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「お、お兄様?何をなさっているの?
い、嫌ああ、お兄様あ!」フローラ様は、現場を見られたようで、悲鳴をあげはじめました。
フローラ様の侍女の方が急ぎ同じ戸の中へ入りこみました。
「こ、これは、な、なんてことを…
フローラ様、どうぞお外へ!」
「嫌、嫌よ!お兄様ああ!」
フローラ様は私よりひどく衝撃を受けてしまったらしく、侍女の方の勧めには従わず、悲鳴をあげ続けています。
突然の悲鳴に、店の人達が集まって来ました。
「若い女性が助けを求めて叫んでるぞ!」
「誰か警察を呼んで!早く!」
侍女テレサが私のそばへ近寄り、早口でささやきました。
「サフィラ様、すぐにこの場を立ち去ってください!
警察沙汰になるような事件に巻き込まれたとなれば、
お嬢様の今後の評判に関わります!
…フローラ様のことは気になさらないでください、
まずはご自身のことを大事にしてください!
お願いです、急いでください!」
「わかったわ」
私達はすぐにその場を去り、馬車で帰宅しました。
そして、この件が警察沙汰となったことで、オリオン様の素行は世間に広まってしまいました。
その結果、わが子爵家は、ドモス子爵家に婚約解消を堂々と要求することができたのです。
本日は、ドモス子爵家のご両親が婚約解消の手続きに来られています。
オリオン様のお父上は口を開きました。「こんなことになってしまって、誠に申し訳ない。これまでオリオンはこんな風ではなかったのに。やはり血は争えないということだろうか。」
ドモス子爵様によると、オリオン様は直接血が繋がる子ではなく、従兄弟の子を養子にとられて後継ぎにされていたとのことでした。
「私達夫婦は若くして結婚したにも拘わらず、長く子に恵まれなかった。そのため養子を迎えたのだ。
フローラがその後生まれたが、予想外だった。
オリオンはそのまま、後継ぎを変えることなく、兄妹として育てたのだ。」
「そんなこととは存じませんでした。」お母様が苦々しく言いました。
「婚約で姻戚関係を結ぶなら、当然お話いただきたい類のお話ですわ」
「言わなかったのには理由がありましてな」
ドモス子爵様は言いました。「あれの父親は私の従兄弟だったのだが、非常な美男でな。
数多くの女性を恋人にしていたのだ。
そのうち、数名の相手は、婚約者がいる貴族女性で、
婚約を解消してまで従兄弟と正式に結ばれたいと言い出した。
だが、従兄弟は、責任をとろうとしなかった。
その結果、婚約を台無しにされた女性達の文句で大騒ぎとなった。
従兄弟の家では責任を取り切れず、結果として従兄弟は廃嫡されることとなったのだ。
そんな中、従兄弟の子を秘密裏に産む女性がいた。
その女性は貴族でな、名は明かせない。
今ではもう結婚されて別の家庭へ入られているし、結婚前に子など産んでいないことになっているのだ。
そのため、養子であることは公にはできず、実子として育てることになったのだ。」
い、嫌ああ、お兄様あ!」フローラ様は、現場を見られたようで、悲鳴をあげはじめました。
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「こ、これは、な、なんてことを…
フローラ様、どうぞお外へ!」
「嫌、嫌よ!お兄様ああ!」
フローラ様は私よりひどく衝撃を受けてしまったらしく、侍女の方の勧めには従わず、悲鳴をあげ続けています。
突然の悲鳴に、店の人達が集まって来ました。
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…フローラ様のことは気になさらないでください、
まずはご自身のことを大事にしてください!
お願いです、急いでください!」
「わかったわ」
私達はすぐにその場を去り、馬車で帰宅しました。
そして、この件が警察沙汰となったことで、オリオン様の素行は世間に広まってしまいました。
その結果、わが子爵家は、ドモス子爵家に婚約解消を堂々と要求することができたのです。
本日は、ドモス子爵家のご両親が婚約解消の手続きに来られています。
オリオン様のお父上は口を開きました。「こんなことになってしまって、誠に申し訳ない。これまでオリオンはこんな風ではなかったのに。やはり血は争えないということだろうか。」
ドモス子爵様によると、オリオン様は直接血が繋がる子ではなく、従兄弟の子を養子にとられて後継ぎにされていたとのことでした。
「私達夫婦は若くして結婚したにも拘わらず、長く子に恵まれなかった。そのため養子を迎えたのだ。
フローラがその後生まれたが、予想外だった。
オリオンはそのまま、後継ぎを変えることなく、兄妹として育てたのだ。」
「そんなこととは存じませんでした。」お母様が苦々しく言いました。
「婚約で姻戚関係を結ぶなら、当然お話いただきたい類のお話ですわ」
「言わなかったのには理由がありましてな」
ドモス子爵様は言いました。「あれの父親は私の従兄弟だったのだが、非常な美男でな。
数多くの女性を恋人にしていたのだ。
そのうち、数名の相手は、婚約者がいる貴族女性で、
婚約を解消してまで従兄弟と正式に結ばれたいと言い出した。
だが、従兄弟は、責任をとろうとしなかった。
その結果、婚約を台無しにされた女性達の文句で大騒ぎとなった。
従兄弟の家では責任を取り切れず、結果として従兄弟は廃嫡されることとなったのだ。
そんな中、従兄弟の子を秘密裏に産む女性がいた。
その女性は貴族でな、名は明かせない。
今ではもう結婚されて別の家庭へ入られているし、結婚前に子など産んでいないことになっているのだ。
そのため、養子であることは公にはできず、実子として育てることになったのだ。」
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