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第10話 大いなる宝
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レオは『デストロイ』を何度もワットに向かって放った。しかしすべてワットに直撃するが、まったく効いている様子はない。レオは冷や汗をかく。
「まさか、このタイミングで覚醒するとはな…。」
ワットは仲間の死に瀕して、かつて自身の父親から託された特殊魔法に覚醒した。その特殊魔法とは、『インヴィンシブル』。敵の魔法のいかなる効果も受けないという能力だ。レオは自身が覚えているすべての魔法をワットに繰り出すが、まったく効果はない。
ワットは敵の攻撃を気にすることなく魔力を溜める。
「幻影魔法奥義:サーペントオーガンスペクトラム」
ワットの奥義がレオを襲い掛かる。レオはすんでのところで避けた。だがサーペントオーガンスペクトラムは追尾機能がある。ワットの奥義がレオを追いかけるが、
「ふんっこんな攻撃、避けるなんざわけないわ。」そういってレオは攻撃を避け続ける。だが、急に何者かの魔法が飛んできて、サーペントオーガンスペクトラムが姿を消す。攻撃が来た方向を見ると、そこにはシーザーが立っていた。
「20年間、この時を待っていた!」
「小癪な…!!」レオは一言そう言い放って、攻撃を喰らう。
サーペントオーガンスペクトラムは対象の動き・思考を止めるだけでなく、それをワットが自在に操ることができる。もちろん、心臓を止めたりなど、器官も操ることができる。ワットはレオの意識と痛覚だけを残し、まずは全身の神経を刺激した。
「くあぁぁ…。」レオが苦しみの悲鳴を上げる。死ぬほどの激痛、だが死ぬことはできない。
「こんなもんじゃないぞ、今までお前が殺してきた人々の恨みは…。」ワットはそう言って、次にレオの呼吸を止める。そしてレオが意識を失う寸前に、レオに呼吸をさせ意識を回復させてから、また呼吸を止める。レオは常に空気を吸えない窒息の苦しみを味わい、気絶することもできない。
「もう止せ…。」シーザーが止める。
「なんで?コイツは父さんを、ニコを殺したんだ。もっと苦しめてやらなきゃ。」そうしてワットはレオに幻術を見せた。リチャードとニコにナイフで24時間刺され続ける幻覚を…。もちろん幻覚なので、ナイフで刺される痛みだけを体感し、それによって死ぬことはない。
「お前の気持ちは痛いほど分かる。俺も正直、こうしてやりたかったさ。だが復讐なんて何も残らん。俺たちの目的を思い出せ。」
ワットは幻覚を見せることを止めた。確かにシーザーの言う通りだ。こんなことをしても、2人は浮かばれない。ワットはレオの意識を奪って、質問に答えさせた。
「大いなる宝はどこにある?」
「中央局の地下…。魔法牢獄よりもさらに奥深くにある…。」
「キャシー立てるか?」ワットはそう言って、キャシーの肩を組んだ。
「ついに、大いなる宝が見つかる。俺たちの夢が叶うぞ。」ワットは目を輝かせた。
「やっぱり…あんたは夢を諦めてなかったのね…。」キャシーがボソッと呟いた。
「最後にもう1つコイツに聞きたいことがある。」シーザーが言う。
「何だ?」
「リチャードがなぜ、HUOを世界の秘密を知っていたのかだ。」
ワットは確かにそのことを疑問に思っていた。そのためレオにその旨を聞いた。
「なぜなら…リチャードは…HUOのメンバーだったからだ…。始まりの6人の魔法使い。リチャードもその末裔の1人だった。俺たち6人は大いなる宝の中身を知ったのだ。我々5人はその中身を封印すべきだと主張した。リチャードもそれに賛成はしたが、国民を管理するという封印の方法が気に食わなかったらしい。それでリチャードはHUOを脱退した。」
レオから衝撃の真実が話される。
「…。」3人は誰一人口を開かなかった。
ワット、キャシー、シーザーがレオを連れて地下に向かっていると、ゼイラとコーネリウスも合流した。彼らもHUOのメンバーを各々撃破したようだ。ワットたちは、途中ノヴァを見つけ出し解放する。ノヴァはワットとシーザーを見るなり、泣き崩れた。
「お前たち、すまない。本当にすまない。俺のせいでリチャードが…。俺が本拠地をバラしたせいで…。」
「もう過ぎたことだ。リチャードもお前を恨むようなちゃちい人間じゃない。」
「俺だってあなたを責めたりしませんよ。俺だってあなたのような選択をしたかもしれない。」2人はノヴァを立ち上がらせた。
「さあ、みんなで大いなる宝を見つけに行こう!」ワットはそう言って、5人を引き連れて最下層に向かった。
ー中央局最下層ー
