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第8話 友人の陰謀
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和田加奈子は、木原紗枝から電話で言えない相談があると言われ、いつものカフェで待ち合せたが、カフェに来たのは、紗枝だけでなかった。
―――――
「ところで、相談って何」
紗枝の視線が、私の後ろに行った。
えっ、そんな………。
「お久しぶりです」
「紗枝、私帰る」
サッと席を立って帰ろうとした時、紗枝が私の腕を掴んだ。
「待って、加奈子」
紗枝をきつく睨みつけた後、男たちも睨んだ。
「紗枝、どういうつもりか知らないけど、私はとても不愉快よ」
「どうしたの。加奈子。温泉で、カラオケで一緒になって、お酒飲んだだけでしょう。なぜそんなに怒るの」
「………っ!」
確かに、私は、一人の男とのあの時の事しか、頭になかった。でも紗枝の言う通りだ。カウンタで飲んだ後、別々になったが、何も無ければ、こんなに怒るのは逆に失礼だ。紗枝はその辺を分かり切って、私を・・・。
もう一度、紗枝をじっと見た後、二人の男に
「済みません。取り乱して。あの時は、楽しい時間をありがとうございました」
そう言って、席に座りなおした。
「いえ、こちらこそ、突然お邪魔して申し訳ございません」
二人も座った。
「加奈子、改めて紹介するわ。こちら田中雄二さん。私の大学時代の友人。いえ少しの間、私の元彼」
一人の男が、頭を掻きながら、ぺこんとお辞儀した。
「えっ」
「カラオケで彼にあった時は、驚いたわ。でも私だけ盛り上がってもと思って、知らない振りしていたの。
でね。この前、久しぶりと思って連絡して会ったら、加奈子とお話していた方が、隣に立っている山下建夫さん。同じ会社の同僚ですって。
田中君が、山下さんに話したら、ぜひ加奈子ともう一度お話したい。という事になって、今日、加奈子に来てもらったの。
電話でいきなりこの話したら、加奈子来ないだろうなと思って。ちょっとサプライズ的な所やってみたんだ」
仕組まれた。紗枝の浮気に私を付き合わせて、証拠偽装を図ろうって訳ね。そう言えば、今、慰謝料問題でもめている所だし。なるほどな。
「加奈子、何一人で納得した、顔しているの」
「いえ、何でもないわ」
仕方なく、三十分程、会話した後、田中という男が、
「そう言えば、もう一人女性が居ましたよね」
「ああ、優子の事」
紗枝が答えた。
「カウンタで飲んでいた時、先にお部屋に戻られたようですが、その時、お相手させて頂いたのが、山上と僕の上司の新谷なんです。
今日の話をしたところ、お時間が合えば、ぜひ食事でもごちそうしたいといっておりました。お二人で、その方をお誘いできませんでしょうか」
結局、そこか。あの時、優子は、確かにしたはず。彼女の事を考えると信じられないが、事実は変えられない。
紗枝は、ともかく、私を呼び出したのは、紗枝一人では、優子をこの男たちの上司に合わせられないからか。
しかし、どうしたものか。
「和田さん」
私の相手をした、山上という男が声を出した。
「無理にとは言いません。一度声を掛けて頂き、断られたら、それまでです。新谷も特に気にしていないようです」
そこまで言われると
「分かりました。声だけは掛けます。でも、優子の都合が全く分からないので、時間かかるかもしれません。宜しいですか」
「それで、結構です」
「では、連絡が付いたら、紗枝を通して、連絡します」
「えっ、加奈子から直接、山上さんにすれば」
えっ、そこまで考えて・・。
「紗枝、山上さんとは、今日楽しい時間を過ごしました。連絡は、あなたを通して行いましょう。宜しですね。山上さん」
「………。はい」
「では、私はこれで」
「加奈子……」
「紗枝、もう目的は、果たしたのでしょう。私は帰ります」
開いた口が塞がらない男二人と女一人を置いて私は、その場を後にした。
「和田さん。鋼鉄の壁ですね」
「昔から、そうよ。加奈子は」
山上さんには、悪いが、私の目的の一歩目は踏み出した。
「貴方、会社の方は、上手く退職できます。来週からは、有休消化よ。ふふっ」
「あっ、ああ。良かったな」
「うん」
「なあ、優子。毎日は、やっぱり薄くなるんじゃないかな」
