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13.神殿へ
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「とにかく、先日王家から送られた者達と俺は無関係だ。ラムリース会うには都合が良かったからあの時を狙ったまでだ。まあ、神官、お前に邪魔されたがな」
リノはミリーに向かってそう言った。
「貴様が王家に送られて来たのでは無いとどうやって証明する気だ?それに今日、この場所にはどの様にしてやって来た?なぜここだと分かったのだ?」
対してミリーも全面的に不愉快だというオーラを相手にぶつけている様子。
「どうせそのうち分かるから別に今証明する気はない。ラムリースが修道院から居なくなったのは直ぐに分かった。向かう先は大神殿しか無いのだから、修道院から大神殿までの考えられるルートをしらみ潰しに当たれば分かるに決まっているじゃないか。もちろんこの事は王家には言ってはいない。連絡はとっていないからな。どちらにしてもラムリースが聖女になれば、私が聖騎士として神殿に上がる事になるが、王家は阿呆揃いだから、いまだに私が自分たちの手の内にあると思い込んでいる」
「ふん・・・お前はもう聖騎士として覚醒したという気か?」
「完全な覚醒はまだだが・・・近い」
「そうか。――分かった。お前の勝手にしろ」
ええっ!なんとこのやり取りでミリーはそう言った。そんな事をいうなんて思わず、私はものすごく驚いた。
「本当か?では、そうさせてもらう」
リノの方も驚いたみたい。目を丸くした表情に出ている。
「その代わり、神殿に到着するまでは目に着かない様についてこい。ラムリースが怖がる」
「・・・分かった。魔物も活発化しはじめているようだ。俺も気を付けるが、お前たちも注意してくれ」
「分かっている」
ミリーとの会話が終わると、リノは私の方に視線を向け、なんとにっこり笑った。
「それじゃ、神殿で会おう」
「・・・」
決定事項の様にリノはそう言ったけど、私は黙ったまま見返しただけだった。それなのに満足そうに頷いて彼は森の中に消えていった。
「ねえ、ミリーはどうしてリノの事を信用できるの?」
あまりにもあっさりリノの言う事を認めたのが気になって彼が去った後に聞いてみた。
「あの男が生まれ持った『聖騎士』の称号と同じように、私には『守護者』の称号があり、そして人の嘘を見抜くスキルがある。だから分かる。どちらにしてもあの男が覚醒が近いと言っただろう?私も同じように感じる。それは時間が無いという事だ。早く神殿に行かなければならない。全てはそこで分かる」
「神殿に着けば、全部わかるのね?」
「分かる」
そうか、彼女はそんなすごいスキルを持っていたのだと知る。だからリノを信用したんだ。
雨が止んでから、馬で移動した。その後も行く先々で魔物の被害を見たり聞いたりした。
聖女の世代交代が行われる時は何故か魔物が一時増えるのだという噂も聞いた。馬での旅は順調に続き大神殿へと到着したのは予定通り七日目の事だった。大神殿の手前で馬に乗ったリノと合流した。
旅の後半、リノは約束通り私の前に姿を現すような事はしなかった。それでも近くに居るのがなんとなくだけど気配で分かったし、魔物を排除してくれているのも感じたのだった。そんなことが分かるというのも神殿に近づいているからなのだろうか?以前の様に彼に対して嫌悪感は感じなかったのが不思議だ。
初めて来たはずなのに、白亜の建物を前にして私はとても懐かしかった。ミリーが門番に何か白い札の様な物を見せると、門を潜る許可がおり、そのまま馬に乗って壮麗な大神殿の門を潜った。
門も遠くに見える建物と同じく汚れ一つない白で、神々の彫刻で飾られていた。
『――おかえり――』
門を通り抜ける時に、そんな声が聞こえた気がした。
リノはミリーに向かってそう言った。
「貴様が王家に送られて来たのでは無いとどうやって証明する気だ?それに今日、この場所にはどの様にしてやって来た?なぜここだと分かったのだ?」
対してミリーも全面的に不愉快だというオーラを相手にぶつけている様子。
「どうせそのうち分かるから別に今証明する気はない。ラムリースが修道院から居なくなったのは直ぐに分かった。向かう先は大神殿しか無いのだから、修道院から大神殿までの考えられるルートをしらみ潰しに当たれば分かるに決まっているじゃないか。もちろんこの事は王家には言ってはいない。連絡はとっていないからな。どちらにしてもラムリースが聖女になれば、私が聖騎士として神殿に上がる事になるが、王家は阿呆揃いだから、いまだに私が自分たちの手の内にあると思い込んでいる」
「ふん・・・お前はもう聖騎士として覚醒したという気か?」
「完全な覚醒はまだだが・・・近い」
「そうか。――分かった。お前の勝手にしろ」
ええっ!なんとこのやり取りでミリーはそう言った。そんな事をいうなんて思わず、私はものすごく驚いた。
「本当か?では、そうさせてもらう」
リノの方も驚いたみたい。目を丸くした表情に出ている。
「その代わり、神殿に到着するまでは目に着かない様についてこい。ラムリースが怖がる」
「・・・分かった。魔物も活発化しはじめているようだ。俺も気を付けるが、お前たちも注意してくれ」
「分かっている」
ミリーとの会話が終わると、リノは私の方に視線を向け、なんとにっこり笑った。
「それじゃ、神殿で会おう」
「・・・」
決定事項の様にリノはそう言ったけど、私は黙ったまま見返しただけだった。それなのに満足そうに頷いて彼は森の中に消えていった。
「ねえ、ミリーはどうしてリノの事を信用できるの?」
あまりにもあっさりリノの言う事を認めたのが気になって彼が去った後に聞いてみた。
「あの男が生まれ持った『聖騎士』の称号と同じように、私には『守護者』の称号があり、そして人の嘘を見抜くスキルがある。だから分かる。どちらにしてもあの男が覚醒が近いと言っただろう?私も同じように感じる。それは時間が無いという事だ。早く神殿に行かなければならない。全てはそこで分かる」
「神殿に着けば、全部わかるのね?」
「分かる」
そうか、彼女はそんなすごいスキルを持っていたのだと知る。だからリノを信用したんだ。
雨が止んでから、馬で移動した。その後も行く先々で魔物の被害を見たり聞いたりした。
聖女の世代交代が行われる時は何故か魔物が一時増えるのだという噂も聞いた。馬での旅は順調に続き大神殿へと到着したのは予定通り七日目の事だった。大神殿の手前で馬に乗ったリノと合流した。
旅の後半、リノは約束通り私の前に姿を現すような事はしなかった。それでも近くに居るのがなんとなくだけど気配で分かったし、魔物を排除してくれているのも感じたのだった。そんなことが分かるというのも神殿に近づいているからなのだろうか?以前の様に彼に対して嫌悪感は感じなかったのが不思議だ。
初めて来たはずなのに、白亜の建物を前にして私はとても懐かしかった。ミリーが門番に何か白い札の様な物を見せると、門を潜る許可がおり、そのまま馬に乗って壮麗な大神殿の門を潜った。
門も遠くに見える建物と同じく汚れ一つない白で、神々の彫刻で飾られていた。
『――おかえり――』
門を通り抜ける時に、そんな声が聞こえた気がした。
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