入るにはHUOのメンバーの魔力が必要だった。だが扉はワットに反応して開いた。ワットにリチャードの魔力が受け継がれていたからだろう。それで改めてさっきのレオの話が本当だったんだと痛感する。そこからさらに地下に続く扉を見つけた。ワットは扉に手をかける。
「みんな、準備はいいか?」5人に問いかける。
5人は静かに頷く。
ワットがゆっくり扉を開けると、そこは小さな部屋だった。中には何やら怪しい液体が入っている壺と2枚の紙きれがあるだけだった。
「なんだこれ、金銀財宝があるんじゃないのか?」ワットが叫ぶ。
「いや、これはとんでもないことが書いてある…。」シーザーがわなわなと震えながら、1枚の紙を見る。そしてそれを5人で共有する。そこには「電気」という概念について、そしてその電気を生み出すための「発電方法」が書かれていた。電気の使い道も記されていた。
「電気自動車というものを使えば、魔法で飛ぶよりも速く動けるだと?」
「飛行機というものは魔法を使わずに、空を飛べるのか…。」
「電車というものを使えば、ある1点から1点に高速で移動できる…。こんなのがあったら遠方の人とも交流が出来、もっと町が発展するぞ。」
「いちいち手紙で連絡を取らなくても、電話というもので一瞬で連絡が取れる?声まで聴きとれるなんでどんな魔法だ?」
「これらの技術が普及すれば、ノヴァのような魔法を使えない人の生活も豊かになるぞ!」
「わざわざドアを開けなくても、インターホンというもので誰が来たか分かるらしい。透視魔法かよ…。」
6人は未知の技術に興奮していた。「これは一体何なんだ?」ワットがレオに聞く。
「それらは1000年前に書かれたものだ。魔法文明が誕生する前の技術だ。」
「なんでこんなすごいものをみんなで共有しないんだ?」シーザーがレオに言う。
「もう1枚の紙を見ろ。」そういって6人はもう1枚の紙を見る。そこには「核兵器」について書かれていた。核兵器とは何なのか。どうやって作るのか。その危険性すべてが記されていた。
「確かに書かれてることは、ひどいことばかりだけど、いまいちピンとこないな…。」ゼイラが言う。
「私だって最初はそうだったさ…。その壺の液体を飲んでみろ。それは記憶を液体化したものだ。記憶の中身は、最初の6人の記憶だ。飲めば記憶を体験できる。そして知るがいい、1000年前の人間が犯した罪を。」
6人は記憶の液体を飲んだ。6人の脳内に最初の6人の記憶が流れ込んで来る。
ーTo be continued ー
「まさか、このタイミングで覚醒するとはな…。」
ワットは仲間の死に瀕して、かつて自身の父親から託された特殊魔法に覚醒した。その特殊魔法とは、『インヴィンシブル』。敵の魔法のいかなる効果も受けないという能力だ。レオは自身が覚えているすべての魔法をワットに繰り出すが、まったく効果はない。
ワットは敵の攻撃を気にすることなく魔力を溜める。
「幻影魔法奥義:サーペントオーガンスペクトラム」
ワットの奥義がレオを襲い掛かる。レオはすんでのところで避けた。だがサーペントオーガンスペクトラムは追尾機能がある。ワットの奥義がレオを追いかけるが、
「ふんっこんな攻撃、避けるなんざわけないわ。」そういってレオは攻撃を避け続ける。だが、急に何者かの魔法が飛んできて、サーペントオーガンスペクトラムが姿を消す。攻撃が来た方向を見ると、そこにはシーザーが立っていた。
「20年間、この時を待っていた!」
「小癪な…!!」レオは一言そう言い放って、攻撃を喰らう。
サーペントオーガンスペクトラムは対象の動き・思考を止めるだけでなく、それをワットが自在に操ることができる。もちろん、心臓を止めたりなど、器官も操ることができる。ワットはレオの意識と痛覚だけを残し、まずは全身の神経を刺激した。
「くあぁぁ…。」レオが苦しみの悲鳴を上げる。死ぬほどの激痛、だが死ぬことはできない。
「こんなもんじゃないぞ、今までお前が殺してきた人々の恨みは…。」ワットはそう言って、次にレオの呼吸を止める。そしてレオが意識を失う寸前に、レオに呼吸をさせ意識を回復させてから、また呼吸を止める。レオは常に空気を吸えない窒息の苦しみを味わい、気絶することもできない。
「もう止せ…。」シーザーが止める。
「なんで?コイツは父さんを、ニコを殺したんだ。もっと苦しめてやらなきゃ。」そうしてワットはレオに幻術を見せた。リチャードとニコにナイフで24時間刺され続ける幻覚を…。もちろん幻覚なので、ナイフで刺される痛みだけを体感し、それによって死ぬことはない。
「お前の気持ちは痛いほど分かる。俺も正直、こうしてやりたかったさ。だが復讐なんて何も残らん。俺たちの目的を思い出せ。」
