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第7話 コジロー帰還とケジメの血戦
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「・・・森に狩りにいったら、沢山の魔物がやってきてさぁ。こりゃ大漁だってんで喜んでたらあんな騒ぎだろ?
いきなりあんな大穴出来ちゃって、誰か怒られないのかなぁ・・・。ていうか、お前邪魔!バン!」
例の指鉄砲を放つと、牛モドキの眉間を正確に撃ち抜く、でか兄さん。
「フン!なんだありゃ!あのガタイ良いヤツを、いきなり一撃かよ!」
剣を振るいながら、ジェイが叫ぶ。
「何かあんな感じに近い人、前にも、見たわよね!」
矢を次々と放ちながら、サブリナも声を上げる。
「頑張って・・・ミサオの新作唐揚げ食う・・・塩!」
槍を振るいながら、ドリトスは相変わらずマイペースである。
シスターや子供達に安心するよう声をかけた後、でか兄さんは暁の牙に向き直った。
「外の魔物は、もう来ないと思うんだ。残りは街の中だけだから、早く狩らない?お腹空いちゃったよ・・・。」
「あれだけ居た魔物がか?ハハッ!そいつはちげぇねぇやっ!どうせなら呑気な兄さん、一緒にやらねぇかい?」
ジェイの呼びかけに笑顔で頷きながら、でか兄さんは静かに腕を上げ、ジェイに向かって手の平を向ける。次の瞬間――ジェイの剣が、蒼白い炎を纏った!
「俺も炎は使える方だが、コイツは良いねぇ。ほんなら決めるか――せいっ!」
ジェイの一閃!
水平に放たれた一撃は、悪魔モドキの胴をきれいに断ち切る。わずかに間を置いて、ズシリと音を立てて倒れる悪魔モドキ。切断面は炭化し、血すら流れない。
「さ、早くやっちゃって、みんなで美味しいご飯食べよう!」
陽気なでか兄さんの声が、シスターと子供達の空気を明るく染め上げた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時は少しさかのぼり、中層階広場。
冒険者達・騎士団・そして、クミコとジョロも合流した永井家が、右門から侵入した魔物と闇憑きの群れと激闘を繰り広げていた。
「パピッ!後ろ!」
魔物に蹴りを叩き込んだムサシが叫ぶ。
「あいよっ!・・・てか、ここまで乱戦だと、下手に広範囲魔法をぶっ放しゃあ味方に被害出るからな!ムッちょんも、抑えていけよ!」
ミサオも返しながら魔物の牙を躱す。
「パァピィ~!がんばれ~っ!ムッちょんにーにー!やっちゃえ~っ!」
「ムッちょん!無茶しちゃダメよ~!って、あぁっ!おまけしてくれたお姉さんのお店が~!」
防御魔法で守られているクミコとジョロだが、そのテンションは格闘イベントの観戦モードである。
そんな中、魔物を蹴散らしながらこちらに向かってくる騎士の姿があった。
馬に乗り、立派な軍装をまとった男が馬から飛び降りると、ミサオに近寄る。
「専任S級冒険者、ミサオ・ナガイ殿とお見受け致す。それがし、トリニダス王国・コルテオ駐留騎士団長エリオット・クレバンと申す。此度の一件、騎士団長として忸怩たる思いもあるが、まずは礼を申し上げたい!」
迫る魔物を切り裂きながら、堂々と告げるエリオット。
「やっと会えましたね、エリオット団長。噂はこの地のギルマスからかねがね。騎士団の奮戦、さすがの一言です。日頃の団長殿の薫陶の賜物でしょう。」
ミサオも魔物の攻撃をかわしながら、言葉を交わす。
その時、伝令が駆け込んできた。
「破壊された右門からの魔物の流入は止まりました!外にも敵影無しとの報告です!」
「わかった!各門の警戒を続けつつ、外の確認も怠るな。動ける兵は上層階に向かわせろ!」
エリオットの指示が飛ぶ。
その時。
少し離れた場所で、複数の魔物に囲まれる冒険者達の姿が見えた。
(まずい!)
ミサオが駆け出そうとした瞬間。
蒼白い炎を纏った剣が、魔物の群れをまとめて斬り伏せた!
「こっちも、中々な展開だな!」
現れたのは、ジェイだった。
その背後には、ドリトス・サブリナ・シスター・子供達が続く。
そして・・・。
「あれぇ、ムッちょん!来てたの?」
のんびりとした口調で手を振る、でか兄さんの姿があった。
「・・・相変わらずおまえは呑気だなぁ!」
ムサシが笑顔で叫ぶ!
「もしかしてあなた・・・コジョ?・・・コジョなのね!」
クミコも涙を滲ませてる。
「え、あの大っきい人、コジョにーにー?コジョにーにー!ボクね~!ジョロ~!」
精一杯アピールするコジ丸。
3人それぞれのリアクションをする姿の後ろで。
「図体でかくて、とびっきり優しくて、困ってるやついたら、一番に駆けつけて助けてやろうとするなんて。姿変わっても、性根は変わんねぇよなぁ・・・。向こうの世界じゃ、具合悪くなって3日でサヨナラしちまってよ。サンくんと俺達置いてけぼり食わせて、空高く登って逝っちまった。いずれ会えるとは思ってた。でもな、ヒック!この地で!そんな気が、じでだんだ・・・ゴジョ~、やづどあえだなぁ~!」
こらえきれず涙をボロボロ流し、顔をクシャクシャにして走り出すミサオ!
そのままでか兄さん・・・コジローを、強く強く抱きしめるミサオ!
気が付くと、クミコ・ムサシ・ジョロも・・・みんながコジローに抱きついていた。
「みんな大げさだなぁ、会えるのは、当たり前でしょ?家族なんだから!・・・みんな、ちょっと、少し、苦しいかも・・・。」
少し苦しげに、でも笑顔のコジロー。
「コイツは、また・・・永井家無敵かよっ!」
ジェイが唖然とする。
ドリトスは、笑顔で頷く。
サブリナはもらい泣きである。
剣を振るいながらのエリオットは、状況が飲み込めず、首をかしげている。
「でか兄ちゃんが・・・ジョロの・・・兄貴・・・。」
「リオ、よかったね、ジョロも、でか兄ちゃんも、よかったね!」
呆然とするリオと、再会を祝福するミナ。
シスターや他の子供達は、笑顔で見つめていた。
しかし周りを見渡せば、まだ魔物の残党はちらほらと徘徊し、上層階の状況もわからない。
急に、クミコが言う。
「あら、そういえば、暁の皆さんって、いつこっちに?」
「今それ聞く?言ったろ、俺が出かける時に。細工は流々、仕上げは御覧じろ(ごろうじろ)ってな!プランBってやつ、ちゃんと考えてますともハニー!信用出来るズッ友、頼んで転移かましてまさあ!ま、これで打ち止めとは言って無いけどね。」
ドヤ顔のミサオ。
「さあ、みんなで早く片付けて、ご飯食べよう!」
笑顔で言うコジロー。
中層区での戦いも、先が見えてきそうである。
それぞれが、次なる行動へと動き出した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ラウロ・・・お前の想い、このセルジオ、しかと受け取った!街の人々を守るその為にも、化け物っ!貴様の息の根を・・・必ず止める!」
改めて剣を構えるセルジオ。
「ただの人間如きに、何が出来る?いくら足掻こうと、結局は絶望の中に倒れゆくのみ。愚かな!」
そう吐き捨てながら、剣を捨て、セルジオへと歩を進めるラウロ。・・・いや、ラウロの姿をした何かが人では無い異容へと変貌してゆく。
その両手の指先からは鋭い爪が伸び、口元からは獣のような牙が生えてくる。
次第に、その姿は人とは似ても似つかない、異形のモノへと変わっていった。
だが、セルジオは一歩も退かない。
むしろ、その姿がユラユラとおぼろげに揺れ始め・・・。
刹那!
