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教会
7 女神に願いを……
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急かすこけしもどきの女神とステータス表示を見比べて、決めた。
「じゃあ、スキルで身体強化をお願いします。明日にでも、こんな街出ていく予定なので。この異世界で、ずっと歩き続けるのは大変だったのよ」
そう、異世界に来た当初はとても大変だった。
「…………」
「ねぇ、何突然黙ってるの?」
「………………」
女神の沈黙が長い。
「……どうして貴方は、無理な物ばかり選ぶんですか!ステータス見て付与されていないんだから、難しいって察してよ」
「察するって、どうやって?もしかして、治癒も無理だったりするの?」
女神が言った『やって来た事や試したもの』の中に、延々と歩き続けた事があった。
慣れない道を行き草木が生い茂る所を歩いて、軽い傷をおった出来事もあった。
それに対してのスキルは、付与されていない。
「おぉ、そこは察しますか」
「それってさ、女神が出来ないからステータスに入っていなかったって事?」
頭の中に、この女神はぽんこつなのか?と浮かび上がる。
「いえ、領分が違うだけです。身体強化や治癒は体に魔力をまとわりつかせる物なので、とっても高度で付与するには条件が揃っていないんです」
こちらにとっては……と小さな声が続いたが、ばっちり私に聞こえましたよ。
でも、そうなると何にしよう。
最初、甘いものと言ったんだよね。
あああ、思い出したら甘いもの食べたくなってきた。
この世界、手頃に食べられるの甘味が少なすぎるんだもの。
日本の様々なケーキやアイスなんて見かけないから、贅沢は言わない。
せめて焼き菓子に、たっぷりジャムを付けて……うん?ジャム?
この女神、愛と慈悲と豊穣を司るって言ってたよね。
「完熟……甘い果物栽培のスキルってあるの?」
「完熟ですか?」
「そう、私のスキルに栽培があるでしょう?これって速攻に育ってすぐに食べられるの?」
この栽培のスキルが、種を植えたらすぐに実がなってくれると必要はないのだけれど。
「いえ、早くに育ちますが、即収穫まで行くのは難しくスピードは実力次第です」
その実力ってレベルだよね……未定なんだけどなぁ。
「ほら、すぐに食べられないんでしょう?これから旅をするのだから、ゆっくり育てられるかなんて分からない。だ・か・ら、果物だけでいいから、その植物に触れると即完熟状態で食べられる。そんなスキルなら、あるんじゃないかな。だって豊穣の女神なのでしょう?」
これが叶えば、季節関係なく甘味が手に入る。
水気の多い果物なら、水分補給にもなる。
確か神の恵みとか言って、人々に果物を分け与えた記述が神殿にあったはず。
もっと良い願いがあったかもしれないが、この時は空腹と睡魔と怒涛の様な状況が過ぎた後だった。
そこに思い切り急かされ、全く頭が回っていなかったのだ。
「じゃあ、スキルで身体強化をお願いします。明日にでも、こんな街出ていく予定なので。この異世界で、ずっと歩き続けるのは大変だったのよ」
そう、異世界に来た当初はとても大変だった。
「…………」
「ねぇ、何突然黙ってるの?」
「………………」
女神の沈黙が長い。
「……どうして貴方は、無理な物ばかり選ぶんですか!ステータス見て付与されていないんだから、難しいって察してよ」
「察するって、どうやって?もしかして、治癒も無理だったりするの?」
女神が言った『やって来た事や試したもの』の中に、延々と歩き続けた事があった。
慣れない道を行き草木が生い茂る所を歩いて、軽い傷をおった出来事もあった。
それに対してのスキルは、付与されていない。
「おぉ、そこは察しますか」
「それってさ、女神が出来ないからステータスに入っていなかったって事?」
頭の中に、この女神はぽんこつなのか?と浮かび上がる。
「いえ、領分が違うだけです。身体強化や治癒は体に魔力をまとわりつかせる物なので、とっても高度で付与するには条件が揃っていないんです」
こちらにとっては……と小さな声が続いたが、ばっちり私に聞こえましたよ。
でも、そうなると何にしよう。
最初、甘いものと言ったんだよね。
あああ、思い出したら甘いもの食べたくなってきた。
この世界、手頃に食べられるの甘味が少なすぎるんだもの。
日本の様々なケーキやアイスなんて見かけないから、贅沢は言わない。
せめて焼き菓子に、たっぷりジャムを付けて……うん?ジャム?
この女神、愛と慈悲と豊穣を司るって言ってたよね。
「完熟……甘い果物栽培のスキルってあるの?」
「完熟ですか?」
「そう、私のスキルに栽培があるでしょう?これって速攻に育ってすぐに食べられるの?」
この栽培のスキルが、種を植えたらすぐに実がなってくれると必要はないのだけれど。
「いえ、早くに育ちますが、即収穫まで行くのは難しくスピードは実力次第です」
その実力ってレベルだよね……未定なんだけどなぁ。
「ほら、すぐに食べられないんでしょう?これから旅をするのだから、ゆっくり育てられるかなんて分からない。だ・か・ら、果物だけでいいから、その植物に触れると即完熟状態で食べられる。そんなスキルなら、あるんじゃないかな。だって豊穣の女神なのでしょう?」
これが叶えば、季節関係なく甘味が手に入る。
水気の多い果物なら、水分補給にもなる。
確か神の恵みとか言って、人々に果物を分け与えた記述が神殿にあったはず。
もっと良い願いがあったかもしれないが、この時は空腹と睡魔と怒涛の様な状況が過ぎた後だった。
そこに思い切り急かされ、全く頭が回っていなかったのだ。
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