「えっ」
「いや、最近。腰が……」
「えーっ。私とするの嫌になったの」
「それは絶対にない。優子は素晴らしい女性だよ。でも、連射すると玉込めする時間も必要かなと」
「………」
「分かったわ。でも私の体は、いつも準備整っているわ。だからね……。結城が最後までしなくても……ねっ、ねっ」
「わっ、分かった」
優子は、こんなに好きだったかな。うーん。
加奈子から、連絡がない。あれから十日が経つ。本当に、連絡する気があるのだろうか。
手に持っているスマホで加奈子を呼び出した。
スマホが震えた、紗枝からだ。
『はい』
『加奈子、紗枝』
『この前、お願いした事、やってくれたかな』
『紗枝。どういうつもり。優子に電話する訳ないでしょう。温泉旅行の時、優子に何が有ったか、それは分からない。でもあの時だけの事にしましょう。貴方も優子の友人なら、この件は、もう終わりしましょう』
予想通りの返事だった。田中さんからは、新谷課長から催促を受けていて、会えると言った以上、一度は会わせないと、紗枝とも会えなくなる。と言っていた。それは、困る。
『加奈子。貴方、あそこの腿の側に黒子が二つあるわよね』
『………。なぜそれを』
『山上さんが言っていたわ。加奈子も楽しんだんでしょ。良いじゃない。優子も楽しんだと新谷さんが言っていたらしい。物凄く盛り上がったって』
………。優子が。考えられない。無理矢理……。可能性もあるけど。
『黙っていても仕方ないよ。意味分かるでしょ。ご主人に事実はともかく変な手紙が送りつけられると困るでしょう』
『紗枝。なんて事考えているの』
『結果がどうなるか分かっているなら、早く実行しなさいよ。必ず来るようにうまくいってね』
紗枝からの電話が切れた。
山上という男、何を求めているか、見える。不味い。何とかしないと。
それに紗枝、優子の事、明らかに新谷にさせよとしている。何が目的なんだろう。
自分が、田中という男と楽しんでいればいいだけのはず。
いずれにしろ、よく考えて行動しないと。私は紗枝じゃない。
―――――
温泉旅行。後遺症が残っている様です。
次回は、優子さんと新谷さんの再会です。仕事では切れたはずの二人でしたが。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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「ところで、相談って何」
紗枝の視線が、私の後ろに行った。
えっ、そんな………。
「お久しぶりです」
「紗枝、私帰る」
サッと席を立って帰ろうとした時、紗枝が私の腕を掴んだ。
「待って、加奈子」
紗枝をきつく睨みつけた後、男たちも睨んだ。
「紗枝、どういうつもりか知らないけど、私はとても不愉快よ」
「どうしたの。加奈子。温泉で、カラオケで一緒になって、お酒飲んだだけでしょう。なぜそんなに怒るの」
「………っ!」
確かに、私は、一人の男とのあの時の事しか、頭になかった。でも紗枝の言う通りだ。カウンタで飲んだ後、別々になったが、何も無ければ、こんなに怒るのは逆に失礼だ。紗枝はその辺を分かり切って、私を・・・。
もう一度、紗枝をじっと見た後、二人の男に
「済みません。取り乱して。あの時は、楽しい時間をありがとうございました」
そう言って、席に座りなおした。
「いえ、こちらこそ、突然お邪魔して申し訳ございません」
二人も座った。
「加奈子、改めて紹介するわ。こちら田中雄二さん。私の大学時代の友人。いえ少しの間、私の元彼」
一人の男が、頭を掻きながら、ぺこんとお辞儀した。
「えっ」
「カラオケで彼にあった時は、驚いたわ。でも私だけ盛り上がってもと思って、知らない振りしていたの。
でね。この前、久しぶりと思って連絡して会ったら、加奈子とお話していた方が、隣に立っている山下建夫さん。同じ会社の同僚ですって。
田中君が、山下さんに話したら、ぜひ加奈子ともう一度お話したい。という事になって、今日、加奈子に来てもらったの。
電話でいきなりこの話したら、加奈子来ないだろうなと思って。ちょっとサプライズ的な所やってみたんだ」
仕組まれた。紗枝の浮気に私を付き合わせて、証拠偽装を図ろうって訳ね。そう言えば、今、慰謝料問題でもめている所だし。なるほどな。
