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合宿編:一週目・ご挨拶
【388話】2vs4
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「アーサー」
「……」
カミーユがアーサーに鋭い眼光を向ける。威圧感に震え上がりそうになるのをぐっとこらえ、アーサーはカミーユを睨み返した。指でつままれているだけなのに、剣がぴくりとも動かない。
「ちと本気、出させてもらうぜ」
「ふっ…!」
目にも止まらない速さでカミーユがアーサーに剣を振りかぶった。かろうじて剣で受け止めるも、カミーユの剛腕を防ぎきれない。押されたアーサーの剣が自身の体にざっくりとめり込んだ。
「アーサー!!」
兄を助けようと、モニカが風魔法を起こしたがリアーナに打ち消される。
「おいリアーナ手ぇ出すな!」
「いやこれそういうやつだろ?!」
「るっせぇ俺一人でやる!」
「カミーユ。私たちも参加させてちょうだァい?」
「じゃあ5分だけあげるからそれですっきりしてくれる?」
「充分!」
「モニカ!風じゃなくてほら!あれ!あれ使って!」
「ああアレね!」
S級冒険者が言い合いをしている間に、アーサーがモニカに指示を出した。ピンときたモニカは、杖をカミーユに向けて歌を歌う。毒魔法が発動した瞬間、カミーユがアーサーの首根っこをつかんで盾にした。
「うぐぁっ…」
「きゃーーー!!アーサー!!!」
「毒魔法来るって分かってておとなしくしてるかよ」
モニカの毒魔法をモロに食らったアーサーは口と鼻から血を噴き出した。カミーユ用にたっぷり濃い毒魔法を放出したので、アーサーもいつもよりダメージを食らっている。
毒を食らいニヤけながらぐったりしているアーサーを、カミーユはモニカめがけて放り投げた。双子の頭がかち合い地面に倒れこむ。意識を失ったのか、二人は立ち上がらない。
「ふう。終わったか」
カミーユは静かになった双子を見てため息をついた。それに対してS級冒険者から大ブーイングをくらう。
「おいぃぃ!!ダウンさせてどうすんだよあたしらも戦いたかったんですけどぉ?!」
「アーサーとモニカに大人数に囲まれたときの戦いを実践で教えようと思ったのに」
「大人げないわァカミーユ。魔物と戦うときのような戦い方をしてェ。もう少し丁寧に戦ってあげなさい?」
「あー…悪い血ぃのぼってた」
「確かに僕たちの中でまずカミーユ倒そうとする人なんていないもんね」
ジルはそう言ってクスクス笑った。
「でも僕はカミーユを狙いたくなった気持ちがわかるよ。リアーナは僕に守られていて手を出せない。僕にもダメージがなかなか入らない。カトリナは弓と体術で遠距離と近距離両方いけるし、精神的にストレスのたまる戦いを強いるのが上手だ。それに対してカミーユは近距離戦のみで単純な力のぶつかり合いになるから戦いやすい。そのうえ前の特訓で毒魔法を使ってかなりいい線まで追い込めてたしね。…もちろんカミーユが手を抜いて、だけど。モニカとの距離も近かったし、僕がアーサーでもカミーユ狙うかな」
「俺もそれは分かってたんだがな。まあいい。これでだいたいの実力は分かったな」
「うん」
「おう!」
「ええ」
(えっ?瞬殺だったのに実力が分かったのか?)
