差別対象は最強

影悪・ドレミ

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シツキ編 知る者

7話 バカを演じる天才

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エイバ「ねぇねぇ!!シツキ!!」
シツキ「何?」
エイバ「見て見て!このお花!キレイッスよね!?」
シツキ「そうだな。」
エイバ「僕こう言うお花好きなんスよ!見とれる~!魅力の美しいを持つ花~!」

エイバはいつもくだらない事を俺に話してきた。けど、いつも1人で退屈だった日々に、少し刺激が出来て居心地が良い。

エイバ「シツキさんって、ミカドさんの前ではよく「ククッ」って笑うけど、僕らには笑わないッスよね。」
シツキ「そうか?」
エイバ「そうッスよ~!アハハハ~!」

俺は知っている。ミカドさん達2人は気付いていないが、エイバは今演技中だ。

ーエイバはバカを演じているー

なんの為にしているのかは分からないが、俺の目にははっきりと映っている。本性が。

シツキ「ねぇ、いつまでやるの?それ演技
エイバ「なんのことッスか!?」
シツキ「…いや、別に。やっぱり何でも無い。」

いったい何をそんなに隠しているのやら。



ミカドさんがリリエ…さん?をいつものように研究所ここに置いて出掛けた。
…リリエさんってのもおかしいか。俺より年下だし、リリエでいいや。
で、そのリリエがお留守番をして数ヶ月。(詳しくは数えてない。)
ネットでミカドさんが警察に捕まり、死刑になったと知った。裏切られた…ってところか。
俺はミカドさんに2人のへの誤魔化しを任されている。…が、

リリエ「兄貴がこのまま現れず、いなくなるのは耐えられない。」

リリエの真っ直ぐな眼差しに、俺はスマホで見せてしまった。

ミカドさんとの約束を守れなかった罪悪感はある。
けれど、俺はミカドさんを助けようとは考えなかった。一瞬も。
確かにミカドさんは俺の…俺達の救世主だ。手を差し伸べてくれたあの頼りになる眼差しが、もう見られないと思うと寂しい。

だけど、助けるなんて不可能だ。

折角静かに暮らしていたのに、また命がけの追いかけっこをするのか?そんなこと嫌だ。卑情だと思われるかもしれないけれど、これが普通の人間の思考だ。誰だって自分の安全を第1に優先させたい。
ミカドさんこそ、何も言わずに行動を起こさなければ捕まって死刑…なんてことにはならなかった。正直自業自得だと思う。
もし仮に助けられたとして、どうやって逃げる?
それにミカドさんは助けられることを望んでいない。恐らくミカドさんが望んでいるのはこの世界を書き換えること。社会の価値観がそう簡単には変えられないなんて分かってる。俺はミカドさんを救うことは出来ないから、ミカドさんの意思を受け継ぎたい。

俺にはそんな資格無いかもしれないけど。

エイバ「ミカドさんとリリエさん、どこに行ったんスかね?2人とももう帰っちゃったのかな…。」

ションボリと落ち込んだ様子のエイバに、ふと疑問に思ったことを問う。

シツキ「そういえば、エイバの魔法って何?」

長く一緒にいたが、1度も発動したところを見たことが無い。
ミカドさんに、リリエとエイバの魔法について聞いたことがあった。リリエの魔法については教えてくれたけど、エイバの魔法は見たことが無いと言っていた。

エイバ「………。」
シツキ「……?」
エイバ「………僕も分かんないんッス!」

一瞬目がマジになったな。というか考えたな。絶対に知ってるな。
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