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第4話 要請──明かされた正体と、交わされた約束
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「コジマルくん?私の前では、戦闘モードで良いよ。」
(は?戦闘モードって何だよ!)
「ワオ~ン!(分かった!)」
(分かんのかよ!)
光に包まれ、また獣人の姿で現れるコジマル。
「やっぱりイケメンだわ、ジョロ。」
「いや、そういう事じゃねえよ、説明!説明ないとわかんねぇよ俺!」
斎藤を名乗る男に詰問するミサオ。
「何から話しましょうかね・・・。では、まずは改めて。私の名前、斎藤は本当です。しかしブリーダーは仮の職業・・・偽装工作です。本当の身分は、そうですね・・・国のアンダーグラウンドに属していると言った所でしょうか。ある存在に対して組織されたカウンター。『国家害意生命体対策部隊』──通称【H-FORCE(エイチ・フォース)】です。」
「正式には警察庁警備局特異生命対処班──という偽装名義で表に存在しています。」
「あの・・・それって、ジョロだけの話なんですか?危険な事に、ジョロを連れて行っちゃうの?ジョロを・・・ダメッ!ジョロはウチの子よっ!」
パニックになりコジマルを強く抱きしめるクミコ。
「待って下さい!先ほど言いましたよね?要請ですって。話は最後まで聞いて下さい。」
なだめる斎藤。
「まずお伝えしたいのは、コジマルくんのこの姿は、あなたたち家族が居てこそ保たれるものなんです。だから、要請も永井家に対してのものだとご理解下さい。」
「俺等も含めてって事ですか?」
ミサオが呆然としながらも尋ねる。
「はい。我がH-FORCEには、コジマルくんの様な不思議な能力を持つワンコの家族がいくつも所属しています。そして仮の身分で日本各地にて活動しているんです。」
(・・・知らんかった。そんなドラマみたいな事。)
斎藤は言葉を続ける。
「まず、その能力を持ったワンコ・・・それはある場所に、犬の姿で出現します。子犬の姿で。都内の、由緒ある神社の一角に。これは必ず“そこに”という事しか分かっていません。何故なのか?どうしてなのか?未だに不明です。ただ、あの敵対生命体が出現するのと同時にその現象は始まりました。・・・世界各地で。」
「世界各地・・・私、そんな話聞いた事有りませんよ、一度も。」
少し落ち着いたクミコが疑問を口にする。
「情報統制です。・・・こんな話が表に出れば、どうなるかご想像出来ますよね?」
「パニックでさあね、それこそ。」
斎藤の言葉にミサオが返す。
「各国がそれぞれ対応しています。そして日本は私達が動いています。どうしても、都市伝説的な話は出てしまいますけどね?」
「・・・はぁ。あ、お構いもしませんで、マミ、お茶!冷たい飲み物出して上げて!」
ミサオがテーブルの上に何も無い事に気付いて言う。
「ごめんなさい!あまりにも荒唐無稽過ぎて・・・ジョロ、そこのコップ取ってくれる?」
「うん!あ、牛乳ある?この姿なら、お腹壊さないから僕にも頂戴!」
「いや馴染み過ぎだろ?さっき初めて見たばっかだよ?ジョロのこの姿!」
ミサオは1人だけ取り残された気分に少し落ち込む。
「・・・続けてよろしいですか?」
斎藤が優しくミサオに問う。
「あ、すいません。どうぞ。」
ミサオは気を取り直し、斎藤の話の続きを聞く。
「ちなみにお二人とコジマルくんの出会いも、決して偶然ではないと思われます。」
「へ?どういう事ですか、それ・・・。」
偶然ではないとは、ミサオも気になる。
「コジマルくんのネットの掲載、アレを見て、連絡来たのは永井さん、あなただけなんですよ。」
(それって別に、普通にある事じゃ?)
ミサオは首をひねる。
「この能力を持った子犬、この子達には、一家族しか出会えないんですよ。・・・必ず。だからあなた方家族と、コジマルくんの出会いは必然なんですよ・・・多分。」
「必然・・・ですか。」
この言葉に、ミサオは納得する。偶然、よりも不思議な絆。例えウソでもそれを信じたくなるミサオとクミコ。
「こちらからもいいですか?・・・あの化け物は、結局何なんですか?いきなりあんな・・・。」
思い出したのか、その場で身震いするクミコ。
「あの化け物に関して言えば、いきなり出現した、としかまだ言い様がありません。予兆など何もありませんでしたから。ただあのunknown(アンノウン)・・・アレと対峙する中で分かった事が1つ。・・・アイツは、悲しく亡くなった、ペットの魂を核にして生まれたものなんです。」
「は?ペットの魂?悲しく?」
ミサオも合点がいかない。
「あのunknown(アンノウン)を倒した後、害意の感じられない動物の姿が、優しい鳴き声と共に昇天していくんです。そのような所から、あの化け物は、何かしらの悲しみを持つペットの魂を捕らえ、自らを形成してるのではないかと我々は現在考えています。もちろん解明の為の努力は今も行なっていますがね。」
「何かそれ許せねぇな?」
「悲しい思いをして亡くなった子の魂を、捕らえた上にまだ辛い思いさせるなんて、たちが悪すぎる!」
永井家夫婦の気持ちが重なる。
「そこでなんですが・・・私達に、永井家の皆さんのお力、お貸し願えませんか?」
「・・・それは、どの程度をお求めなんですか?正直、我々はこれまでも生活は出来ていますし、これからも慎ましく生きていこうと思っていました。今日の出来事もあくまでイレギュラー。そう考えていました。・・・そんな私達に頼む程の話だという理解でよろしいですか?」
「パピ・・・。ジョロ!ジョロはどう思ってるの?」
ミサオの確認を聞いて、クミコはジョロの気持ちを聞く。
「僕は戦う。それが当たり前の事。犬も、猫も、その他の、人と共に生きる仲間達の魂が、アイツ等に食い物にされてる。だから僕は、マミとパピの子供としてここに居る。仲間達を救う為に。・・・ダメかな?」
「息子に言われちまっちゃ・・・断れる訳ないよな?マミ?」
「ジョロだけだとダメなんでしょ?ならみんな一緒でなきゃね!」
家族の気持ちは一致する。
「ありがとうございます。・・・つきましては、永井家の皆さんには、明日にでも詳しい説明の為、警察庁の方へお越しいただきたいと思うのですが、お時間いかがですか?」
「平成町まで買い物行く予定だったけど、どうする?」
「そんな事言ってる場合じゃ無いでしょ!第一この姿なら、普通のご飯位食べれるんじゃない?ね、ジョロ?」
「僕、カリカリも好きなんだけど、逆に2人の食べてる物、この際食べてみたい気もする。」
「・・・よろしいようですね。それでは明日、午前10時に一階エレベーター前にお越しください。お迎えに上がります。コジ・・・ジョロはとりあえず犬モードでおいで。それでは私も失礼させていただきます。」
その言葉と共に斎藤が席を立ち、永井家を後にした。
「この先、どうなるの?」
「・・・わからんが、今までの生活とは変わるだろうな。」
「でも、みんな一緒は変わらないよ?これからも。」
「・・・ジョロは良いこと言うな!」
「・・・それはそうと、ジョロはどっちの姿が楽なの?」
「ん?2人と一緒ならどっちでも。カットの時みたいに離れたら犬かな?」
「喜ぶべき事なの・・・よね?」
「深く考えてもムダだって。明日にしよ明日に。」
「じゃ、ご飯・・・車の中。お好み焼きとカレーパン。」
「おいおい食えんのか?」
「僕匂い嗅いで食べれるか確認するよ。ダメなら家にあるもんで良いよね?僕カリカリで。」
「犬の時より大人だよなジョロ?」
ミサオが驚いて言う。
「当たり前よ!犬の5歳は人間の36歳よ?」
コジマルとミサオは声を揃えて反論する。
「それは無いって!」
ーーーーーーーーーーーー
あとがき
明かされた斎藤の正体、そしてジョロの“存在理由”──
この世界のどこかで、悲しみに囚われた魂が化け物へと変わる。
それを止めるために、戦うために、選ばれた家族がいる。
ジョロが永井家に来たのは、偶然ではなく必然。
それを知ったミサオとクミコは、迷いながらも“家族として”共に進む決意を固めます。
力を持つ者だけが選ばれるのではない。
誰かを想い、守ろうとする“心”が、彼らを物語の中心に押し上げていく。
いよいよ本格的に動き始める永井家の物語。
これからも、見守っていただけたら嬉しいです。
(は?戦闘モードって何だよ!)
