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第4章
護衛依頼【7】
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サーニャさんの元へと戻ると、バケットさんとフィーナさんがサーニャさんを中心にして守りの体制をとっていた。3人とも見た感じ怪我はなさそうで、サーニャさんに張っていた結界も無事だった。
「戻りました!」
「あ、やっとかえ…ってちょっと!大丈夫なの!?」
草むらからでて駆け寄ると、バケットさんが驚き、心配してきた。
うん?なんでバケットさんがそんなに心配するんだろう?怪我はしてないはずだけど……と、そこまで考えて気づいた。
「あぁ……これ、返り血ですから大丈夫です」
軽く自分の体をみると、赤い血まみれだ。すべて魔物の返り血ではあるけど、いきなり血まみれで出てきたらそら心配するよね……反省反省。
とりあえずクリーンで返り血を綺麗にする。ほんとクリーンって便利だね。
「ほんと?」
フィーナさんが心配そうに私の体を触る。なんかお姉ちゃんみたいだなぁ……って思ってたら、サーニャさんがそんな様子をみて「(マリーナ様のお体を触るなんて……!?)」とか小声で言ってあわあわしてた。なんでそんな反応するのよ……
「大丈夫ですよ。怪我もありません。そちらはどうでしたか?」
「あ、あぁ…数体魔物が来たけれど、問題なかったよ」
魔物が来たんだったら、バケットさん達にここを任せて正解だったね。
一応サーニャさんの周りに結界は張っていたけれど、万が一があるかも知れなかったしね。
「サーニャさんも大丈夫でした?」
「は、はい…すいませんでした」
「謝らなくていいですよ。サーニャさんを守るのが私の役目なんですから」
そうでなければ、護衛依頼の意味が無い。
とりあえず魔物の死体を片付け、辺りに漂ってしまっている血の匂いを浄化した。
「竜霊草は無事に見つかりましたか?」
「あ、はい!これです!」
サーニャさんが腰に着けたポーチから、赤い薬草を三本取り出して、見せてくれた。
ハクに言われた通り、葉が赤くて、白い花を付けていた。薬草ではあるけど、とても綺麗。一応神眼で確認……
名前:竜霊草
魔素が濃い場所に生える希少な薬草。これを用いて作られるポーションは高い効果を発揮する。また、万能薬の材料の1つでもある。
うん。ちゃんと竜霊草だね。
「これで採取は終わりですか?」
「はい。ありがとうございました」
「まだ、終わってないですよ。帰るまでが依頼です」
護衛依頼だからね。
ひとまずサーニャさんと共にギルさんたちが待つ馬車へと戻ることに。
「なんであの時、あそこまで集まったのか謎だねー」
道中バケットさんがそう呟いた。原因は……おそらく、いや、間違いなく私だ。まさかサーニャさんが私から離れた瞬間、あんなに集まるとは思わなかったけど。
私が曖昧に微笑んでいたからなのか、サーニャさんが近づいてきて、耳打ちしてきた。
「(もしかして……私がマリーナ様から離れたからですか…?)」
申し訳なさそうにサーニャさんがそう尋ねてきた。
確かにその通りではあるのだけれど…それ言ったらサーニャさんが気にしそうなので、「違いますよ」とだけ言っておいた。
「そう、ですか…」
どことなく腑に落ちない様子ではあったけど、とりあえずそれで納得してくれたみたいだ。
そして日が落ちる前に馬車へと戻ることかできた。
……んだけどね。
「ちょーっと不味いですね…」
神眼を使って覗くと、どうやら盗賊に襲われている…いや、襲われていた。
ギルさん、リナさん、御者さんは無事みたいだけど、武装を解かれ、地面に膝立ちさせられていた。
ギルさん達の実力はあるだろうけど、多勢に無勢だったようだ。盗賊の数は見えるだけでも30人。
「どうしたんです?」
「…盗賊に襲われたみたいです」
「「「え?!」」」
驚いたけど、慌てることはない。と言うのも、ギルさん達が殺される可能性は低いからだ。
盗賊は普通荷馬車を襲う。その荷馬車の護衛をしている人が抵抗したならどうなるか分からないけど、護衛が武器を捨て降参したなら、殺される可能性は低い。
なぜなら降参した護衛すらも殺すことを続けると、次から降参しても殺されると考え、降参する護衛がいなくなってしまうからだ。
降参してくれれば戦う必要がなくなるので、そちらのほうが盗賊としても都合がいいという訳。
「どうする?」
バケットさんが尋ねてくる。
「うーん…私がいきましょうか?」
私の姿をみて油断してくれればいいんだけど…
「危険、だめ」
意外にもフィーナさんが強い否定の意志を示した。
「ではどうします?」
正直策は無い。ギルさん達を人質に取られればそれまでだ。
「……気乗りはしない…でも、それしかない…ごめん」
「謝らないでください。私が勝手にやるんです」
「マリーナさん……」
サーニャさんまでも心配そうに見つめてくる。
「大丈夫ですよ」
「あ、いや、マリーナさんの心配をしているのではなくてですね…その」
