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第五章
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「で?リアの前世からの知り合いはアベルの他にも居るのか?」
「チッ。呼び捨てかよ。その事はまだなんとも言えない。女神がなんかそんな事を言ってた様な気がするんだがな」
舌打ちかぁ。もう京一郎だよね?アベル様じゃなくて、うん。京一郎だよ。
舌打ちにルークは呆れ顔でパンケーキをグサリとフォークに刺して言った。
「そんな肝心なとこを忘れるか、普通。それとも馬鹿なのか?」
そう言い終わるとモグモグとパンケーキを食べ出した。
「は?お前なんかに馬鹿と言われたくないね。いいか?女神と会ってた空間はな、現実であって現実じゃねーんだよ。あの空間に行った事がない奴には分かんねーだろうけど会話全てを頭に残すのは無理なんだよ。お前が行ったら一つも覚えられずに転生するんじゃねぇか?ははは!!」
「何だと⁉︎」
うーん。アベル様、申し訳ないんだけど僕は女神様との会話は全部細かいとこまで覚えてる。でもそれは秘密にしとくね。
「でも、もし女神様がアベル様と同じ様に私の味方として前世から誰かを転生させるとしたら......」
「『陸斗』が信頼していて心を許せる奴じゃねーか?」
「そして亡くなってる......」
少しの沈黙の後。
「「彩菜!!」」
僕とアベル様がハモった。
「あの場にいたなら彩菜も亡くなってる確率が高いよね。ああ、でも生きてて欲しい。でも、でも、あの状況で生きていたとしてもかなりの重体だよね......」
僕はしゅんとなって俯いた。
「アヤナとは誰だ?」
ルークが僕に訊いてきた。
「前世での私の義妹だよ」
「そうか、『陸斗』が亡くなった時に一緒にいたって娘か」
「うん。そう。そういえばあの時、何でアベル様は彩菜と一緒にいたの?」
僕が訊くとアベル様はギクリとした顔をした。
「んーーー?もう忘れちまったな」
絶対に嘘。でも僕に話したくない事なんだね。無理には訊かないよ。
はっ!!!もしかして2人は......。ありえるよね?彩菜も僕と同じで京一郎とは小さな頃からずっと一緒だったんだし!!わぁ!気が付かなかった!空気読めない義兄でごめん!
「どちらにしてもその娘もこっちに来てればかなりの戦力になりそうだな。リアを助けるために多分女神様から特別な力を貰ってそうだし」
ルークがふむふむと1人で頷いていた。
「俺も女神から力貰ったけど?」
「お前の事はどーでもいい。少し黙れ」
「はぁ⁉︎そっちから訊いといて何だ⁉︎その態度は!!」
2人がうるさいので僕はコッソリお部屋から出て少し廊下を歩く。頭の中を整理しながらうーんと唸る。
するとファリアー叔父様の書斎からカール兄様が出て来た。
「あら?カール兄様?確か朝からトンネルに行くと聞いていましたけれど?」
僕が声を掛けながら近づくと少し驚いたお顔で振り向いた。
「ああ、リアか。トンネルのね、資料で抜けている書類があってそれを探しに来ていたんだよ。今、またトンネルに戻るところだったんだよ」
いつもの綺麗な微笑みで答えてくれる。
「そうでしたの。お気を付けていってらっしゃいませ」
僕も笑顔で見送る。すると頭をいつもの様にポンポンしながら笑って歩いて行った。うん。いつものカール兄様だ。変な事はしていないよね。してない。
「チッ。呼び捨てかよ。その事はまだなんとも言えない。女神がなんかそんな事を言ってた様な気がするんだがな」
舌打ちかぁ。もう京一郎だよね?アベル様じゃなくて、うん。京一郎だよ。
舌打ちにルークは呆れ顔でパンケーキをグサリとフォークに刺して言った。
「そんな肝心なとこを忘れるか、普通。それとも馬鹿なのか?」
そう言い終わるとモグモグとパンケーキを食べ出した。
「は?お前なんかに馬鹿と言われたくないね。いいか?女神と会ってた空間はな、現実であって現実じゃねーんだよ。あの空間に行った事がない奴には分かんねーだろうけど会話全てを頭に残すのは無理なんだよ。お前が行ったら一つも覚えられずに転生するんじゃねぇか?ははは!!」
「何だと⁉︎」
うーん。アベル様、申し訳ないんだけど僕は女神様との会話は全部細かいとこまで覚えてる。でもそれは秘密にしとくね。
「でも、もし女神様がアベル様と同じ様に私の味方として前世から誰かを転生させるとしたら......」
「『陸斗』が信頼していて心を許せる奴じゃねーか?」
「そして亡くなってる......」
少しの沈黙の後。
「「彩菜!!」」
僕とアベル様がハモった。
「あの場にいたなら彩菜も亡くなってる確率が高いよね。ああ、でも生きてて欲しい。でも、でも、あの状況で生きていたとしてもかなりの重体だよね......」
僕はしゅんとなって俯いた。
「アヤナとは誰だ?」
ルークが僕に訊いてきた。
「前世での私の義妹だよ」
「そうか、『陸斗』が亡くなった時に一緒にいたって娘か」
「うん。そう。そういえばあの時、何でアベル様は彩菜と一緒にいたの?」
僕が訊くとアベル様はギクリとした顔をした。
「んーーー?もう忘れちまったな」
絶対に嘘。でも僕に話したくない事なんだね。無理には訊かないよ。
はっ!!!もしかして2人は......。ありえるよね?彩菜も僕と同じで京一郎とは小さな頃からずっと一緒だったんだし!!わぁ!気が付かなかった!空気読めない義兄でごめん!
「どちらにしてもその娘もこっちに来てればかなりの戦力になりそうだな。リアを助けるために多分女神様から特別な力を貰ってそうだし」
ルークがふむふむと1人で頷いていた。
「俺も女神から力貰ったけど?」
「お前の事はどーでもいい。少し黙れ」
「はぁ⁉︎そっちから訊いといて何だ⁉︎その態度は!!」
2人がうるさいので僕はコッソリお部屋から出て少し廊下を歩く。頭の中を整理しながらうーんと唸る。
するとファリアー叔父様の書斎からカール兄様が出て来た。
「あら?カール兄様?確か朝からトンネルに行くと聞いていましたけれど?」
僕が声を掛けながら近づくと少し驚いたお顔で振り向いた。
「ああ、リアか。トンネルのね、資料で抜けている書類があってそれを探しに来ていたんだよ。今、またトンネルに戻るところだったんだよ」
いつもの綺麗な微笑みで答えてくれる。
「そうでしたの。お気を付けていってらっしゃいませ」
僕も笑顔で見送る。すると頭をいつもの様にポンポンしながら笑って歩いて行った。うん。いつものカール兄様だ。変な事はしていないよね。してない。
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