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良かったなクソガキ...【改】

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 私は社に戻ってあの親子が再び来るのを待った。

 今度は大福を3っつほど持ったあの母親がお祈りをし始めたので、隙を見計らいながら私はサンズ花を備えられた大福の上に置いた。

 素早く行動したので姿は見られていないだろうが、誰かが花を置いた事は分かってくれるだろう。

 それを見た彼女は泣いて喜びながら家に帰って行った。

 残された大福はしっかりと私が処理をする。

 ~数日後~

 再び彼女が社に訪れたのだが、今度は元気になった赤子を社の前に置いてなぜか掃除をし始めた。

 最初は頭がおかしくなったのか?と思い心配したのだが、だんだんと彼女の好意で掃除をしてくれているのだという事に気がついて微笑んでしまう私。

「ケロ次郎様!、お陰で娘は良くなりました!、これから暇な時にお社を綺麗にしますね!、後...、何時もの大福をお持ちしました!」

 大量の大福を社に捧げる彼女を見ると年甲斐もなく笑ってしまった。

 (私はケロ次郎じゃないってぇのにこの娘は...)

 帰ってくる返事がないと分かっていても彼女は笑顔で掃除を続けている。

 私が赤子の入ったカゴを遠くから見て見ると、熱が収まりキャッキャッと嬉しそうな表情を見せる子供が居たので私は笑う。

 ちゃんと病気は治ったようで一安心した。

 もし病気が治っていなかったのであれば、大福を貰うだけの仕事をしてない事になってしまうので責任感を感じてしまうからである。

(良かったなクソガキ...)

 一瞬姿を晒そうかとも考えたのだが、私は魔物であるという事実があるのでやめた。

 人間にとって魔物とは害悪でしかないので、彼女が魔物に取ってきてもらった花で我が子を救ったのだと深く考えさせたくなかったからである。

(全く...人間って奴らは...、なぜこうも面白いのかわからんねぇ...)

 そう思いながらも捧げられた大福を食べつつ、社の上で彼女達を見守っていた。

 この後、ケロ次郎様はあんこの入った大福が好きという誤った情報が村中に広まるのだが、これはまた別のお話。
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