最弱系TS魔王アリカちゃんが行く！妹との世直し！人間供を完全支配する為に奴らに味方する【守護天使】は全て滅ぼしちゃえ！

【使徒】

「【守護天使装備エンジェル・ウェポンマリー】」

　光り輝く衣装を身に纏う盗賊の姿はどう考えても盗賊ではない！

「なんだ...あれ」

　そう呟く俺にクラウニーが答える。

「あれが【守護天使】と【8天勇者】の力を複合させた姿...女神の【使徒】です！」

「【守護天使】と【8天勇者】の融合体だと！？」

　そんな漫画みたいな存在がいるのか！？

　そう思っていると、【使徒】が動き出す！

「させない！」

　クラウニーが全力で振りかぶった一撃を【使徒】フラスは短剣で受け止める。

「なっ！？」

「【守護天使】が私に力を与えて下さっている、故に私たちは【8天勇者】はお前たち魔物なんかに負けない」

　殆ど無口だったフラスが口を開いてそんな事を呟いた。

　そのままクラウニーの首を掴み床に叩きつける！

「ぐっ！」

　声を上げるクラウニーを見てリウが援護に入る。

「このっ！　【リウ=ふぁいあ～☆】！」

　両の手からドッジボール程度の大きさの火球を放つ妹。

「その程度か？」

　短剣を振るい火球を掻き消す。

「はあっ！」

　すかさずケロ次郎が蹴りを放つが。

「1番軽いな」

　とまともに受けてもその程度の扱いしかされていない。

　つまりケロ次郎の攻撃は躱すまでもないと言うことだろう。

「くそっ！」

　悔しそうに一度距離を取るケロ次郎に光弾を当てようとしていたが、それをリウが魔法で叩き落とした。

「その程度の戦力で私を倒せると思っていたのか？」

　そうフラスに言われた俺は半歩後ずさる。

「確かにお前は強い、【守護天使】の力と【8天勇者】の力を混ぜ合わせるなんて思っても見なかった事だ。　このことを伝え忘れていたクラウニーは後でお仕置きするとして、この状況を打破するにはケロ次郎の覚醒を待つしかない！」

　彼女にはそう伝える。

「ほう、この中で1番弱いであろう蛙人の少年に任せると言うのか？」

「馬鹿言ってんじゃね！　1人だったらあっという間にやられちまうだろう！　だかとクラウニーとリウでお前を削りながらケロ次郎に経験値を積ませる。　そして覚醒すれば勝利は目前だ！」

「覚醒などとありもしない奇跡は起こらない、ここでお前たちは全員私が始末しよう」

「ありもしない軌跡かどうかはやってみなくちゃ分からねだろ？」

　俺の言葉に眉を動かすフラス。

　啖呵を切った俺は早速物陰に隠れながらリウに命令をくだすのだった。