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第7話 運命のいたずら
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私は、上白石優子。大学で夫と知り合い、熱愛した。どちらかというと、私が彼に積極的にアプローチしたと言った方が良いだろう。
私が、大学を卒業後、すぐに結婚。夫はその時、社会人三年目であり、両方の両親も快く認めてくれた。
結婚生活が落ち着くと、私は設計事務所に契約社員として入った。それから六年。契約社員であっても、重要な仕事のメインを任せて貰える様になっている。
「上白石さん。明日の午後の元受けへのプレゼン。同行してください。プレゼンの重要ポイントの作成に関わって貰ったので、質問が出た時、対応お願いします。
「分かりました」
プレゼンサポートは、良くある話だ。いつもの事だと思い、QA資料の準備をした。
元受けの会議室に入ると、元受けの社員は、まだ来ていなかった。私は、テーブルに人数分の資料を配り、プロジェクタの準備が、終わった所で、社員が入って来た。
その中の一人を見た時、私は思わず、声を上げそうになった。今から一か月前のあの時の人だった。
向こうもすぐに気が付いたみたいだが、冷静な顔をしている。
「上白石君。新谷課長、初めてだろう。挨拶してくれ」
体が動かなかった。あいつは、平気な顔で微笑んでいる。
「上白石君。早く。プレゼン前に挨拶してくれ」
「わっ、分かりました」
鞄から名刺入れを出すと、あの男の前に立った。
「三上設計事務所の上白石です。宜しくお願いします」
名刺を差し出すと、名刺と私の顔をしっかり見た後に、
「新谷健司と言います。こちらこそ宜しくお願いします」
顔を作り、普通に名刺を渡してきた。
「頂戴いたします」
新谷というのか。しかし………。
運命のいたずらとは、こういう時の言葉だな。まさかあの時の女性に会えるなんて。しかし綺麗だ。スタイルも抜群。あそこも抜群か。面白くなってきた。
この仕事、この設計事務所に発注で確定だ。プレゼンは、聞いても仕方ない。まあ、実績もある設計事務所だ、問題ないだろう。
一時間の説明と質問の間中、あいつは、横目で私を見ていた。私の体を見ていたと言った方がいい。気持ち悪かった。
私の出番はなく、というより質問内容が浅い。理由は、分からないが、簡単に終わった。
「結果は、見積もり提示全社終了後になります。宜しいですか」
新谷課長の発言に
「問題ありません」
と回答し、会議は、終了した。
「上白石君。君は、新谷課長と以前面識が有ったのかね」
「いえ、ありません」
「そうか」
気付くはずもない事だった。
一週間後、
「上白石君。先の案件、落札したよ。向こうの話では、プレゼンの内容が、他社に比べて非常に納得いくもので有ったという事だ。という事で、この案件、サブリーダで入ってくれ」
「ええっ、私がですか」
「何を驚いているんだ。前にも何回か有っただろう」
「あっ、はい。分かりました」
「来週、早々に詳細の詰めを開始する。資料の準備をしてくれ」
まずい、あの男と会う時間が多くなる。何とかしないと。
「結城、話居聞いてくれる」
「うん。何だ、改まって」
「実は………。私達、結婚して、もう六年でしょ。そろそろ……ねっ」
「そういう事か。そうだな。優子も二十八。上手くいけば、来年顔が見れるか」
私が顔を赤くして下を向くと
「もしかして、今日のおねだり」
「もう……。そうだけど。その前に決めないといけない事がある」
「なに」
「私、今の仕事、そろそろ辞めようかなと思って。もう六年でしょ。契約社員になって。だから、退職して。専念したい」
「えっ、あっ、そういう事。構わないけど。仕事の区切りはいいの」
「だって契約社員だもの。今度の更新、来月末だから、今のうちに行っておけば、大丈夫。有休消化を入れると、来月前半で終われる」
「なんか、積極的だな」
「いいでしょ………」
言い終わる前に夫が、私の唇を塞いできた。
「えっ、来月末で終わらせたい。冗談にしてはきついんだが。この前、この案件を君のおかげで取れたんだ。サブとはいえ実質的なリーダだよ。勘弁してくれ。せめて半年伸ばせないか」
「済みません。家の重要な事情で」
思い切り頭を下げた。
これでいい。せいぜい後二回会えば終わる。あいつも自分の立場があるだろう。変な事はしてこないはず。
「どうだった。会社の方は。辞められそう」
「うん。問題ない。子作りの為なんて言えないから、家の重要な事情って事にした」
「確かに。我が家の重要な事情だな」
「そうよ。だから……ね」
栄養ドリンク飲まないと………夫談。
―――――
上白石結城さん。ファイトー〇発。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