ベニートが驚いて顔をあげると、アデーレとイェルドも「そんなまさか」と苦笑いしていた。
「じゃあ、家ん中戻るか。今後どういう風に育てたらいいかを話し合っ…」
カミーユが話の途中で口をつぐんだ。ジルとリアーナが不思議そうに眺めていると、カミーユの口からツーと血が流れた。
「?!」
「カミーユどした?!」
「…ちっ、起きてたのかよおまえら…」
よく見るとカミーユの腹から剣先が覗いている。カミーユが顔だけうしろに向けると、毒と傷が完治して肌がツルツルになっているアーサーがぴったりとくっついていた。
「まだ終わってない!!!」
「なるほど、モニカの回復魔法か。厄介だ」
「魔王モニカはすごいんだからねカミーユ!!僕は何度でもよみがえるんだ!」
「魔王ってなによアーサー!!」
「おおっ?!てことはやりたい放題ってことかあ?!」
「いいね」
「あらうれしい。延長戦ねェ」
「おいお前らは仲間の腹に穴が開いてもなにも言うことねえのか?!」
「舐めときゃ治るだろ!カミーユだし!」
「いくわよアーサー、モニカ。ちゃぁんと手加減してあげるからねェ」
カトリナはそう言って一本の矢を引いた。手を抜くとハッキリ言われて双子は「むぅぅっ」と頬を膨らませている。
「じゃあ僕も盾を捨てようかな。槍だけで戦うよ」
「むぅぅっ!!」
「じゃーあたしは反属性魔法使わねえ~!」
「むぅぅぅぅっ!!!」
「俺は利き手じゃないほうで剣を持つ」
「むぅぅぅぅぅぅっ!!」
「それなりに楽しませてくれよおまえらぁっ!」
「「絶対勝つもん!!!」」
その後自らハンデをつけたS級冒険者は、双子がまともに戦えるギリギリのところで攻撃を続けた。リアーナが反属性魔法を使わないと言ってしまったのが一番困りもので、彼らはモニカの魔法をもろに受けることになる(リアーナの攻撃魔法を打ち消しながらなので威力はかなり落ちていたが)。
だがさすがはS級冒険者。頭から雷を受けても、火だるまにされても攻撃の手を緩めてくれない。モニカは化け物に囲まれて「ヒィィイン!」と情けない声を出しながら恐ろしい威力の魔法を連発した。
珍しくジルが攻撃を仕掛けてきた。鉄壁のジルは嫌になるほど厄介だが、攻撃型のジルも手ごわかった。リーチの長い槍で素早く攻撃が繰り出され、攻撃をよけていたアーサーはあっさりと目論見通りの位置に誘導されてしまった。そこはカトリナの射線上で、すでに弓を引いていた彼女はたった一本の矢を射る。それに気づいていなかったアーサーの利き腕の関節にきれいに刺さる。利き手を潰されたアーサーはそれでもあきらめず、矢を引き抜き右手で剣を持ち直した。すぐさまモニカの回復魔法がアーサーを包み込み傷を完治させる。
ダフ、クラリッサ、ライラ、シリルの怪我が完治するまでの数時間(シリルは骨が折れていたので完治に数日かかった)、双子はS級冒険者に挑み続けた。地面は血だらけ、黒焦げ、矢まみれだ。おまけに毒魔法によって吐き出された吐しゃ物まで落とされている。
常に回復魔法で怪我ひとつないが失血がひどいアーサーとモニカ。切り傷刺し傷丸焦げ、おまけに毒に侵されているS級冒険者。ベニートたちからしたらどちらもいつ死んでもおかしくないような状態だ。それなのに張本人たちは楽しくて仕方がないようだった。モニカが失血で倒れてしまい、やっと彼らは武器をおろした。
「……」
カミーユがアーサーに鋭い眼光を向ける。威圧感に震え上がりそうになるのをぐっとこらえ、アーサーはカミーユを睨み返した。指でつままれているだけなのに、剣がぴくりとも動かない。
「ちと本気、出させてもらうぜ」
「ふっ…!」
目にも止まらない速さでカミーユがアーサーに剣を振りかぶった。かろうじて剣で受け止めるも、カミーユの剛腕を防ぎきれない。押されたアーサーの剣が自身の体にざっくりとめり込んだ。
「アーサー!!」
兄を助けようと、モニカが風魔法を起こしたがリアーナに打ち消される。
「おいリアーナ手ぇ出すな!」
「いやこれそういうやつだろ?!」
「るっせぇ俺一人でやる!」
「カミーユ。私たちも参加させてちょうだァい?」
「じゃあ5分だけあげるからそれですっきりしてくれる?」
「充分!」
「モニカ!風じゃなくてほら!あれ!あれ使って!」
「ああアレね!」
S級冒険者が言い合いをしている間に、アーサーがモニカに指示を出した。ピンときたモニカは、杖をカミーユに向けて歌を歌う。毒魔法が発動した瞬間、カミーユがアーサーの首根っこをつかんで盾にした。
「うぐぁっ…」
「きゃーーー!!アーサー!!!」
「毒魔法来るって分かってておとなしくしてるかよ」
モニカの毒魔法をモロに食らったアーサーは口と鼻から血を噴き出した。カミーユ用にたっぷり濃い毒魔法を放出したので、アーサーもいつもよりダメージを食らっている。
毒を食らいニヤけながらぐったりしているアーサーを、カミーユはモニカめがけて放り投げた。双子の頭がかち合い地面に倒れこむ。意識を失ったのか、二人は立ち上がらない。
「ふう。終わったか」
カミーユは静かになった双子を見てため息をついた。それに対してS級冒険者から大ブーイングをくらう。
「おいぃぃ!!ダウンさせてどうすんだよあたしらも戦いたかったんですけどぉ?!」
「アーサーとモニカに大人数に囲まれたときの戦いを実践で教えようと思ったのに」
「大人げないわァカミーユ。魔物と戦うときのような戦い方をしてェ。もう少し丁寧に戦ってあげなさい?」
「あー…悪い血ぃのぼってた」
「確かに僕たちの中でまずカミーユ倒そうとする人なんていないもんね」
ジルはそう言ってクスクス笑った。
「でも僕はカミーユを狙いたくなった気持ちがわかるよ。リアーナは僕に守られていて手を出せない。僕にもダメージがなかなか入らない。カトリナは弓と体術で遠距離と近距離両方いけるし、精神的にストレスのたまる戦いを強いるのが上手だ。それに対してカミーユは近距離戦のみで単純な力のぶつかり合いになるから戦いやすい。そのうえ前の特訓で毒魔法を使ってかなりいい線まで追い込めてたしね。…もちろんカミーユが手を抜いて、だけど。モニカとの距離も近かったし、僕がアーサーでもカミーユ狙うかな」
「俺もそれは分かってたんだがな。まあいい。これでだいたいの実力は分かったな」
「うん」
「おう!」
「ええ」
(えっ?瞬殺だったのに実力が分かったのか?)
