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第6話 迫る災厄と白き守護者
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魔物の姿が視界に捉えられるまで、街の全てが動いていた。
上層区へと住民を避難させ、正門外にはC級以上の冒険者たちが、左右の門の外には王国騎士団が布陣する。
壁の上では冒険者と王国騎士団混成の弓使いと魔法使いたちが構え、壁の中には冒険者による救護班と街の有志による補給班が待機。
街ぐるみで戦う、文字通り総力戦の態勢だった。
そして正門外のすぐ傍。
ミサオ達永井家と、ギルドマスターのテッドが並び立つ。
「ギルドマスターになって初めての強制依頼・・・緊張します。」
「テッドさんみたいな人でも初めてなんですか?年に数回位は有るもんだと思ってましたよ俺。」
テッドとミサオが声を掛け合う。
「そんなしょっちゅうあったら命がいくつあっても足りませんし、誰も冒険者なんかやりませんから!大体僕は、荒事よりも事務系の方が得意な口でして・・・。」
細身で、どこか頼りなげに見えるテッド。だがその目は、真剣そのものだった。
ミサオは笑った。
「何言ってるんですか。ギルマスが動いたから、ここまでスムーズにこれたんですよ。本当に感謝してます。荒事向いてない人は元々冒険者をやろうなんてしない筈。テッドさん、自分を過小評価し過ぎですよ?」
「・・・そう言って頂けると、少しは気持ちの緊張もほぐれますよ。」
ミサオの言葉にテッドの力みも抜けてゆく。
そこへ街の中から冒険者が1人駆けてくる。
「伝令! 森深奥部に土煙を確認! 魔物、約三百を確認!」
「門を閉めろーッ!!」
テッドの怒号が飛ぶ。
一気に張り詰める空気。
ミサオが新米C級冒険者となった長男に言う。
「俺の不得意分野だ。一番槍はお前に任せるよ。」
「やれるだけのことをやる。パピ、見てて。」
そう言ったムサシは、単身、前線部隊の前に進み出た。
ムサシは静かに目を閉じ、呟く。
「・・・死出の旅路も、仲間とならば寂しくなかろう。静かに眠れ。メガ・プレス!」
ゆっくりと空へと伸ばした両手を、勢い良く下へと振り下ろす!
次の瞬間。
ムサシの前方、突進していた魔物の群れの先端が地面ごと、ズズズッ……と押し潰されていった。
「メガ・プッシュ!」
自らの身体の両脇に引き絞った両腕を、そのまま前方へと力一杯突き出すムサシ。
押し寄せる後続の魔物達を、見えない重力の壁が薙ぎ払う。
木々や周囲の魔物達に叩きつけられ、何体もの生き物が呻き声を上げる暇もなく圧死していった。
「これで、約100。」
息をつきながら呟くムサシ。
「ご苦労さん。こっからは、みんなにも一働きしてもらうか。」
ミサオも前に出る。
その右手には、珍しく武器・・・日本刀に似たわずかな反りのある長剣が握られていた。
いつか使う事も有るかも知れないと、ミサオが現代世界で手に入れていた観賞用の真剣。その時に課長さんが特別な手を加えてから、ずっと死蔵していた代物。先の転移でテリオスの町の自宅から引っ張り出してきておいた物だ。
スラリ、と鞘から抜き放つ。
左足を半歩引き、正眼に構え、そして・・・
(アプリさん、初めて能動的に使うんだ、いい仕事頼むぜ・・・。)
心の内で呟きながら、ミサオが大上段から真っ直ぐに刀を振り下ろす!
