5 / 46
第一章
5.中学校での私
しおりを挟む
私が通っているのは、猪谷中学校と言うJRの駅に近い中学校になる。母が子供の頃に通っていたのは、住んで居る地域にある東神中学校だったけど、私はこちらの中学に通っている。
どうして家から近い方の中学校にしなかったかと言うと、今まで街の学校に通っていたのに、急に田舎の中学校に通うのはハードルが高いだろうと母が判断したからだった。
まだ、猪谷中学校の方が過ごしやすいのではないだろうかと思ったようだ。東神中学校は複式学級だった。
簡単に言うと、複式学級とは複数の学年が同じ教室で勉強することを言う。その定義は他に細かく決められている様だけど、そこまでの説明は要らないだろうと思う。田舎では子供が少ないので複式学級という形をとる事が多い様だった。
確かに母のその判断は正しいと思う。東神小学校も中学校も複式学級なのだ。
小さい頃から一緒に保育園から通っている、言わばみんなが幼馴染という特殊な団体の中に入って行くのは大変だろう。
そういうのは考えただけでぞっとする。私にはムリだ。それぞれの学年が仲良く一つの場所で一緒に過ごすというのはいい面も悪い面もある。
例えば、気心の知れた一緒に過ごしやすい者ばかりの中でぬくぬくと過ごせる学生時代は幸せなのかも知れない。でも、その分視野は狭くなるし、その後知らない人達ばかりの世間に出て大学や就職となるとガラリと周囲が変わってしまう。ぬくぬくにもリスクがあるのだ。
小学校からそういう学校に通っていたならもしかしたら受け入れられたかもしれないけど・・・いや、やっぱり私には絶対無理だ。ぶるりと頭を振る。
私は別に友達が欲しいなんて思わない。友達ってなんだろう?知り合いと友達の違いがよく分からない。
同じクラスにいる人はみんな纏めて友達だと思っている様な人もいるけど、私にしてみれば、ただの同じクラスに居る人だ。知り合いで十分ではないか。
こちらに拒否権もなく、一つ場所に無理やり入れられた動物園の動物の様なものだ。
私は弱視なので、所謂、瓶底メガネ女子だ。もともと目が大きいので小学校では分厚いレンズで余計拡大された目を見て、それを陰で『魚眼レンズ』と呼ばれていた。前髪は目を隠す位で自分でカット用のハサミで切っている。髪の毛は肩より下位の三つ編みで、これも適当に三つ編みにしてから毛先を切っている。だから解くと毛先はガタガタだが気にした事は無い。どうでもいいのだ。
だから、この中学に転校して、担任の先生に挨拶をしなさいと言われて、
「塙宝 麻美です。趣味は読書です。宜しく」
と一応挨拶した時も、こそこそと『ネクラメガネ」と男子の誰かが言い。クスクスと笑い声がしても、別にどうでも良かった。確かにそんな感じだろう。
だけど、クラスの雰囲気は先生も一緒に作るものだろう。聞こえたのなら注意すれば良いのに知らんぷりだ。こういう事無かれ主義の先生が多いと思う。
まあ、はっきり言って目立ちたくないので、あまりにネクラ加減が酷くて弄(いじ)られても困るので、もう少しネクラ度を下げた方が良いかもしれない。
そんな感じで、私は昔からの癖で、人を観察している。人はどうしたらどの様に感じるのか、相手を見るのか気になるのだ。
昼ごはんは弁当持参の学校なので、朝起きて自分の弁当を作る。その時にお母さんの分とおじいちゃんの分も作る様にしている。
弁当のおかずは夜のおかずの残りとかも入れるけど、卵焼きは甘いやつで、赤いウインナーと緑のブロッコリーは定番にしている。冷凍エビフライのチンする奴なんかも入れたりする。とても便利だ。
ご飯はおにぎりにしたり、平らに詰めて上に振りかけをふったりもする。たまに夜の残りの天ぷらがあれば、揚げ直して天むすを作ったりもする。ちょっと涎が出て来た。おにぎりはやっぱり塩を振るのが美味しさのコツだと思う。塩加減も必要だ。
弁当箱は『わっぱ』という入れ物で木を曲げて作ってある逸品物だ。これはおばあちゃんのこだわりで、もともと家にあった物だ。三つ揃えて置いてあったので、ありがたく使わせて貰っている。
夕ご飯も、おじいちゃんとちょっとしたおかずを作ったりもするし、お母さんがお惣菜を買ってきたり、たまには帰ってからひと品おかずをを作ったりもしてくれるのだ。
