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20 男爵令嬢の卒業試験

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生徒会役員を無事に終え、ほっとしたのも束の間。
卒業前の試験が待っていた。

一人で勉強するが上手くいかない。
何故だろう、と考えるといつも辺境伯令嬢に教えて貰っていたのだと思いあたる。

どこかで会えないだろうが、と思う時程出会わないなぁ。
そんな事を昼食時に考えていたのが悪かったのか。
まばらに席に座っている人の間から、怒鳴り声が聞こえた。

「貴様となど婚約破棄してやる」
「受けて立つわよ。この卑怯者」

タイミングが悪い。
何がと言うともうすぐ休み時間が終わるのだ。

「これ、終わるのだろうか」
「時間切れだな」

呟いたら真横から声がして、新生徒会長がいた。
先程まで人がいなかったから、飛び上がる程驚いた。
見回せば何故私の傍に集まった?と思う程生徒会役員が集結していた。
婚約破棄の予兆はなかったし、人に呼ばれるには早すぎる。

「ただの痴話喧嘩ですわね」

必死で記録をとる見習い書記の後ろで、のんびりした辺境伯令嬢の声が聞こえた。

「ふふ、私達はのんびり見学しましょう」

後輩達の仕事ぶりを余裕のある状態で見るのは新鮮だった。

時間ギリギリまで眺めて、私は授業に向かった。
勿論辺境伯令嬢の予定を確保しましたよ。

テラスで勉強を見てもらうつもりが、新生徒会長に押し切られて生徒会室での勉強会となった。
後輩達も便乗して教えてもらっていた。

私は無事試験を終え、かなりいい成績で学園の勉学を終えた。

―――そして、残すは卒業式典のみとなった。


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