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7.聞いていますか?
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収穫祭の帰り道にカレナ修道院の馬車が知らない一団に襲われた。
修道院に戻って荷台の荷物を皆で片付けし終わり、着替えの為に部屋に戻る途中、副修道長樣から声をかけられた。
「ラムリース、今日は大変でしたね。色々気になっているでしょうが、今日の事は明日の午前中に時間をとり貴女に説明したいと思います。祭りの打ち上げが今からあるのだし、美味しい食事を楽しみなさい」
うん、それはすごくありがたい。ハムやチーズに何種類かのパン。新鮮な野菜のサラダとクッキーの盛り合わせ。
肉が多めに入れられた香ばしい香りのするブラウンシチュー等々。頭の中でカレナのお祭りメニューが浮かぶ。
おかわりも出来る十分な量が容易されている。皆、宴が始まるのを今か今かと待っているはずだ。
「副修道長樣・・・ありがとうございます。でも私、あの時は皆に守られただけで何も出来ていないです。逆に皆の足を引っ張ったんじゃないかと心配です」
「いいえ、それは違います。すべては神からの試練ですから、皆も修行の一環だと思っています。貴女はまだ知らない事が多いけれど、大丈夫です」
副修道長樣はきっぱりとそう仰られた。
「はい、副修道長樣」
「さあ、手を洗って、食事にしましょう」
どこかにもやもやした気分があった。それをどう言葉で表したらいいのか考えていたんだけど・・・。
今日の様な事が起こってさらに確信した。私の知らない何か大変な事が進んでいて、それが私に何かしら関わっているんじゃないか?という漠然とした不安のようなものだった。それがどうなのかたぶん明日になるとわかるという事なのかな。
『お前は存在するだけで、他人に迷惑かけてるんだよ』
リノにいわれた棘のような言葉がいまだにどこかに刺さっているようだ。そんな言葉に押しつぶされるのはいやだった。涙が滲みそうになったけど、美味しそうな食事を前に引っ込んだ。美味しい物食べて元気出そう。
「ラムリース、遅い遅い、早くおいで」
隣の席のマリが手を振っている。
「あ、ごめん。すぐ行く」
翌日、朝食後に副修道長樣から家畜の世話が終わったら修道長樣の執務室に行きなさいと言われた。
急いで仕事を片付けて、部屋に向かった。そして重厚な両開きの部屋のドアをノックする。
「どうぞ」
中から修道長様の声する。ノブを引いでガチャリと音をさせながら中に入った。
「失礼します、ラムリースです。お話を伺いに参りました」
「ああ、いらっしゃっしゃい。待っていました。どうぞ、ソファーに掛けて頂戴」
「はい」
促されて大きなソファーの端っこに掛けると笑われた。
「そんなに小さくならないでもっと真ん中にいらっしゃい。声が届かないでしょ」
「は、はい」
にじにじと真ん中の方に寄る。
それを見てまた笑われて、修道長樣はテーブルを挟んだ反対側の一人掛けソファーが二つ並んだ片方に腰を降ろされた。
「では、昨日の出来事の話をしようと思いますが、その前に、ラムリースはこの国の聖女様についてどの程度知っているのか教えて下さい」
「え?聖女様の事ですか?・・・」
突然、思っても見なかった話題に話が振られて驚いた。
「そう、聖女様の事は知っているわよね?」
「はい・・・でも、そうですね、皆が知っている程度の事しか・・・。国の結界の強化や、魔物の瘴気の浄化をされるといったことです」
「そうね。国にとってとても大切な方で、なくてはならない存在。大神殿に住んでいらっしゃる」
「はい・・」
修道長様がどうして聖女様の話を今されているのか皆目分からなかった。
「今の聖女様はご高齢で、もう次代の聖女様を選ばれています」
「そうなんですか?」
「ええ。そしてそれはラムリース、貴女なのです」
「・・・・・・え?」
ちょっと意味が分からなかった。
人って突拍子もない事をいわれると、冗談なのかな?とか思う。でもこの場面で修道長様が冗談言うかな?とか考えちゃって。目の前にある応接セットのテーブルの木目を見つめたまま息を詰めてフリーズしてしまった。
