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139話
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ダンジョン協会から【柊】へと帰ると、奏は瑠華の手を引いてリビングのソファーへと座らせた。
「という訳で改めて瑠華ちゃんのお仕置内容を説明します!」
「う、うむ…」
何処かウキウキした様子の奏に、瑠華はただただ困惑した表情を浮かべつつも取り敢えず空気を読んで頷いておく。
「瑠華ちゃんには、一週間【柊】のお仕事を禁止させてもらいます。まぁ何かあった時は助けを求める事もあるかもしれないけど…基本言われない限りは動かないでね?」
「そんな事だけで良いのか? 寧ろ仕事を割り振った方が罰としては適当じゃろうに」
「だって瑠華ちゃんこうでもしないと休まないし」
「……」
「私もそれには賛成ですね」
そう言って突然二人の会話に割り込んできたのは、台所での片付けを終えた紫乃だった。
「休息ならば紫乃の方が」
「私はちゃんと時間を決めて休んでいますよ。瑠華様ほど過労を極めてはいません」
実際紫乃は普段瑠華が学校に通っている間も仕事をしている訳だが、四六時中働いている訳でも無い。適度に休息は取っているし、瑠華が居る時はほぼお休みに近い状態なのでその言葉は正しいのだ。
「もし瑠華様がお休みになられている間に何かありましたら、私が対処致しますのでご安心下さい」
「勿論私達も紫乃ちゃんに負担をかけないように努力するから」
奏だけでなく、瑠華が信頼して【柊】を任せている紫乃からもそう言われてしまえば、瑠華は首を縦に振るしかなかった。
「しかしその間妾は何をすれば…?」
「あー…瑠華ちゃんって趣味らしい趣味ないもんね…本は?」
「今持っている物は全て読み切ってしもうたのぅ」
一度見聞きした物は全て記憶してしまう瑠華にとって、小説などの本は一度読めばもう読み直す必要がない。新しく本を買うのもお金の無駄のような気がして、結局最近は殆ど読んでいなかった。
「んー、これを機に新しい趣味探す?」
「そう言われても今のところこれといって思い付く物も無いが…まぁそれ以外する事も無さそうじゃしな」
画して瑠華へのお仕置という名目で瑠華の休暇が始まった訳だが……奏はそこで自分の認識の甘さを嫌という程痛感する事になるのだった。
◆ ◆ ◆
さて、一概に瑠華の仕事と言っても、その内容は極めて多岐に渡る。だがその中でも最も重要視されるのは、やはり毎朝の食事作りだろう。
「……奏」
「すぅ…すぅ…」
時刻は既に朝六時を回ろうかという時、瑠華は隣で自身を抱き締めながら眠りこける奏に対してジトッとした眼差しを向けた。
普段であれば瑠華はとっくに起き出して朝食の準備を始めている。だが強制休暇を取らされている為、大人しく奏が起きるまで待っていた訳だが……
「はぁ…」
元より朝が苦手である事は重々承知していたので、これは予想外の事態では無い。仕方無く頬でも抓って起こそうと思い腕を動かしたところで、コンコンコンと扉をノックする音が響きその動きを止めた。
「瑠華様。奏様は…」
部屋に入ってきた紫乃が眠りこける奏を視界に収めると、その言葉が途切れる。その表情に浮かんでいたのは、苦笑だった。
「朝の用意は私が済ませておきました」
「恩に着る。すまんのぅ」
「いえいえ。奏様ならこうなるだろうなぁと予想はしておりましたので」
「妾を休ませると豪語したのじゃがなぁ…」
予想通りであり、同時に期待外れ。そんな評価だ。
兎も角朝の用意を紫乃がしたと言うのであれば、この時間に起きる必要性は無くなった。時間にしてあと三十分程はまだ寝ていられる事になる。
一礼して部屋を去る紫乃を視線で見送り、仕方が無いなぁと言いたげな表情を浮かべながら奏の頬をつつく。
「んぅ…」
「妾の前でここまで油断出来るのは奏くらいじゃな」
圧倒的な実力差を見せ付けられても尚こうして戸惑い無く近付ける奏に、豪胆なのか天然なのか分からなくなる瑠華だった。
結局午前七時になっても奏が起きることは無く、瑠華に頬を強く捻られて悲鳴をあげながらの起床となった。
「痛た…」
「平日はあと三日ある故、その間はしかと起きるのじゃぞ」
「はぁい…」
そうして学校を終えて帰ってくれば、次にするのは【柊】の掃除だ。最近は紫乃の仕事になりつつあるものだが、今回は【柊】の子達にやらせる為わざとしていなかった。
「じゃあ私はキッチンの掃除するから、凪沙はお風呂場をよろしくね。可歩はリビングで…残りの子はそれぞれ部屋の掃除かな」
奏の采配によって掃除場所が分けられ、各々が言われた場所へと向かう。その間瑠華はリビングのソファーで待機するよう厳命されてしまったので、手持ち無沙汰であった。
「ふむ…アレでも作ってみるか?」
そう言って瑠華が取り出したのは、一枚の小さな紙とインクが入った瓶、それと書くための羽根ペン。
ちゃぽんとペン先をインクに浸し、サラサラとペン先に魔力を流しながら紙に何かを書き記していく。
その様子に何をしているのか気になった可歩が、掃除の手を止めて瑠華へと近付いた。
「瑠華お姉ちゃん、何してるの?」
「ん? 呪符を作っておったのじゃよ」
以前旅行の際に班分けの為に〖呪符術〗を使って作った事がある呪符だが、何も手作業で作れない訳では無い。特に瑠華の様な存在であれば、一つ一つ自分の手で作った方がより強い物が作れる。
「なんの為に? 瑠華お姉ちゃん別に必要無くない?」
「本来であればそうなのじゃが…最近魔法の手加減が怪しくなっているのでな。その対応策として使ってみようかと思ったのじゃよ」
呪符は作った段階で込められる魔法とその威力が固定される。その都度魔法を構築するよりは汎用性に欠けるが、手加減するのであればこれ以上有効な物もそう無いのだ。
数枚の呪符を作り終えたところで、キッチンからなにやら奮闘する声が聞こえたのでそちらへと向かう。
「どうしたのじゃ?」
「あっ…んと、コンロの焦げが取れなくて…」
「別にそこまで気にする必要は無いと思うが…」
普段手入れを欠かさない瑠華ではあるが、一般的に販売されている洗剤などで取り切れない汚れは諦めている。だが奏としては何時もの感謝も込めてしっかりと綺麗にしたかったのだ。
どうしようかと奏が頭を悩ませていれば、何かがスルリと瑠華の影から飛び出した。
「おや、キルラ?」
「キュウ」
「キルラちゃん?」
一体何をしに影から出て来たのかと視線で追い掛けると、奏が格闘していたコンロの焦げまで進んで、カパリと開いた口から勢い良く水を吹き出した。
「わーっ!?」
突然の出来事に少しだけ呆然としたものの、再起した奏が慌ててタオルを用意して溜まっていく水を吸い取る。
「キュッ」
「キュじゃないんだよ…」
コンロ周りをビショビショにしておきながら何処か誇らしげなキルラに、奏が呆れた様な眼差しを向ける。だがそのすぐ後にキルラが何をしていたのかに気付いて、目を見開いた。
「取れてる!」
「キュ~」
あれだけ頑固だった焦げが、綺麗さっぱり消えていたのだ。見たかと言わんばりに身体をくねらせるキルラに対して、瑠華が苦笑しながらその頭を撫でて労う。
「そういえばこう言った事は得意じゃったのぅ」
「キュキュッ」
キルラは瑠華―――レギノルカの身体を綺麗にすることが好きだったので、水を使って汚れを落とす事が昔から得意だったのだ。
「ありがと! キルラちゃん!」
奏もキルラに手を伸ばし、その頭を撫でる。テイムしたモンスターは総じて主人以外に触れられる事を嫌うが、キルラはかなり穏やかな性格をしていたので抵抗する事も無かった。
「よしっ。これで今日のお仕事はお終い?」
「いや、後は下の子らの髪を乾かすのと書類仕事があるぞ」
「書類仕事…?」
「配信を始めた関係で寄付金がかなり入ってくるようになったのでな。それらの申請書類や平日の夕餉を担当しておる者たちへの給金…あとは税に関する物が何枚かある。…あぁ、収支記録も付けねばならんな」
