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サンズ花の効力【改☆】

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 私が取ってきたサンズ花から蜜を取り出して水に混ぜてからヤシャの口に流し込む。

 すると少しずつだが顔色が良くなっていくのが分かる。

「良かった~...」

 ヤシャのお父さんとお母さんが胸を撫で下ろす中、私は素直に喜んでいました。

(良かった...、苦労はしたけれどこれでヤシャは助かるんだな...)

 そう思うだけで嬉しさが込み上げてきます。

 私はその場をそっと後にしようとしたのですが...。

「ちょっと待っておくれヨミちゃん!」

 とお爺さんに止められてしまいました。

「何か?」

 私はすぐさま外に出ようとしていたので少し驚いてしまいます。

「お礼を言わせておくれ、ヨミちゃんありがとう」

 その言葉を聞くと少しだけくすぐったい気持ちになってしまう。

「い...いえ、ヤシャちゃんとは普段から一緒に遊んでいますから、当然の事をしたまでですよ」

 私は自分の行った行動を正当化し当然の事だと言うのだが、それでもカインさんとヤタネさんは頭を下げて「ありがとう」と言う言葉を連呼してくれるので正直こっちが恥ずかしくなってしまう。

「いや...だから良いですって! 頭を上げてください!」

 私の言葉によってようやく頭を上げてくれるヤシャの両親。

 その後も何度もお礼を言ってくれる2人に対し、私はだんだんと視線を合わせられなくなってきた。

(なんか...こう言うのいいなぁ...)

 私が少しいい気分になっていると...。

「あれっ...?」

 とゆっくり跪くヤシャの父さん。

「どうしたんですか?」

 私が彼の目線に合わせると、どうやら熱が出ているようだった。

「こ...これは...!」

「お爺さん!!」

 ヤシャの母さんも彼の事を心配していると、次にケロナさんの声が聞こえてくる!。

「アリカ!?」

 私が急いでそちらの方を見に行くと、そこではアリカさんが倒れていました。

「これは熱か?」

 とアリカさんに声をかける師匠。

「ああ...どうやら昨日食べた魚が食べてはいけない魚だったみたいだ...、悪いがもう一度サンズ花を4つほど取ってきてくれ...ケロナ...ガクッ」

「いやぁ!! ね~ねぇ!!」

 号泣するリウを見かねた私と師匠は面倒ですがもう一度サンズ花を取りに行きました。

 後日、サンズ花を得た皆はしっかりと元気になったとさ。

 めでたしめでたし。
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