1 / 5
プロローグ
しおりを挟む
聖八極の武神器。
世界に散らばった、八個の神の力を持つ武器。
その八個の武器を一つにした時、新たな神が生まれる……。
ある男は、「神の誕生」と引き換えに友や家族を失った。
黒い世界で。目の前で友を、家族を失った。
「さぁ、神の下に……」
忘れられない。忘れる訳にはいかない。
あの一言だけは。
「畜生……!」
誓った。あの日。
「神を殺してやる!神を殺す悪魔になってやる……!」
あの日以来、かけがえのないものを失った男グロウは神を殺すためだけに生きている。
神になってしまった自分の母を、殺すために。
そして十八歳。あの日から六年が経過した。
六年間、ただひたすらに鍛錬を積んだ。
三年前には傭兵として、戦争にも参加した。
おかげで身体は見違えるほどたくましいものになった。
五キロはあるような甲冑をしたって、腕に銃を装着したって、支障が出ないほどの身体能力も手に入れた。
そして、グロウ本人は知らないが、聖八極の武神器の一つである「常闇の絶剣」をも手に入れた。
しかし同時に「人斬り」の通り名と「指名手配犯」というレッテルも手に入れてしまった。
「いたぞぉぉっぉお!!」
兵士の声が、聖地ベルサイルの街に、暗夜の空に響く。
「はぁ、今は戦争中なんだろ?」
人斬りは静かに呟く。
武器を集めさえすれば誰もが「神」になれる。
そんなことを知った国の偉かたが、武器を集めないわけがない。
金が腐るほどある偉かたは、あらゆる手を使って武器を模索し始めた。
時には傭兵を雇い、時には国から軍を買い取ったり。
どの国でも常に莫大な金が動いていた。
そしていつの間にか、その模索はいつか国境を不法に越えてしまい……現在に至る。
「人斬りを今日こそ捕まえるぞ!」
およそ二十の兵士が、グロウの後を追う。
だが、六年間、神を殺すために鍛え上げられた体に勝てるわけがなく、
「おせぇ」
風のように走るグロウは、あっという間に兵士との距離を離していった。
しばらく走って、路地裏に到着。
「フゥ、今日も逃げ切ったぜ」
毎回のことで慣れてしまったせいか、グロウは逃げるのが大の得意。
特に目を血なまこにして追ってくる兵士から逃げ切った時の面白さと言ったら……
そんなことを考えていると
「また逃げてきた」
女の子の声が聞こえた。
できたら続く
世界に散らばった、八個の神の力を持つ武器。
その八個の武器を一つにした時、新たな神が生まれる……。
ある男は、「神の誕生」と引き換えに友や家族を失った。
黒い世界で。目の前で友を、家族を失った。
「さぁ、神の下に……」
忘れられない。忘れる訳にはいかない。
あの一言だけは。
「畜生……!」
誓った。あの日。
「神を殺してやる!神を殺す悪魔になってやる……!」
あの日以来、かけがえのないものを失った男グロウは神を殺すためだけに生きている。
神になってしまった自分の母を、殺すために。
そして十八歳。あの日から六年が経過した。
六年間、ただひたすらに鍛錬を積んだ。
三年前には傭兵として、戦争にも参加した。
おかげで身体は見違えるほどたくましいものになった。
五キロはあるような甲冑をしたって、腕に銃を装着したって、支障が出ないほどの身体能力も手に入れた。
そして、グロウ本人は知らないが、聖八極の武神器の一つである「常闇の絶剣」をも手に入れた。
しかし同時に「人斬り」の通り名と「指名手配犯」というレッテルも手に入れてしまった。
「いたぞぉぉっぉお!!」
兵士の声が、聖地ベルサイルの街に、暗夜の空に響く。
「はぁ、今は戦争中なんだろ?」
人斬りは静かに呟く。
武器を集めさえすれば誰もが「神」になれる。
そんなことを知った国の偉かたが、武器を集めないわけがない。
金が腐るほどある偉かたは、あらゆる手を使って武器を模索し始めた。
時には傭兵を雇い、時には国から軍を買い取ったり。
どの国でも常に莫大な金が動いていた。
そしていつの間にか、その模索はいつか国境を不法に越えてしまい……現在に至る。
「人斬りを今日こそ捕まえるぞ!」
およそ二十の兵士が、グロウの後を追う。
だが、六年間、神を殺すために鍛え上げられた体に勝てるわけがなく、
「おせぇ」
風のように走るグロウは、あっという間に兵士との距離を離していった。
しばらく走って、路地裏に到着。
「フゥ、今日も逃げ切ったぜ」
毎回のことで慣れてしまったせいか、グロウは逃げるのが大の得意。
特に目を血なまこにして追ってくる兵士から逃げ切った時の面白さと言ったら……
そんなことを考えていると
「また逃げてきた」
女の子の声が聞こえた。
できたら続く
0
あなたにおすすめの小説
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
繰り返しのその先は
みなせ
ファンタジー
婚約者がある女性をそばに置くようになってから、
私は悪女と呼ばれるようになった。
私が声を上げると、彼女は涙を流す。
そのたびに私の居場所はなくなっていく。
そして、とうとう命を落とした。
そう、死んでしまったはずだった。
なのに死んだと思ったのに、目を覚ます。
婚約が決まったあの日の朝に。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる