さらうぞコラ!ヤクザの息子、異世界で魔法とギルドを創る

武者小路参丸

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第26話 白百合、初陣──影犬ミサオと、屋根の上の共闘

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「昨日は久しぶりに楽しんだわ~!」

「やはり皇都!・・・近ければちょくちょく来れるのに!」

「何言ってんだよクミコ!今のあたし達じゃ、住むのはおろか毎日の食事にかかるお金だけで大変だよ?」

ヤヨイとクミコ。朝からテンションが高い。

昨日はいわゆる街ブラ。

ミサオにとっては異世界における初めての国の首都訪問。

あるある知識と見ている現実の違いが中々楽しかった様だ。そして生きてきた世界の生活レベルと今との差。

これもいわゆる知識チートで成り上がり系に活かせる所はないかと目を配っている。

「この国は俺の知識とは少しずれてるんだよなぁ。米あるし。パンあるし。肉も野菜もある。時代考証からはずれた物はあるけど、文明レベルは中世と呼ばれた時代のヨーロッパ風を日本の古い時代と混ぜた感じ。技術が未熟なだけで、言葉も日本語だし。なんかずれてんだよな。大いなる意思の意図みたいなもんががあるのか無いんだか。腑に落ちないんだよなぁ。」

言ってはみたものの、そこまで深く考えてはいない。

まずは生きる事。毎日をいかに笑顔で過ごすのか。一度殺されているのだから、好きに生きたい。が、現実は甘くもなく、毎日働いて金を稼いて生活しなければならない。その方法がたまたまの魔法。たまたまの裏の任務。それだけである。

そうしている間に出立の刻限が迫る。

宿を出た3人は、馬に乗るヨコースカ伯爵の私兵に後に続いて馬車で皇城近くまで伯爵とお付きの衛兵を迎えに行く。

「そう言えばさ。伯爵様からの話、結局何だったのミサオ?」

昨日の会話の事をミサオに聞くヤヨイ。

街ブラから宿に戻ってくつろぐ3人の元に来客があった。

ヨコースカ伯爵の皇都の邸宅からの使者。こちらの家令であるゴンザを名乗る者である。

「ご当主様の命により罷り越しました。ミサオ殿にお伝えする様申しつかった伝言がございます。皇都にて雇い入れた者を同行させ、そのままチュウオーに着いてからは仕事の同僚として色々面倒を見て差し上げろとの仰せにございます。」

「同僚?・・・ゴンザさん、で、よろしかったですか?私の詳細はどこまでご存知で?」

ミサオはゴンザとは初対面。迂闊な事も言えない。

「ご当主様からはめっぽう鼻が利くお犬様と伺っております。」

「・・・ご丁寧にどうも。なら話は早い。」

ゴンザもチュウオーでのミサオの裏も承知している。

「で、その同行者、同僚とやらは、昼だけでなく夜も・・・裏も仲間として扱えという認識でよろしかったですか?」

「その様に申しつかっております。」

(同僚ねぇ。どんな魂胆かは知らねぇが、俺に不利益になるような事はしないはず・・・。あ!貴族!上から何か言われたら受けざるを得ない事もあるわ!・・・直接会うまで警戒はするべきか?)

やはり今は迂闊に動いては不味いと考えるミサオ。

「承知致しました。その同行する者の詳細などは伺っても?」

「いや、私めもご説明申し上げた以上の話は持ち合わせておりませぬ。明日、合流の際にお会いになられるかと。」

「わかりました。その者はこちらの馬車に同乗させて帰路に着けばよろしいのですね?」 

「はい。ミサオ殿への伝言はこれで以上でございます。それでは私めはこれにて。」

「ご足労かけました。またこちらに来た際にはゆっくりお話でも伺えればと。」

「楽しみにお待ち申し上げております。ミサオ殿もお身体に気を付けて。それではこれにて。」

ミサオに謎の同僚の情報だけを告げてゴンザは消える。

「とまあこんな話。帰りは1人馬車に増える感じだな。」

「それってミサオさんの裏の仕事も一緒に行うって事ですよね?大丈夫何ですが?」

案の定クミコから心配の声。

「ご領主様は基本的に領民に対しては真摯な人物だからな。ただ引っかかるのは皇都に来てからの話だと言う事。元々決まってた話なら向こう出る前に聞いてるはず。ならこっちで急遽決まった内容だろ?詳しい説明もない。」

ミサオはまだ全部を信用してはいない。

「来る時にあれだけ襲撃受けたんだ。帰りもあっておかしくないよな?どうすんだよミサオ?」

ヤヨイの疑問ももっともである。

「ん?俺か?本当は手の内は見せたくない所なんだがな。裏でも同僚って事は、いずれ魔法もバレるのも見越しての指示だからな。リスクを犯してまで力を隠しても仕方ない。荒事があれば躊躇なく動くよ?俺、死んでこっちの世界に来たんだぜ?それに2人も伯爵も守らないと。その人物がどんな魂胆で送り込まれているか知らんが、下手な絵図描いてる様なら3人でこのニホンさえ捨てる腹で暴れてやる!・・・ま、実際そこまででは無いだろうかな?・・・一度死んでみりゃわかるよ。覚悟が違うんだこちとら。」

少しだけ真剣な顔のミサオ。

「死ぬって怖い。・・・ミサオさんも思えば壮絶な経験してるんですよね・・・。」

クミコは改めてミサオを慈しむ様な顔。

「死んだそのまんまでこっちの世界来たんだろ?刃物で刺されて。よくわからんよな未だに。」

ヤヨイはそもそもの所に戻って悩んでいる。

「ま、今を楽しく生きられりゃいいさ。とりあえず今は3人がな。そろそろ問題の同行者も来るな。俺の隣に座って貰うか。」

停まった馬車の中で3人は待つ。

「おい!あの歩いて来るのがそうみたいだ・・・何だ?あの顔!髪の色!クミコ!ミサオ!見てみろよあれ!」

どんな人物が来るのかとソワソワして何度も馬車から身を乗り出して様子を伺っていたヤヨイの興奮した声に思わず2人もヤヨイの頭の上から外を見る。

「・・・綺麗!え?女性?それにこの国じゃ見た事ない顔立ち・・・。あの人が同行者?」

「・・・ほら、やっぱ居たよ!日本人顔だけじゃなかったんだ!金髪の碧眼!異世界はこれないと締まらんよ!」

ミサオは別の意味でボルテージが上がる。
3人は慌てて馬車を降りて迎える体勢を取る。

女性2人はカチコチに固まっている。

そしてミサオは・・・。

「グ、グッドモーニン!ハゥアーユートゥディ?」

やらかしである。

「・・・お主がミサオ・ナガイ殿と同行のクミコ殿とヤヨイ殿か。私はクリス・マツダイラ。ヨコースカ伯爵様からの先触れでいるだろうが、これからの道中並びにチュウオーでのあれこれ。手間をかけるがよろしく頼む。」

流暢な日本語。現代世界の他国の人の様ななまりも一切ない。この国で生まれたのであろうか?

「・・・ごほん!ご領主様のご意向は伺っています。ただ詳しい説明は何も受けておりません。私達は商人として買い付けなどでこちらに来た身。あなたに対してどう接すれば良いのかも分かりません。その辺りだけでも教えていただけませんか?」

気を取り直して尋ねるミサオ。

「私も平民故、変に気を使わないで頂けたら助かる。」

(・・・平民、ね。手の平のタコ、ヤッパ使えるの丸わかりだがな?隙のない目の運び。まともな剣術は修めてるみてぇな感じだが。敵にならなきゃいいがな。女性にケガさせたくねぇし。)

心の中で悩むミサオ。

「では私達もいつもの調子に戻させて頂きます。・・・改めて、ミサオです。殿とか無しで。ミサオと呼んで下さい。」

右手を出すミサオ。

「こちらこそクリスで。これからよろしく!」

力強い握手。

(悪意は感じないな。はてさて。どう転んでいくのか。・・・裏のお役目の時、この顔目立つんだと思うんだが・・・。あ!尾行もさせられねぇじゃんか!ヨコースカさんどうすんだよ!・・・頭痛くなってきた・・・。)

「・・・とりあえずご領主様も動くようなんで、乗りましょ?食事は済ませられました?軽い菓子ならあるんで中で皆でつまみましょう。さ、どうぞ!」

ここで4人の道行きとなる。

そして一行は帰路につく。

途中で1泊してから川を越えてサガーミ州に入り、馬車はナカクーまで順調に進みまたここで1泊。

クリスと女性2人の距離感は徐々に近くなってきている様だ。

「へぇ~!クリスのお母さん、この国の人じゃないんだ~!あたし世界ってみんな黒髪で黒目の人ばかりだと思ってた!」

「大海を越える商船に乗り込んでいた船長の娘だった母が、船が嵐に巻き込まれて船が航行不能になり、流れ流れてこの国の近くで助けられたようだ。最初は言葉も通じず苦労を重ねたらしい。家族の安否も不明なままで異国での生活。困難を極めたらしいが、そこの有力者だった父と出会い、結ばれて私が生まれた。母はこの国に馴染もうと懸命で、今は言葉にも不自由無く、父と2人、仲良く暮らしている。」

