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街の外
6 女神の言い訳は
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ベンが行った逆側の崖を少し回り込んで、人に見えない所まで来た。
そしておもむろに、こけしの頭を手のひらに取り出した。
「私の魔法どうなっているの?使おうとしたら全く使い物にならない。すっごく不便なんだけど……これは一体なんなのよ~」
大声で喚きたい所を、小声でこけしの頭に響く様に念じながら言った。
「あーうるさい。この状態は、力を使うって言ってるじゃない」
あっ、反応した。
「とりあえず、色々と説明が欲しいんだけど。まずこの魔力の威力がおかしいの」
私が今日使った魔法について話した。
「ほうほう、今そんな状態なんですか……ふむふむ。これだから『レベル未定』だったのですね。いや~判明して良かった良かった」
「良かったですって?ちっともよくない!」
「慣れれば大丈夫大丈」
他人事だと思って。
「うーん、まだ魔法使えるようになって一日だから推論ですけどね。この愛と慈悲と豊穣を司る女神との距離によって違うんじゃないかな」
「距離って?」
心の距離とか、信仰心だったら最初から限りなくないような気がするんだけど。
一応女神様と一度は認めたけど、後から入ってくる情報は元女神だの邪神だもの。
「この依り代に力を使っている時が一番強いと思うよ……多分」
「多分って、じゃあ今使ってみればいいって事?収納」
私は近くにある倒れている木に手をやった。
掃除機再起動、ビュンって音がしそうな勢いで吸い込まれていった。
「カバンの出し入れは簡単だったけど、新たに他の物を入れようとしたら上手く入らなかったの」
「それは収納した物を覚えているからですねー。便利でしょう」
こけしの頭は自慢げに言った。
「……ねぇ、今朝頭を取り出したら、反応なかったけど力使い果たしたからなのかな?」
「あぁ、朝ですか?上手く力が入らないのですよ。でも夜になって復活!するので、ご心配なく」
「つまり、日の時間帯は能力が極端に落ちるという事なのね」
使いたい時に使えないって事が多そう。
この世界、日本みたいに夜に活発に活動なんてしない。
私はため息を付きながら次の質問に移った。
「じゃあ次。他の人に聞いたけど、女の神様って邪神というのは本当?」
手のひらから緊張が伝わってきた。
「そぉんなこ~と~はないですよぉ?」
なんだろう、誤魔化してますって分かる動揺した声が流れていた。
「ふーん、元女神で邪神っと」
「違いますよぉ。女神ですからね」
「はいはい。じゃあ女神、ご自分を祀っている国の方角は分かる?」
最初邪神って聞いた時は怖かった。
でも、クルトさんの説教で宗教や宗派の事を思い出した。
考えたら、神様って場所や時代によって良い神になったり悪い神になったりする。
菅原道真が荒ぶる神から学問の神様になったように。
あれは悪霊だったかな。
まあ、日本人だし、八百万も神様いたし、外国の神もサクサク取り入れるし。
どうしてそうなったか、今は分からなくていい。
将来消えるかもしれないけど、既に力は与えられている。
せっかく貰った便利な力を消さない様に、私が生きて行けるように、今はこの国を脱出した後どう動くか考えるのが先。
「んー、こっちから力を感じる、いやそっちかな?あっちだけは違うのは分かる~」
手のひらの上で磁石の針の様に、クルクル回るのこけしの頭と言った方向を私は見ていた。
そこにクルトさんの声が割り込む。
「おーい、帰る方向分からなくなったか?怪我してないか?遅いから見に来てやったぞ」
「……クルトさんのスケベ」
「なっ、違っ。お前が遅すぎるんだ」
私が思っていたより、時間が経っていた様で探しにこられてしまった。
「おっ、これが壊れた神像……神像なのか?」
「一応そうですよ。クルトさん、あっちの方角には何がありますか?」
私は女神が違うと言った方向を指さして聞いてみた。
「ん?何と言われてもな。まあ、ずーっと行くと王都のある方向になるな。国を出るなら、逆方向を目指さないとな」
クルトさんが示した方向は女神が悩んでいた方だった。
そしておもむろに、こけしの頭を手のひらに取り出した。
「私の魔法どうなっているの?使おうとしたら全く使い物にならない。すっごく不便なんだけど……これは一体なんなのよ~」
大声で喚きたい所を、小声でこけしの頭に響く様に念じながら言った。
「あーうるさい。この状態は、力を使うって言ってるじゃない」
あっ、反応した。
「とりあえず、色々と説明が欲しいんだけど。まずこの魔力の威力がおかしいの」
私が今日使った魔法について話した。
「ほうほう、今そんな状態なんですか……ふむふむ。これだから『レベル未定』だったのですね。いや~判明して良かった良かった」
「良かったですって?ちっともよくない!」
「慣れれば大丈夫大丈」
他人事だと思って。
「うーん、まだ魔法使えるようになって一日だから推論ですけどね。この愛と慈悲と豊穣を司る女神との距離によって違うんじゃないかな」
「距離って?」
心の距離とか、信仰心だったら最初から限りなくないような気がするんだけど。
一応女神様と一度は認めたけど、後から入ってくる情報は元女神だの邪神だもの。
「この依り代に力を使っている時が一番強いと思うよ……多分」
「多分って、じゃあ今使ってみればいいって事?収納」
私は近くにある倒れている木に手をやった。
掃除機再起動、ビュンって音がしそうな勢いで吸い込まれていった。
「カバンの出し入れは簡単だったけど、新たに他の物を入れようとしたら上手く入らなかったの」
「それは収納した物を覚えているからですねー。便利でしょう」
こけしの頭は自慢げに言った。
「……ねぇ、今朝頭を取り出したら、反応なかったけど力使い果たしたからなのかな?」
「あぁ、朝ですか?上手く力が入らないのですよ。でも夜になって復活!するので、ご心配なく」
「つまり、日の時間帯は能力が極端に落ちるという事なのね」
使いたい時に使えないって事が多そう。
この世界、日本みたいに夜に活発に活動なんてしない。
私はため息を付きながら次の質問に移った。
「じゃあ次。他の人に聞いたけど、女の神様って邪神というのは本当?」
手のひらから緊張が伝わってきた。
「そぉんなこ~と~はないですよぉ?」
なんだろう、誤魔化してますって分かる動揺した声が流れていた。
「ふーん、元女神で邪神っと」
「違いますよぉ。女神ですからね」
「はいはい。じゃあ女神、ご自分を祀っている国の方角は分かる?」
最初邪神って聞いた時は怖かった。
でも、クルトさんの説教で宗教や宗派の事を思い出した。
考えたら、神様って場所や時代によって良い神になったり悪い神になったりする。
菅原道真が荒ぶる神から学問の神様になったように。
あれは悪霊だったかな。
まあ、日本人だし、八百万も神様いたし、外国の神もサクサク取り入れるし。
どうしてそうなったか、今は分からなくていい。
将来消えるかもしれないけど、既に力は与えられている。
せっかく貰った便利な力を消さない様に、私が生きて行けるように、今はこの国を脱出した後どう動くか考えるのが先。
「んー、こっちから力を感じる、いやそっちかな?あっちだけは違うのは分かる~」
手のひらの上で磁石の針の様に、クルクル回るのこけしの頭と言った方向を私は見ていた。
そこにクルトさんの声が割り込む。
「おーい、帰る方向分からなくなったか?怪我してないか?遅いから見に来てやったぞ」
「……クルトさんのスケベ」
「なっ、違っ。お前が遅すぎるんだ」
私が思っていたより、時間が経っていた様で探しにこられてしまった。
「おっ、これが壊れた神像……神像なのか?」
「一応そうですよ。クルトさん、あっちの方角には何がありますか?」
私は女神が違うと言った方向を指さして聞いてみた。
「ん?何と言われてもな。まあ、ずーっと行くと王都のある方向になるな。国を出るなら、逆方向を目指さないとな」
クルトさんが示した方向は女神が悩んでいた方だった。
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