サーニャさんがそこで言葉を切り、近づいて耳打ちしてくる。
「(……やり過ぎないでくださいね?)」
………サーニャさんが私を一体どう思っているのか、少し分かった気がする。
「戻りました!」
「あ、やっとかえ…ってちょっと!大丈夫なの!?」
草むらからでて駆け寄ると、バケットさんが驚き、心配してきた。
うん?なんでバケットさんがそんなに心配するんだろう?怪我はしてないはずだけど……と、そこまで考えて気づいた。
「あぁ……これ、返り血ですから大丈夫です」
軽く自分の体をみると、赤い血まみれだ。すべて魔物の返り血ではあるけど、いきなり血まみれで出てきたらそら心配するよね……反省反省。
とりあえずクリーンで返り血を綺麗にする。ほんとクリーンって便利だね。
「ほんと?」
フィーナさんが心配そうに私の体を触る。なんかお姉ちゃんみたいだなぁ……って思ってたら、サーニャさんがそんな様子をみて「(マリーナ様のお体を触るなんて……!?)」とか小声で言ってあわあわしてた。なんでそんな反応するのよ……
「大丈夫ですよ。怪我もありません。そちらはどうでしたか?」
「あ、あぁ…数体魔物が来たけれど、問題なかったよ」
魔物が来たんだったら、バケットさん達にここを任せて正解だったね。
一応サーニャさんの周りに結界は張っていたけれど、万が一があるかも知れなかったしね。
「サーニャさんも大丈夫でした?」
「は、はい…すいませんでした」
「謝らなくていいですよ。サーニャさんを守るのが私の役目なんですから」
そうでなければ、護衛依頼の意味が無い。
とりあえず魔物の死体を片付け、辺りに漂ってしまっている血の匂いを浄化した。
「竜霊草は無事に見つかりましたか?」
「あ、はい!これです!」
サーニャさんが腰に着けたポーチから、赤い薬草を三本取り出して、見せてくれた。
ハクに言われた通り、葉が赤くて、白い花を付けていた。薬草ではあるけど、とても綺麗。一応神眼で確認……
名前:竜霊草
魔素が濃い場所に生える希少な薬草。これを用いて作られるポーションは高い効果を発揮する。また、万能薬の材料の1つでもある。
うん。ちゃんと竜霊草だね。
「これで採取は終わりですか?」
「はい。ありがとうございました」
「まだ、終わってないですよ。帰るまでが依頼です」
護衛依頼だからね。
ひとまずサーニャさんと共にギルさんたちが待つ馬車へと戻ることに。
「なんであの時、あそこまで集まったのか謎だねー」
道中バケットさんがそう呟いた。原因は……おそらく、いや、間違いなく私だ。まさかサーニャさんが私から離れた瞬間、あんなに集まるとは思わなかったけど。
私が曖昧に微笑んでいたからなのか、サーニャさんが近づいてきて、耳打ちしてきた。
「(もしかして……私がマリーナ様から離れたからですか…?)」
申し訳なさそうにサーニャさんがそう尋ねてきた。
確かにその通りではあるのだけれど…それ言ったらサーニャさんが気にしそうなので、「違いますよ」とだけ言っておいた。
「そう、ですか…」
どことなく腑に落ちない様子ではあったけど、とりあえずそれで納得してくれたみたいだ。
そして日が落ちる前に馬車へと戻ることかできた。
……んだけどね。
「ちょーっと不味いですね…」
神眼を使って覗くと、どうやら盗賊に襲われている…いや、襲われていた。
ギルさん、リナさん、御者さんは無事みたいだけど、武装を解かれ、地面に膝立ちさせられていた。
ギルさん達の実力はあるだろうけど、多勢に無勢だったようだ。盗賊の数は見えるだけでも30人。
「どうしたんです?」
「…盗賊に襲われたみたいです」
「「「え?!」」」
驚いたけど、慌てることはない。と言うのも、ギルさん達が殺される可能性は低いからだ。
盗賊は普通荷馬車を襲う。その荷馬車の護衛をしている人が抵抗したならどうなるか分からないけど、護衛が武器を捨て降参したなら、殺される可能性は低い。
なぜなら降参した護衛すらも殺すことを続けると、次から降参しても殺されると考え、降参する護衛がいなくなってしまうからだ。
降参してくれれば戦う必要がなくなるので、そちらのほうが盗賊としても都合がいいという訳。
「どうする?」
バケットさんが尋ねてくる。
「うーん…私がいきましょうか?」
私の姿をみて油断してくれればいいんだけど…
「危険、だめ」
意外にもフィーナさんが強い否定の意志を示した。
「ではどうします?」
正直策は無い。ギルさん達を人質に取られればそれまでだ。
「……気乗りはしない…でも、それしかない…ごめん」
「謝らないでください。私が勝手にやるんです」
「マリーナさん……」
サーニャさんまでも心配そうに見つめてくる。
「大丈夫ですよ」
「あ、いや、マリーナさんの心配をしているのではなくてですね…その」
サーニャさんがそこで言葉を切り、近づいて耳打ちしてくる。
「(……やり過ぎないでくださいね?)」
………サーニャさんが私を一体どう思っているのか、少し分かった気がする。
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