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街の外
3 女神様?元女神様?邪神様!?
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崖の穴からは随分離れた場所で、私は昼食作りを張り切っていた。
クルトさんに確認して貰いながら、魔法を使ってみるからだ。
「何事も用心だ。せっかく見つけた隠れ場所の取り合いも嫌だし、匂いに敏感な獣に追われるのは嫌だろう?」
「取り合いって誰と?」
「こんな急な触れだぜ。何処から人が流れて来るかわからんからな」
そんな他愛のない話をしながら、私は鍋に水を張るのだが上手くいかない。
水魔法は初めてで、私としては収納魔法みたいにドバっと勢いよく使えるかと思っていた。
期待半分不安半分だったのだが……
「カーリ、そんな調子だと日が暮れちまうぞ」
「こんな筈じゃなかったのにぃぃ」
「ハハ、これから訓練と精進だな」
うぅ、くそっ、今に見ていろと思う位チョロチョロと手から零れるだけだった。
もう少し水量があれば……。
そう言えば、ヨハン達に見せた火魔法も手のひらに納まる大きさだった。
仕方なく、クルトさんが出してくれた水と火でスープを作る。
林にある固い渋い実も、茹でると柔らかく食べられる。
街の外では塩は中々手に入らない物だし、調味料なんてものはない。
ハーブや薬草?そんな貴重品を食事に入れるなんて罪悪よ、と言われるような生活で素材が全てだ。
街の外ではそうだったけど、私は自前の塩を振りかける。
「いいのか?」
「ここにないでしょう?泊めて貰うお礼かな」
「……そうか、助かる。だが、ないと思うが荷物の管理はしっかりしておけ」
貧しいから、出来心という事もあるんだろう。
「分かった。以前お世話になったから、せめてものお礼として持ってきたって言うね。これはクルトさんが持ってて」
今回使った小分けにしていた塩の残りを渡した。
街の外の人は、塩分を塩を含んだ岩を舐めて補う。
ここの人って岩を食べるの?何それっなんて最初驚いたものよ。
因みに手の込んだ料理も論外。
煮炊きの匂いは、林の中では危険な動物を呼び込み、街の外では人を呼び寄せ揉め事になるらしい。
さっと仕上げたスープと固いパンを手に、集まり始めた人達に食事を渡す。
「カーリ、これ良かったの?」
スープを一口飲んだレーナが不安そうに言った。
「手土産代わりにね。残りはクルトさんに渡したから。味わって食べてね」
手元にないよと言うジェスチャーをして、私もスープを飲む。
薄味だけど飲める味に仕上がっている。
勿論、こんな事をしたのは下心があるから。
ここにいる人達から、色々とこの国以外の事を聞いて回るのだから。
「ねぇ、神像師って職業かスキル知らないかな?神様の像を造る人なんだけどね」
「神像師?知らないなぁ。この近辺の国は個人で神像は持てないだろう?だから神殿の管轄じゃねぇかな?」
「神殿の像って凄い立派だよね。そんな人となんて会えないよ」
「あら。二つ向こうの国は像を持てたんじゃなかったかしらね」
「そりゃあ、昔話だろう?俺は聞いた事ないぞ」
どうやら、前途多難のよう。
「じゃあさ、女神様っで聞いた事あるかな?」
周りが変に静まった。
やばい、変な事聞いたのかな?でももう言葉を間違えていないよね。
「女神様だぁ?お嬢ちゃん、おっかない事言うね。この世界は男の神様で成り立ってんだ。そんなもんないない。女で神様なんていうのは邪神様って言うんだ。教会に知れたら首飛ぶぞ」
「……カーリ、お前何処でそんな間抜けな事聞いてきたんだよ。相変わらずだな」
クルトさんが苦そうに呆れ返っている。
私は内心冷や汗をかきながら、何処だったかな?ととぼけた。
今持ってます、なんて言えない。
「もうカーリったら、言葉が上手くなったと思ったらまだまだ聞き間違いも多いのかしら?」
レーナも仕方ないわねと柔らかく言ってくれた。
ヨハンも援護してくれ、違う話題に移って行った。
でもねヨハン、私の言葉の失敗談ばかり話さなくてもいいのよ。
それにしても、邪神って……本当の所は一体どうなってるの?