「ワオ~ン!(分かった!)」
(分かんのかよ!)
光に包まれ、また獣人の姿で現れるコジマル。
「やっぱりイケメンだわ、ジョロ。」
「いや、そういう事じゃねえよ、説明!説明ないとわかんねぇよ俺!」
斎藤を名乗る男に詰問するミサオ。
「何から話しましょうかね・・・。では、まずは改めて。私の名前、斎藤は本当です。しかしブリーダーは仮の職業・・・偽装工作です。本当の身分は、そうですね・・・国のアンダーグラウンドに属していると言った所でしょうか。ある存在に対して組織されたカウンター。『国家害意生命体対策部隊』──通称【H-FORCE(エイチ・フォース)】です。」
「正式には警察庁警備局特異生命対処班──という偽装名義で表に存在しています。」
「あの・・・それって、ジョロだけの話なんですか?危険な事に、ジョロを連れて行っちゃうの?ジョロを・・・ダメッ!ジョロはウチの子よっ!」
パニックになりコジマルを強く抱きしめるクミコ。
「待って下さい!先ほど言いましたよね?要請ですって。話は最後まで聞いて下さい。」
なだめる斎藤。
「まずお伝えしたいのは、コジマルくんのこの姿は、あなたたち家族が居てこそ保たれるものなんです。だから、要請も永井家に対してのものだとご理解下さい。」
「俺等も含めてって事ですか?」
ミサオが呆然としながらも尋ねる。
「はい。我がH-FORCEには、コジマルくんの様な不思議な能力を持つワンコの家族がいくつも所属しています。そして仮の身分で日本各地にて活動しているんです。」
(・・・知らんかった。そんなドラマみたいな事。)
斎藤は言葉を続ける。
「まず、その能力を持ったワンコ・・・それはある場所に、犬の姿で出現します。子犬の姿で。都内の、由緒ある神社の一角に。これは必ず“そこに”という事しか分かっていません。何故なのか?どうしてなのか?未だに不明です。ただ、あの敵対生命体が出現するのと同時にその現象は始まりました。・・・世界各地で。」
「世界各地・・・私、そんな話聞いた事有りませんよ、一度も。」
少し落ち着いたクミコが疑問を口にする。
「情報統制です。・・・こんな話が表に出れば、どうなるかご想像出来ますよね?」
「パニックでさあね、それこそ。」
斎藤の言葉にミサオが返す。
「各国がそれぞれ対応しています。そして日本は私達が動いています。どうしても、都市伝説的な話は出てしまいますけどね?」
「・・・はぁ。あ、お構いもしませんで、マミ、お茶!冷たい飲み物出して上げて!」
ミサオがテーブルの上に何も無い事に気付いて言う。
「ごめんなさい!あまりにも荒唐無稽過ぎて・・・ジョロ、そこのコップ取ってくれる?」
「うん!あ、牛乳ある?この姿なら、お腹壊さないから僕にも頂戴!」
「いや馴染み過ぎだろ?さっき初めて見たばっかだよ?ジョロのこの姿!」
ミサオは1人だけ取り残された気分に少し落ち込む。
「・・・続けてよろしいですか?」
斎藤が優しくミサオに問う。
「あ、すいません。どうぞ。」
ミサオは気を取り直し、斎藤の話の続きを聞く。
「ちなみにお二人とコジマルくんの出会いも、決して偶然ではないと思われます。」
「へ?どういう事ですか、それ・・・。」
偶然ではないとは、ミサオも気になる。
「コジマルくんのネットの掲載、アレを見て、連絡来たのは永井さん、あなただけなんですよ。」
(それって別に、普通にある事じゃ?)
ミサオは首をひねる。
「この能力を持った子犬、この子達には、一家族しか出会えないんですよ。・・・必ず。だからあなた方家族と、コジマルくんの出会いは必然なんですよ・・・多分。」
「必然・・・ですか。」
この言葉に、ミサオは納得する。偶然、よりも不思議な絆。例えウソでもそれを信じたくなるミサオとクミコ。
「こちらからもいいですか?・・・あの化け物は、結局何なんですか?いきなりあんな・・・。」
思い出したのか、その場で身震いするクミコ。
「あの化け物に関して言えば、いきなり出現した、としかまだ言い様がありません。予兆など何もありませんでしたから。ただあのunknown(アンノウン)・・・アレと対峙する中で分かった事が1つ。・・・アイツは、悲しく亡くなった、ペットの魂を核にして生まれたものなんです。」
「は?ペットの魂?悲しく?」
ミサオも合点がいかない。
「あのunknown(アンノウン)を倒した後、害意の感じられない動物の姿が、優しい鳴き声と共に昇天していくんです。そのような所から、あの化け物は、何かしらの悲しみを持つペットの魂を捕らえ、自らを形成してるのではないかと我々は現在考えています。もちろん解明の為の努力は今も行なっていますがね。」
「何かそれ許せねぇな?」
「悲しい思いをして亡くなった子の魂を、捕らえた上にまだ辛い思いさせるなんて、たちが悪すぎる!」
永井家夫婦の気持ちが重なる。
「そこでなんですが・・・私達に、永井家の皆さんのお力、お貸し願えませんか?」
「・・・それは、どの程度をお求めなんですか?正直、我々はこれまでも生活は出来ていますし、これからも慎ましく生きていこうと思っていました。今日の出来事もあくまでイレギュラー。そう考えていました。・・・そんな私達に頼む程の話だという理解でよろしいですか?」
「パピ・・・。ジョロ!ジョロはどう思ってるの?」
ミサオの確認を聞いて、クミコはジョロの気持ちを聞く。
「僕は戦う。それが当たり前の事。犬も、猫も、その他の、人と共に生きる仲間達の魂が、アイツ等に食い物にされてる。だから僕は、マミとパピの子供としてここに居る。仲間達を救う為に。・・・ダメかな?」
「息子に言われちまっちゃ・・・断れる訳ないよな?マミ?」
「ジョロだけだとダメなんでしょ?ならみんな一緒でなきゃね!」
家族の気持ちは一致する。
「ありがとうございます。・・・つきましては、永井家の皆さんには、明日にでも詳しい説明の為、警察庁の方へお越しいただきたいと思うのですが、お時間いかがですか?」
「平成町まで買い物行く予定だったけど、どうする?」
「そんな事言ってる場合じゃ無いでしょ!第一この姿なら、普通のご飯位食べれるんじゃない?ね、ジョロ?」
「僕、カリカリも好きなんだけど、逆に2人の食べてる物、この際食べてみたい気もする。」
「・・・よろしいようですね。それでは明日、午前10時に一階エレベーター前にお越しください。お迎えに上がります。コジ・・・ジョロはとりあえず犬モードでおいで。それでは私も失礼させていただきます。」
その言葉と共に斎藤が席を立ち、永井家を後にした。
「この先、どうなるの?」
「・・・わからんが、今までの生活とは変わるだろうな。」
「でも、みんな一緒は変わらないよ?これからも。」
「・・・ジョロは良いこと言うな!」
「・・・それはそうと、ジョロはどっちの姿が楽なの?」
「ん?2人と一緒ならどっちでも。カットの時みたいに離れたら犬かな?」
「喜ぶべき事なの・・・よね?」
「深く考えてもムダだって。明日にしよ明日に。」
「じゃ、ご飯・・・車の中。お好み焼きとカレーパン。」
「おいおい食えんのか?」
「僕匂い嗅いで食べれるか確認するよ。ダメなら家にあるもんで良いよね?僕カリカリで。」
「犬の時より大人だよなジョロ?」
ミサオが驚いて言う。
「当たり前よ!犬の5歳は人間の36歳よ?」
コジマルとミサオは声を揃えて反論する。
「それは無いって!」
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明かされた斎藤の正体、そしてジョロの“存在理由”──
この世界のどこかで、悲しみに囚われた魂が化け物へと変わる。
それを止めるために、戦うために、選ばれた家族がいる。
ジョロが永井家に来たのは、偶然ではなく必然。
それを知ったミサオとクミコは、迷いながらも“家族として”共に進む決意を固めます。
力を持つ者だけが選ばれるのではない。
誰かを想い、守ろうとする“心”が、彼らを物語の中心に押し上げていく。
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