「……ゑ?」
「という訳で改めて瑠華ちゃんのお仕置内容を説明します!」
「う、うむ…」
何処かウキウキした様子の奏に、瑠華はただただ困惑した表情を浮かべつつも取り敢えず空気を読んで頷いておく。
「瑠華ちゃんには、一週間【柊】のお仕事を禁止させてもらいます。まぁ何かあった時は助けを求める事もあるかもしれないけど…基本言われない限りは動かないでね?」
「そんな事だけで良いのか? 寧ろ仕事を割り振った方が罰としては適当じゃろうに」
「だって瑠華ちゃんこうでもしないと休まないし」
「……」
「私もそれには賛成ですね」
そう言って突然二人の会話に割り込んできたのは、台所での片付けを終えた紫乃だった。
「休息ならば紫乃の方が」
「私はちゃんと時間を決めて休んでいますよ。瑠華様ほど過労を極めてはいません」
実際紫乃は普段瑠華が学校に通っている間も仕事をしている訳だが、四六時中働いている訳でも無い。適度に休息は取っているし、瑠華が居る時はほぼお休みに近い状態なのでその言葉は正しいのだ。
「もし瑠華様がお休みになられている間に何かありましたら、私が対処致しますのでご安心下さい」
「勿論私達も紫乃ちゃんに負担をかけないように努力するから」
奏だけでなく、瑠華が信頼して【柊】を任せている紫乃からもそう言われてしまえば、瑠華は首を縦に振るしかなかった。
「しかしその間妾は何をすれば…?」
「あー…瑠華ちゃんって趣味らしい趣味ないもんね…本は?」
「今持っている物は全て読み切ってしもうたのぅ」
一度見聞きした物は全て記憶してしまう瑠華にとって、小説などの本は一度読めばもう読み直す必要がない。新しく本を買うのもお金の無駄のような気がして、結局最近は殆ど読んでいなかった。
「んー、これを機に新しい趣味探す?」
「そう言われても今のところこれといって思い付く物も無いが…まぁそれ以外する事も無さそうじゃしな」
画して瑠華へのお仕置という名目で瑠華の休暇が始まった訳だが……奏はそこで自分の認識の甘さを嫌という程痛感する事になるのだった。
◆ ◆ ◆
さて、一概に瑠華の仕事と言っても、その内容は極めて多岐に渡る。だがその中でも最も重要視されるのは、やはり毎朝の食事作りだろう。
「……奏」
「すぅ…すぅ…」
時刻は既に朝六時を回ろうかという時、瑠華は隣で自身を抱き締めながら眠りこける奏に対してジトッとした眼差しを向けた。
普段であれば瑠華はとっくに起き出して朝食の準備を始めている。だが強制休暇を取らされている為、大人しく奏が起きるまで待っていた訳だが……
「はぁ…」
元より朝が苦手である事は重々承知していたので、これは予想外の事態では無い。仕方無く頬でも抓って起こそうと思い腕を動かしたところで、コンコンコンと扉をノックする音が響きその動きを止めた。
「瑠華様。奏様は…」
部屋に入ってきた紫乃が眠りこける奏を視界に収めると、その言葉が途切れる。その表情に浮かんでいたのは、苦笑だった。
「朝の用意は私が済ませておきました」
「恩に着る。すまんのぅ」
「いえいえ。奏様ならこうなるだろうなぁと予想はしておりましたので」
「妾を休ませると豪語したのじゃがなぁ…」
予想通りであり、同時に期待外れ。そんな評価だ。
兎も角朝の用意を紫乃がしたと言うのであれば、この時間に起きる必要性は無くなった。時間にしてあと三十分程はまだ寝ていられる事になる。
一礼して部屋を去る紫乃を視線で見送り、仕方が無いなぁと言いたげな表情を浮かべながら奏の頬をつつく。
「んぅ…」
「妾の前でここまで油断出来るのは奏くらいじゃな」
圧倒的な実力差を見せ付けられても尚こうして戸惑い無く近付ける奏に、豪胆なのか天然なのか分からなくなる瑠華だった。
結局午前七時になっても奏が起きることは無く、瑠華に頬を強く捻られて悲鳴をあげながらの起床となった。
「痛た…」