色々怖いんだけど……
クルトさんに確認して貰いながら、魔法を使ってみるからだ。
「何事も用心だ。せっかく見つけた隠れ場所の取り合いも嫌だし、匂いに敏感な獣に追われるのは嫌だろう?」
「取り合いって誰と?」
「こんな急な触れだぜ。何処から人が流れて来るかわからんからな」
そんな他愛のない話をしながら、私は鍋に水を張るのだが上手くいかない。
水魔法は初めてで、私としては収納魔法みたいにドバっと勢いよく使えるかと思っていた。
期待半分不安半分だったのだが……
「カーリ、そんな調子だと日が暮れちまうぞ」
「こんな筈じゃなかったのにぃぃ」
「ハハ、これから訓練と精進だな」
うぅ、くそっ、今に見ていろと思う位チョロチョロと手から零れるだけだった。
もう少し水量があれば……。
そう言えば、ヨハン達に見せた火魔法も手のひらに納まる大きさだった。
仕方なく、クルトさんが出してくれた水と火でスープを作る。
林にある固い渋い実も、茹でると柔らかく食べられる。
街の外では塩は中々手に入らない物だし、調味料なんてものはない。
ハーブや薬草?そんな貴重品を食事に入れるなんて罪悪よ、と言われるような生活で素材が全てだ。
街の外ではそうだったけど、私は自前の塩を振りかける。
「いいのか?」
「ここにないでしょう?泊めて貰うお礼かな」
「……そうか、助かる。だが、ないと思うが荷物の管理はしっかりしておけ」
貧しいから、出来心という事もあるんだろう。
「分かった。以前お世話になったから、せめてものお礼として持ってきたって言うね。これはクルトさんが持ってて」
今回使った小分けにしていた塩の残りを渡した。
街の外の人は、塩分を塩を含んだ岩を舐めて補う。
ここの人って岩を食べるの?何それっなんて最初驚いたものよ。
因みに手の込んだ料理も論外。
煮炊きの匂いは、林の中では危険な動物を呼び込み、街の外では人を呼び寄せ揉め事になるらしい。
さっと仕上げたスープと固いパンを手に、集まり始めた人達に食事を渡す。
「カーリ、これ良かったの?」
スープを一口飲んだレーナが不安そうに言った。
「手土産代わりにね。残りはクルトさんに渡したから。味わって食べてね」
手元にないよと言うジェスチャーをして、私もスープを飲む。
薄味だけど飲める味に仕上がっている。
勿論、こんな事をしたのは下心があるから。
ここにいる人達から、色々とこの国以外の事を聞いて回るのだから。
「ねぇ、神像師って職業かスキル知らないかな?神様の像を造る人なんだけどね」
「神像師?知らないなぁ。この近辺の国は個人で神像は持てないだろう?だから神殿の管轄じゃねぇかな?」
「神殿の像って凄い立派だよね。そんな人となんて会えないよ」
「あら。二つ向こうの国は像を持てたんじゃなかったかしらね」
「そりゃあ、昔話だろう?俺は聞いた事ないぞ」
どうやら、前途多難のよう。
「じゃあさ、女神様っで聞いた事あるかな?」
周りが変に静まった。
やばい、変な事聞いたのかな?でももう言葉を間違えていないよね。
「女神様だぁ?お嬢ちゃん、おっかない事言うね。この世界は男の神様で成り立ってんだ。そんなもんないない。女で神様なんていうのは邪神様って言うんだ。教会に知れたら首飛ぶぞ」
「……カーリ、お前何処でそんな間抜けな事聞いてきたんだよ。相変わらずだな」
クルトさんが苦そうに呆れ返っている。
私は内心冷や汗をかきながら、何処だったかな?ととぼけた。
今持ってます、なんて言えない。
「もうカーリったら、言葉が上手くなったと思ったらまだまだ聞き間違いも多いのかしら?」
レーナも仕方ないわねと柔らかく言ってくれた。
ヨハンも援護してくれ、違う話題に移って行った。
でもねヨハン、私の言葉の失敗談ばかり話さなくてもいいのよ。
それにしても、邪神って……本当の所は一体どうなってるの?
色々怖いんだけど……
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