「素敵な話ですね~!でも、クリスさんは・・・その、容姿がかなり目立つと言うか・・・。」

「気を使うなクミコ。幼少の頃は近所の子供は奇異な目で見ていたがな。親達は母とも親密にしていたから心配される程の事も無かった。気付いたら私も他の子供達と剣術の真似事などしていたから。」

思ったよりもハーフあるあるな差別的な事も無かった様だ。

「・・・元々皇都生まれ?クリスは。」

ミサオが尋ねる。

「いや。スンプ州から両親と共にこちらに移ってきた。父も母も皇城で働いている。」

「貴族様・・・なんて事はないよな?その辺は教えておいてくれよ?」

「フフッ。両親共に平民だ。・・・父は剣術の指南などをしたりしているが爵位は持っていない。衛兵の先生と言った所だ。母は・・・皇に出される料理を作る者にあれこれ指南などをしているらしい。」

「な~る。異国の料理か!そりゃ教えて欲しいよな料理人達も。んで持ってお父さん指南役か。・・・クリス、お前さん俺達と一緒に来て良かったのか?その、あれだ。・・・苦労するぞ?色々と。」

言葉を濁してしまうミサオ。

場合によったら人の命さえ奪うかも知れないリスク。

「・・・心配してくれるのは嬉しいが、私もそれなりに動けるとは思う。足手まといにならないよう・・・。ミサオ。」

「・・・判るのか?大したもんだ!」

「何?また何か不味い事?帰りもなのかよ~!」

「どこですか?私達も出なきゃ駄目ですか?」

ヤヨイとクミコもどこか諦めながらもミサオとクリスの雰囲気に何かを察する。

「チクチク具合からだと4人位か。」

「・・・ミサオはそこまで詳細にわかるのか?」

少し驚いた表情のクリス。

「ん~、首筋にチクチク来んのよ。それもあちこち。今は4カ所。結構嫌なもんだよ?」

「気配を察するのとはまた違った物なのかもな・・・。で、どうする?」

「やる気満々だね、クリスは。・・・じゃ、互いにお手並み拝見と行くかい?ヤヨイとクミコは部屋で待機。と言うよりこの宿は離れが無いから、少しご領主様の近くで様子見ていて欲しいかな。頼める?」

ルームメイト達は無言でうなずく。

「なら、クリスにとっては初仕事。あ!例のやつ!予備入れといたよな?色違い色違い!」

「どうしたミサオ?賊が迫っているぞ?」

ミサオの動きに戸惑うクリス。

「ほれ!これ着けて!お前さんは白!・・・汚れたらマメに洗わなきゃな?いや、予備もっと用意しなきゃダメか。それで顔覆って!俺も着けるから。」

ミサオは影犬モードに入る。そしてクリスは色違いの覆面をまとう。

「クリス!あたし達も無理やりそれ付けさせられて。あたしが黄色で向日葵(ひまわり)。クミコが桃色で桜(さくら)なんて付けられたのよ名前!・・・ミサオ、クリスにも付けるんでしょ?」

ヤヨイのナイスな説明。

「もち!身元バレバレになるもんなクリスは特に。・・・そうさな、クリスは白。白・・・しら、白百合(しらゆり)!そう!クリスは覆面したら白百合だ!いいな!」

「・・・目立つよりはいい。身元が一々割れない様に始末するのも毎回だと手間がかかるしな。」

「なら構わないか。またどうせ屋根伝いだろ?面倒くせぇな。クリス。お前さんは何使う?」

「こいつを使わせて貰う。慣れているものでな。」

自らの荷物の内の長細い袋に入った物を取り出すクリス。少し反った作りの得物。ミサオには馴染み深い日本刀。鍔の部分が四角い。

(これって忍者とかのやつじゃね?塀とか登るのに立てかけて足場にするやつ。時代とかめちゃくちゃなんだよこの世界。)

「・・・んじゃ動くか。クリスはどこまで説明受けてるか知らんが、騒ぎが大きくなる前に終わらすぞ。それとクリス。念押しとくが、これから起きる事に一々驚かんでくれ。一瞬で目の前に敵まで飛ぶ。気付いたら目の前にもう刃が降りかかって来るかも知れない。気をしっかり保て。刀も抜いて置くか?」