「ラムリース、聞いていますか?」
修道院に戻って荷台の荷物を皆で片付けし終わり、着替えの為に部屋に戻る途中、副修道長樣から声をかけられた。
「ラムリース、今日は大変でしたね。色々気になっているでしょうが、今日の事は明日の午前中に時間をとり貴女に説明したいと思います。祭りの打ち上げが今からあるのだし、美味しい食事を楽しみなさい」
うん、それはすごくありがたい。ハムやチーズに何種類かのパン。新鮮な野菜のサラダとクッキーの盛り合わせ。
肉が多めに入れられた香ばしい香りのするブラウンシチュー等々。頭の中でカレナのお祭りメニューが浮かぶ。
おかわりも出来る十分な量が容易されている。皆、宴が始まるのを今か今かと待っているはずだ。
「副修道長樣・・・ありがとうございます。でも私、あの時は皆に守られただけで何も出来ていないです。逆に皆の足を引っ張ったんじゃないかと心配です」
「いいえ、それは違います。すべては神からの試練ですから、皆も修行の一環だと思っています。貴女はまだ知らない事が多いけれど、大丈夫です」
副修道長樣はきっぱりとそう仰られた。
「はい、副修道長樣」
「さあ、手を洗って、食事にしましょう」
どこかにもやもやした気分があった。それをどう言葉で表したらいいのか考えていたんだけど・・・。
今日の様な事が起こってさらに確信した。私の知らない何か大変な事が進んでいて、それが私に何かしら関わっているんじゃないか?という漠然とした不安のようなものだった。それがどうなのかたぶん明日になるとわかるという事なのかな。
『お前は存在するだけで、他人に迷惑かけてるんだよ』
リノにいわれた棘のような言葉がいまだにどこかに刺さっているようだ。そんな言葉に押しつぶされるのはいやだった。涙が滲みそうになったけど、美味しそうな食事を前に引っ込んだ。美味しい物食べて元気出そう。
「ラムリース、遅い遅い、早くおいで」
隣の席のマリが手を振っている。
「あ、ごめん。すぐ行く」
翌日、朝食後に副修道長樣から家畜の世話が終わったら修道長樣の執務室に行きなさいと言われた。
急いで仕事を片付けて、部屋に向かった。そして重厚な両開きの部屋のドアをノックする。
「どうぞ」
中から修道長様の声する。ノブを引いでガチャリと音をさせながら中に入った。
「失礼します、ラムリースです。お話を伺いに参りました」
「ああ、いらっしゃっしゃい。待っていました。どうぞ、ソファーに掛けて頂戴」
「はい」
促されて大きなソファーの端っこに掛けると笑われた。
「そんなに小さくならないでもっと真ん中にいらっしゃい。声が届かないでしょ」
「は、はい」
にじにじと真ん中の方に寄る。
それを見てまた笑われて、修道長樣はテーブルを挟んだ反対側の一人掛けソファーが二つ並んだ片方に腰を降ろされた。
「では、昨日の出来事の話をしようと思いますが、その前に、ラムリースはこの国の聖女様についてどの程度知っているのか教えて下さい」
「え?聖女様の事ですか?・・・」
突然、思っても見なかった話題に話が振られて驚いた。
「そう、聖女様の事は知っているわよね?」
「はい・・・でも、そうですね、皆が知っている程度の事しか・・・。国の結界の強化や、魔物の瘴気の浄化をされるといったことです」
「そうね。国にとってとても大切な方で、なくてはならない存在。大神殿に住んでいらっしゃる」
「はい・・」
修道長様がどうして聖女様の話を今されているのか皆目分からなかった。
「今の聖女様はご高齢で、もう次代の聖女様を選ばれています」
「そうなんですか?」
「ええ。そしてそれはラムリース、貴女なのです」
「・・・・・・え?」
ちょっと意味が分からなかった。
人って突拍子もない事をいわれると、冗談なのかな?とか思う。でもこの場面で修道長様が冗談言うかな?とか考えちゃって。目の前にある応接セットのテーブルの木目を見つめたまま息を詰めてフリーズしてしまった。
「ラムリース、聞いていますか?」
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