「紫電一閃!」
刀身からほとばしる紫の雷光。
稲妻のごとき光条が魔物たちを貫き、その場に数体の魔物が白煙を上げて倒れ込む。
(よし!初めての攻撃魔法との掛け合わせも上手くいった!やっぱり日々の鍛錬は裏切らねぇな。これでまた一つ、手札が増えた。)
アプリ(イセ・ゲート)の中の魔法の項目から、雷属性を選んで刀に付与を掛けるという細かな設定を仕込んでおいたミサオ。
ムサシの様に広範囲に使える魔法を予め持たない、ミサオの苦肉の策である。
それでも魔物達の群れは途切れない。
(土煙はどんどんと近付きつつある。ここからが、本当の戦いだ。)
ミサオが考えた矢先。
「右の、右の門が破られた!」
あちこちの冒険者が同じ様な叫びを上げる。魔物は正面からだけではなく、狡猾にもサイドからも攻めて来ていたらしい。
「パピッ!」
焦りを見せるムサシ。
「うろたえるなっ!」
ミサオの怒号が戦場に響く。
「・・・S級冒険者から前線部隊の皆に次ぐ!
これより左門から各自、城内に後退!籠城戦に移行する!
右門の応援にも急行しろ!外は俺達が抑える!
迷うな、動けッ!」
その檄に、冒険者たちが次々と指示に従い、行動を開始する。
だが。
「パピッ!でも、マミとジョロが!」
ムサシの声に、ミサオは静かに応える。
「言ったろ、うろたえるなって。」
冷静な声。だがその奥底に、燃えるような闘志が宿っている。
「マミとジョロには、予めスマホで防御魔法をかけてある。ちょっとやそっとじゃビクともしねぇ代物だ。2人は簡単にやらせねぇよ。それより今、俺達2人はこいつらを減らす方が先だ。」
ミサオはムサシを振り返り、にやりと笑った。
「ムッちょん、さっきの厨二病全開の(メガ・プレス)より、もっとデカいの・・・出せるか?」
ムサシの顔に驚きの色が浮かぶ。
「ちゅうにびょう?・・・いや、デカくするには魔力が!」
先程もそこそこの魔力を消費しているムサシからすれば、それ以上の魔法の行使は正直難しい。
「その魔力さえあれば、出来るんだな?」
ミサオは攻撃手段の有無を確認している。魔力の残量では無い。
「・・・多分。・・・いや、やってみせる!」
それに気付いたムサシも覚悟を持って答える。
「さすが俺の自慢の息子だッ!」
ミサオは傍に立つムサシの背中に両手を当て、目を閉じる。
「受け取れ、ムサシ!・・・チャージ!!」
瞬間。
ムサシの体内を、温かく、膨大な魔力が駆け巡る。
「パピ、これって・・・!」
「心配すんな!こんな時も有るかと思ってな!まだまだ要領悪くて、お前さんみたいに自分の意思で攻撃魔法とか使えない、アプリ頼みな俺だけど!コイツだけは今んとこ、俺の意思で使える様に隠れて毎日練習してたんだよっ!
・・・それにな。
俺の魔力は、課長さんのお墨付きで(底なし)だ!お前に全開でくれてやるッ!」
力強く叫ぶミサオ。
ムサシは深く頷き、身体中に流れてくる膨大な魔力を制御し、練り上げる事に集中する。
(パピは普段おちゃらけた感じだけど、やる時はやる!集中!)
そしてムサシは、右手に強く握りしめた拳を作り、ゆっくりと右腕を天空へと伸ばす。
その右腕腕が、発せられた言葉と共に、地面に叩きつけられる!
「……飽くなき欲望の果て、その先には絶望が降り注ぐ。・・・ギガ・プレスッ!!」
轟音と共に、地面が激しく鳴動した。
土煙が空高く巻き上がり、周囲を覆う。
視界が晴れるとそこには、直径数十メートルにも及ぶ巨大なクレーター。
押し寄せていた魔物たちの姿は、跡形もなく消え去っていた。
ムサシによる見えない巨大な拳が、大地に叩き付けられたのだ。
「はぁ~さっすが自慢の息子!我らがムッちょんってとこだな!」
「はぁ・・・はぁ・・・。パピの、息子ですから。はぁ、はぁ・・・。」
ムサシが肩で息をしながら、照れくさそうに微笑む。
「ははっ、ちげぇねえや。」
ミサオも大きく笑った。
「城壁の上からも攻撃はしてくれているようだな。さて、今の内に城内に戻るぞムッちょん!マミ!ジョロ!急いで中に!」
永井家の戦いが、次の舞台へと移っていく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一方、その頃、都市下層区。
右門が破られ、魔物が少しづつ街へとなだれ込む。
その中でもひときわ異様な気配・・・闇憑き上位種の悪魔モドキが、バサバサと羽音を鳴らし教会の前に佇んでいた。
「・・・ミツケタ。」
教会の扉の隙間から覗く、小さな二つの瞳。
リオの姿が、悪魔モドキの視界に映る。
リオは顔を強張らせ、必死に教会から孤児院の中へと逃げ戻る。
本来なら街の避難指示に従い、上層区へと移動すべきだった。
だが、身体の不自由な子供達、幼すぎて移動が困難な子たちが孤児院には多かった。
下層区の無気力な大人達を当てに出来ないシスター・マリアは、彼らを無理に動かして危険に晒すより、孤児院に籠もり祈りを捧げつつ、最後まで守り通す覚悟を選んだのだった。
「コノクウキ・・・ハキケガスル。・・・カミガナニモシテクレナイコトヲ、オレサマガオシエテヤル。」
歪んだ声を上げ、教会の扉を破壊してなだれ込む悪魔モドキ。
先程の2つの瞳を追って、建物の壁やベンチ・孤児院側へと繋がる扉さえも打ち壊し、ゆっくりと羽ばたきながらじわりじわりと人間の気配を探ってゆく。
破壊音と共に悪魔モドキの脅威が近づきつつある孤児院内部。
そのダイニングの隅に、怯えた子供たちと、必死に庇うシスター・マリアの姿。
その姿を程なく悪魔モドキが視界に入れる。
「ココニイタノカ・・・。クッテヤル。オマエラゼンブ・・・。」
舌なめずりをしながら、にじり寄る悪魔モドキ。
(カン!)
悪魔モドキの顔スレスレをナイフが通過し、傍の戸棚に突き立つ。
ナイフの飛んできた方向に顔を向ける闇憑き。
「・・・相変わらず下品な面構えだな。知能がある分、尚始末が悪い!」
飄々とした声が、崩れた教会の壁越しに響いた。
外から現れたのは三人の男女。
ジェイ・サブリナ・ドリトス
ミサオと固い絆で結ばれた、冒険者パーティー(暁の牙)の面々である。
剣を肩に担ぎながら、ジェイが口元を吊り上げる。
「最近は依頼も選べる位の余裕出来たから、厄介な話は避けてたんだよなぁ。ま、ミサオに頼まれりゃ、こういう厄介事でも断れないんだけどよ!」
槍を構えるドリトスが、静かにシスターたちを庇う位置へ移動する。
「・・・子供たちに指一本、触れさせない。」
弓を引き絞ったサブリナは、柔らかな微笑みで子供たちを安心させるように囁く。
「大丈夫。私達が、ちゃんと守るからね。」
ジェイが仲間たちに鋭く指示を飛ばした。
「ドリトス、サブリナ!全力でいくぞ!」
「応!」
「承知!」
戦う意志が、音を立てて燃え上がる。
絶望の淵にあった孤児院。
だが今。
その小さな灯を誰にも消させはしないと、3人の強い気持ちが溢れ出す。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
変わって、都市上層区。
避難していた住民たちは、遠く壁の向こうから響く不穏な音に恐怖を募らせ、皆その場に座り込んでいる。
そんな中、辺境伯ラウロ・ファルミニスは、満足げにいやらしい笑みを浮かべる。
「・・・そろそろだな。さあ、我が兵たちよ!上層区のすべての門を開け放て!」
突如として飛び出した不可解な命令に、住民たちは騒然となる。
「な、何を言っているんだ領主様?」
「魔物から守るために、門は閉めておくはずじゃ?」
避難していた各層の住民達が困惑と非難の声を上げる。
