青白の覚醒 〜影を超えし者〜

相野リキ

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第十三話 記憶の扉

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朝の光が部屋に差し込む。
昨日の戦いの余韻は、まだ全身に残っていた。
胸の奥で蠢く力は、静かにではあるが確かに俺と共鳴している。
「……俺は、俺の意思で生きる」
夜に誓った言葉を、もう一度自分に言い聞かせる。

神崎とともに、俺はあの集団失踪事件の現場を訪れた。
十歳の俺が生き残った場所。
街外れの森の中、草が生い茂る廃キャンプ場は、時間の流れとともに静まり返っている。
「ここで……何があったんだ?」
声が震える。
神崎は符を握りしめ、周囲を警戒する。
「お前の記憶を呼び戻すかもしれん」
静かに告げる。
森の奥で、俺は膝をつき、目を閉じる。
胸の奥の力に意識を向ける。
恐怖と共に、うずくような熱が体を満たす。
──記憶の扉が、少しずつ開かれ始める。

映像が脳裏に浮かぶ。
暗闇の中で、笑い声と悲鳴。
手を伸ばす子供たち。
そして俺は……何も覚えていないはずの自分として立っていた。
青白い光が胸の奥で燃え上がる。
触れられた瞬間、身体が反応し、影が揺れる。
──俺は、奴らの道具として生まれた。
だが、記憶も意思も、俺自身のものだ。
「……違う、俺は俺だ」
言葉が脳内で反響する。
自分の存在は虚構かもしれない。
だが、今ここにいる自分の意思は、紛れもなく本物だ。
神崎が背後で低く言った。
「記憶は操作されても、意思は消せん。お前はそれを証明した」
胸の奥の力が、うずくように震える。
──受け入れるしかない。
自分が何者であろうと、この力とともに生きるしかない。

夜。
街を見下ろす屋上で、俺は力を意識的に呼び覚ます。
掌から青白い光が放たれ、夜風に乗って街を照らす。
その瞬間、空に赤い瞳が浮かんだ。
幹部格が遠くから見守っている。
だが、俺は恐れない。
胸の奥で、自分の意思が光を導いているのを感じる。
「……来い」
声には迷いがない。
これが、俺の決意だ。
力も、過去も、存在そのものも──
全てを受け入れ、俺は戦う準備を整えた。
夜空を裂く青白い光は、まだ未熟だ。
だが、確かに、俺自身のものだ。
──そして、涼介の真の戦いは、今、始まろうとしていた。
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