異形のモノへ、セルジオの右・左・正面と、目にも留まらぬ右手からの三連撃が放たれた!
「フンッ!」
だが、異形のモノもただの化け物ではない。
鋭い動体視力と反射神経で、それらを避けてみせた!
「こんなものか・・・王国の剣聖などと呼ばれていい気になっ・・・グアッ!」
不意に、異形のモノが叫び声を上げる!
足元には無惨にも切り落とされた左腕が転がっていた。
「ラウロならば、受け切れたであろう・・・秘剣、深淵の煌めき!」
静かに、だが確かな怒りを宿した目で見据えるセルジオ。
「貴様には、地獄すら生ぬるい!俺が、お前の存在を消滅させる!」
再び、セルジオの姿がユラユラと揺れ、その剣が、真の煌めきを放つ。
「グウウウウッ・・・。」
かつて左腕があった場所を抑え、苦しげなうめき声を漏らす異形。
そこに攻め込むセルジオ。
息もつかせぬ連撃。
異形の身体が、みるみるうちに切り刻まれてゆく。
「そのまま、チリとなれ、化け物!」
その勢いはさらに加速し、そして。
セルジオの動きが止まる。
「・・・烈の剣、激流。」
静かに剣の血を払い、鞘に収める。
それと同時に、異形の身体が破裂したかのようにバラバラの肉片と化した。
見ていた住民達の誰もが、これで決着したと確信した。
しかし、切り刻まれた肉片がフルフルと震えだし、少しずつ一カ所へと集まっていく。
「・・・再生するのか・・・。」
振り返ったセルジオが、鋭い目で肉片の動きを注視する。
やがて、完全ではないが元の姿に近い状態まで戻った異形が、口を開いた。
「カ゚・・・グ・・・ハ・・・ハハッ、ハハハ・・・貴様ら人間如きに我が・・・ハァ、ハァ、これでは、力が足りぬか、ハァ、ハァ、ここで使うつもりはなかったが・・・。」
異形は、残った右手を天にかざし、叫んだ。
「貴様等っ!我に力を寄越せっ!」
すると、住民達を攻撃もせず立ち尽くしていた赤目の者達が、苦しみだす。
そしてその身体から、黒い霧のようなものが立ち昇り、異形の右手に吸い込まれていった。
「ハッ、ハハハッ!来た!来たぞ!終わりだ!お前たちはもう終わりだ!ハ~ッハッハッハッハッ!」
霧を取り込むごとに、異形の身体が、より分厚く、大きくなっていく!
「もうお前たちに希望はない!そのまま泣き叫び、何も出来ぬまま、死ぬがいい!」
その瞬間。
(ズウンッ!)
と響く音。
「それは・・・どうかな!」
中層区とを隔てる門の一つが、ラウロの数人の私兵と共に何かの大きな力で吹き飛ばされ、土煙の向こうから一つの集団の姿が浮かび上がる。
中層階の戦いを片付けた、永井家達の姿がそこにあった。
暁の牙、騎士団の面々も、シスターと孤児達を守りながら上層階になだれ込む。その後ろからは動ける冒険者達も現れる。
エリオットが指示を出す。
「くっ!なんだこの化け物は・・・ん! あれは、セルジオ王子! なぜこんな所に! ・・・今は時間が無い! さあ、我が国栄光の騎士達よ! 住民達を守り、 この場から速やかに避難をさせよ! 決して怪我人などは出すな! お前達の力を見せてみよ!」
あちこちで声が上がり、速やかに動き出す騎士団の面々。
異形を見据えたまま、ミサオが叫ぶ。
