9 / 22
9 私はしがない男爵令嬢なので。
しおりを挟む
学園で婚約破棄が行われる度に、何故か上位貴族の令嬢から呼び出される様になった。
「こちらの焼き菓子は今王都で評判の店から取り寄せたのですわ」
「こちらのクリームは我が領地の御用達ですの」
「こちらも召し上がって下さい。とても美味しいですわよ」
美味しいお菓子を勧められるのは正直嬉しい。
生徒会でも色々出されるので舌が肥えた。
「「「それで、今回の婚約破棄はどうでしたの?」」」
これさえなければ最高である。
「ですから、いつも伝えている様に詳しい事は私の口からは言えません。会報をご覧下さい」
「会報はねぇ」
「そうよね」
「遅いですもの」
生徒会が改めて裏を調べて出している会報は、上位貴族に大人気だ。
収益としても高く、会計をしている私としても喜ばしい事だ。
でも、知っている事をペラペラと話せる立場ではない。
まだ一番下っ端なのだ。
悲しい事に、だからこの上位貴族の呼び出しを断る事も出来ない。
溜息混じりに、支障がなさそうな事を告げる事にしている。
「それは知ってますわ」
「あら、そこは違いますわよ。男性は誘惑に負けただけですわ」
「将来婿養子でしかも縁組の話まであったのに、棒に振るなんて……」
「「「愚かですわよねぇ」」」
何故か私より情報を持っていたりするのだ、解せぬ。
一通り会話したら満足して解放される。
やっぱり解せないと、首を傾げる男爵令嬢。
―――上位貴族の令嬢達が、男爵令嬢の反応の可愛さに楽しみを見出している事には気づいていない様だった。
「こちらの焼き菓子は今王都で評判の店から取り寄せたのですわ」
「こちらのクリームは我が領地の御用達ですの」
「こちらも召し上がって下さい。とても美味しいですわよ」
美味しいお菓子を勧められるのは正直嬉しい。
生徒会でも色々出されるので舌が肥えた。
「「「それで、今回の婚約破棄はどうでしたの?」」」
これさえなければ最高である。
「ですから、いつも伝えている様に詳しい事は私の口からは言えません。会報をご覧下さい」
「会報はねぇ」
「そうよね」
「遅いですもの」
生徒会が改めて裏を調べて出している会報は、上位貴族に大人気だ。
収益としても高く、会計をしている私としても喜ばしい事だ。
でも、知っている事をペラペラと話せる立場ではない。
まだ一番下っ端なのだ。
悲しい事に、だからこの上位貴族の呼び出しを断る事も出来ない。
溜息混じりに、支障がなさそうな事を告げる事にしている。
「それは知ってますわ」
「あら、そこは違いますわよ。男性は誘惑に負けただけですわ」
「将来婿養子でしかも縁組の話まであったのに、棒に振るなんて……」
「「「愚かですわよねぇ」」」
何故か私より情報を持っていたりするのだ、解せぬ。
一通り会話したら満足して解放される。
やっぱり解せないと、首を傾げる男爵令嬢。
―――上位貴族の令嬢達が、男爵令嬢の反応の可愛さに楽しみを見出している事には気づいていない様だった。
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
336
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる