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155話
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修学旅行二日目。今日のメインイベントは体験学習となっている。様々な体験学習がある中で、事前にそれぞれが希望した物を体験する形だ。そして瑠華達が希望したのは、和菓子作りである。
「和菓子って難しそう…」
「まぁ幾分かは難しかろうな。しかしそこまで難解な物を作らせるとは思わんが」
「所詮は体験だもんねぇ」
老舗の和菓子職人の人達が主催してくれている和菓子作り体験は、全部で三つの和菓子作りを体験する。その後は自分たちが作成した和菓子と共に抹茶を頂く事になっている。
「今回皆さんに作って頂くのは、練り切りと呼ばれる和菓子です」
講師である和菓子職人の説明が始まった。練り切りは和菓子の中で代表的なものとして有名であり、様々な形を象って作られる。主に季節に応じた植物が象られる事が多く、今回は秋という事で紅葉と菊の二種類を作る事に。
「うぅ…なんか歪む…」
「奏は手の温度が高いからのぅ」
「逆に瑠華ちゃんって冷え性気味だよね。寒いの苦手なのに」
「それはあまり関係無いとは思うが……」
ちなみに瑠華が―――レギノルカが寒さを苦手とするのは、実は母のせいだったりする。というのも母は完璧である事を嫌い、敢えてレギノルカに欠点を作ったのだ。それもレギノルカの元となった情報を頼りに。なので他にもレギノルカには欠点があったりする。……全てレギノルカ自身によって克服済みだが。
「気温が低い時の瑠華っちってある意味無差別兵器だよね」
「酷い言われ様じゃな…」
「まぁ実際その時の瑠華ちゃんって誑し性能が限界突破するし」
本当に酷い時は普段からは想像も出来ない程無防備になるので、冬場の瑠華はかなり危険視されていたり。
「そこまで酷い自覚は無いのじゃが」
「だからタチ悪いんだよ…」
心底疲れた様子で肩を落とす奏に、そこまでかと自身の記憶を探る。だが瑠華にとって寒さによる思考力の低下は記憶にも影響を及ぼすものなので、幾ら後から精査しようと“正常”としか判断出来ないのだ。
「んー…瑠華ちゃんここ難しい」
「…職人がおるのじゃからそちらに聞けば良かろう」
「瑠華ちゃんに聞いた方が早いし」
「……」
瑠華にとって和菓子作りは当然初めての経験であり、教えられる程知識がある訳でも無い。そして瑠華は人間らしい細かい動作が少しばかり苦手でもあるので、実際は和菓子作りにとことん向いていない。それでも綺麗に形を作る事が出来ているのは、手で触れずに魔力で無理矢理誤魔化していたからだった。なので教えて欲しいと言われても、瑠華にはどうする事も出来ない。
「…一つ言うとすれば、完璧である必要は無いという事じゃろうか」
「?」
「完璧に拘りを見せると、却って歪んでしまうからの。ある程度の妥協は大切じゃろう」
「妥協かぁ…まぁこれも味だと思えば納得出来るかなぁ…」
「プロの職人でも全く同じ物を作るのは無理だもんね。ましてや私達は素人なんだし、見本と同じっぽく見えたらそれで良いんじゃない?」
雫の言葉に漸く納得した奏が頷き、ややして全員分の和菓子が完成した。後に残すは待ちに待った実食だ。
「あっ、そうです! お抹茶を待っている間に着物の着付け体験はどうですか?」
作り終えた和菓子を下げていた係の人が突然パチンと手を合わせると、そう生徒達に提案する。抹茶の用意には少し時間を要するので、丁度いい暇潰しになるだろうという事である。
「瑠華ちゃんの着物姿かぁ…」
「普段ダンジョンに潜る格好とさして変わらんじゃろ」
「そうでもないと思うよ? そもそも種類が違うもん」
それに瑠華達の物は装備としての側面が強く、見た目よりも機能性が重視されている。なので和服とは少し構造が異なっていたりするのだ。
「それに瑠華ちゃんの容姿で着物って凄そう」
「かなっち、語彙力」
「だってそれ以外言い様ないから…」
「そも似合うのじゃろうか…」
「それは問題無いと思う。瑠華っちって別に日本人顔じゃないって訳じゃないし」
「だからこそ白髪が凄い目立つんだけど」
「着るなら黒とか似合いそう…あるかな?」
兎も角見てみようということで、係の人の案内に従いレンタルの着物が用意された部屋へと向かう。
「ところで瑠華ちゃん。着物の着付けって…」
「珠李に教わった故、問題無く出来るぞ」
「あー…成程。確かに珠李さん着物だったね。てことは紫乃ちゃんも?」
「直接聞いた事は無いが、出会った頃には着ておったぞ」
「その着物はどうしたの?」
「ん? 一応洗濯をして保管はしておるが…かなりボロボロになってしまっておるからのぅ。もう一度着ることは難しいじゃろうな」
紫乃が“欲”に呑まれてしまっていた時に着ていた着物は一応保管しているものの、激しい戦闘の余波で最早服としての役割は果たせなくなっていた。ちなみに紫乃にこの事は話していないので、本人は既に処分されたと思っている。
「そっかぁ…着物の修復って難しそう」
「そも素材が異なっておる故に、この世界では厳しいじゃろうな。とはいえダンジョンからならば素材を入手する事は出来そうではあるが」
「って事はモンスター由来の素材って事?」
「うむ。恐らくはパペットスパイダー…奏も戦った事がある彼奴の糸じゃろう」
「……戦ったって言っても、瑠華ちゃんが全部氷漬けにした記憶しか無いんだけどね」
その時の事を思い出し、ぶるりと奏が身震いする。気温的なものもあったが、一番の理由は規格外の魔法の威力を以前より正確に理解出来るようになったからだった。
瑠華自身着物の着付けは出来るものの、折角体験と銘打っているので係の人にやって貰う事に。ちなみに着物は奏が選んだ。
「……かなっち、欲望出し過ぎじゃね?」
「瑠華ちゃんこういうの疎いから」
奏が選んだのは、黒地に桔梗と鶴があしらわれた小振袖だった。奏の言う通り瑠華は柄に対する知識はあまりないので、これ幸いとばかりにこれを選んでいた。
「えっ、打掛まであるんだけど…」
雫の生家たる八車はそれなりに歴史があるので、雫自身着物に対する知識も少しばかり持ち合わせていた。レンタルしているとはいえ流石に打掛まであるのはかなり珍しく、感心したように雫がその掛けられた着物を撫でた。
「流石にそれ着るのは瑠華ちゃんじゃなくて奏ちゃんだと思う」
「あー、分かる」
小百合の言葉にうんうんと雫が頷く。
(もしそんな機会あったら私が手を貸してあげれるけど…まだまだ先は長そうだしなぁ…)
髪まで結い上げられた瑠華の姿を直視出来なくなっている奏の姿を見て、雫は内心そう思うのだった。
「和菓子って難しそう…」
「まぁ幾分かは難しかろうな。しかしそこまで難解な物を作らせるとは思わんが」
「所詮は体験だもんねぇ」
老舗の和菓子職人の人達が主催してくれている和菓子作り体験は、全部で三つの和菓子作りを体験する。その後は自分たちが作成した和菓子と共に抹茶を頂く事になっている。
「今回皆さんに作って頂くのは、練り切りと呼ばれる和菓子です」
講師である和菓子職人の説明が始まった。練り切りは和菓子の中で代表的なものとして有名であり、様々な形を象って作られる。主に季節に応じた植物が象られる事が多く、今回は秋という事で紅葉と菊の二種類を作る事に。
「うぅ…なんか歪む…」
「奏は手の温度が高いからのぅ」
「逆に瑠華ちゃんって冷え性気味だよね。寒いの苦手なのに」
「それはあまり関係無いとは思うが……」
ちなみに瑠華が―――レギノルカが寒さを苦手とするのは、実は母のせいだったりする。というのも母は完璧である事を嫌い、敢えてレギノルカに欠点を作ったのだ。それもレギノルカの元となった情報を頼りに。なので他にもレギノルカには欠点があったりする。……全てレギノルカ自身によって克服済みだが。
「気温が低い時の瑠華っちってある意味無差別兵器だよね」
「酷い言われ様じゃな…」
「まぁ実際その時の瑠華ちゃんって誑し性能が限界突破するし」
本当に酷い時は普段からは想像も出来ない程無防備になるので、冬場の瑠華はかなり危険視されていたり。
「そこまで酷い自覚は無いのじゃが」
「だからタチ悪いんだよ…」
心底疲れた様子で肩を落とす奏に、そこまでかと自身の記憶を探る。だが瑠華にとって寒さによる思考力の低下は記憶にも影響を及ぼすものなので、幾ら後から精査しようと“正常”としか判断出来ないのだ。
「んー…瑠華ちゃんここ難しい」
「…職人がおるのじゃからそちらに聞けば良かろう」
「瑠華ちゃんに聞いた方が早いし」
「……」
瑠華にとって和菓子作りは当然初めての経験であり、教えられる程知識がある訳でも無い。そして瑠華は人間らしい細かい動作が少しばかり苦手でもあるので、実際は和菓子作りにとことん向いていない。それでも綺麗に形を作る事が出来ているのは、手で触れずに魔力で無理矢理誤魔化していたからだった。なので教えて欲しいと言われても、瑠華にはどうする事も出来ない。
「…一つ言うとすれば、完璧である必要は無いという事じゃろうか」
「?」
「完璧に拘りを見せると、却って歪んでしまうからの。ある程度の妥協は大切じゃろう」
「妥協かぁ…まぁこれも味だと思えば納得出来るかなぁ…」
「プロの職人でも全く同じ物を作るのは無理だもんね。ましてや私達は素人なんだし、見本と同じっぽく見えたらそれで良いんじゃない?」
雫の言葉に漸く納得した奏が頷き、ややして全員分の和菓子が完成した。後に残すは待ちに待った実食だ。
「あっ、そうです! お抹茶を待っている間に着物の着付け体験はどうですか?」
作り終えた和菓子を下げていた係の人が突然パチンと手を合わせると、そう生徒達に提案する。抹茶の用意には少し時間を要するので、丁度いい暇潰しになるだろうという事である。
「瑠華ちゃんの着物姿かぁ…」
「普段ダンジョンに潜る格好とさして変わらんじゃろ」
「そうでもないと思うよ? そもそも種類が違うもん」
それに瑠華達の物は装備としての側面が強く、見た目よりも機能性が重視されている。なので和服とは少し構造が異なっていたりするのだ。
「それに瑠華ちゃんの容姿で着物って凄そう」
「かなっち、語彙力」
「だってそれ以外言い様ないから…」
「そも似合うのじゃろうか…」
「それは問題無いと思う。瑠華っちって別に日本人顔じゃないって訳じゃないし」
「だからこそ白髪が凄い目立つんだけど」
「着るなら黒とか似合いそう…あるかな?」
兎も角見てみようということで、係の人の案内に従いレンタルの着物が用意された部屋へと向かう。
「ところで瑠華ちゃん。着物の着付けって…」
「珠李に教わった故、問題無く出来るぞ」
「あー…成程。確かに珠李さん着物だったね。てことは紫乃ちゃんも?」
「直接聞いた事は無いが、出会った頃には着ておったぞ」
「その着物はどうしたの?」
「ん? 一応洗濯をして保管はしておるが…かなりボロボロになってしまっておるからのぅ。もう一度着ることは難しいじゃろうな」
紫乃が“欲”に呑まれてしまっていた時に着ていた着物は一応保管しているものの、激しい戦闘の余波で最早服としての役割は果たせなくなっていた。ちなみに紫乃にこの事は話していないので、本人は既に処分されたと思っている。
「そっかぁ…着物の修復って難しそう」
「そも素材が異なっておる故に、この世界では厳しいじゃろうな。とはいえダンジョンからならば素材を入手する事は出来そうではあるが」
「って事はモンスター由来の素材って事?」
「うむ。恐らくはパペットスパイダー…奏も戦った事がある彼奴の糸じゃろう」
「……戦ったって言っても、瑠華ちゃんが全部氷漬けにした記憶しか無いんだけどね」
その時の事を思い出し、ぶるりと奏が身震いする。気温的なものもあったが、一番の理由は規格外の魔法の威力を以前より正確に理解出来るようになったからだった。
瑠華自身着物の着付けは出来るものの、折角体験と銘打っているので係の人にやって貰う事に。ちなみに着物は奏が選んだ。
「……かなっち、欲望出し過ぎじゃね?」
「瑠華ちゃんこういうの疎いから」
奏が選んだのは、黒地に桔梗と鶴があしらわれた小振袖だった。奏の言う通り瑠華は柄に対する知識はあまりないので、これ幸いとばかりにこれを選んでいた。
「えっ、打掛まであるんだけど…」
雫の生家たる八車はそれなりに歴史があるので、雫自身着物に対する知識も少しばかり持ち合わせていた。レンタルしているとはいえ流石に打掛まであるのはかなり珍しく、感心したように雫がその掛けられた着物を撫でた。
「流石にそれ着るのは瑠華ちゃんじゃなくて奏ちゃんだと思う」
「あー、分かる」
小百合の言葉にうんうんと雫が頷く。
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髪まで結い上げられた瑠華の姿を直視出来なくなっている奏の姿を見て、雫は内心そう思うのだった。
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