「専任S級冒険者より通達! この場で動ける冒険者は、それぞれ騎士団と連係し、健常な者の誘導・中層階及び下層階での避難場所の確保! 並びに、怪我人の為の救護拠点の構築! ランク上位者、積極的に指示を出せ! お前達の底力、見せてみろ!」
「応!」
高々と天に拳を突き上げ、ミサオの激に答え動き出す冒険者達。
着々と避難が進んでゆく。
「クックック、ナニヲシヨウガ、ケッカハカワラヌノニナ・・・ショセンハ、ハムシノアガキ。ムダナコトヲ・・・。」
見上げる様な大きさ、頭に二本のねじれたツノ、深紅の身体に太く長い爪を備えた両の手足の三本の指。長い舌をチロチロとさせながら、異形がつぶやく。
「その羽虫がどれ程のものか、お前に改めて教えてやろう・・・。」
セルジオの右手には、改めて剣が強く握られている。
「王子!」
セルジオの傍に、エリオットが剣を抜きながら駆けつける。
「・・・王子!この状況は一体?」
「王子はやめろ!エリオット、今の私は・・・いや俺は、只の冒険者だからな。・・・アイツは辺境伯殿の成れの果て。せめて我が一撃で、眠らせようとしたのだがな。」
寂しそうにつぶやくセルジオ。
「オモッタヨリモ、ハムシノカズカ゚・・・スコシオオイナ。グッ、グ、グォ~ッ!」
急に雄叫びを上げる異形。その声に呼応したかの様に、空から一体、又一体と降りてくる色違いの悪魔モドキの闇憑き達。
「なぁ、グラマス!」
元ラウロだった化け物と対峙するセルジオに、ミサオが後ろから声を掛ける。
「アイツと因縁あるんだろ! ・・・だったらアンタが、引導渡してやんな! それが辺境伯さんへの手向けになるだろうさ。後は・・・雑魚共は俺等で引き受ける! エリオットさん! アンタも知らない仲じゃないんだろ! 2人の精一杯の一撃、期待してるぜ!」
右手を前に突き出し、握り拳から親指を上に出してのグッジョブサインを出すミサオ。
「ミサオ、お前・・・承知!」
その場で深々と頭を下げるセルジオ。それに続くエリオット。
戦う皆が、一斉に構える。
そして、走り出す!
ケジメの血戦が今、始まる!
いきなりあんな大穴出来ちゃって、誰か怒られないのかなぁ・・・。ていうか、お前邪魔!バン!」
例の指鉄砲を放つと、牛モドキの眉間を正確に撃ち抜く、でか兄さん。
「フン!なんだありゃ!あのガタイ良いヤツを、いきなり一撃かよ!」
剣を振るいながら、ジェイが叫ぶ。
「何かあんな感じに近い人、前にも、見たわよね!」
矢を次々と放ちながら、サブリナも声を上げる。
「頑張って・・・ミサオの新作唐揚げ食う・・・塩!」
槍を振るいながら、ドリトスは相変わらずマイペースである。
シスターや子供達に安心するよう声をかけた後、でか兄さんは暁の牙に向き直った。
「外の魔物は、もう来ないと思うんだ。残りは街の中だけだから、早く狩らない?お腹空いちゃったよ・・・。」
「あれだけ居た魔物がか?ハハッ!そいつはちげぇねぇやっ!どうせなら呑気な兄さん、一緒にやらねぇかい?」
ジェイの呼びかけに笑顔で頷きながら、でか兄さんは静かに腕を上げ、ジェイに向かって手の平を向ける。次の瞬間――ジェイの剣が、蒼白い炎を纏った!
「俺も炎は使える方だが、コイツは良いねぇ。ほんなら決めるか――せいっ!」
ジェイの一閃!