「平日はあと三日ある故、その間はしかと起きるのじゃぞ」
「はぁい…」
そうして学校を終えて帰ってくれば、次にするのは【柊】の掃除だ。最近は紫乃の仕事になりつつあるものだが、今回は【柊】の子達にやらせる為わざとしていなかった。
「じゃあ私はキッチンの掃除するから、凪沙はお風呂場をよろしくね。可歩はリビングで…残りの子はそれぞれ部屋の掃除かな」
奏の采配によって掃除場所が分けられ、各々が言われた場所へと向かう。その間瑠華はリビングのソファーで待機するよう厳命されてしまったので、手持ち無沙汰であった。
「ふむ…アレでも作ってみるか?」
そう言って瑠華が取り出したのは、一枚の小さな紙とインクが入った瓶、それと書くための羽根ペン。
ちゃぽんとペン先をインクに浸し、サラサラとペン先に魔力を流しながら紙に何かを書き記していく。
その様子に何をしているのか気になった可歩が、掃除の手を止めて瑠華へと近付いた。
「瑠華お姉ちゃん、何してるの?」
「ん? 呪符を作っておったのじゃよ」
以前旅行の際に班分けの為に〖呪符術〗を使って作った事がある呪符だが、何も手作業で作れない訳では無い。特に瑠華の様な存在であれば、一つ一つ自分の手で作った方がより強い物が作れる。
「なんの為に? 瑠華お姉ちゃん別に必要無くない?」
「本来であればそうなのじゃが…最近魔法の手加減が怪しくなっているのでな。その対応策として使ってみようかと思ったのじゃよ」
呪符は作った段階で込められる魔法とその威力が固定される。その都度魔法を構築するよりは汎用性に欠けるが、手加減するのであればこれ以上有効な物もそう無いのだ。
数枚の呪符を作り終えたところで、キッチンからなにやら奮闘する声が聞こえたのでそちらへと向かう。
「どうしたのじゃ?」
「あっ…んと、コンロの焦げが取れなくて…」
「別にそこまで気にする必要は無いと思うが…」
普段手入れを欠かさない瑠華ではあるが、一般的に販売されている洗剤などで取り切れない汚れは諦めている。だが奏としては何時もの感謝も込めてしっかりと綺麗にしたかったのだ。
どうしようかと奏が頭を悩ませていれば、何かがスルリと瑠華の影から飛び出した。
「おや、キルラ?」
「キュウ」
「キルラちゃん?」
一体何をしに影から出て来たのかと視線で追い掛けると、奏が格闘していたコンロの焦げまで進んで、カパリと開いた口から勢い良く水を吹き出した。
「わーっ!?」
突然の出来事に少しだけ呆然としたものの、再起した奏が慌ててタオルを用意して溜まっていく水を吸い取る。
「キュッ」
「キュじゃないんだよ…」
コンロ周りをビショビショにしておきながら何処か誇らしげなキルラに、奏が呆れた様な眼差しを向ける。だがそのすぐ後にキルラが何をしていたのかに気付いて、目を見開いた。
「取れてる!」
「キュ~」
あれだけ頑固だった焦げが、綺麗さっぱり消えていたのだ。見たかと言わんばりに身体をくねらせるキルラに対して、瑠華が苦笑しながらその頭を撫でて労う。
「そういえばこう言った事は得意じゃったのぅ」
「キュキュッ」
キルラは瑠華―――レギノルカの身体を綺麗にすることが好きだったので、水を使って汚れを落とす事が昔から得意だったのだ。
「ありがと! キルラちゃん!」
奏もキルラに手を伸ばし、その頭を撫でる。テイムしたモンスターは総じて主人以外に触れられる事を嫌うが、キルラはかなり穏やかな性格をしていたので抵抗する事も無かった。
「よしっ。これで今日のお仕事はお終い?」
「いや、後は下の子らの髪を乾かすのと書類仕事があるぞ」
「書類仕事…?」
「配信を始めた関係で寄付金がかなり入ってくるようになったのでな。それらの申請書類や平日の夕餉を担当しておる者たちへの給金…あとは税に関する物が何枚かある。…あぁ、収支記録も付けねばならんな」
「……ゑ?」
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