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15.遠い日の約束
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まるで長い眠りから揺り動かされた様な感じがした。
ううん、違う・・・身体に感じる確かな身体の浮遊感と揺れの違和感。ハッとして完全に目覚めた。
表現するなら、そう、今まで感じた事のない浮遊した感覚。
身体が浮き沈みしている様な気持ちの悪さ。実際しているのだと分かる。
寝具に手を付き身体を起こし、ぐるりと周りを見回せば、暗く狭い見知らぬ場所だった。
『一体ここは何処なのかしら?』
驚きと混乱で呆然とする。光が差し込むのは、丸く小さなはめ殺しの奇妙な窓だった。どうやらまだ昼間なのか、外の明るい光が床に落ちて、ユラユラと揺らめいている。この正体の分からない不安感は何だろう。
今までに体感した事のない感覚だった。それにこの水音は?部屋の揺れと大きな水音は連動している様だった。
だんだん気分が悪くなってくる気がする。
薄暗い部屋の中にあるのは、造り付けの古びた文机とクローゼット位だった。
部屋全体の揺れに身体を合わせる様に壁伝いにドアの所まで行くと、ノブを回した。思いに反してドアは軋みながら開いた。どうやら閉じ込められている訳でもなかった様だ。
けれども開いたドアの前には大きな人影が立っていた。
「!」
「目が覚めたか、驚いたろう?」
「・・・」
聞き覚えのある声に顔を見上げると、やはり声の主はリノだった。
この男は、どれだけ人を驚かせれば気が済むのか・・・。悪い気分が益々悪くなる。それにしても、私の目覚めまで分かるものなのか、ドアの前に立っていたのは偶然ではない筈だ。
「ここは海の上で船の中だ。もうしばらくすると国境を越えるだろう」
リノの言葉に納得する。
私は海を知らなかった。大きな船に乗る様な河に行った事も無かったけど、知識としては本の中で読んだ事がある。さっきから気持ちが悪いのは、多分、船酔いというものなのだろうと思い当たった。
「ちょっと、どういう事?分かるように説明してよ!それに、ミリーとスワンは何処にいるの?」
立っているのが辛く、リノの胸ぐらを掴み詰め寄った。
「ちゃんと説明するから落ち着け。お前が今、船にいるのは聖女の協力によるものだ」
「・・・え?」
ここで聖女様が出てくるとは思わなかった。全く意味が分からない。
「気分が悪そうだ。一度外の空気を吸おう」
そういわれて、突然足を掬われ横抱きにされたかと思うとベッドに一度下ろされた。
リノは有無を言わさず毛布に私を包んでまた抱き上げる。そして船の甲板に出たのだ。薄暗い場所から外に出た時はあまりの眩しさに目を閉じる。
「!!!」
暫くして目を開けた。そして、初めて見る果てのない海に心を奪われた。
「今日は海が凪いでいる。天気も良い」
リノの言葉は心地よく通り抜けて行った。
見渡す限りの青海原。潮の香り。風を切り進む船。白く泡立つ波・・・。
――――近く、約束は果たされるでしょう――――
あの日、聖女様が別れ際に仰った言葉が頭に浮かんだ。
ううん、違う・・・身体に感じる確かな身体の浮遊感と揺れの違和感。ハッとして完全に目覚めた。
表現するなら、そう、今まで感じた事のない浮遊した感覚。
身体が浮き沈みしている様な気持ちの悪さ。実際しているのだと分かる。
寝具に手を付き身体を起こし、ぐるりと周りを見回せば、暗く狭い見知らぬ場所だった。
『一体ここは何処なのかしら?』
驚きと混乱で呆然とする。光が差し込むのは、丸く小さなはめ殺しの奇妙な窓だった。どうやらまだ昼間なのか、外の明るい光が床に落ちて、ユラユラと揺らめいている。この正体の分からない不安感は何だろう。
今までに体感した事のない感覚だった。それにこの水音は?部屋の揺れと大きな水音は連動している様だった。
だんだん気分が悪くなってくる気がする。
薄暗い部屋の中にあるのは、造り付けの古びた文机とクローゼット位だった。
部屋全体の揺れに身体を合わせる様に壁伝いにドアの所まで行くと、ノブを回した。思いに反してドアは軋みながら開いた。どうやら閉じ込められている訳でもなかった様だ。
けれども開いたドアの前には大きな人影が立っていた。
「!」
「目が覚めたか、驚いたろう?」
「・・・」
聞き覚えのある声に顔を見上げると、やはり声の主はリノだった。
この男は、どれだけ人を驚かせれば気が済むのか・・・。悪い気分が益々悪くなる。それにしても、私の目覚めまで分かるものなのか、ドアの前に立っていたのは偶然ではない筈だ。
「ここは海の上で船の中だ。もうしばらくすると国境を越えるだろう」
リノの言葉に納得する。
私は海を知らなかった。大きな船に乗る様な河に行った事も無かったけど、知識としては本の中で読んだ事がある。さっきから気持ちが悪いのは、多分、船酔いというものなのだろうと思い当たった。
「ちょっと、どういう事?分かるように説明してよ!それに、ミリーとスワンは何処にいるの?」
立っているのが辛く、リノの胸ぐらを掴み詰め寄った。
「ちゃんと説明するから落ち着け。お前が今、船にいるのは聖女の協力によるものだ」
「・・・え?」
ここで聖女様が出てくるとは思わなかった。全く意味が分からない。
「気分が悪そうだ。一度外の空気を吸おう」
そういわれて、突然足を掬われ横抱きにされたかと思うとベッドに一度下ろされた。
リノは有無を言わさず毛布に私を包んでまた抱き上げる。そして船の甲板に出たのだ。薄暗い場所から外に出た時はあまりの眩しさに目を閉じる。
「!!!」
暫くして目を開けた。そして、初めて見る果てのない海に心を奪われた。
「今日は海が凪いでいる。天気も良い」
リノの言葉は心地よく通り抜けて行った。
見渡す限りの青海原。潮の香り。風を切り進む船。白く泡立つ波・・・。
――――近く、約束は果たされるでしょう――――
あの日、聖女様が別れ際に仰った言葉が頭に浮かんだ。
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