水平に放たれた一撃は、悪魔モドキの胴をきれいに断ち切る。わずかに間を置いて、ズシリと音を立てて倒れる悪魔モドキ。切断面は炭化し、血すら流れない。
「さ、早くやっちゃって、みんなで美味しいご飯食べよう!」
陽気なでか兄さんの声が、シスターと子供達の空気を明るく染め上げた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時は少しさかのぼり、中層階広場。
冒険者達・騎士団・そして、クミコとジョロも合流した永井家が、右門から侵入した魔物と闇憑きの群れと激闘を繰り広げていた。
「パピッ!後ろ!」
魔物に蹴りを叩き込んだムサシが叫ぶ。
「あいよっ!・・・てか、ここまで乱戦だと、下手に広範囲魔法をぶっ放しゃあ味方に被害出るからな!ムッちょんも、抑えていけよ!」
ミサオも返しながら魔物の牙を躱す。
「パァピィ~!がんばれ~っ!ムッちょんにーにー!やっちゃえ~っ!」
「ムッちょん!無茶しちゃダメよ~!って、あぁっ!おまけしてくれたお姉さんのお店が~!」
防御魔法で守られているクミコとジョロだが、そのテンションは格闘イベントの観戦モードである。
そんな中、魔物を蹴散らしながらこちらに向かってくる騎士の姿があった。
馬に乗り、立派な軍装をまとった男が馬から飛び降りると、ミサオに近寄る。
「専任S級冒険者、ミサオ・ナガイ殿とお見受け致す。それがし、トリニダス王国・コルテオ駐留騎士団長エリオット・クレバンと申す。此度の一件、騎士団長として忸怩たる思いもあるが、まずは礼を申し上げたい!」
迫る魔物を切り裂きながら、堂々と告げるエリオット。
「やっと会えましたね、エリオット団長。噂はこの地のギルマスからかねがね。騎士団の奮戦、さすがの一言です。日頃の団長殿の薫陶の賜物でしょう。」
ミサオも魔物の攻撃をかわしながら、言葉を交わす。
その時、伝令が駆け込んできた。
「破壊された右門からの魔物の流入は止まりました!外にも敵影無しとの報告です!」
「わかった!各門の警戒を続けつつ、外の確認も怠るな。動ける兵は上層階に向かわせろ!」
エリオットの指示が飛ぶ。
その時。
少し離れた場所で、複数の魔物に囲まれる冒険者達の姿が見えた。
(まずい!)
ミサオが駆け出そうとした瞬間。
蒼白い炎を纏った剣が、魔物の群れをまとめて斬り伏せた!
「こっちも、中々な展開だな!」
現れたのは、ジェイだった。
その背後には、ドリトス・サブリナ・シスター・子供達が続く。
そして・・・。
「あれぇ、ムッちょん!来てたの?」
のんびりとした口調で手を振る、でか兄さんの姿があった。
「・・・相変わらずおまえは呑気だなぁ!」
ムサシが笑顔で叫ぶ!
「もしかしてあなた・・・コジョ?・・・コジョなのね!」
クミコも涙を滲ませてる。
「え、あの大っきい人、コジョにーにー?コジョにーにー!ボクね~!ジョロ~!」
精一杯アピールするコジ丸。
3人それぞれのリアクションをする姿の後ろで。
「図体でかくて、とびっきり優しくて、困ってるやついたら、一番に駆けつけて助けてやろうとするなんて。姿変わっても、性根は変わんねぇよなぁ・・・。向こうの世界じゃ、具合悪くなって3日でサヨナラしちまってよ。サンくんと俺達置いてけぼり食わせて、空高く登って逝っちまった。いずれ会えるとは思ってた。でもな、ヒック!この地で!そんな気が、じでだんだ・・・ゴジョ~、やづどあえだなぁ~!」
こらえきれず涙をボロボロ流し、顔をクシャクシャにして走り出すミサオ!
そのままでか兄さん・・・コジローを、強く強く抱きしめるミサオ!
気が付くと、クミコ・ムサシ・ジョロも・・・みんながコジローに抱きついていた。
「みんな大げさだなぁ、会えるのは、当たり前でしょ?家族なんだから!・・・みんな、ちょっと、少し、苦しいかも・・・。」
少し苦しげに、でも笑顔のコジロー。
「コイツは、また・・・永井家無敵かよっ!」
ジェイが唖然とする。
ドリトスは、笑顔で頷く。
サブリナはもらい泣きである。
剣を振るいながらのエリオットは、状況が飲み込めず、首をかしげている。
「でか兄ちゃんが・・・ジョロの・・・兄貴・・・。」
「リオ、よかったね、ジョロも、でか兄ちゃんも、よかったね!」
呆然とするリオと、再会を祝福するミナ。
シスターや他の子供達は、笑顔で見つめていた。
しかし周りを見渡せば、まだ魔物の残党はちらほらと徘徊し、上層階の状況もわからない。
急に、クミコが言う。
「あら、そういえば、暁の皆さんって、いつこっちに?」
「今それ聞く?言ったろ、俺が出かける時に。細工は流々、仕上げは御覧じろ(ごろうじろ)ってな!プランBってやつ、ちゃんと考えてますともハニー!信用出来るズッ友、頼んで転移かましてまさあ!ま、これで打ち止めとは言って無いけどね。」
ドヤ顔のミサオ。
「さあ、みんなで早く片付けて、ご飯食べよう!」
笑顔で言うコジロー。
中層区での戦いも、先が見えてきそうである。
それぞれが、次なる行動へと動き出した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ラウロ・・・お前の想い、このセルジオ、しかと受け取った!街の人々を守るその為にも、化け物っ!貴様の息の根を・・・必ず止める!」
改めて剣を構えるセルジオ。
「ただの人間如きに、何が出来る?いくら足掻こうと、結局は絶望の中に倒れゆくのみ。愚かな!」
そう吐き捨てながら、剣を捨て、セルジオへと歩を進めるラウロ。・・・いや、ラウロの姿をした何かが人では無い異容へと変貌してゆく。
その両手の指先からは鋭い爪が伸び、口元からは獣のような牙が生えてくる。
次第に、その姿は人とは似ても似つかない、異形のモノへと変わっていった。
だが、セルジオは一歩も退かない。
むしろ、その姿がユラユラとおぼろげに揺れ始め・・・。
刹那!
異形のモノへ、セルジオの右・左・正面と、目にも留まらぬ右手からの三連撃が放たれた!
「フンッ!」
だが、異形のモノもただの化け物ではない。
鋭い動体視力と反射神経で、それらを避けてみせた!
「こんなものか・・・王国の剣聖などと呼ばれていい気になっ・・・グアッ!」
不意に、異形のモノが叫び声を上げる!
足元には無惨にも切り落とされた左腕が転がっていた。
「ラウロならば、受け切れたであろう・・・秘剣、深淵の煌めき!」
静かに、だが確かな怒りを宿した目で見据えるセルジオ。
「貴様には、地獄すら生ぬるい!俺が、お前の存在を消滅させる!」
再び、セルジオの姿がユラユラと揺れ、その剣が、真の煌めきを放つ。
「グウウウウッ・・・。」
かつて左腕があった場所を抑え、苦しげなうめき声を漏らす異形。
そこに攻め込むセルジオ。
息もつかせぬ連撃。
異形の身体が、みるみるうちに切り刻まれてゆく。
「そのまま、チリとなれ、化け物!」
その勢いはさらに加速し、そして。
セルジオの動きが止まる。
「・・・烈の剣、激流。」
静かに剣の血を払い、鞘に収める。
それと同時に、異形の身体が破裂したかのようにバラバラの肉片と化した。
見ていた住民達の誰もが、これで決着したと確信した。
しかし、切り刻まれた肉片がフルフルと震えだし、少しずつ一カ所へと集まっていく。
「・・・再生するのか・・・。」
振り返ったセルジオが、鋭い目で肉片の動きを注視する。
やがて、完全ではないが元の姿に近い状態まで戻った異形が、口を開いた。
「カ゚・・・グ・・・ハ・・・ハハッ、ハハハ・・・貴様ら人間如きに我が・・・ハァ、ハァ、これでは、力が足りぬか、ハァ、ハァ、ここで使うつもりはなかったが・・・。」
異形は、残った右手を天にかざし、叫んだ。
「貴様等っ!我に力を寄越せっ!」
すると、住民達を攻撃もせず立ち尽くしていた赤目の者達が、苦しみだす。
そしてその身体から、黒い霧のようなものが立ち昇り、異形の右手に吸い込まれていった。
「ハッ、ハハハッ!来た!来たぞ!終わりだ!お前たちはもう終わりだ!ハ~ッハッハッハッハッ!」
霧を取り込むごとに、異形の身体が、より分厚く、大きくなっていく!
