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パ〜ティ〜♪③

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「「アリカちゃん」」

 俺は名前を呼ばれたので振り向くと、お婆さんが抱いている物に目がいった。

「お爺さんとお婆さん!...、あれっ?お婆さんが抱いてるのってもしかして...!」

「ああ...そうじゃよ...」

「ヨミ!」

「「ちっが~う!!」」

 2人に総ツッコミを入れられる俺。
 そして横から冷静な口調で割り入ってくるケロナ。

「ヨミな訳ないだろアリカ...、ヨミならほらあそこだ」

 彼女が指差した方向にはティアとサフィがいた。
 確かに赤ん坊らしき物をティアが抱いているのが見える。

「じゃあ誰の子なんだ?」

「「わしらの子じゃよ、アリカちゃん!」」

 とても嬉しそうな2人の視線が俺に突き刺さった。

「えっ...」

 思わず言葉を失う俺。
 静かに笑うお爺さんが口を開いた。

「アリカちゃん...本当にありがとうな...、アリカちゃんがくれた新しい体には子供を産むだけの力があったんじゃよ...、お陰でこんなに可愛い子供ができて...、本当に全部アリカちゃんのおかげじゃあ...」

 深々と頭を下げるお爺さん。

「わしからもありがとう...」

 頭を下げるお婆さん。

「いやいいって!、俺だって2人が居なかったら生き倒れてたかも知れないし!、これはあれだ!おあいこ様ってやつ!」

 俺がどんな風に言ってもなかなか顔を上げてくれない2人。
 どうしようか迷っていると...。

「可愛い...」

 膝に座るリウがお婆さんが抱いている赤ちゃんを指差してそう呟いた。

「触ってみるかの?、えっと...」

「アリカね~ねの妹リウです...、初めましてお婆さん、ね~ねからお爺さんとお婆さんのことは聞いています...」

「ほっほう!、アリカちゃんの妹という事であれば、わしらの家族も当然じゃな」

 お爺さんとお婆さんが笑いながらリウを見つめている所を見ると、なんだか嬉しい気分になる。

「わしらの赤ちゃんに触ってみるかの?」

「はい...是非...」

 ぴょんと俺の膝下から身を乗り出し、お婆さんの腕に眠る赤ん坊の顔を見る。

「やっぱり可愛い...、なでなで...」

 優しく赤ちゃんの頭を撫でると、何処と無く赤ちゃんの表情が和らいだ気がした。

「ふふっ...リウちゃん、この子の名前はヤシャ=くろうず☆じゃよ」

(ヤシャ!?、なにそれカッコいい!!)

 勝手に一人で盛り上がる俺を他所に、いい表情を浮かべる妹。

「ヤシャちゃん...、良い名前...、よしよし...」

 妹がお婆さんの娘(?)によしよしをしている姿は凄く和んでしまう。

(なんかいいな...こういうの...)

 俺は幸せそうな妹の表情に視線を移しながら、この幸福に笑みを浮かべるのでした。


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