「加奈子、何一人で納得した、顔しているの」
「いえ、何でもないわ」
仕方なく、三十分程、会話した後、田中という男が、
「そう言えば、もう一人女性が居ましたよね」
「ああ、優子の事」
紗枝が答えた。
「カウンタで飲んでいた時、先にお部屋に戻られたようですが、その時、お相手させて頂いたのが、山上と僕の上司の新谷なんです。
今日の話をしたところ、お時間が合えば、ぜひ食事でもごちそうしたいといっておりました。お二人で、その方をお誘いできませんでしょうか」
結局、そこか。あの時、優子は、確かにしたはず。彼女の事を考えると信じられないが、事実は変えられない。
紗枝は、ともかく、私を呼び出したのは、紗枝一人では、優子をこの男たちの上司に合わせられないからか。
しかし、どうしたものか。
「和田さん」
私の相手をした、山上という男が声を出した。
「無理にとは言いません。一度声を掛けて頂き、断られたら、それまでです。新谷も特に気にしていないようです」
そこまで言われると
「分かりました。声だけは掛けます。でも、優子の都合が全く分からないので、時間かかるかもしれません。宜しいですか」
「それで、結構です」
「では、連絡が付いたら、紗枝を通して、連絡します」
「えっ、加奈子から直接、山上さんにすれば」
えっ、そこまで考えて・・。
「紗枝、山上さんとは、今日楽しい時間を過ごしました。連絡は、あなたを通して行いましょう。宜しですね。山上さん」
「………。はい」
「では、私はこれで」
「加奈子……」
「紗枝、もう目的は、果たしたのでしょう。私は帰ります」
開いた口が塞がらない男二人と女一人を置いて私は、その場を後にした。
「和田さん。鋼鉄の壁ですね」
「昔から、そうよ。加奈子は」
山上さんには、悪いが、私の目的の一歩目は踏み出した。
「貴方、会社の方は、上手く退職できます。来週からは、有休消化よ。ふふっ」
「あっ、ああ。良かったな」
「うん」
「なあ、優子。毎日は、やっぱり薄くなるんじゃないかな」
「えっ」
「いや、最近。腰が……」
「えーっ。私とするの嫌になったの」
「それは絶対にない。優子は素晴らしい女性だよ。でも、連射すると玉込めする時間も必要かなと」
「………」
「分かったわ。でも私の体は、いつも準備整っているわ。だからね……。結城が最後までしなくても……ねっ、ねっ」
「わっ、分かった」
優子は、こんなに好きだったかな。うーん。
加奈子から、連絡がない。あれから十日が経つ。本当に、連絡する気があるのだろうか。
手に持っているスマホで加奈子を呼び出した。
スマホが震えた、紗枝からだ。
『はい』
『加奈子、紗枝』
『この前、お願いした事、やってくれたかな』
『紗枝。どういうつもり。優子に電話する訳ないでしょう。温泉旅行の時、優子に何が有ったか、それは分からない。でもあの時だけの事にしましょう。貴方も優子の友人なら、この件は、もう終わりしましょう』
予想通りの返事だった。田中さんからは、新谷課長から催促を受けていて、会えると言った以上、一度は会わせないと、紗枝とも会えなくなる。と言っていた。それは、困る。
『加奈子。貴方、あそこの腿の側に黒子が二つあるわよね』
『………。なぜそれを』
『山上さんが言っていたわ。加奈子も楽しんだんでしょ。良いじゃない。優子も楽しんだと新谷さんが言っていたらしい。物凄く盛り上がったって』
………。優子が。考えられない。無理矢理……。可能性もあるけど。
『黙っていても仕方ないよ。意味分かるでしょ。ご主人に事実はともかく変な手紙が送りつけられると困るでしょう』
『紗枝。なんて事考えているの』
『結果がどうなるか分かっているなら、早く実行しなさいよ。必ず来るようにうまくいってね』
紗枝からの電話が切れた。
山上という男、何を求めているか、見える。不味い。何とかしないと。
それに紗枝、優子の事、明らかに新谷にさせよとしている。何が目的なんだろう。
自分が、田中という男と楽しんでいればいいだけのはず。
いずれにしろ、よく考えて行動しないと。私は紗枝じゃない。
―――――
温泉旅行。後遺症が残っている様です。
次回は、優子さんと新谷さんの再会です。仕事では切れたはずの二人でしたが。
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