「どうした?何か不思議なことでもあったか?」
ラウロは人々の困惑を楽しむように、ゆっくりと続ける。
「悩む必要などない。貴様たちは只、私の為に生贄となればよいのだ!」
一層血走った目で叫び、ラウロは手を広げた。
「なぜ避難させたと思う?・・・獲物は集めた方が、狩りやすいだろう?」
次第に、ラウロの瞳は血のように赤く染まってゆく。
「最近、領内で失踪者が増えていた理由・・・気になっていた者も居ただろう?心配していた者もおっただろう。良かったな。皆ここに集まっておる。」
ラウロの言葉に、周囲を見回す住民たち。そして、ぽつぽつと立ち上がる男たち。行方不明になった者たちに酷似しているが、彼らの目もまた赤かった。
「心配された所で、俺達には人間に対して、何の感情も無いですがね、ラウロ様。・・・ここに集まった人間達は俺等の・・・エサでしかない。」
赤き瞳の男たちが、異様な笑みを浮かべる。
「今まで不自由をかけたな。闇夜に紛れて人を食うだけじゃ、さぞひもじい思いをした事だろう。だが、今日は我らの待ちに待った(宴)の日!」
立ち上がった者達に向けて叫ぶラウロ。
そして今度は硬直している避難住民に対して低い声で語る。
「これから貴様達には、我等の糧となる栄誉を・・・(死)を与えてやろう。この都市全体を、唾棄すべき人間達の墓標にしてやろうぞ!」
ラウロの命令と共に、中層区との境の門に居たラウロの狂った私兵たちが剣を抜き払った。
住民達の中から立ち上がっている者達は、只々不気味に笑っているだけ。
逃げ場所を失った住民達。絶望に染まる上層区。
だが。
その絶望を断ち切るように、力強い声が響いた。
「辺境伯殿!・・・いや、ラウロ!貴様も落ちぶれたものだな!」
私兵の数名を一撃で昏倒させ、開け放たれた門の1箇所から悠然と現れた男。
右手に剣、左手に掲げたギルド紋章。
「・・・誰だ貴様は?」
ラウロが叫ぶ。だが、その顔には焦りが浮かんでいた。
「セルジオ・トリニダス・・・貴様にとっては、忘れたくても忘れられない名の筈だがな!」
現れたのは、ギルド本部グランド・マスター、セルジオ。
騎士学校にてラウロと共に剣を交えた、かつての友だった。
「貴様を・・・この手で止めてやる!」
セルジオが、静かに剣を構える。
「グッ!」
ラウロが、頭を両手で押さえつけた。
苦しみに顔を歪めながら、呻くように声を上げる。
「セルジオ、いや、セル・・・! こいつを、いや私を滅してくれっ!」
かすかに、正気を取り戻したラウロが懇願する。
「妻を亡くした絶望の中、蘇生術などという甘言にすがった・・・私の弱さが! こんな災厄を呼び寄せて・・・!」
だがその目は、見る間にまた赤く染まっていく。
「うるさい! 貴様の出る幕など、もはやないわ!」
ラウロの口から絞り出されたその声は、もはや別の存在のものだった。
セルジオが剣を構え直す。
(ラウロ。お前そこまで亡き奥方を・・・。お前の無念、確かに受け取った。だから俺は、王国と人々を守るため、お前を・・・斬る!)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時を同じく、下層区孤児院。
暁の牙と、悪魔モドキの死闘が続いていた。
孤児院の建物から外へ悪魔モドキを誘い出した暁の牙の3人。
ジェイが鋭い剣撃で悪魔モドキの腕を傷つける。
ドリトスが槍で飛び上がろうとする敵を地面に押し戻す。
サブリナが、矢を連続で打ち込みながら後衛から支援する。
連携は完璧だった。
あと一歩、もう少しで決着が着くはずだった。
だが、よりにもよってその時。
教会の陰から、もう一匹の魔物が現れる。
ミノタウロス型の魔物の闇憑きである。
右手に太い棍棒を持ち、ドスドスと地響きを立てながら、シスターと孤児達へと迫ってくる。
「まずい!」
ジェイが叫ぶが、今は悪魔モドキに気を取られて、身動きが取れない。
万事休すに見えたその瞬間!
ズウウッ……と青白い炎の壁が、シスター達の前に出現する。
振り下ろされたミノタウロス型変異の闇憑き・・・牛モドキの棍棒が、炎に触れた瞬間、炭化し、砕け落ちた。
「間に合って、良かったぁ!みんな、大丈夫? これだとすぐにご飯・・・って訳には、いかないかなぁ。」
のんびりとした、しかし頼もしい声。
そこには、巨大な鳥獣を肩にかけた、でか兄さんの姿があった!
上層区へと住民を避難させ、正門外にはC級以上の冒険者たちが、左右の門の外には王国騎士団が布陣する。
壁の上では冒険者と王国騎士団混成の弓使いと魔法使いたちが構え、壁の中には冒険者による救護班と街の有志による補給班が待機。
街ぐるみで戦う、文字通り総力戦の態勢だった。
そして正門外のすぐ傍。
ミサオ達永井家と、ギルドマスターのテッドが並び立つ。
「ギルドマスターになって初めての強制依頼・・・緊張します。」
「テッドさんみたいな人でも初めてなんですか?年に数回位は有るもんだと思ってましたよ俺。」
テッドとミサオが声を掛け合う。
「そんなしょっちゅうあったら命がいくつあっても足りませんし、誰も冒険者なんかやりませんから!大体僕は、荒事よりも事務系の方が得意な口でして・・・。」
細身で、どこか頼りなげに見えるテッド。だがその目は、真剣そのものだった。
ミサオは笑った。
「何言ってるんですか。ギルマスが動いたから、ここまでスムーズにこれたんですよ。本当に感謝してます。荒事向いてない人は元々冒険者をやろうなんてしない筈。テッドさん、自分を過小評価し過ぎですよ?」
「・・・そう言って頂けると、少しは気持ちの緊張もほぐれますよ。」
ミサオの言葉にテッドの力みも抜けてゆく。
そこへ街の中から冒険者が1人駆けてくる。
「伝令! 森深奥部に土煙を確認! 魔物、約三百を確認!」
「門を閉めろーッ!!」
テッドの怒号が飛ぶ。
一気に張り詰める空気。
ミサオが新米C級冒険者となった長男に言う。
「俺の不得意分野だ。一番槍はお前に任せるよ。」
「やれるだけのことをやる。パピ、見てて。」
そう言ったムサシは、単身、前線部隊の前に進み出た。
ムサシは静かに目を閉じ、呟く。
「・・・死出の旅路も、仲間とならば寂しくなかろう。静かに眠れ。メガ・プレス!」
ゆっくりと空へと伸ばした両手を、勢い良く下へと振り下ろす!
次の瞬間。
ムサシの前方、突進していた魔物の群れの先端が地面ごと、ズズズッ……と押し潰されていった。
「メガ・プッシュ!」
自らの身体の両脇に引き絞った両腕を、そのまま前方へと力一杯突き出すムサシ。
押し寄せる後続の魔物達を、見えない重力の壁が薙ぎ払う。
木々や周囲の魔物達に叩きつけられ、何体もの生き物が呻き声を上げる暇もなく圧死していった。
「これで、約100。」
息をつきながら呟くムサシ。
「ご苦労さん。こっからは、みんなにも一働きしてもらうか。」
ミサオも前に出る。
その右手には、珍しく武器・・・日本刀に似たわずかな反りのある長剣が握られていた。
いつか使う事も有るかも知れないと、ミサオが現代世界で手に入れていた観賞用の真剣。その時に課長さんが特別な手を加えてから、ずっと死蔵していた代物。先の転移でテリオスの町の自宅から引っ張り出してきておいた物だ。
スラリ、と鞘から抜き放つ。
左足を半歩引き、正眼に構え、そして・・・
(アプリさん、初めて能動的に使うんだ、いい仕事頼むぜ・・・。)
心の内で呟きながら、ミサオが大上段から真っ直ぐに刀を振り下ろす!
「紫電一閃!」
刀身からほとばしる紫の雷光。
稲妻のごとき光条が魔物たちを貫き、その場に数体の魔物が白煙を上げて倒れ込む。
(よし!初めての攻撃魔法との掛け合わせも上手くいった!やっぱり日々の鍛錬は裏切らねぇな。これでまた一つ、手札が増えた。)
アプリ(イセ・ゲート)の中の魔法の項目から、雷属性を選んで刀に付与を掛けるという細かな設定を仕込んでおいたミサオ。
ムサシの様に広範囲に使える魔法を予め持たない、ミサオの苦肉の策である。
それでも魔物達の群れは途切れない。
(土煙はどんどんと近付きつつある。ここからが、本当の戦いだ。)
ミサオが考えた矢先。
「右の、右の門が破られた!」
あちこちの冒険者が同じ様な叫びを上げる。魔物は正面からだけではなく、狡猾にもサイドからも攻めて来ていたらしい。
「パピッ!」
焦りを見せるムサシ。
「うろたえるなっ!」
ミサオの怒号が戦場に響く。
「・・・S級冒険者から前線部隊の皆に次ぐ!
これより左門から各自、城内に後退!籠城戦に移行する!
右門の応援にも急行しろ!外は俺達が抑える!
迷うな、動けッ!」
その檄に、冒険者たちが次々と指示に従い、行動を開始する。
だが。
「パピッ!でも、マミとジョロが!」
ムサシの声に、ミサオは静かに応える。
「言ったろ、うろたえるなって。」
冷静な声。だがその奥底に、燃えるような闘志が宿っている。
「マミとジョロには、予めスマホで防御魔法をかけてある。ちょっとやそっとじゃビクともしねぇ代物だ。2人は簡単にやらせねぇよ。それより今、俺達2人はこいつらを減らす方が先だ。」
ミサオはムサシを振り返り、にやりと笑った。
「ムッちょん、さっきの厨二病全開の(メガ・プレス)より、もっとデカいの・・・出せるか?」
ムサシの顔に驚きの色が浮かぶ。
「ちゅうにびょう?・・・いや、デカくするには魔力が!」
先程もそこそこの魔力を消費しているムサシからすれば、それ以上の魔法の行使は正直難しい。
「その魔力さえあれば、出来るんだな?」
ミサオは攻撃手段の有無を確認している。魔力の残量では無い。
「・・・多分。・・・いや、やってみせる!」
それに気付いたムサシも覚悟を持って答える。
「さすが俺の自慢の息子だッ!」
ミサオは傍に立つムサシの背中に両手を当て、目を閉じる。
「受け取れ、ムサシ!・・・チャージ!!」
瞬間。
ムサシの体内を、温かく、膨大な魔力が駆け巡る。
「パピ、これって・・・!」
「心配すんな!こんな時も有るかと思ってな!まだまだ要領悪くて、お前さんみたいに自分の意思で攻撃魔法とか使えない、アプリ頼みな俺だけど!コイツだけは今んとこ、俺の意思で使える様に隠れて毎日練習してたんだよっ!
・・・それにな。
俺の魔力は、課長さんのお墨付きで(底なし)だ!お前に全開でくれてやるッ!」
力強く叫ぶミサオ。
ムサシは深く頷き、身体中に流れてくる膨大な魔力を制御し、練り上げる事に集中する。
(パピは普段おちゃらけた感じだけど、やる時はやる!集中!)
そしてムサシは、右手に強く握りしめた拳を作り、ゆっくりと右腕を天空へと伸ばす。
その右腕腕が、発せられた言葉と共に、地面に叩きつけられる!
