差別対象は最強

影悪・ドレミ

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ミカド編 救いたい

2話 黒い花と散った赤い花

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俺「そこまでだ。」

異常者と判断された子供を助けるような言葉に、周りにいた大人達は驚いていた。一斉にこちらを見ると、1人の警察が言った。

警察「お前…まさか現在逃亡中の死刑囚、実花努ミカドか!?」

話が速くて助かる。
あ、ミカドってのは俺の名前な。

ミカド「その子供は俺が預かる。異論は認めない。俺を捕まえようとすれば、このカメラでお前達を映す。言ってる意味、分かるよな?」

本来、強力な魔法は扱いが難しいから上手く発動しないが、脅すには充分だ。

警察「と、閉じ込められる!写真の中に閉じ込められるぞ!!」

警察の1人が震えた声で言った。

一般的に、異常者は意図的に相手を傷付けられない…という事は知られていないらしい。
まぁ、ほとんどは子供の内に殺してしまうから、気付けないんだろう。子供の内は無意識に魔法を発動する事が多いからな。

ミカド「そこの子供に選ばせてやる。」

俺は2人に選択させることにした。

ミカド「得体も知れない俺についてきて、いつか殺されてしまうかもしれないこと。」

写真の中に閉じ込めた場合、出す方法は知らないから死ぬと考えていだろう。

ミカド「警察に連れて行かれて、今日中に死ぬこと。」

異常者は捕まえ次第直ぐに殺されるらしい。危険な者は直ぐに取り除いた方が安心だもんな。

ミカド「どっちにする?」
子供兄「…お兄さんについて行きたいです!」
ミカド「そっちのチビは?」
子供弟「ぼ、僕も…一緒に……。」
ミカド「分かった。」

そう言って俺は2人を連れて行った。

その後、俺は真っ先に名前を聞いた。子供兄と子供弟じゃ言いにくい

子供兄「楽斗ガクトです!」
子供弟「李吏恵リリエです…。」
ミカド「俺はミカドだ。」
ガクト「あの、どうして僕達を助けてくれたんですか?」
ミカド「気まぐれだ。」

そういえば、ガクトの方は死刑対象じゃないから返すっていう手もありだよな…。いや、多分帰りたがらないか。
てか、リリエって名前女みたいだな。着ている服も女みたいな感じだし…。

ミカド「そうだ、リリエの魔法について知っておかないとな。」

俺はリリエに、近くにいたネズミを見せた。

ミカド「目をそらすなよ…。」

異常者は意図的に魔法を使えない。無意識でしか使えないから、魔法を使って見せろと言っても見られない。
だから、無意識に発動するのを待つしか無いのだ。

しばらくするとネズミにアザが出来た。

リリエ「…?」

アザは種のような形で小さく、次第にそれは子葉となり、ツボミが出来、花が咲いたような形になった。ネズミは鳴き声を上げ暴れた。花のようなアザは次第にネズミの全身に広がっていき、1時間ほどでネズミは息を引き取った。
さっきの男もこの魔法にかかったのか。

リリエ「…う…うぁぁ…」

リリエは酷く脅えていた。
俺も同じだった。訳の分からない魔法で、自分が知らないうちに周りの人間が死んでいた。

リリエ「ううう……。」
ガクト「あの、魔法ってどうにか出来ないんですか?」
ミカド「操ることは難しい。けど、ある程度発動を抑える事は出来る。」
ガクト「本当ですか!どうすれば良いんですか!?」
ミカド「……辛いぞ。死んだ方がマシって思うかもしれない。」
リリエ「あの…僕、どんな事でも…精一杯頑張ります…!」

臆するかと思ったけど、そうでも無かったか。

その時、ザッザッと音がした。

パァッン

ガクトが倒れる。背中からは血が流れているので、撃たれたのだろう。

警察「仕留めたぞ!」
警察「バカ!兄の方じゃねーか!」

警察だ。ここは人通りが少なく、殺せばそのまま下に埋められるからな。

リリエ「兄さん!?」

リリエは目を見開く。
警察は銃をリリエに向ける。

コイツらには感情が無いのか…?

俺はリリエの手を引き逃げた。

脅しても無駄だろう。
脅せば直ぐに撃ってきただろうから。

しばらく走り続けた。今回の追っては意外と諦めが悪く、足がジンジンとして痛い。

リリエ「ユルサナイ…殺してやる…」

ああ、人間って殺気に塗れたらこんな風になるのか。リリエの瞳は凶器に塗れていた。
普通、目の前で実の兄が死んだら悲しんだり、落ち込んだり、怖くなったりする者だろう。
しかし、リリエの頭には『復讐』と言う言葉で埋め尽くされているかのように、ずっと…

リリエ「ユルサナイ…ユルサナイ…」

そう呟いている。

ミカド「手伝ってやろうか?」

俺は冗談半分に言った。

リリエ「お願いします。」

真剣に即答された。

まぁ、その後俺は魔力を抑える方法を教えるだけで、復讐の手伝いはしなかったんだけど。
そのかわりに生き残る術を教え続けた。
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