それでも、お祖父ちゃんの家に一緒に住むようになってから、家に帰って過ごすのが好きになった。
お弁当だって自分が作ったお弁当でも不思議と、なんてことないおかずなのに、いつも美味しそうに見える。お弁当の時間は楽しみだ。
弁当を食べる時は、クラスの班で机を六人固めて食べなくてはならないけど、別に構わない。居ても居なくても自分は自分だ。
班の皆がそれぞれ好きな話をしているのを、適当に聞きながら食べている。
私だって、聞かれた事には答えるし、一応、相槌くらいは打つ事も出来る。一応処世術ともいうかもしれない。
あと、適当に、気配薄い人というのはとてもいいと思う。そういうスキルを身に着けたいと思う。
ネクラメガネが目立つと虐め対象になるだろうから、気配薄い人程度で壁と馴染んでいる程度が丁度いい。
このクラスには、人付き合いが苦手な人もいて、その人は太ってる田原さんと言う女の子だ。
その人はクラスから浮いている。ネクラデブスと男子が言っていた。語彙力が無いのだろう。 全部それかよ、同じじゃないか。つまんないよね。
田原さんは、転校生の私がネクラメガネだったので、ネクラ同士友達になるつもりの様だ。何かと話しかけてくるのだけど、私にはつるむつもりがないので、申し訳ないが他を当たって欲しいと思う。
だから私のすげない態度がお気に召さない様だった。連れションだとか、何処に行くにも一緒というのは私の忌避する所だ。なんでそんな事しなければならないのだ。
だいたい、知り合いがいないと何も出来ないとか有りえないだろうと思う。
早く自分で生きて行く環境を選べるような年齢になりたいと切に願う。ただ、それにはまだ自分で生きて行く上で必要な土台を今から作って行かなくてはならない。
幸いにも、母もおじいちゃんも健在で、とても好意的な家族だ。生きて行く上の基盤は有難い事に揃っていると思うのだ。
だから私は取り敢えず、中学、高校とやり過ごしていかなければならない。
どうして家から近い方の中学校にしなかったかと言うと、今まで街の学校に通っていたのに、急に田舎の中学校に通うのはハードルが高いだろうと母が判断したからだった。
まだ、猪谷中学校の方が過ごしやすいのではないだろうかと思ったようだ。東神中学校は複式学級だった。
簡単に言うと、複式学級とは複数の学年が同じ教室で勉強することを言う。その定義は他に細かく決められている様だけど、そこまでの説明は要らないだろうと思う。田舎では子供が少ないので複式学級という形をとる事が多い様だった。
確かに母のその判断は正しいと思う。東神小学校も中学校も複式学級なのだ。
小さい頃から一緒に保育園から通っている、言わばみんなが幼馴染という特殊な団体の中に入って行くのは大変だろう。
そういうのは考えただけでぞっとする。私にはムリだ。それぞれの学年が仲良く一つの場所で一緒に過ごすというのはいい面も悪い面もある。
例えば、気心の知れた一緒に過ごしやすい者ばかりの中でぬくぬくと過ごせる学生時代は幸せなのかも知れない。でも、その分視野は狭くなるし、その後知らない人達ばかりの世間に出て大学や就職となるとガラリと周囲が変わってしまう。ぬくぬくにもリスクがあるのだ。
小学校からそういう学校に通っていたならもしかしたら受け入れられたかもしれないけど・・・いや、やっぱり私には絶対無理だ。ぶるりと頭を振る。
私は別に友達が欲しいなんて思わない。友達ってなんだろう?知り合いと友達の違いがよく分からない。
同じクラスにいる人はみんな纏めて友達だと思っている様な人もいるけど、私にしてみれば、ただの同じクラスに居る人だ。知り合いで十分ではないか。
こちらに拒否権もなく、一つ場所に無理やり入れられた動物園の動物の様なものだ。
私は弱視なので、所謂、瓶底メガネ女子だ。もともと目が大きいので小学校では分厚いレンズで余計拡大された目を見て、それを陰で『魚眼レンズ』と呼ばれていた。前髪は目を隠す位で自分でカット用のハサミで切っている。髪の毛は肩より下位の三つ編みで、これも適当に三つ編みにしてから毛先を切っている。だから解くと毛先はガタガタだが気にした事は無い。どうでもいいのだ。
だから、この中学に転校して、担任の先生に挨拶をしなさいと言われて、
「塙宝 麻美です。趣味は読書です。宜しく」
と一応挨拶した時も、こそこそと『ネクラメガネ」と男子の誰かが言い。クスクスと笑い声がしても、別にどうでも良かった。確かにそんな感じだろう。
だけど、クラスの雰囲気は先生も一緒に作るものだろう。聞こえたのなら注意すれば良いのに知らんぷりだ。こういう事無かれ主義の先生が多いと思う。
まあ、はっきり言って目立ちたくないので、あまりにネクラ加減が酷くて弄(いじ)られても困るので、もう少しネクラ度を下げた方が良いかもしれない。
そんな感じで、私は昔からの癖で、人を観察している。人はどうしたらどの様に感じるのか、相手を見るのか気になるのだ。
昼ごはんは弁当持参の学校なので、朝起きて自分の弁当を作る。その時にお母さんの分とおじいちゃんの分も作る様にしている。
弁当のおかずは夜のおかずの残りとかも入れるけど、卵焼きは甘いやつで、赤いウインナーと緑のブロッコリーは定番にしている。冷凍エビフライのチンする奴なんかも入れたりする。とても便利だ。
ご飯はおにぎりにしたり、平らに詰めて上に振りかけをふったりもする。たまに夜の残りの天ぷらがあれば、揚げ直して天むすを作ったりもする。ちょっと涎が出て来た。おにぎりはやっぱり塩を振るのが美味しさのコツだと思う。塩加減も必要だ。
弁当箱は『わっぱ』という入れ物で木を曲げて作ってある逸品物だ。これはおばあちゃんのこだわりで、もともと家にあった物だ。三つ揃えて置いてあったので、ありがたく使わせて貰っている。
夕ご飯も、おじいちゃんとちょっとしたおかずを作ったりもするし、お母さんがお惣菜を買ってきたり、たまには帰ってからひと品おかずをを作ったりもしてくれるのだ。
それでも、お祖父ちゃんの家に一緒に住むようになってから、家に帰って過ごすのが好きになった。
お弁当だって自分が作ったお弁当でも不思議と、なんてことないおかずなのに、いつも美味しそうに見える。お弁当の時間は楽しみだ。
弁当を食べる時は、クラスの班で机を六人固めて食べなくてはならないけど、別に構わない。居ても居なくても自分は自分だ。
班の皆がそれぞれ好きな話をしているのを、適当に聞きながら食べている。
私だって、聞かれた事には答えるし、一応、相槌くらいは打つ事も出来る。一応処世術ともいうかもしれない。
あと、適当に、気配薄い人というのはとてもいいと思う。そういうスキルを身に着けたいと思う。
ネクラメガネが目立つと虐め対象になるだろうから、気配薄い人程度で壁と馴染んでいる程度が丁度いい。
このクラスには、人付き合いが苦手な人もいて、その人は太ってる田原さんと言う女の子だ。
その人はクラスから浮いている。ネクラデブスと男子が言っていた。語彙力が無いのだろう。 全部それかよ、同じじゃないか。つまんないよね。
田原さんは、転校生の私がネクラメガネだったので、ネクラ同士友達になるつもりの様だ。何かと話しかけてくるのだけど、私にはつるむつもりがないので、申し訳ないが他を当たって欲しいと思う。
だから私のすげない態度がお気に召さない様だった。連れションだとか、何処に行くにも一緒というのは私の忌避する所だ。なんでそんな事しなければならないのだ。
だいたい、知り合いがいないと何も出来ないとか有りえないだろうと思う。
早く自分で生きて行く環境を選べるような年齢になりたいと切に願う。ただ、それにはまだ自分で生きて行く上で必要な土台を今から作って行かなくてはならない。
幸いにも、母もおじいちゃんも健在で、とても好意的な家族だ。生きて行く上の基盤は有難い事に揃っていると思うのだ。
だから私は取り敢えず、中学、高校とやり過ごしていかなければならない。
13
あなたにおすすめの小説
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった
海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····?
友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる