい」
アーサーは指先に紅を付けてモニカの唇にぽんぽんと乗せた。発色が良く、キラキラと微かにきらめくその紅を乗せたモニカのかわいらしさに、ユーリとアーサーが顔を赤らめた。
「わあ。モニカ、すごく似合ってるよ」
「うんうん…!モニカ、エルフみたいに綺麗だよ…!」
「ええっ…!そ、そんなぁ、エルフみたいだなんてアーサー、それは言い過ぎよぉ…えへへ」
「ううん。本当に綺麗だよモニカ。わあ…」
「ユーリどうしよう…!こんな綺麗な子が僕の妹だなんてさ…!どうしよう…!」
「あはは。モニカが綺麗すぎてアーサーが変になっちゃった」
子どもたちが盛り上がっているのを少し離れて見ていたシャナとチィがクスクスと笑っている。
「シャナ?あのヒトの子、本当に兄妹なの?恋人同士に見えちゃうわ」
「兄妹よ。あの二人、ちょっと変わった育ち方をしていてね。一般的なヒトと感覚が違うのよ。ヒトとの距離感もね」
「そうなの。ふふ、かわいらしいわねえ。それにユーリもとても楽しそう。あんなに笑っているところを見たのは初めてだわ」
「ええ。ユーリにとってあの二人は、かけがえのない存在よ。家族のように思っているわ。お互いにね」
「素敵な関係ね。あーあ、私もこの町を出ようかしら。シャナみたいにヒトの旦那が欲しいわあ」
「分かる。エルフの男性って中性的でなんだか物足りないのよねえ」
「それなのよ!シャナの旦那みたいにゴリラみたいな人と結婚したいわあー」
「待って。あなたカミーユのことゴリラみたいな人って思ってたの?!」
「え?どう見てもゴリラでしょ?」
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「おとこのこ…?いやいやいや…いやいや…」
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