【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて

ゆうぎり

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24 クラーラのパーティ前

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 お兄様は呆れる事に、休みを全部費やし色々連れて行ってくれた。

「普通なら既に訪問済みだと思うが……」

 そう言いながら買い物だけでなく、王都内の有名な観光地も巡った。
 殆どが初めての所でとても楽しかった。

「こんなに休みがあるなら、婚約者のマーナ様をお連れになった方がいいのではないですか?」
「マーナとは昔行ったから気にする事はない。それに今色々と忙しいからな」
「そうなのですか?」

「王太子のパーティの為、領地から出てきている参列者とのお茶会に張り切っている」
「私は、お手伝いを……」
「まだしなくていいよ。来年辺りから教えてもらえ」

 王太子のパーティを三日後に控えた夜、私達は屋敷に戻った。
 翌日お兄様は朝早く出かけていった。

「パーティまで外出禁止だからな」

 私に言い置くのも忘れない。
 私をナディオ様の所へ行かさない為だろう。
 代わりに私のやるべき事を執事に言ってあった様で、現在格闘中だ。

「これを本当に全部覚えるのですか?」
「今回パーティにいらっしゃる方々の資料です、お嬢様。まだ社交に不慣れかと思われますがハンス様が王太子の側近でいらっしゃいます。お相手に失礼があってはならないのです」
「そうだけれど……」
「お休みも気晴らしも済んでいると伺っております。さぁ気合いを入れましょう」

 張り切る執事に少しうんざりしながら、パーティまでにと必死に詰め込んで覚えた。
 パーティ当日、やっと帰ってきたお兄様に苦情を言った私は悪くないと思う。

「お兄様、こんなに覚える事が多いなら遊ばないですぐ連れて帰ってくれれば良かったのに。酷いです」
「ん?あぁそれね。全部覚えなくていいよ」
「えっ?」
「大体で大丈夫。今回傍にいるからお兄様に任せなさい」

「ええっー。じゃあ何故こんなに……」
「覚えるに越した事はないからな。俺とはぐれた時に困らない様にする為だな」
「私は迷子になる気はありません」
「でもさ、この前のデビュー会場で迷子出てたからな。念には念を入れないといけない」

 そこでお兄様は真剣に言った。

「いずれ覚える必要があるなら、この機会に覚えおいてもいいだろうと思ってな。ナディオの事考えずに済んだだろう」
「……心配かけていたのですね。ごめんなさい」
「ん、心配するのは兄の特権だな。だから気にするな。早くパーティの支度をして会場に行くぞ」

 私は朝からリリーに磨かれて半分準備が終わっていた。

「私も急いで着替えますね。今回の衣装はお兄様とお揃いで嬉しいです」

 私はリリーに手伝って貰いながら、正装姿に整えられていった。



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