「……飽くなき欲望の果て、その先には絶望が降り注ぐ。・・・ギガ・プレスッ!!」
轟音と共に、地面が激しく鳴動した。
土煙が空高く巻き上がり、周囲を覆う。
視界が晴れるとそこには、直径数十メートルにも及ぶ巨大なクレーター。
押し寄せていた魔物たちの姿は、跡形もなく消え去っていた。
ムサシによる見えない巨大な拳が、大地に叩き付けられたのだ。
「はぁ~さっすが自慢の息子!我らがムッちょんってとこだな!」
「はぁ・・・はぁ・・・。パピの、息子ですから。はぁ、はぁ・・・。」
ムサシが肩で息をしながら、照れくさそうに微笑む。
「ははっ、ちげぇねえや。」
ミサオも大きく笑った。
「城壁の上からも攻撃はしてくれているようだな。さて、今の内に城内に戻るぞムッちょん!マミ!ジョロ!急いで中に!」
永井家の戦いが、次の舞台へと移っていく。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一方、その頃、都市下層区。
右門が破られ、魔物が少しづつ街へとなだれ込む。
その中でもひときわ異様な気配・・・闇憑き上位種の悪魔モドキが、バサバサと羽音を鳴らし教会の前に佇んでいた。
「・・・ミツケタ。」
教会の扉の隙間から覗く、小さな二つの瞳。
リオの姿が、悪魔モドキの視界に映る。
リオは顔を強張らせ、必死に教会から孤児院の中へと逃げ戻る。
本来なら街の避難指示に従い、上層区へと移動すべきだった。
だが、身体の不自由な子供達、幼すぎて移動が困難な子たちが孤児院には多かった。
下層区の無気力な大人達を当てに出来ないシスター・マリアは、彼らを無理に動かして危険に晒すより、孤児院に籠もり祈りを捧げつつ、最後まで守り通す覚悟を選んだのだった。
「コノクウキ・・・ハキケガスル。・・・カミガナニモシテクレナイコトヲ、オレサマガオシエテヤル。」
歪んだ声を上げ、教会の扉を破壊してなだれ込む悪魔モドキ。
先程の2つの瞳を追って、建物の壁やベンチ・孤児院側へと繋がる扉さえも打ち壊し、ゆっくりと羽ばたきながらじわりじわりと人間の気配を探ってゆく。
破壊音と共に悪魔モドキの脅威が近づきつつある孤児院内部。
そのダイニングの隅に、怯えた子供たちと、必死に庇うシスター・マリアの姿。
その姿を程なく悪魔モドキが視界に入れる。
「ココニイタノカ・・・。クッテヤル。オマエラゼンブ・・・。」
舌なめずりをしながら、にじり寄る悪魔モドキ。
(カン!)
悪魔モドキの顔スレスレをナイフが通過し、傍の戸棚に突き立つ。
ナイフの飛んできた方向に顔を向ける闇憑き。
「・・・相変わらず下品な面構えだな。知能がある分、尚始末が悪い!」
飄々とした声が、崩れた教会の壁越しに響いた。
外から現れたのは三人の男女。
ジェイ・サブリナ・ドリトス
ミサオと固い絆で結ばれた、冒険者パーティー(暁の牙)の面々である。
剣を肩に担ぎながら、ジェイが口元を吊り上げる。
「最近は依頼も選べる位の余裕出来たから、厄介な話は避けてたんだよなぁ。ま、ミサオに頼まれりゃ、こういう厄介事でも断れないんだけどよ!」
槍を構えるドリトスが、静かにシスターたちを庇う位置へ移動する。
「・・・子供たちに指一本、触れさせない。」
弓を引き絞ったサブリナは、柔らかな微笑みで子供たちを安心させるように囁く。
「大丈夫。私達が、ちゃんと守るからね。」
ジェイが仲間たちに鋭く指示を飛ばした。
「ドリトス、サブリナ!全力でいくぞ!」
「応!」
「承知!」
戦う意志が、音を立てて燃え上がる。
絶望の淵にあった孤児院。
だが今。
その小さな灯を誰にも消させはしないと、3人の強い気持ちが溢れ出す。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
変わって、都市上層区。
避難していた住民たちは、遠く壁の向こうから響く不穏な音に恐怖を募らせ、皆その場に座り込んでいる。
そんな中、辺境伯ラウロ・ファルミニスは、満足げにいやらしい笑みを浮かべる。
「・・・そろそろだな。さあ、我が兵たちよ!上層区のすべての門を開け放て!」
突如として飛び出した不可解な命令に、住民たちは騒然となる。
「な、何を言っているんだ領主様?」
「魔物から守るために、門は閉めておくはずじゃ?」
避難していた各層の住民達が困惑と非難の声を上げる。
「どうした?何か不思議なことでもあったか?」
ラウロは人々の困惑を楽しむように、ゆっくりと続ける。
「悩む必要などない。貴様たちは只、私の為に生贄となればよいのだ!」
一層血走った目で叫び、ラウロは手を広げた。
「なぜ避難させたと思う?・・・獲物は集めた方が、狩りやすいだろう?」
次第に、ラウロの瞳は血のように赤く染まってゆく。
「最近、領内で失踪者が増えていた理由・・・気になっていた者も居ただろう?心配していた者もおっただろう。良かったな。皆ここに集まっておる。」
ラウロの言葉に、周囲を見回す住民たち。そして、ぽつぽつと立ち上がる男たち。行方不明になった者たちに酷似しているが、彼らの目もまた赤かった。
「心配された所で、俺達には人間に対して、何の感情も無いですがね、ラウロ様。・・・ここに集まった人間達は俺等の・・・エサでしかない。」
赤き瞳の男たちが、異様な笑みを浮かべる。
「今まで不自由をかけたな。闇夜に紛れて人を食うだけじゃ、さぞひもじい思いをした事だろう。だが、今日は我らの待ちに待った(宴)の日!」
立ち上がった者達に向けて叫ぶラウロ。
そして今度は硬直している避難住民に対して低い声で語る。
「これから貴様達には、我等の糧となる栄誉を・・・(死)を与えてやろう。この都市全体を、唾棄すべき人間達の墓標にしてやろうぞ!」
ラウロの命令と共に、中層区との境の門に居たラウロの狂った私兵たちが剣を抜き払った。
住民達の中から立ち上がっている者達は、只々不気味に笑っているだけ。
逃げ場所を失った住民達。絶望に染まる上層区。
だが。
その絶望を断ち切るように、力強い声が響いた。
「辺境伯殿!・・・いや、ラウロ!貴様も落ちぶれたものだな!」
私兵の数名を一撃で昏倒させ、開け放たれた門の1箇所から悠然と現れた男。
右手に剣、左手に掲げたギルド紋章。
「・・・誰だ貴様は?」
ラウロが叫ぶ。だが、その顔には焦りが浮かんでいた。
「セルジオ・トリニダス・・・貴様にとっては、忘れたくても忘れられない名の筈だがな!」
現れたのは、ギルド本部グランド・マスター、セルジオ。
騎士学校にてラウロと共に剣を交えた、かつての友だった。
「貴様を・・・この手で止めてやる!」
セルジオが、静かに剣を構える。
「グッ!」
ラウロが、頭を両手で押さえつけた。
苦しみに顔を歪めながら、呻くように声を上げる。
「セルジオ、いや、セル・・・! こいつを、いや私を滅してくれっ!」
かすかに、正気を取り戻したラウロが懇願する。
「妻を亡くした絶望の中、蘇生術などという甘言にすがった・・・私の弱さが! こんな災厄を呼び寄せて・・・!」
だがその目は、見る間にまた赤く染まっていく。
「うるさい! 貴様の出る幕など、もはやないわ!」
ラウロの口から絞り出されたその声は、もはや別の存在のものだった。
セルジオが剣を構え直す。
(ラウロ。お前そこまで亡き奥方を・・・。お前の無念、確かに受け取った。だから俺は、王国と人々を守るため、お前を・・・斬る!)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時を同じく、下層区孤児院。
暁の牙と、悪魔モドキの死闘が続いていた。
孤児院の建物から外へ悪魔モドキを誘い出した暁の牙の3人。
ジェイが鋭い剣撃で悪魔モドキの腕を傷つける。
ドリトスが槍で飛び上がろうとする敵を地面に押し戻す。
サブリナが、矢を連続で打ち込みながら後衛から支援する。
連携は完璧だった。
あと一歩、もう少しで決着が着くはずだった。
だが、よりにもよってその時。
教会の陰から、もう一匹の魔物が現れる。
ミノタウロス型の魔物の闇憑きである。
右手に太い棍棒を持ち、ドスドスと地響きを立てながら、シスターと孤児達へと迫ってくる。
「まずい!」
ジェイが叫ぶが、今は悪魔モドキに気を取られて、身動きが取れない。
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ズウウッ……と青白い炎の壁が、シスター達の前に出現する。
振り下ろされたミノタウロス型変異の闇憑き・・・牛モドキの棍棒が、炎に触れた瞬間、炭化し、砕け落ちた。
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