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トーナメント会場にて

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 取り敢えず色々カザイの町を見て見たくなった俺は、ユカ達と一旦別れて会場の前にある町の探索をしていました。

「ついにきた~!!」

 嬉しくなってつい1人で走ってしまいます。

 辺りを見回して大はしゃぎする俺。

「あっちを見てもテイマー!、こっちを見てもテイマー!、くぅ~...なんかすっげぇ~!!」

「アリカ様///、はしゃぎすぎてちょっと恥ずかしいですよ!」

 サアヤの奴が俺をなだめるように囁いてくるが、この高ぶりは止められそうにない。

「何言ってんだよサアヤ!、ほらこんなにテイマーが集まる事なんて滅多にないんだぞ!!、しっかり練られた数々の戦略を拝見するチャンスだ!」

 まだトーナメントは始まっていないと言うのにもう俺の心には火が灯っており、火傷程度じゃ済まないほど燃えているのでした。

 ただ...、さっきからやたら俺に対する視線がやたら痛く感じます。

 徐々に冷静になって行くと、やはりジロジロと見られている俺。

(なんだこいつら...、人の事をジロジロ見やがって...、そんなに幼女がテイマーやってるのが珍しいのかよ...)

 俺は呆れていると、不意に気持ちの悪い視線が混じった事に気がつきました。

(なんだ!?、このじっとりと湿ったような視線...、気持ち悪い...)

 ゾクゾクっと背筋に悪寒が走るような気分を味わっていると...。

「お嬢さん、モンスターかな?」

「んっ?」

 俺が振り向くと、身なりの良い中年太りの男が立っていました。

 その姿を見た瞬間にこう思う俺。

(うわ...コルネロ見たい...)

 男は金髪で、妙に豪華な服を着ていました。

 何処からどう見ても金持ち感がする為、正直苦手な相手です。

「なんか俺に用?」

 素っ気なく返して帰って貰おうとしたのですが、彼は俺に興味深々なようでなかなか話始めてくれません。

 じっくりと俺の体を足の先から頭のてっぺんまで吟味した後、ようやく口を開きました。

「君...、俺の嫁にならない?」

「はっ?」

(なんだこのおっさん...)

 俺は思わずしかめっ面のまま硬直してしまい、あまりにも意味不明な声をかけてきた彼に対し、言葉で言い表せない気持ち悪さと吐き気を感じました。

「離れて下さい!」

 サアヤがおっさんと俺の間に入り守ってくれたのですが...。

「君も可愛いね、君も俺の嫁にならない?」

「はいっ!?」

(なんだこのおっさん!!)

 俺は思わずそう声に出しそうになっていました。


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