「一瞬・・・。よく分からないが承知した。何が起きても動揺しない。目の前に敵。構わん。」

「よっしゃ。2人とも頼む。んじゃ、転移!」

クリスとミサオの姿が消える。

すぐさま日が落ちて暗くなった宿の屋根へ。案の定刺客が4名身を屈めていた。

「白百合。平気か?」

ミサオがクリス改め白百合に声をかける。

「・・・あ、ああ。いきなり屋根か・・・。ミサ・・・影犬。私が動く。そこで見ていてくれぬか?」

一瞬固まったクリス=白百合だったが前もってのミサオの言葉を守ってくれたらしい。

「・・・存分にな。怪我はさせん。」

「承知!」

クリス改め白百合が屋根の上を走る。

刺客達も立ち上がり剣を構える。

1人の刺客の前で急に身を屈めて伸ばしざまに下から一閃!

迫り来る左後ろからの刺客に蹴りを放ち、振り向きざまに上から切り下ろす。

残り2人。

同時に前後から迫る刺客。

白百合は前の刺客からの打ち下ろしをいなそうとしたが思ったよりも重い斬撃。

受け止める形になり、後ろからの刺客の剣に対応出来ない。振り下ろされようとする剣。

しかし白百合の身体に剣が届く前に弾かれる。

焦る後ろの刺客。

「させるかよ。バカ野郎。」

ミサオの結界である。

「白百合!いけそうか?」

「すまん!もう後手は踏まん!」

力を不意に抜き、そのまま横に抜ける白百合。たたらを踏む刺客に対して後ろから切る。

残るは1人。

刀を鞘に収めた白百合。背中に縛り付けた鞘に右斜めからの納刀。やはり忍者スタイルである。

「しっ!」

裂帛の気合を込めた刺客の突き。

しかし白百合の姿はそこに無い。

その場から跳躍して刺客の後ろにまわり、首を両腕で締め付ける白百合。

もがく刺客。

程なく白目を剥いて脱力する刺客。

片付いた様だ。

「すまぬ影犬。まだまだ修行が足らん。」

「・・・裏の動きも手慣れたもんだな?1人残すのも口を割らせる為ってか?躊躇無い振る舞い。この役目みたいな事、慣れてるな?」

ミサオも観察している。

「お互い、話せる事と話せない事がある。伯爵様に確認してからでないとな。して、この生かした刺客はこのままで良いか?」

「ああ。下降りてから私兵の誰かに伝えるよ。また転移使うけど、気分悪くなったりしてないか?」

「特に異常はない。心遣いは嬉しいが。」

「なら構わんか。白百合。その覆面映えるな?闇夜に。」

「そ、そうか?自分ではわからんが。」

ミサオの言葉にモジモジしたようなクリス=白百合。

そこでミサオはある事に気付く。

「あ!」

「どうした影犬よ?」

「闇夜に映えちゃダメなんだよ・・・。目立ったら裏のお役目の意味ないじゃん・・・。だから俺の覆面黒なのに。」

ヤヨイの黄色。クミコの桃色。

どれも闇夜にはちと目立つ。

(戦隊物の影響強すぎた~!仕事人の方にしなきゃダメだった~!)

本末転倒である。

「白百合さん。俺、ヘタ打ちました。今更ですが反省します。」

「私は顔が覆われていれば助かるが・・・反省しなければならんのか?」

「はい。わたくし影犬、やらかした事にたった今気付いた次第であります。は~あ!今更変えられないよな?」

クリスの初仕事は、ミサオのため息と共に終わりを告げるのであった。

ーーーーーーーーーーーー

あとがき

本エピソードでは、ついに“皇からの観察任務”を帯びたクリスが行動を開始しました。彼女は単なる共闘者ではなく、皇タロウの命により派遣された「観察者」。その本質は、国家の安全保障のため、異邦人ミサオの行動と本質を見極めるための密命を帯びた存在です。

にもかかわらず、現場ではミサオのペースに巻き込まれつつ、仲間として動いていく。そこには、国家任務と個人的感情の狭間で揺れ動く“人間クリス”の姿が見え隠れします。

今回の“色違いマスク”を通じて与えられた「白百合(しらゆり)」という名前。その無垢さを象徴する白は、彼女の役割の純粋さを示しながらも、今後どう染まっていくかを暗示しているかもしれません。

果たしてクリスは、任務を遂行する“観察者”であり続けるのか、それとも別の立場に変化していくのか──今後の展開にぜひご注目ください。

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