出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む

家具屋ふふみに

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学園 高等部2年 校外実習編

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 サラに引っ張られること数分。村の人に教えてもらった店へとたどり着いた。
 その店の扉をサラが押して開けると…

「…わぁ」

 思わずサラが感嘆の声を零す。中は決して広いとは言えなかったが、所狭しと色とりどりの衣服が並んでいた。そのどれもが丁寧に作られたと一目で分かるほどの代物だ。

「あら、いらっしゃい。お土産でも買うの?」
「まぁ、そんな感じですね」
「そう。ゆっくり見ていって。どれも自慢の品よ」

 店主の女性がそう言って奥の部屋へと消えていった。その後裁断する音が聞こえたので、おそらく服を作っているのだろう。

「じゃあ見ていこっか。…て言ってもクーの服だけなんだけどね」
「え…?」

 クーリアがぽかんと口を開ける。見るとは言っていたが、まさか自分の為だけだとは思わなかったのだ。

「日頃の感謝とかを含めて、プレゼントさせて?」
「わたしも!」
「……分かった」

 2人してそんなことを言われては、クーリアにとって断れるはずがなかった。

「こっちはどう?」
「こっちも似合いそうです」

 お互いが服を見せ合いながら意見を言い合う。それをクーリアは、ただ見ていることしか出来なかった…



「……なんというか、着させたら着させたで危ない気がするのは気のせいかしら?」
「……奇遇ですね。わたしも同じ気持ちです」
「……それどういう意味よ」

 あれこれと言い合い、結局着せてみることにした2人だったが、いざ着させてみると色々と危険だということが判明した。
 その危険という理由だが……

「あら。可愛い…というより、綺麗、かしら?」

 そう。店主の女性が言うように、可愛いというより綺麗という言葉が相応しい姿だったのだ。
 青みがかった銀髪と、もともと肌が白いこともあってか、白を基調として淡い青と深い青を組み合わせたワンピースがとてもよく似合い、左右の色の違う瞳と相まって、神秘的な雰囲気を纏っていたのだ。

(……これ、他の男に見せられないわね)

 サラが内心そう呟く。ただでさえ普段の服装で男共を悩殺しているというのに、この服装を見たら一体どうなるか。
 ……同性であるサラですらドキッとしてしまったのだ。本気で死人が出るかもしれない。

「……買う?これ」
「……辞めといたほうがいい気がします」

 リーフィアとしても、この服装のせいでクーリアが厄介事に巻き込まれるのは望まないのだ。

「え、変?」
「変じゃないけど…」
「寧ろ似合ってますけど…」
「似合いのよねぇ…」
「……それ、悪いの?」

 クーリアが小首を傾げる。確かに、悪いことではないのだ。…だが、論点はそこではなかった。

「……まぁ、クーなら何かあっても大丈夫だろうし、せっかくだから買っちゃおうか」
「……ですね」
「…その安心の仕方はどうかと思うんだけど?なに、わたし厄介事に巻き込まれる前提な訳?」
「「うん」」
「…………」

 2人から同時に肯定され、クーリアはどう反応すれば分からなかったのだった。


 




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