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United Japanese tea varieties of Iratsuko(7)
宙宇るす流逆(1)
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U.J.I旅団メンバーであるアサヒ、ジュディ、フランシス、ムサシの四人は、大きな扉の前にいた。
アサヒは扉に対し、映画なんかで見た銀行の奥にある、一番厳重な扉みたいだなと感じていた。
実際、その扉は厳重な防護扉だった。
しかし、ソレが守っている対象は向こう側ではなく、こちら側だったが。
「確かに、放射線量は高くないみたいだな」
ムサシが腕時計型のデバイスを見ながら言った。
「何よ、まだ疑ってたの?」
「悪いな、FBU捜査官ってのは疑り深いもんでね。おっと、元捜査官だった」
ジュディに対し、軽口を飛ばすムサシ。
ジュディは肩をすくめて無視した。
「となるとキミの言う通り、この中は放射能汚染じゃあなく、“時間汚染”とやらが蔓延してるワケだ」
ムサシは言いながら、この前の仕事の依頼人の言葉を、思い返していた。
『“廃都”にあるのは放射能汚染じゃあない。もっと酷いものだ』……
◇◇◇
「“廃都”を抜けるだと?」
ジュディから旅の短縮案を聞かされ、思わずムサシは聞き返した。
「ええ。ソレが一番の近道よ」
「おいおい待て待て。あそこは放射能汚染地域のハズだ、しかも高濃度の」
「あー、その件なんだが」
フランシスが話に割って入る。
「“高濃度の汚染地域”ってのは正しいんだが、放射能じゃあないんだ」
「何? しかし毎日、見たくもないのに国が放送してるだろう。本日の“廃都”汚染予報を」
「コレですね」
アサヒがホログラムを操作し、汚染予報を表示してみせた。
一同はアサヒのホログラム操作技術の上達に驚いたが、ムサシがとりあえず話を進めた。
「そうだ、コレだ」
「本当は、こうよ」
ジュディがホログラムの操作を引き継ぐ。画面に波紋が広がり、一変した。
『時間汚染』の文字が表示され、放射能汚染の濃度勾配表示だったものは、『爆撃地点』の表示へと変わった。
「時間汚染と……爆撃?」
アサヒが誰へとはなしに問いかける。ムサシも全く同じセリフを脳内で反芻していた。
「ええ。“廃都”は正確には“タキオン”に汚染されている」
「は? タキオン? そんな馬鹿な」
「タキオン、って何ですか?」
アサヒの問いにフランシスが答える。
「タキオンは、時間を逆行する素粒子だ。普通の物質は時間を過去から未来へ進んでるが、タキオンは未来から過去へ進むのさ。
ソレによって汚染されてるから、“廃都”ではエントロピーが逆に進んでる。ああ、エントロピーってのは……まあ原因と結果みたいに考えてくれ」
フランシスは、通常なら理解できる年代ではないアサヒに、そう説明した。
アサヒは少し考えて、口を開いた。
「ソレってつまり……」
アサヒは扉に対し、映画なんかで見た銀行の奥にある、一番厳重な扉みたいだなと感じていた。
実際、その扉は厳重な防護扉だった。
しかし、ソレが守っている対象は向こう側ではなく、こちら側だったが。
「確かに、放射線量は高くないみたいだな」
ムサシが腕時計型のデバイスを見ながら言った。
「何よ、まだ疑ってたの?」
「悪いな、FBU捜査官ってのは疑り深いもんでね。おっと、元捜査官だった」
ジュディに対し、軽口を飛ばすムサシ。
ジュディは肩をすくめて無視した。
「となるとキミの言う通り、この中は放射能汚染じゃあなく、“時間汚染”とやらが蔓延してるワケだ」
ムサシは言いながら、この前の仕事の依頼人の言葉を、思い返していた。
『“廃都”にあるのは放射能汚染じゃあない。もっと酷いものだ』……
◇◇◇
「“廃都”を抜けるだと?」
ジュディから旅の短縮案を聞かされ、思わずムサシは聞き返した。
「ええ。ソレが一番の近道よ」
「おいおい待て待て。あそこは放射能汚染地域のハズだ、しかも高濃度の」
「あー、その件なんだが」
フランシスが話に割って入る。
「“高濃度の汚染地域”ってのは正しいんだが、放射能じゃあないんだ」
「何? しかし毎日、見たくもないのに国が放送してるだろう。本日の“廃都”汚染予報を」
「コレですね」
アサヒがホログラムを操作し、汚染予報を表示してみせた。
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「そうだ、コレだ」
「本当は、こうよ」
ジュディがホログラムの操作を引き継ぐ。画面に波紋が広がり、一変した。
『時間汚染』の文字が表示され、放射能汚染の濃度勾配表示だったものは、『爆撃地点』の表示へと変わった。
「時間汚染と……爆撃?」
アサヒが誰へとはなしに問いかける。ムサシも全く同じセリフを脳内で反芻していた。
「ええ。“廃都”は正確には“タキオン”に汚染されている」
「は? タキオン? そんな馬鹿な」
「タキオン、って何ですか?」
アサヒの問いにフランシスが答える。
「タキオンは、時間を逆行する素粒子だ。普通の物質は時間を過去から未来へ進んでるが、タキオンは未来から過去へ進むのさ。
ソレによって汚染されてるから、“廃都”ではエントロピーが逆に進んでる。ああ、エントロピーってのは……まあ原因と結果みたいに考えてくれ」
フランシスは、通常なら理解できる年代ではないアサヒに、そう説明した。
アサヒは少し考えて、口を開いた。
「ソレってつまり……」
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