「もうお前たちに希望はない!そのまま泣き叫び、何も出来ぬまま、死ぬがいい!」
その瞬間。
(ズウンッ!)
と響く音。
「それは・・・どうかな!」
中層区とを隔てる門の一つが、ラウロの数人の私兵と共に何かの大きな力で吹き飛ばされ、土煙の向こうから一つの集団の姿が浮かび上がる。
中層階の戦いを片付けた、永井家達の姿がそこにあった。
暁の牙、騎士団の面々も、シスターと孤児達を守りながら上層階になだれ込む。その後ろからは動ける冒険者達も現れる。
エリオットが指示を出す。
「くっ!なんだこの化け物は・・・ん! あれは、セルジオ王子! なぜこんな所に! ・・・今は時間が無い! さあ、我が国栄光の騎士達よ! 住民達を守り、 この場から速やかに避難をさせよ! 決して怪我人などは出すな! お前達の力を見せてみよ!」
あちこちで声が上がり、速やかに動き出す騎士団の面々。
異形を見据えたまま、ミサオが叫ぶ。
「専任S級冒険者より通達! この場で動ける冒険者は、それぞれ騎士団と連係し、健常な者の誘導・中層階及び下層階での避難場所の確保! 並びに、怪我人の為の救護拠点の構築! ランク上位者、積極的に指示を出せ! お前達の底力、見せてみろ!」
「応!」
高々と天に拳を突き上げ、ミサオの激に答え動き出す冒険者達。
着々と避難が進んでゆく。
「クックック、ナニヲシヨウガ、ケッカハカワラヌノニナ・・・ショセンハ、ハムシノアガキ。ムダナコトヲ・・・。」
見上げる様な大きさ、頭に二本のねじれたツノ、深紅の身体に太く長い爪を備えた両の手足の三本の指。長い舌をチロチロとさせながら、異形がつぶやく。
「その羽虫がどれ程のものか、お前に改めて教えてやろう・・・。」
セルジオの右手には、改めて剣が強く握られている。
「王子!」
セルジオの傍に、エリオットが剣を抜きながら駆けつける。
「・・・王子!この状況は一体?」
「王子はやめろ!エリオット、今の私は・・・いや俺は、只の冒険者だからな。・・・アイツは辺境伯殿の成れの果て。せめて我が一撃で、眠らせようとしたのだがな。」
寂しそうにつぶやくセルジオ。
「オモッタヨリモ、ハムシノカズカ゚・・・スコシオオイナ。グッ、グ、グォ~ッ!」
急に雄叫びを上げる異形。その声に呼応したかの様に、空から一体、又一体と降りてくる色違いの悪魔モドキの闇憑き達。
「なぁ、グラマス!」
元ラウロだった化け物と対峙するセルジオに、ミサオが後ろから声を掛ける。
「アイツと因縁あるんだろ! ・・・だったらアンタが、引導渡してやんな! それが辺境伯さんへの手向けになるだろうさ。後は・・・雑魚共は俺等で引き受ける! エリオットさん! アンタも知らない仲じゃないんだろ! 2人の精一杯の一撃、期待してるぜ!」
右手を前に突き出し、握り拳から親指を上に出してのグッジョブサインを出すミサオ。
「ミサオ、お前・・・承知!」
その場で深々と頭を下げるセルジオ。それに続くエリオット。
戦う皆が、一斉に構える。
そして、走り出す!
ケジメの血戦が今、始まる!
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婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
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――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
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