ワットは幻覚を見せることを止めた。確かにシーザーの言う通りだ。こんなことをしても、2人は浮かばれない。ワットはレオの意識を奪って、質問に答えさせた。
「大いなる宝はどこにある?」
「中央局の地下…。魔法牢獄よりもさらに奥深くにある…。」
「キャシー立てるか?」ワットはそう言って、キャシーの肩を組んだ。
「ついに、大いなる宝が見つかる。俺たちの夢が叶うぞ。」ワットは目を輝かせた。
「やっぱり…あんたは夢を諦めてなかったのね…。」キャシーがボソッと呟いた。
「最後にもう1つコイツに聞きたいことがある。」シーザーが言う。
「何だ?」
「リチャードがなぜ、HUOを世界の秘密を知っていたのかだ。」
ワットは確かにそのことを疑問に思っていた。そのためレオにその旨を聞いた。
「なぜなら…リチャードは…HUOのメンバーだったからだ…。始まりの6人の魔法使い。リチャードもその末裔の1人だった。俺たち6人は大いなる宝の中身を知ったのだ。我々5人はその中身を封印すべきだと主張した。リチャードもそれに賛成はしたが、国民を管理するという封印の方法が気に食わなかったらしい。それでリチャードはHUOを脱退した。」
レオから衝撃の真実が話される。
「…。」3人は誰一人口を開かなかった。
ワット、キャシー、シーザーがレオを連れて地下に向かっていると、ゼイラとコーネリウスも合流した。彼らもHUOのメンバーを各々撃破したようだ。ワットたちは、途中ノヴァを見つけ出し解放する。ノヴァはワットとシーザーを見るなり、泣き崩れた。
「お前たち、すまない。本当にすまない。俺のせいでリチャードが…。俺が本拠地をバラしたせいで…。」
「もう過ぎたことだ。リチャードもお前を恨むようなちゃちい人間じゃない。」
「俺だってあなたを責めたりしませんよ。俺だってあなたのような選択をしたかもしれない。」2人はノヴァを立ち上がらせた。
「さあ、みんなで大いなる宝を見つけに行こう!」ワットはそう言って、5人を引き連れて最下層に向かった。
ー中央局最下層ー
入るにはHUOのメンバーの魔力が必要だった。だが扉はワットに反応して開いた。ワットにリチャードの魔力が受け継がれていたからだろう。それで改めてさっきのレオの話が本当だったんだと痛感する。そこからさらに地下に続く扉を見つけた。ワットは扉に手をかける。
「みんな、準備はいいか?」5人に問いかける。
5人は静かに頷く。
ワットがゆっくり扉を開けると、そこは小さな部屋だった。中には何やら怪しい液体が入っている壺と2枚の紙きれがあるだけだった。
「なんだこれ、金銀財宝があるんじゃないのか?」ワットが叫ぶ。
「いや、これはとんでもないことが書いてある…。」シーザーがわなわなと震えながら、1枚の紙を見る。そしてそれを5人で共有する。そこには「電気」という概念について、そしてその電気を生み出すための「発電方法」が書かれていた。電気の使い道も記されていた。
「電気自動車というものを使えば、魔法で飛ぶよりも速く動けるだと?」
「飛行機というものは魔法を使わずに、空を飛べるのか…。」
「電車というものを使えば、ある1点から1点に高速で移動できる…。こんなのがあったら遠方の人とも交流が出来、もっと町が発展するぞ。」
「いちいち手紙で連絡を取らなくても、電話というもので一瞬で連絡が取れる?声まで聴きとれるなんでどんな魔法だ?」
「これらの技術が普及すれば、ノヴァのような魔法を使えない人の生活も豊かになるぞ!」
「わざわざドアを開けなくても、インターホンというもので誰が来たか分かるらしい。透視魔法かよ…。」
6人は未知の技術に興奮していた。「これは一体何なんだ?」ワットがレオに聞く。
「それらは1000年前に書かれたものだ。魔法文明が誕生する前の技術だ。」
「なんでこんなすごいものをみんなで共有しないんだ?」シーザーがレオに言う。
「もう1枚の紙を見ろ。」そういって6人はもう1枚の紙を見る。そこには「核兵器」について書かれていた。核兵器とは何なのか。どうやって作るのか。その危険性すべてが記されていた。
「確かに書かれてることは、ひどいことばかりだけど、いまいちピンとこないな…。」ゼイラが言う。
「私だって最初はそうだったさ…。その壺の液体を飲んでみろ。それは記憶を液体化したものだ。記憶の中身は、最初の6人の記憶だ。飲めば記憶を体験できる。そして知るがいい、1000年前の人間が犯した罪を。」
6人は記憶の液体を飲んだ。6人の脳内に最初の6人の記憶が流れ込んで来る。
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