私が、大学を卒業後、すぐに結婚。夫はその時、社会人三年目であり、両方の両親も快く認めてくれた。
結婚生活が落ち着くと、私は設計事務所に契約社員として入った。それから六年。契約社員であっても、重要な仕事のメインを任せて貰える様になっている。
「上白石さん。明日の午後の元受けへのプレゼン。同行してください。プレゼンの重要ポイントの作成に関わって貰ったので、質問が出た時、対応お願いします。
「分かりました」
プレゼンサポートは、良くある話だ。いつもの事だと思い、QA資料の準備をした。
元受けの会議室に入ると、元受けの社員は、まだ来ていなかった。私は、テーブルに人数分の資料を配り、プロジェクタの準備が、終わった所で、社員が入って来た。
その中の一人を見た時、私は思わず、声を上げそうになった。今から一か月前のあの時の人だった。
向こうもすぐに気が付いたみたいだが、冷静な顔をしている。
「上白石君。新谷課長、初めてだろう。挨拶してくれ」
体が動かなかった。あいつは、平気な顔で微笑んでいる。
「上白石君。早く。プレゼン前に挨拶してくれ」
「わっ、分かりました」
鞄から名刺入れを出すと、あの男の前に立った。
「三上設計事務所の上白石です。宜しくお願いします」
名刺を差し出すと、名刺と私の顔をしっかり見た後に、
「新谷健司と言います。こちらこそ宜しくお願いします」
顔を作り、普通に名刺を渡してきた。
「頂戴いたします」
新谷というのか。しかし………。
運命のいたずらとは、こういう時の言葉だな。まさかあの時の女性に会えるなんて。しかし綺麗だ。スタイルも抜群。あそこも抜群か。面白くなってきた。
この仕事、この設計事務所に発注で確定だ。プレゼンは、聞いても仕方ない。まあ、実績もある設計事務所だ、問題ないだろう。
一時間の説明と質問の間中、あいつは、横目で私を見ていた。私の体を見ていたと言った方がいい。気持ち悪かった。
私の出番はなく、というより質問内容が浅い。理由は、分からないが、簡単に終わった。
「結果は、見積もり提示全社終了後になります。宜しいですか」
新谷課長の発言に
「問題ありません」
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「上白石君。君は、新谷課長と以前面識が有ったのかね」
「いえ、ありません」
「そうか」
気付くはずもない事だった。
一週間後、
「上白石君。先の案件、落札したよ。向こうの話では、プレゼンの内容が、他社に比べて非常に納得いくもので有ったという事だ。という事で、この案件、サブリーダで入ってくれ」
「ええっ、私がですか」
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「あっ、はい。分かりました」
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まずい、あの男と会う時間が多くなる。何とかしないと。
「結城、話居聞いてくれる」
「うん。何だ、改まって」
「実は………。私達、結婚して、もう六年でしょ。そろそろ……ねっ」
「そういう事か。そうだな。優子も二十八。上手くいけば、来年顔が見れるか」
私が顔を赤くして下を向くと
「もしかして、今日のおねだり」
「もう……。そうだけど。その前に決めないといけない事がある」
「なに」
「私、今の仕事、そろそろ辞めようかなと思って。もう六年でしょ。契約社員になって。だから、退職して。専念したい」
「えっ、あっ、そういう事。構わないけど。仕事の区切りはいいの」
「だって契約社員だもの。今度の更新、来月末だから、今のうちに行っておけば、大丈夫。有休消化を入れると、来月前半で終われる」
「なんか、積極的だな」
「いいでしょ………」
言い終わる前に夫が、私の唇を塞いできた。
「えっ、来月末で終わらせたい。冗談にしてはきついんだが。この前、この案件を君のおかげで取れたんだ。サブとはいえ実質的なリーダだよ。勘弁してくれ。せめて半年伸ばせないか」
「済みません。家の重要な事情で」
思い切り頭を下げた。
これでいい。せいぜい後二回会えば終わる。あいつも自分の立場があるだろう。変な事はしてこないはず。
「どうだった。会社の方は。辞められそう」
「うん。問題ない。子作りの為なんて言えないから、家の重要な事情って事にした」
「確かに。我が家の重要な事情だな」
「そうよ。だから……ね」
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上白石結城さん。ファイトー〇発。
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