ベニートが驚いて顔をあげると、アデーレとイェルドも「そんなまさか」と苦笑いしていた。
「じゃあ、家ん中戻るか。今後どういう風に育てたらいいかを話し合っ…」
カミーユが話の途中で口をつぐんだ。ジルとリアーナが不思議そうに眺めていると、カミーユの口からツーと血が流れた。
「?!」
「カミーユどした?!」
「…ちっ、起きてたのかよおまえら…」
よく見るとカミーユの腹から剣先が覗いている。カミーユが顔だけうしろに向けると、毒と傷が完治して肌がツルツルになっているアーサーがぴったりとくっついていた。
「まだ終わってない!!!」
「なるほど、モニカの回復魔法か。厄介だ」
「魔王モニカはすごいんだからねカミーユ!!僕は何度でもよみがえるんだ!」
「魔王ってなによアーサー!!」
「おおっ?!てことはやりたい放題ってことかあ?!」
「いいね」
「あらうれしい。延長戦ねェ」
「おいお前らは仲間の腹に穴が開いてもなにも言うことねえのか?!」
「舐めときゃ治るだろ!カミーユだし!」
「いくわよアーサー、モニカ。ちゃぁんと手加減してあげるからねェ」
カトリナはそう言って一本の矢を引いた。手を抜くとハッキリ言われて双子は「むぅぅっ」と頬を膨らませている。
「じゃあ僕も盾を捨てようかな。槍だけで戦うよ」
「むぅぅっ!!」
「じゃーあたしは反属性魔法使わねえ~!」
「むぅぅぅぅっ!!!」
「俺は利き手じゃないほうで剣を持つ」
「むぅぅぅぅぅぅっ!!」
「それなりに楽しませてくれよおまえらぁっ!」
「「絶対勝つもん!!!」」
その後自らハンデをつけたS級冒険者は、双子がまともに戦えるギリギリのところで攻撃を続けた。リアーナが反属性魔法を使わないと言ってしまったのが一番困りもので、彼らはモニカの魔法をもろに受けることになる(リアーナの攻撃魔法を打ち消しながらなので威力はかなり落ちていたが)。
だがさすがはS級冒険者。頭から雷を受けても、火だるまにされても攻撃の手を緩めてくれない。モニカは化け物に囲まれて「ヒィィイン!」と情けない声を出しながら恐ろしい威力の魔法を連発した。
珍しくジルが攻撃を仕掛けてきた。鉄壁のジルは嫌になるほど厄介だが、攻撃型のジルも手ごわかった。リーチの長い槍で素早く攻撃が繰り出され、攻撃をよけていたアーサーはあっさりと目論見通りの位置に誘導されてしまった。そこはカトリナの射線上で、すでに弓を引いていた彼女はたった一本の矢を射る。それに気づいていなかったアーサーの利き腕の関節にきれいに刺さる。利き手を潰されたアーサーはそれでもあきらめず、矢を引き抜き右手で剣を持ち直した。すぐさまモニカの回復魔法がアーサーを包み込み傷を完治させる。
ダフ、クラリッサ、ライラ、シリルの怪我が完治するまでの数時間(シリルは骨が折れていたので完治に数日かかった)、双子はS級冒険者に挑み続けた。地面は血だらけ、黒焦げ、矢まみれだ。おまけに毒魔法によって吐き出された吐しゃ物まで落とされている。
常に回復魔法で怪我ひとつないが失血がひどいアーサーとモニカ。切り傷刺し傷丸焦げ、おまけに毒に侵されているS級冒険者。ベニートたちからしたらどちらもいつ死んでもおかしくないような状態だ。それなのに張本人たちは楽しくて仕方がないようだった。モニカが失血で倒れてしまい、やっと彼らは武器をおろした。
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